【ふぁいあーえむぶれむ ふうかせつげつ】
ジャンル | シミュレーションRPG | ![]() |
対応機種 | Nintendo Switch | |
発売元 | 任天堂 | |
開発元 |
インテリジェントシステムズ コーエーテクモゲームス |
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発売日 | 2019年7月26日 | |
定価 | 6,980円(税別) | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ |
本編:25個(*1)+1個(オートセーブ専用スロット) サイドストーリー:3個+1個(オートセーブ専用) |
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レーティング | CERO:B | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
戦乱の悲惨さを生々しく描いた重厚なストーリー 緻密な世界観とキャラクター設定 「騎士団」「計略」システムを実装し、より戦争らしい内容に 従来と大きく異なる育成システム |
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ファイアーエムブレムシリーズ |
30年以上の歴史を持つ大作SRPG『ファイアーエムブレム』シリーズ第16作(*2)。据え置き機としては、12年前に発売された『暁の女神』以来となる。
本作ならではの大きな特徴として、士官学校を舞台としており、主人公がその教師として活躍するというものがある。
本作は企画内容を任天堂、開発の大部分は『ファイアーエムブレム無双』でコラボを組んだコーエーテクモゲームスが本編の開発に参加しており、長年戦記物ゲームを手掛け続けてきたシブサワ・コウ ブランドのスタッフなどがシナリオを担当している。
ストーリー
「フォドラ」と呼ばれる大地。
世界は突如として現れた邪神によって脅かされるが、立ち上がった解放王「ネメシス」と
女神より与えられた「英雄の遺産」を手に戦う十人の英雄「フォドラ十傑」によって危機は退けられた。
しかし、やがて驕りたかぶったネメシスは、フォドラ十傑とともに女神に対して反旗を翻し、
女神が差し向けたとされる聖者「セイロス」と、その仲間である「四聖人」によって討ち果たされる。
当時の強国「アドラステア帝国」の建国に携わっていたセイロスは、四聖人と、投降したとされるフォドラ十傑の末裔を束ねて、「ガルグ=マク」を総本山とした「セイロス教」を興す。
やがてアドラステア帝国から「ファーガス神聖王国」と「レスター諸侯同盟」が分離するが、それぞれの勢力は相争うこともなく、長い平和の日々が続いていた。
時は流れ、帝国暦1180年。
かつて大陸全土にその名をとどろかせた騎士「ジェラルト=アイスナー」は、現在は傭兵として活動していたが、ある日セイロス教の総本山である「ガルグ=マク大修道院」に併設された士官学校に通う3人の若者に助けを求められる。
ジェラルトは、自らの子供と共に3人に助力し、彼らを襲撃した盗賊を退ける。
若者たちはそれぞれ、アドラステア帝国の次期皇帝「エーデルガルト=フォン=フレスベルグ」、ファーガス神聖王国の王子「ディミトリ=アレクサンドル=ブレーダット」、レスター諸侯同盟盟主の孫である「クロード=フォン=リーガン」と名乗り、かつてジェラルトの従者であった騎士「アロイス=ランゲルト」と共に、ジェラルトたちを修道院へと招く。
果たしてジェラルトは騎士に復帰し、彼の子供は、「黒鷲の学級(アドラークラッセ)」、「青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)」、「金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)」のうちの学級の内の一つを受け持ち、彼らが一人前の騎士として育つよう指導する事となる。
しかしこのことが、7年近くにも及ぶ凄惨な殺戮劇の幕開けであることは、この時は誰一人として気づくことはなかった。
特に注記がない限り、本項ではゲーム本編のシステムについて解説する。 (Ver.1.2.0にて追加コンテンツとして配信されたサイドストーリーには一部に本編と異なる部分がある)
+ | 黒鷲の学級 |
+ | 青獅子の学級 |
+ | 金鹿の学級 |
+ | ネタバレ注意 |
製作発表時こそ、学園要素というFEらしからぬ概念が賛否をもたらしたが、後に二部構成であることと、かつての味方同士で相争うという要素が明かされると、ファンの期待も一気に高まった。
そして現実の戦記をもとに、複雑に絡み合う戦争のシナリオを長年扱ってきたコーエーテクモゲームスが開発に携わる事で、今までにないほど、悲愴でリアルな戦争描写がなされている。
キャラクターや世界観、時代背景の推移などの描写も緻密に描かれており、新規プレイヤーやライトゲーマーと従来からのシリーズファンとの間で賛否両論とする所が多かった『覚醒』『if』から一転してシリーズ屈指の良作と言える優れたシナリオとなった。
難易度も、「ノーマル」「ハード」は従来より易しめだが、「ルナティック」は相応のてごわいシミュレーションとしての歯ごたえを楽しめる。
これらの要素が絡み合い、シリーズのファンを喜ばせただけにとどまらず、戦記モノを好むユーザーにオススメの一作となっている。
*1 '19/11/08のVer.1.1.0アップデート適用後。初期は5個
*2 コラボレーションやソーシャルゲームを除く
*3 行動開始時、レベルアップ時、戦闘不能時などに言葉を発することはある
*4 一方で、重装タイプだと回避が下がる、魔法兵だと物理攻撃力が下がるなど、マイナス補正がかかる場合もある。
*5 ただし、槍を装備していると剣を装備した敵に対して命中回避にプラス補正を得られる「剣殺し」などといった相性スキルが擬似的にそれを再現している
*6 好物の茶葉を選択すると3問以上正解に緩和される
*7 一人のキャラを自室に招きタッチペンで顔を触って好感度を上げるという前々作の『if』のシステム。
*8 一部の強敵はより軽減率が高いものもある
*9 本作の一部の武器・戦技に存在する。特効が防御力減算前の威力3倍なのに対し、有効は威力2倍。
*10 味方がすべて範囲から逃れた場合、移動して通常攻撃をするが、障壁は復活する。
*11 「幸運」の値+装備中の武器or魔法に対応した「武器術」に応じて5~10が基本的な必殺回避
*12 外部要素としてはいずれのルートでも加入チャンスのある「マヌエラ=カザグランダ」が持つ個人スキルで隣接しているキャラが10%補正されるのみ。補助装備として必殺そのものを無効化するアイテムも存在するが、入手タイミングが比較的終盤且つ貴重品であり、ルート次第ではそもそも入手機会すらない場合がある
*13 「回避」が上がる戦技を使用すると必殺回避も同じだけ上がるという隠し仕様も一応存在する
*14 前作『Echoes』にもあった仕様。ただし距離3以上への攻撃では命中率が段階的に低下するという弱体化はされている
*15 合格率は受験するキャラクターの幸運パラメータに応じてわずかに上がるという隠し仕様が存在する
*16 行動できず飛ばされる日は除く
*17 クラスにこそなれないが、アップデートで衣装のみ着る事は可能になった
*18 主人公のみ「相手が会いたがっている」「様子が気になる」という形で平日にイベントが起きる事がある
*19 主人公と級長、など
*20 持たせたアイテムは消滅する
*21 所謂ジェイガン役。成長率が低いが高ステータスで序盤の救済役として特に高難易度では重宝される。
*22 前々作にあたる『if』においても「設定・シナリオにおいて導入する必要性がない」「大元のゲームシステムとの擦り合わせが不十分」と疑問視する意見が目立っていた。
*23 1部の模擬戦で対決することがあるのみのマリアンヌを除いた全員と戦争で向き合うため、自軍によって殺害される可能性がもれなく生まれる
*24 第一部でスカウトをせずに、第二部で説得して加入させられるのは一名のみ。キャラとルートによってはスカウトしていても第一部クリア時点で一時離脱し、敵に回ったところを撃破することで、改めて仲間にするか選択することが出来る
*25 例を挙げると、「また生き延びられた。また殺した!」(ベルナデッタ)、「人殺しの経験が私を成長させる……」(ドロテア)、「これだけ殺ってりゃ強くもなるさ……」(クロード)といった具合。
*26 ボス自体は銀雪、紅花で共通しているが、性能が微妙に異なる
*27 修道院やシナリオデモでの会話のみの登場で、ユニットとして使用はできない。
*28 ただし、ルナティックでは、一部のマップの難易度が極めて高くなる。
*29 マリアンヌは明らかに1部よりポジティブな性格となっている。
*30 素性が明らかでないなどといった理由で、苗字が明かされてないユニットもいる
*31 かつての教え子はもちろん、ルートによっては自分たちに牙を剥いてきた村の少女(正体は復讐を目的に接近していた暗殺者ではあったが)ですら斬り殺す描写も存在する。
*32 クラシックモードでプレイした場合、彼らがロストすると敗北になる
*33 該当すると思われていたメトジェイやバジャルドも、のちのDLCなどでその背景が補完されている。
*34 特定のマップで、敵に進入されるとアイテムが入手できない、といったものはある。
*35 余談の『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』に多数のキャラを押しのけて背景出演を果たしたり、公式ドラマCDでも級長3人と共に「門番」名義で出演していたりと、その根強い人気は窺い知れるだろう。そしてついにはヒーローズの第5回英雄総選挙で、全キャラクター中1位という凄まじい結果を叩き出した結果プレイアブル化されてしまった。
*36 中でも、仲良くしていた平民が行方不明になったことは、彼女に深いトラウマとして刻まれている。これについてはDLCで核心が補完される。
*37 本作でも女を見れば即座に口説くシルヴァンや、やたら引きこもりを主張するベルナデッタもいるが、それぞれにバックボーンが緻密に用意されているため、進めていくうちに単なるテンプレキャラではない事がわかるようになっている。
*38 喧嘩をしている時期に二人を誘うと反応が互いに余所余所しくなったり、逆に支援会話で仲直りをしていると互いに嬉しそうな反応をするといった具合
*39 日常的な学園生活を送る第1部の時点では前者のみ。戦火が大陸全土に広がる第2部から後者に変化する流れで、日常→戦争への変化を際立たせる要素ともなっている。
*40 竜族の血などといった、紋章のカギを握る重要な系譜
*41 紋章は2周目以降に入手できるアイテムで擬似的に与えることが可能
*42 そのためかこちらには難易度ルナティックが設定されていない。ただし本編のルナティック程極端ではないとはいえ、敵の兵種に応じてスキルが追加されるなどの強化がされている。
*43 「ハード」以下では1マス離れる毎に命中率が20低下するが、「ルナティック」では「ハード」時の補正値から更に10低下し、敵の能力上昇の影響からかなり命中させにくくなる。敵軍も同じ条件だが、基本的にはプレイヤー側がより不利を受ける機会が多い。
*44 「黒鷲の学級」では、「紅花の章」はほかのルートと流れがまったく異なるため会戦自体が存在せず、「銀雪の章」では自軍が3国の争いと無関係になっているため参加しない。
*45 戦闘開始前に、同盟に対して休戦を試みる描写があるが、帝国の工作で失敗している。
*46 紅花の章では後日談で打倒、蒼月の章では彼らが与する帝国と戦ううちに大損害を負わせている形であり、結果的には自軍の活躍で壊滅している。
*47 帝国の主要人物であるエーデルガルトとヒューベルトは彼らを嫌っているが、利用価値があることからやむなく彼らと手を結んでいる。
*48 元生徒の撃破が勝利条件に含まれていない場合に、交戦を避けてステージクリアする等
*49 特に速さの成長率ではソードマスター+20%、エピタフ-10%と30%も差があるので無視できない
*50 今作の回復量10は魔力30に相当するのに対し、「ビショップ」と「グレモリィ」の魔力差は3と回復量は目に見えて変わる。ただし射程が魔力の大きさに依存する「リブロー」など魔力自体が高い方が都合がよいこともある
*51 剣と斧の両方が条件となるクラスがない。
*52 ダークビショップに就く際は二つ必要。
*53 強敵である死神騎士のドロップアイテムとして複数入手可能である程度。他はイエリッツァが加入時に一つ所持しているのみ。
*54 戦闘で馬術を上げるには、「ソシアルナイト」や「パラディン」になる必要があるため、重装職や魔法職から上がる場合は指導で技能ポイントを稼ぐ必要がある
*55 行動せずに待機したとき、次の敵ターン終了まで回避が15アップ。30アップする上位版「警戒姿勢+」も存在
*56 兵種によっては、普通に育成した味方ユニットでは到底及ばない速さに達している場合があり、誰も追撃できないどころか全員追撃を受けてしまう場合も多い。
*57 同じく巻き戻し機能のある次回作では、増援即行動が全難易度で廃止された
*58 重装職と異なり、数値そのものにはマイナス補正がかからない。
*59 騎兵はこのコマンドにより最大移動力が下がるが「速さ」が一時的に上がるというメリットがある。ただし成長率に作用する兵種補正値が変わるわけではない
*60 騎乗中に一部を除く各種行動後、未消費の移動力が残っていればその分移動できる兵種スキルで、今作の騎乗/飛行兵種は全て所持している
*61 ペガサスといえば守備の低いユニットが多かったが特に守備にマイナス補正はなく、最上級のファルコンナイトは成長率合計トップタイですらある
*62 飛行タイプ兵種は飛行系の騎士団・副官しか付けられない。逆に飛行タイプの副官や騎士団を歩兵キャラに付けることは可能。
*63 「天才」持ちのリシテアも格闘が苦手なため、他と変わらない。
*64 武器耐久を5消費する代わりに射程が最大3マス分延長される戦技。
*65 発生させようとすると「絆を深める機会を逃してしまったようだ」という専用ダイアログで通知される
*66 当然、片方しか仲間にしなかった場合は喧嘩別れになってしまう
*67 紅花の章を選ぶとフレンが、銀雪の章を選ぶとエーデルガルトとヒューベルトが離脱。
*68 ちなみにアティは『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』において、『覚醒』の主役キャラであるクロム・ルキナと共演している。
*69 もっとも、インビジブルキングダムにも、仲間に入れられず命を落とすキャラは数名存在する。
*70 任天堂ディレクターの横田弦紀氏は大団円を肯定していたが「『if』と同じようなことをしてもな…」と二番煎じになる回答をしている。