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スーパーファイヤープロレスリング スペシャル

【すーぱーふぁいやーぷろれすりんぐ すぺしゃる】

ジャンル プロレス
対応機種 スーパーファミコン
メディア 32MbitROMカートリッジ
発売・開発元 ヒューマン
発売日 1994年12月22日
定価 11,500円
判定 良作
ファイプロシリーズ


概要

プロレスゲームシリーズ『ファイヤープロレスリング』(通称『ファイプロ』)シリーズの一作であり、
SFCで発売された『スーパーファイヤープロレスリング』シリーズ中においては、『3 ファイナルバウト』での最終作宣言を撤回して発売された。
ディレクター、およびチャンピオンロード(後述)のシナリオは現「グラスホッパー・マニファクチュア」CEOの須田剛一。
氏のシナリオデビュー作でもある。

ファイプロシリーズとは

『ファイプロ』シリーズではいくつか独自性の高いシステムを採用している。

  • レスラーエディット機能により、オリジナルレスラーを自分で作ることも可能。この機能を用いてゲームに収録されていない実在レスラーを自ら作成したり、他社ゲームのプロレスキャラを再現しようとする者もいる。
  • リングの視点がプレイヤーと平行ではなく、斜め45°にずらして配置されている(つまり□ではなく◇)。
  • 投げ技などは選手同士が一定距離まで間合いが詰まると自動で組み合いになり、タイミングよくボタンを押すことで出す。
    • 本作ではYボタンで小技、Bボタンで中技、Aボタンで大技が割り当てられている。大技になるほど相手にダメージを蓄積しないと極まらない。

本作ではプロレスファンであるディレクターの須田氏による指揮の元、大きな変化を遂げている。詳細は評価点を参照。

ゲームモード

  • ワンナイトマッチ
    • ワンマッチ
      • 好きなレスラー、好きなルールで試合を行うモード。
    • バトルロイヤル
      • 4人が入り乱れて戦うモード。負けてしまってもそのまま試合を続けることができる。
    • グルーサムファイティング
      • アルティメット大会(のちのUFC)が元ネタのロープと場外が存在しない八角形の金網リング内で戦うモード。決着はKOとギブアップのみ。
  • エディット
    • 前作から追加された、シリーズおなじみのモード。オリジナルレスラーを作ることができ、CPUが操った時の思考まで細かく設定できる。
  • トーナメント
    • 好きな組合わせで16チームまでのトーナメントを行うことができるモード。シングルプレイでは一人でひたすらトーナメントを勝ち抜いていく。
  • オープンリーグ
    • 同じく好きな組合わせでリーグ戦を行うことができるモード。前作の最大8チームからなんと最大128チームの参加が可能となったが、セーブデータの保存領域がエディットレスラーの保存領域と共有である。
  • チャンピオンロード
    • これ無しで本作を語ることはできない、シリーズ初登場のストーリーモード。クリアすることにより隠し要素が解禁される。詳細は下記。

評価点

  • SFCソフトでありながら登場レスラーが100人超え(隠しレスラーアンロック解除後)、技の数も隠し技を含めて700種類以上収録されている。
    • また、前述したとおりモードも充実している。
  • 前作以上に様々なアクションが追加され、ゲーム性が大きく進化した。
    • 「ファイトスタイル」の概念が追加。相手の中技大技に対する「返し技」がスタイル毎に違う多彩なものになり、さらにレスラーの個性が広がった。
    • 対角線ハンマースローが追加。コーナーポスト串刺しと、特に大きな威力を持つ雪崩式が可能になった。
    • 「気力」と「パフォーマンス」が導入された。
      • 気力が減少すると丸め込みでフォールされてしまったり、打撃K.Oやクリティカルサブミッションをくらいやすくなる。パフォーマンスアクションはお遊びのように見えるが、実は気力を少量回復させることができる。
    • これまではごく一部のレスラーのみが持っていた「クリティカル」が正式にレスラースキルとなり、多くの選手がクリティカルを出せるようになった。 クリティカルは、打撃、投げ(半ば強引にパワーボム系も分類)、サブミッションも、スリーパーホールドによる締め落とし、対象技と基本発生率の差異がある梶原タイプ、ヴァンタイプ、クラウザータイプがある。
  • 実況席に動きが出るようになった。
    • 隠し技を出すと驚いたり、ドロップキックのような自爆技を当てると喜んだりする。
  • チャンピオンロードの存在。
    • 「純須杜夫」(変更可能)という名の開始当初15歳の架空の青年*1を主人公とし、「若元一徹(山本小鉄)」が経営する「若元道場」に入門してレスラーを志し、幾多の戦いを経て世界選手権に優勝するという話。
    • 一見、レスラー志望の少年が夢を追いかけるスポ根ものに見えるが、その実態は後に『シルバー事件』『killer7』『ノーモア★ヒーローズ』と言った作品を生み出す須田氏のセンスが炸裂した、良くも悪くもパンク全開の前衛的・攻撃的な内容となっている。
    • 当時週刊プロレスの記者だった斎藤文彦氏を監修に招き、須田氏のエゴ丸出しのストーリーが展開されるこのモード、とにかく全編に渡って陰鬱そのものなのである。
      • ちなみに導入した理由の1つは、須田氏が上司から「好きに作っていいよ」と言われたことだったとか。
+ チャンピオンロードの内容(ネタバレ)
  • 道場の門を叩いてすぐ、若元一徹から「プロレス哲学」を聞かされる。この時点で唖然とする人多し。
  • その後道場にいた3人のうちだれか一人と戦うことになる。 ここで戦ったキャラが親友となり後のタッグパートナーとなる。
    • その3人というのが、ディック・ロード(リック・ルード)、スパイク(スティング)、ジ・アンダーグラウンド(アンダーテイカー)というとんでもないメンツ。
  • 道場を卒業すると三つの団体の内どれかを選んで所属しそこのレスラーと順に戦っていくことになるのだが、そこの看板レスラーを倒して有名になった後いつの間にか心身ともにボロボロになっている。
    • ちなみに「UWH」を選びさらに真田についていく選択肢を選ぶと、当時の「一億円トーナメント事件」を再現したドロドロの内部抗争が起きる。
  • 心身を休めるためにスイス(たぶん)旅行に行くが、そこで出会い一目惚れした女に冷たくされまた落ち込む。
  • 帰国して現実では起き得ない日本選手権に出場するが、最終的に日本マット界を追放される(プロレスならではの負けブックを飲まず決勝戦を勝とうとしたのがアカンやつという感じ)。
  • 追放された先のアメリカで伝説のレスラーの教えを受けるが、出会った先述の女を今度は自分で振ってしまい激しく後悔し飲んだくれになるという有様。その後酒場で親友と再会し、やる気を取り戻し再び戦い始める。
    + そして衝撃のラスト
  • 世界選手権に出場した純須は順調に決勝戦まで勝ち進むが、決勝での再戦を約束した親友が準決勝で相手レスラーのディック・スレンダー(リック・フレアー)に殺される。
  • そして決勝戦となるが、勝利し優勝した純須は所謂『真っ白な灰』になっていた。そして物語は三日後、その純須の拳銃自殺で幕を閉じる。
  • このように完全に人を選ぶシナリオだが、試合前のレスラー紹介シーンの文章等はさすがに秀逸で名作とする声もある。

問題点

  • 八角形リングで戦うグルーサムファイティングモードも通常のレスラーには枷にしかならず、不要という声は多い。
  • バックアップが少ない。本作はバックアップ使用領域をオープンリーグの参加チーム数とエディットレスラー数で選べる仕様になっているが、選べる比率が0:16・64:8・128:0の3種類しかなく使い勝手が悪い。
    • リーグの参加チーム数を128人にするとエディットレスラーが作れなくなる。
    • データをもっと保存したい場合、別売りのターボファイルが必要、というかエディットモード派は必須アイテムだった。
  • チャンピオンロードの陰鬱さ。
    • 高く評価する人がいる一方、その救いの無さから批判する人もいる。特に定型的なプロレスもののストーリーを期待した人にとっては愕然とする内容である。
    • 須田氏がかつて週刊ファミ通で連載していたエリアポート51で「完全に僕のエゴイズム」「明るすぎる今のプロレスは嫌い」と語っており、この暗さは意図的なものであったことが明かされている。
      • 実は開発当初はマルチエンドであり、上記のEDがバッドエンドでハッピーエンドも入れる予定であった。しかし須田氏の「人生の結末の良し悪しは第三者が決められるものではない」「(分岐という)いさぎの悪いものをお客さんに見せるなんて失礼」という考えから製品版の形になったと言う。…一理あるが、多くのゲームのあり方を否定しているのではないだろうか。
  • その他問題点
    • 「イリミネーションマッチ」(5人団体戦)が削除されてしまった。
    • チャンピオンロードでは負けた後でないとセーブすることができない。
    • 初期ロットのみ、CPUがコーナーポストに登っても決して飛ばなかったり、エディットレスラーが対角線走り攻撃をうまく使いこなせないバグがある(後者はケイブンシャの攻略本で指摘されていた)。

総評

前作『3』から様々な要素が強化された作品だが、 チャンピオンロードのシナリオの内容から、本作をシリーズの最高傑作と呼ぶ者と、チャンピオンロードの鬱々したストーリーがダメとか、以降の作品の方が遊びやすく調整されたのでビミョーと言う者とで賛否が分かれる。

参考までに、本作はファミ通のクロスレビューでシルバー殿堂の基準の30点に届かず、後の作品がシルバー殿堂入りしている点で察していただきたいが、シリーズで最も遊び手を選ぶ作品に仕上がっていた物であるとしか言いようがない。


余談

次作『X』以降はグラフィックがリファインされ、旧来のファイプロ独特の味のある見た目の作品は事実上見納めとなった。

最終更新:2022年04月07日 18:47

*1 なお、その他の登場キャラクターも実在人物をモチーフとした、或いはオリジナルの架空のもの。