スーパーファイヤープロレスリング X
【すーぱーふぁいやーぷろれすりんぐ えっくす】
ジャンル
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プロレス
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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32MbitROMカートリッジ
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発売・開発元
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ヒューマン
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発売日
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1995年12年22日 プレミアム版:1996年3月29日
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定価
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11,900円 プレミアム版: 8,000円
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書換
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ニンテンドウパワー 1997年9月30日/1,000円/F×8・B×16
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判定
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なし
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ポイント
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グラフィック偏重
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ファイプロシリーズ
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概要
国内最大のプロレスゲームシリーズ『ファイヤープロレスリング』(通称『ファイプロ』)シリーズの一作。
前々作『3 ファイナルバウト』での最終作宣言を撤回して発売された『スペシャル』の続編でスーファミでのシリーズ最終作として発売された。
ファイプロシリーズとは
『ファイプロ』シリーズの特徴的なシステムは、
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レスラーエディット機能により、オリジナルレスラーを自分で作ることも可能。本作未収録の実在レスラーを作ったり、他社プロレスゲームのキャラの再現なんてこともやればできる…はず。
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リングの視点がプレイヤーと平行ではなく、斜め45°にずらして配置されている(つまり□ではなく◇)。
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投げ技などは選手同士が一定の距離まで間合いが詰まると自動的に組み合いになり、そこでタイミングよくボタンを押すことで出す。
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Yボタンで小技・Bボタンで中技・Aボタンで大技を出す。大技になるほど相手にダメージを蓄積させないと極らない。
ゲームモード
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ワールドチャンピオンシップ
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隠しレスラーを除く全てのレスラーと順に試合をしていくおなじみのモード。COMの難度は徐々に上がっていく。
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全てのレスラーを倒すと「タイトルマッチ」モードが開き、今度はそこで隠しレスラーおよびHWF(サターンで出たブレイジング・トルネードのオリジナル選手たち)のレスラーと戦うことになる。これもクリアすると隠しレスラーや隠し技が使用可能に。
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ワンナイトドリームマッチ
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好きなレスラー、好きなルールで試合を行う対戦モード。
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ハイパーバトルロイヤル
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4人が入り乱れて戦うモード。今作では負けた選手は順次退場するようになった。
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エキサイティングトーナメント
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好きな組合わせで16チームまでのトーナメントを行うことができるモード。今作では一人で勝ち進むシングルプレイは無くなった。
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メガファイトリーグ
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同じく好きな組合わせでリーグ戦を行うことができるモード。今作では登録は最大32チームにまで。
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イリミネーションマッチ
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今作で復活した5対5の勝ち抜き戦を行うモード。チームは最初から用意されているが、好きに編成してそのチームをセーブすることも可能。
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レスラーエディット
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オリジナルレスラーを作ることができるシリーズおなじみのモード。衣装のレイヤーの有無などを設定して外観をかなり細かく設定することが可能になった。また必殺技の指定も可能に。
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ただしビクトリー武蔵(アントニオ猪木モデル)のインディアナデスロックのみ不可。これはミスや容量都合ではなく「あの技を猪木以外が使うのは考えられない」というこだわりから敢えて外したとのこと。
評価点
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今回はアクションにそれほどの追加はないが、グラフィックがリアル路線へと大幅に変更された。
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レスラーの足下に影が付いた。ただし処理落ちも大きくなる。タッグマッチやバトルロイヤルでは特に。
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防御のパラメーターに「首」「腕」「脚」各部の耐久度という概念が加わった。
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これにより、身モデルの選手が過去に膝を故障している場合に脚の耐久度が低いという設定が可能に(一部では、前作の冴刃強すぎる問題へのアンチテーゼと言われている)。
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クリティカルの種類が変更。
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新たに「パワー」が追加され、スリーパー型のクリティカルもグラウンドに変更され対象技が増加、サブミッションは細分化から逆に1種類に簡素化。また、属性の付いた技が必殺技なら誰でもクリティカルを狙えるようになった。
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以前にACで稼働しSSにも移植された作品『ブレイジングトルネード』の架空レスラーが本作にも登場。しかし、グラフィック性能の関係上、アーケード版やサターン版と比べてこれじゃない感の強い絵だったりする物も(既存技のパレットの流用が多い)。
問題点
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レスラー数は、前作の105人から104人とほぼ横這いになっているように見えるが、HWFレスラー9人が…。
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ドット絵をゼロから書き直した結果、削られた技やレスラーも多い。エディットモードを駆使して作るということできなくないが。
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評価点で述べた『ブレイジングトルネード』の追加選手についても、完全に架空のレスラーである HWFレスラーを出すより既存の名レスラーを消さずに出せという批判が多かった。
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処理落ちが酷い。スーファミの限界といえばそれまでだが、タッグマッチやバトルロイヤルで、足元の影表示ありでプレイはスプライト欠けがひどくてとてもプレイは…。
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クリティカル発生頻度の差が激しすぎる。
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特に上記の「パワー」は新規追加されたとはいえ、それでの発生率は極端に低く発生すればラッキーという程度。打撃や関節技とはその発動率が比べ物にならない。
総評
本作はスーファミでは最後と謳い、スーファミの性能の限界まで使い切り制作された作品で、快適さの部分がイマイチという評価だが、後のシリーズの原型となる土台が新たに作り起こされたという点がポイントで、一概に良ゲーか否かは評価できない。
その後の展開
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ヒューマンは同時に次世代機PSでも『アイアンスラム 96'』を発売したが、「収録選手少ない、エディットモードなし」という点で不評。
アイアンスラムの発売から2週間後(本作の発売から3ヶ月後)にバグフィックス、細部のバランス調整、エディットモードセーブ枠拡大などを施した『X プレミアム』が発売。
ファイプロシリーズ正当進化版はサターンで「6メンスクランブル」が発売された。
余談
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本作で初登場のレスラー「ストロング信濃」のモデルは坂口征二なのだが、彼がジャイアント馬場モデルという誤解されたこともあった。
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言うまでもなくジャイアント馬場モデルのレスラーは4年前のシリーズ作品『スーパーファイヤープロレスリング』で既に登場している「グレート司馬」である。以後は権利関係の問題から本作を含めてシリーズ作品では登場せず単発登場に終わっている(後述の「太平洋プロレス」の創始者ということで一応設定上では残っている)。
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本物の坂口も馬場ほどではないが196cmと充分大柄な体つきで面長なことからゲームキャラ程度のサイズに落とし込んだならうり二つなデザインになっても何らおかしくない。また猪木モデルの「ビクトリー武蔵」とのタッグもデフォルトで登場しており、猪木と坂口の「新日本黄金コンビ」もプロレスファンに対しては充分知名度は高いのだが、そこまでプロレスに興味のない一般人からも高い知名度を誇る馬場と猪木のコンビ「B・I砲」と比べると大きく劣るため、見た目だけを見ると馬場と猪木の先行印象を受けるのも無理はない。
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片やストロング信濃はゲーム中でのレスラーの並びでビクトリー武蔵とともに新日本プロレスがモデルの「新世界プロレス」の中に入っていることなどもあって「馬場にしてはおかしい」と思える部分もあるにはある(全日本プロレスモデルは「太平洋プロレス」)。
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やはり猪木と並び日本でのプロレスの看板的存在であることをはじめプロレスに興味のない人に対しても知名度が高いこともあって「馬場ほどの超有名なレスラーが入っていないとは考えられない」「知名度の高い馬場をなんとか登場させたくて名前を変えて再登場させた」という印象を与えやすいことも、このような誤解を生んだ要因だろう。
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XとXプレミアムは、当時のオンラインゲームサービス「X-BAND」対応タイトルで、シリーズ初のオンライン対応タイトルだった。
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スーパーファミコンのシリーズ作品では他が下位互換なこともあってかニンテンドウパワーのローンチとして再発売されたのは本作のプレミアム版のみである。
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また本作はFブロックもBブロックもすべて使い切る数少ないソフトでローンチでは唯一である。
最終更新:2023年08月27日 13:45