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オーバーホライゾン

【おーばーほらいぞん】

ジャンル シューティング
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売・開発元 ホット・ビィ
発売日 1991年4月26日
定価 6,800円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント 武器のカスタマイズにより破壊しまくる爽快感は特筆モノ
オプションの配置までカスタマイズできる
さすがはファミコン後期だけあってグラフィックは美麗


概要

1991年4月にホットビィが発売したFC用ソフトで横スクロールのシューティングゲーム。
ゲーム内容はオーソドックスなタイプではあるが、パワーアップや武器の性質などをカスタマイズできる特徴がある。


ストーリー

宇宙歴1970年10月17日
スペースアドレス135A地点において異常な生命反応が確認された。
生命体は体内部からエネルギーを放出しながら成長し、そのエネルギーは生命体の成長とともに増大していった。
アルファロス連合政府はこのエネルギーを利用する事を計画、実験データを得るために惑星エリーザに生命体を保管した。
しかし、実験を開始して1ヶ月後、アルファロス連合政府は惑星エリーザを生命体ごと破壊してしまった。連合政府はこの生命体がこのまま成長を続ければ、アルファロス星系ごとのみこんでしまうほど強大な生命体になる事を知ってしまったからである。
反連合組織ガンマは、この突然の惑星破壊に疑問をいだき、惑星エリーザを調査した。ガンマは生命体の一部を手に入れ、再び生命体を復活させた。そして生命体の正体を知ったのだった。
ガンマはこの生命体を軍事目的に利用、政府軍をしのぐ軍事力を手に入れた。かくして、ガンマは政府に対し宣戦布告、惑星間戦争が始まった。
生命体カサンドラを利用して開発された巨大宇宙戦艦サブリナの主砲トールハンマーの威力はすさまじく、連合政府は敗戦の一途をたどっていた。
復活したカサンドラを再び滅するため、アルファロス連合は、対カサンドラ高速戦闘機ミカエルを開発、ミカエルを敵宇宙戦艦サブリナへと向かわせるのであった!!

(取扱説明書2・3頁より引用)


特徴

  • 横スクロールのシューティングで、ステージの最後にいるボスを撃破することで次のステージへ進めるスタンダードなスタイル。
    • 全6面で周回なし。その場復活制でコンティニューは無制限。

ゲーム本編

  • ビームは前後に撃てる。
    • Aボタンで前に向かって発射、Bボタンで後ろに向かって発射する。
    • ボタン押しっぱなしである程度の連射に対応している。
  • セレクトボタンで自機のスピードを4段階に変更可能。
    • デフォルトは2速でボタンを押すたびに加速、4速からは1速になるまではボタン押しで減速するといった往復で加減速する方式。
    • 加速時は自機の後方、減速時は自機の前方からバーニアのエフェクトが出るが、『イメージファイト』のような攻撃判定はない。
  • アイテムは「ユニッタ」という名前の、いわゆるアイテムキャリアーが落とす。
    • アイテムの種類は「オプション」と「パワーアップチップ」と残機が1増える「1UP」の3つ。
  • スコアによる残機エクステンドは初回10万点、以降は20万点ごとに発生。

オプション

  • 類型としてはコナミのACSTG『サンダークロス』のオプションと、アイレムの『R-TYPE』の「フォース」の特徴に近い。
    • 最大で2つまで付けることができ、自機の移動と並行して移動し、攻撃も自機の発射と同調する。
    • 『R-TYPE』のフォースと同様に、ミサイルとレーザー以外の敵弾をオプション自身の体当りで消すことができるが、敵自体への攻撃判定はない。
    • オプションの配置は自機に対して常に固定だが、後述の「EDIT MODE」で、その自機に対してのポジショニングを2パターン分決めることができる。
      • その2パターンはA+Bを長押しすることで切り替えが可能。

パワーアップチップ

  • 「L」→「H」→「B」→「L」の順番に時間経過(約1秒)で変化する。
    • 取った種類の武器を装備することができ、同種のチップを続けて取得することで最高3段階までパワーアップする。
      • 1段階目は自機のみが発射し、2段階目は同等の武器がオプションからも発射されるようになる。3段階目は自機・オプションともに攻撃判定や連射数が強化される。
      • パワーアップ段階は他の武器に変更しても反映される。
  • 「L」(レーザー)
    • 耐久力の無い敵を貫通する強力な直進ビーム。3段階目は単射になるものの、ビームが太く長くなる。
  • 「H」(ホーミング)
    • 追尾性のある砲弾で、敵に反応して追いかけていが、赤色の敵に対しては追尾が効かない。3段階目は2連射になる。
  • 「B」(ボンバー)
    • 直進弾だが、『グラディウスII』のスプレッドボムのように着弾点で爆発して広範囲にダメージを与える。3段階目は2連射になる。

EDIT MODE

  • タイトル画面で「EDIT MODE」を選択すると、武器の特性や前述のオプションの配置を決めることができる。
  • オプションエディット
    • 自機を中心とした9×9の81マスの中で、オプションの配置パターンを2通り決める。
      • 「A(1A・2A)」は最初に取ったオプション、「B(1B・2B)」は2つ目に取ったオプションの位置になる。
      • 「2A」「2B」は一度A+B長押しで切り替えた位置(1A→2A・1B→2B)。
  • ウエポンエディット
    • 「L」(レーザー)「H」(ホーミング)「B」(ボンバー)に、それぞれ各要素を付加して複合的な武器を作り出すことができる。
    • 各要素は上記と同じ3通りで5ポイントまで振り分けられる。基本要素には、それ自身を付加できない(レーザーにレーザー要素など)。
    • 「L」(レーザー)
      • ポイントを割り振るほど貫通力が高くなる。
    • 「H」(ホーミング)
      • ポイントを割り振るほど追尾性が高くなる。
    • 「B」(ボンバー)
      • ポイントを割り振るほど着弾時の爆発範囲が広くなる。
  • テストモード
    • 簡素なゲームで上記のオプション配置や、カスタマイズした武器をテストできる。基本的な操作などは本編とまったく同じ。
    • このモードでは何もない宇宙空間のみをひたすらプレイし、アイテムキャリアが頻繁に出現するので、自分でカスタマイズした武器のやオプションの使い勝手を思う存分テストできる。
      • 終了する場合はスタートボタンを押す。

評価点

  • カスタマイズの幅広さ。
    • 同じ武器でも要素を振り分けて自分に合ったスタイルを作ることができる。
      • そのため同じ武器であってもサブ特性の付け方次第で、まるで別物に感じられる。
    • オプションの位置も広い範囲で2パターン分設定でき、切り替えもしやすい。
      • これが特に自由度が高く、縦配置、横配置、斜め配置などプレイヤーの好みを存分に反映できる。
    • テスト用のモードまで用意されているため、大まかな性能やプレイ感覚は事前につかむことができる。
      • ゲームオーバーになってもコンティニューをする前にエディットすることで、失敗に思えたカスタマイズの修正や各ステージの特徴に合わせたカスタマイズをすることも可能。
        --全体的な難易度は決して易しくはないが、このエディットでプレイヤーの理想の形を見つける甲斐もあり、ツボにハマれば攻略もしやすくなる。
        これはシューティング初心者やシューティングにブランクがあるプレイヤーにも優しい導入になっている。
  • 圧倒的な爽快感。
    • エディット未使用のレーザー、ホーミング、ボンバーでも弾速が速くガンガン破壊していける爽快感がある。
      • そこに加えて、上記のカスタマイズ機能により自分らしい破壊を促進する形が作れるため、勢いに乗った時の撃ちまくって破壊するスピードは相当なものになり、より一層それを高めている。
  • 前後に自在にショットを発射できる。
    • これまでの一般的なシューティングにおける後方、または前後同時のショット発射は『グラディウスII』や『スターソルジャー』などのように自機のパワーアップが必要だったり、そもそも実装されていないものが大半であったが、本作ではショットを撃つ方向を前後自在に切り替えられる。
      • そのため、どちらに撃つかの判断力もプレイヤーの見せどころ。もちろんホーミングやエディットで誘導性を付与した別の武器を使用することで、後方に撃たなくてもある程度カバーすることはできる。
  • 良好なグラフィックと個性的な各ステージのギミック。
    • ファミコン末期の作品だけあって、グラフィックのクオリティは高品質。ステージ1の植物が生い茂った地形を見るだけでもそれが実感できるようになっている。
    • 各ステージには下記のような個性的なギミックがあり、プレイヤーを飽きさせないように作られている。
      • ステージ1は地形と誤認させるような植物がステージ中の地形を覆いつくしている。
      • ステージ2のシャッターはスイッチを破壊することで道が開いたり、逆に閉ざされたりといったギミックがあり、スイッチを破壊するタイミングを考えさせるパズル的な要素がある。
      • ステージ3は『倉庫番』のように氷のブロックをショットで動かすことで、パズル感覚で道を切り開いたりブロックで敵を押し潰すことができる。
      • ステージ4はマグネットハッチが磁力を帯びた岩石を引き寄せたり反発させたりするほか、岩石や石像に擬態した砲台が出現する。
      • ステージ5は背景に滝や水流が描かれているが、ただの背景ではなく自機を下や横方向に押し流すギミックになっている。
      • 最終面のステージ6は強制スクロールのシューティングでは珍しいワープゾーンによるループ構造があり、ほかには固定1画面の部屋を移動する場所がある。
  • BGMやSEも非常に良い。担当者は『ファンタジーゾーン』のFC版や『マイト・アンド・マジック』のFC版などを手掛けた岩田匡治氏。
    • BGMはSFチックで、しかもシューティングらしく軽快なハイテンポで非常に雰囲気に合っている。
    • SEもやはりこの時期だけあって、特に爆発に関してはその効果音まで爽快。

問題点

  • 主にステージギミックによる初見殺しの要素が強い。
    • ステージ2のシャッターはスイッチを破壊した後にもたついてると、進行方向のシャッターが閉じてしまいミスが確定してしまう。
    • ステージ5の滝・水流は強制移動の勢いが強く、慣れないと地形接触ミスが起きやすい。
    • ステージギミックの他にも、敵が後方から高速で体当たりしてくることが多く、敵の出現パターンを把握していないとやられやすい。
      • 常時後方に攻撃できるためか、後方から敵が出現するケースが当時の他のシューティングゲームよりも多くなっている。
  • ミス後のパワーダウンが激しい。
    • 初期状態まで戻されるうえ『沙羅曼蛇』のマルチプル回収のような救済要素がなく、各ステージ道中のアイテムキャリアーの出現数も多くて10体前後のため、途中でミスするとフルパワーでボスと相対するのが難しくなる。
    • ボス戦中にアイテムキャリアーも出現しないため、ボス戦でのミス後は初期状態で耐久力が高いボスとの戦いを強いられる。
  • オプションの前後配置の場合、画面外に出てしまうと効力を発揮しない。
    • 敵の弾を消すことはもちろん、画面の外に出てしまったオプションからは攻撃が発射されない。
    • そのため、横や斜め配置の場合はそれを視野に入れなければならない。特に前後で自機と離しすぎてしまうと、そのオプションが実質機能しないことが多々発生する。
  • テストモードの不備。
    • 耐久力のある敵が出現しないため、「レーザーにボンバーの性質を付与*1」した場合の特性がテストモードでは判らなくなってしまっている。
  • 敵が複数出現すると処理落ちによるゲームスピードの低下やキャラクターのチラつきが発生しやすくなっている。
  • スコア・残機数がポーズをしないと確認できない。
    • リアルタイムでスコアを常時確認できないため、シューティングゲームの醍醐味であるスコア稼ぎの楽しみが薄れてしまっている。
  • ボスの爆発エフェクトも凝っているのだが、同時に起こる画面フラッシュがやや激しく、刺激が強いものになっている。
    • また、ステージが進むごとにボス撃破後のボーナス点の加算にかかる時間が増え、最終面では20秒ほどかかってしまう。
  • ボス戦に時間制限が無く、ボスが出すザコ敵で点数が加算されるため、一部のボスで永久パターンが成立してしまう。
    • また、最終面のループ構造を悪用しての残機稼ぎや永久パターンも可能。

総評

何よりも際立つのはカスタマイズで同じパワーアップでもポイントを振り分けて自分らしくアレンジが加えられ、オプションの配置まで自分好みに設定できるなどプレイヤーの適性に応じてやりやすくでき、さらにそれをテストできるモードまである。
元々連射にも対応しており、上記のような自分好みの扱いやすい武器を設定することで破壊効率をより一層上げられるなど、シューティングの醍醐味たる爽快感は抜群で文句のつけようがない。
加えてファミコン後期らしくグラフィックやサウンドも洗練されており、スーパーファミコン発売直後かつファミコンのシューティングが下火な時代で、こうした作品が埋もれてしまったことが惜しまれるほど。
前述の通り複雑なステージギミックなど難しい要素は多々あり一筋縄ではいかないが、抜群の爽快感に支えられモチベーションを保ちやすく気持ちよくチャレンジできることだろう。


移植

  • 2025年7月31日にメビウスより発売されたSwitch用パッケージソフト『鋼鉄帝国-STEEL EMPIRE-クロニクル』及び同年同日に配信開始されたSwitch用ダウンロードソフト『鋼鉄帝国クラシック』に本作が収録されている。

余談

  • 本作のエンディング後、約30秒間待つと次回作を示唆するようなデモシーンが始まる。
    • 本作の続編は未だに発売されてはいない。
  • 本作のディレクターは『インセクターX』のファミコン版移植を担当し、後にメガドライブの『鋼鉄帝国 スティールエンパイア』を手掛けた「佐ぶ*2(佐武義訓)」氏が担当した。
    • ゲーム誌『シューティングゲームサイド』のVol.5において、本作についての同氏のインタビュー記事が掲載されている。
最終更新:2026年09月20日 17:19

*1 耐久力のある敵や地形への着弾で爆発し、耐久力の無い敵は爆発せず貫通するようになる。

*2 本作のスタッフロールではSABU表記。