ノーモア★ヒーローズ
【のーもあひーろーず】
ジャンル
殺し屋アクションアドベンチャー
対応機種
Wii Nintendo Switch Windows(Steam)
発売元
マーベラスエンターテイメント
開発元
【Wii】グラスホッパー・マニファクチュア 【Switch/Win】Engine Software
発売日
【Wii】2007年12月6日 【Switch】2020年10月28日 【Win】2021年6月10日
定価
【Wii】7,140円(税込) 【Switch/Win】2,178円(税込)
プレイ人数
1人
レーティング
Wii
CERO:D(17才以上対象)
Switch
CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定
バカゲー
ポイント
Wiiリモコン+ヌンチャク連動の爽快アクション おバカ要素が満載なイカれ気味の世界観 退屈なワールドマップとやや単調なゲーム性
ノーモア★ヒーローズシリーズ
概要
2007年にマーベラスエンターテイメントから発売されたアクションゲーム。
開発は、『シルバー事件 』や『killer7』などで知られ、極めてアクの強いゲーム性またはゴア演出を得意とするグラスホッパー・マニファクチュア。
監督・脚本は上記作品同様に須田剛一氏。キャラクターデザインは『勇者30 』や『ファイアーエムブレム 覚醒 』でお馴染みのコザキユースケが務めている。
本作はビーム・カタナと多彩なプロレス技を駆使し、10人の上位ランカーたちと死力を尽くして激しいバトルを繰り広げる殺し屋アクションである。
主人公は米国暗殺者協会(UAA)第11位の殺し屋に認定されたトラヴィス・タッチダウン。
アメリカ西海岸を彷彿とさせる街・サンタデストロイを舞台に、さまざまなミッションを受けつつ、全米殺し屋ランキング1位を目指していく。
これまで須田氏の作品はADVがメインで、アクションと言えば独自性の強いASTG『killer7』ぐらいだった。
しかしキャラゲーでは『サムライチャンプルー HIPHOPサムライアクション』や『BLOOD+ ONE NIGHT KISS』と言ったチャンバラものも手掛けている。
本作はそれらのような激しくスピーディーなアクションを氏の作る世界観で染め上げた意欲作と言える。
ストーリー
見知らぬ、マブイ女と朝まで飲んじまったのがキッカケだった。
あれよあれよという間に全米殺し屋ランキング11位に認定されちまった俺…。
早い話が、ランキング1位を目指せってことらしい。
俺の町、俺のビーム・カタナ、俺のライバル、俺の女。
こうして、イカれた俺の"殺し屋物語"が始まった。
(公式サイトより引用)
システム
ゲームシステムは極々単純。時折ミニゲームのような戦いが挟まれることもあるが、基本はWiiリモコンとヌンチャクでビーム・カタナを手に群がる敵をなぎ倒し、各ステージボスの撃破を目指す。
Aでビーム・カタナによる斬撃、Bで打撃攻撃を繰り出す。ABそれぞれ長押しでタメ攻撃も可能。両方ともWiiリモコンが上向きか下向きかによって上段攻撃と下段攻撃に変化する。
Bを2回押しでスープレックス投げ技、投げでダウン中の敵の上に立ってAでダウン攻撃、Zでロックオン&ガード、ロックオン中に十字ボタン入力で回避、①ボタンでビーム・カタナの充電モード移行、充電モード中にWiiリモコンを縦に振っての充電が基本操作となる。
相手に瀕死級のダメージを与えたり気絶している敵への投げ技に成功すると画面内にコマンドが指示され、時間内に成功させれば大ダメージを与えられる。
また、トラヴィスのビーム・カタナと敵の攻撃がかち合うと鍔迫り合いが発生。Wiiリモコンをグルグル回転させて押し勝てばビーム・カタナでの追撃チャンスが発生する。
画面右側にはビーム・カタナの電力ゲージが表示されている。攻撃を当てたりガードが発生する度に減少し、ゲージが無くなるとビーム・カタナでの攻撃とガードが行えなくなる。
敵を倒すとスロットが回り、全て同じ絵柄が揃うと「ダークサイドモード」が発動。画面右上の虎がゴールするまでの間、トラヴィスが何らかの強化を得ることができる。
次のランカーに挑戦する為にはUAAにお金を振り込む必要がある。お金はサンタデストロイの町の各地で受注できるミッションをこなすことで貯めることができる。
その他、お金を使ってトラヴィスのコスチュームや「ナオミ研究所」での新装備の購入、「サンダー龍興業事務所」でのトレーニングによるステータス強化に充てることもできる。
ミッションは「職業不 安定所」で紹介される表の仕事・バイトミッション、「K-ENTERTAINMENT」での裏の仕事・殺しのミッション、町中の各地に点在し、一撃食らったら即終了のフリーファイトミッションの3種類がある。
バイトミッションはミニゲーム形式、殺しのミッションはアクションステージとなる。
後者の方が報酬が大きいが、こちらを受けるにはまず表の仕事をこなして信用を勝ち取る必要がある。殺し屋とて最初から荒稼ぎなどできず、まずは地道にコツコツと働かなければならないのだ。
エントリー料を振り込むとイベントが発生し、ランキング戦の会場(アクションステージ)の場所が指示される。
会場に着いてもすぐにランキング戦には挑めず、群がる雑魚を切り伏せながら進み、ランカー(ボス)の待ち受ける最深部を目指さなければならない。
ランカーを倒すとトラヴィスのランキングが上がり、さらに上位のランカーに挑戦できるようになる。これを繰り返してゲームを進める。
サンタデストロイの町はオープンワールドになっており、トラヴィス愛用のビッグスクーター「シュペルタイガー」での移動が基本となる。
スピードを出しすぎて壁にぶつかると転倒してしまうがペナルティなどは無く、トラヴィスもシュペルタイガーも全くの無傷で何事もなかったかのようにすぐ再発車できる。
一般人も歩いているがシュペルタイガーが近くを通ると驚く程度で、『GTA 』などのようにこちらから危害を加えることはできない。
収集要素は上述した衣装の他、飲んだくれ親父のロビィコフから教えてもらえる「スペシャル技」やランキング戦のステージに隠されている「トレーディングカード」の他、様々なお宝が手に入る「UAA埋蔵金発掘」がある。
「スペシャル技」はボタン入力で繰り出す新技や「ミニマップ上に敵の位置が表示される」「ステージクリア時のボーナスが増える」などと言ったもので、取得すれば有利に進められる。
評価点・おバカな点
簡単な操作と爽快な戦闘
操作性は単純ながら、剣をズバズバ振って敵を倒していく爽快感は効果音や演出なども相まってかなりのもの。レーティングはCERO:D (17歳以上対象)だが、倒した敵は炭になって消え去るだけなので出血耐性がない人も安心。ムービーでも同様で、倒されたランカーはやはり炭化していく。
ただし、これは日本含む一部の国の規制によるもので、無規制の北米版では夥しい血しぶきに首チョンパ や縦に真っ二つ など、激しい流血表現とゴア描写があり、断末魔も「ヴァァァァァッ!! 」と言った感じの壮絶なものが追加される。日本でも後の他機種への移植版(後述)や後のHDリマスター版では規制が取り払われている。
『killer7』や後の『LET IT DIE』のようにオーバー気味に作られており、死体は金をまき散らしながら爆発するように消滅するので、リアルさはそれほど無いが。
ともあれ、炭化表現は本作のハチャメチャな世界観にマッチした演出となっており、須田氏も「無規制のゴア表現が決定版なのか」という質問に対しては肯定せず、この演出が「よりエキセントリック」で好きだと語っていたほどである。
雑魚相手の戦いはさほど考える必要もないが、ボスであるランカーは独自の戦法をとってくる上に攻撃が通るタイミングが限られているため、一筋縄ではいかない。
とはいえ最低難易度のSWEETならゲームに不慣れな人でも然程詰まることなくクリアできる程度の難易度。一方で最高難易度のBITTERだとチュートリアル扱いの初戦ですら完全に殺しにかかってくる難しさになる。難易度によるストーリーの違いは無いのでプレイヤーの力量に合わせたプレイができる。
敗北してもステージ道中やボス戦前のチェックポイントからコンティニューが可能。その際には画面をぶった切る演出が入り、再挑戦にも気合が入る。
グラフィックは独特の陰影が印象的なアメコミ調で、ボイスも全て英語。『killer7』をより洗練させたような形で、世界観に良く合っている。
説明書もアメコミ形式と言うこだわりっぷりである。表紙にいきなりランカーの1人であるアメコミヒーロー風キャラがデカデカと大袈裟な英語書き文字と共に描かれているのも意表を突く。
随所に挟まれるメタ発言やコミカル要素、下ネタがアメコミ調のグラフィックやハードな世界観と組み合わさってカオスな様相を醸し出している。
過去の須田作品(とりわけ『花と太陽と雨と 』と『killer7』)でも時折見られたバカゲー要素をひたすら突き詰めた作品と言える。
OPムービーから「テレビの前の兄弟、そろそろAボタンを押してくれ」という発言が飛び出す、「電車の中で居眠りしたら何故か夢の中でミニゲームが始まる 」「レーティングの問題があるからシーンを早送りにする 」など。
まずゲームを開始すると、主人公が今回の戦いに身を投じた経緯と言った導入部を全て「前回のあらすじ」の如くモノローグで流す という時点で常軌を逸している。
セーブポイントはトイレ。 セーブから抜ける際はちゃんと水を流す。
この時便座に座るトラヴィスを前から映す構図となるが、セーブを行うかの選択肢が股間を上手に隠すように表示される。
メニュー画面やステージ中のアイコン、アイテム表示は『勇者30』の如く粗い平面のドット絵で描かれるのもまたシュール。
ダークサイドモードは、例えばバッタが揃えばストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ が発動し、トラヴィスが超サイヤ人褐色肌の金髪の姿に変化。スピードが大幅に強化され、敵を次々と撃破できるようになる。
「ロビィコフにスペシャル技を教えてもらうには7つのロビィコフボール を持って行く必要がある」「町中でBボタンを押すと物凄く速く走れる スペシャル技 "Memory of Child"」「ビーム・カタナ充電時は画面内のトラヴィスも股間のあたりで ビーム・カタナを一生懸命縦に振る」「街中のゴミ箱 からお金や衣装が入手できる」「ノーマルエンドのスタッフロールがどう見てもス〇ー・〇ォーズ 」など、挙げだせばキリがない。
敵ボスであるランカーも一筋縄ではいかない個性派揃い。
明らかに浮きまくっているデザインのキャラも居るのだが、主人公自身が重度のオタク ということもあり、妙に調和している。
いかつい男ばかりではなく、老若男女イロモノ と、様々なランカーが待ち受ける。寧ろ、いかにもな「殺し屋」のイメージに沿ったキャラなどほとんどいない。
ふざけただけではなく、須田氏特有の複雑且つセンスに溢れた深みのあるシナリオも健在。
過去の須田作品に比べれば解り易い作りで、どっからどうみても本作がバカゲーであることは疑いようはないのだが、殺し屋同士の会話は部分的に取り出してみるとハードボイルドさや殺し合いへの虚しさ、殺しの道を選んだ者の業の深さを感じるセリフもあり単にギャグ連発というわけでもない。本作もまた、血の海を全力疾走する須田ワールド全開と言えるだろう。
ラストバトルでは須田作品御馴染みの、主人公やプレイヤーの「当たり前」を覆す衝撃の展開が待ち受ける…が、そこはやはり『ノーモア★ヒーローズ』で、ナンセンスなギャグも織り交ぜ、シリアス一辺倒にはならない独特の味を醸し出している。
極め付けは条件を満たした際に戦える真ラスボスとのやり取りと、その後の真のエンディング。最後の最後までプレイヤーを笑いと困惑で翻弄したまま、無茶苦茶な結末を迎える。このノリは完結まで徹底されている。
ゲーマーをうならせる演出も多い。
ボス戦前にクライアントから電話がかかってきてトラヴィスが電話を耳にあてるが、この電話の音声はWiiリモコンから再生される。
そのため、プレイヤー自身もトラヴィスと同じ姿勢で、同じ音声を聞くような恰好になる。スピーカーつきゲームコントローラーの使い方としては特筆ものだろう。
他の例に漏れず、日本国内版はゴア表現が規制されているが、それを逆手にとってむしろ残虐な演出として逆転させている珍しい例がある。
ショウステージが舞台となるボス戦の勝利後カットシーンにおいて、ボスが回転ノコギリで真っ二つに刻まれることになるのだが、海外版ではきっちり斬られるところまで映す。
それ対し、日本国内版はボスの悲鳴とともにステージの幕が閉じるようになっている。想像の余地で却ってグロい印象を与える粋な演出と言える。
賛否両論点
最強装備が非常に高額
本作の最強装備は3位撃破後に購入可能になる「椿Mk-Ⅲ」にカスタムの2種類を終えた物なのだが、それまでの装備の必要費用が25万程度だったのに対し、武器本体とカスタムパーツを全て購入するには160万 という大金が必要になる。
本体だけで48万が必要。出力アップパーツは10万だが、電力無限化のカスタムパーツが99万も掛かってしまう。ちなみに全武器の入手がトゥルーエンドの条件でもある。
一応陳列可能タイミングと同時に解放可能になる「稼ぎやすい殺しミッション」もあるが、そのミッションの出現条件が「サソリ駆除のアルバイトで銀以上」という、慎重さが求められる内容になっている。また、このミッションでもそれなりに反復は必要。
無論、性能面は苦労に見合っただけの性能がある。
通常攻撃は若干隙があるが、トドメ攻撃は縦方向の物ですら巻き込み性能が高く、下段溜め攻撃とそこから派生する連撃は早い上に広範囲、さらに溜め攻撃の仕様でモーション中無敵&ガード不可と、全パーツを入手した後の性能は正に「最強」と言うほかない。
また、電力無限パーツを入手しないなら60万も必要無い。無くても充分強く、トゥルーエンド到達も可能なので、ここはもうやり込みの域だろう。
問題点
サンタデストロイの町がオープンワールドである意義が薄い
特に序盤はできることが少ないため、わざわざオープンワールドにする必要があったのかと感じることが多い。
仕事を受けた後の現場までの移動(帰り道含む)をプレイヤーが行わなければならない点や、セーブポイントであるトイレが自宅とランキング戦のステージにしか無い点も退屈さを助長させている。
一応帰り道に関しては「トラヴィスが川や海に突っ込むとシュペルタイガー共々拠点に戻される」という仕様があるので、一仕事終えたら大海原へと身投げすればショートカットできる が、この仕様は説明書などに記載されていない裏技である。というかこんなものが正規であってたまるか。
もちろん行きは自力なのは変わらず、水場がない場所ではこのテクニックが使えないため根本的な解決には至らないが。
ミッションも失敗時はすぐに再挑戦できるが、達成した後で再挑戦したい場合はまた受注に戻らなければならない。この往復が地味に面倒である。
特に「バッティングで敵を倒せ」というミッションは何度も挑戦してコツを掴む必要があるにも拘わらず、1回のミッションで挑戦できる回数は僅か3回なのでその都度往復が必要であり、練習も一苦労である。必須ではないとは言え、ゴールドのコンプリートを目指す人にはきつい。
新武器の陳列条件が分かりにくい
その条件と言うのが「ナオミに特定のアイテムを渡し、リアルタイムで10~20分後に再び研究所を訪れる」というもの。
「リアルタイムで時間が経過した後」という条件が具体的に示されない事もあり、他の行動をしに行ったまま忘れてしまうユーザーも。
良くも悪くもゲームの流れが単調
本作はランキング戦 → 何度もミッションをこなしてお金を貯める → ランキング戦という流れを繰り返していく内容になるため、上述した内容もあってストレスが溜まりやすい。
ボスまでの道のりは群がってくる雑魚を斬り伏せていくだけ。時折、ステージ特有のギミックやイベントも挟まるが、基本やることは同じなので単調さを解消できているとは言い難い。結果、ゲーム全体で見ると濃いのはボス戦ばかりということに。
開発陣も自覚していたのか、後半になるとステージが短くなったりミニゲーム的な演出だけで大部分を占めたりなどで、まともなアクションステージがほとんど無くなっていく。
テンポは良くなるが逆に言えばすぐに話が進んでしまう。逆にエントリー料や武器代、トレーニング代の高騰でバイト関連に掛ける時間は増えていく。
ダークサイドモードはイベントが発生すると途切れてしまう。
そのため、周囲の敵を全滅させたタイミングで突入すると完全に無駄に終わる。運が悪いとそんなケースばかりという事も。
セーブデータは複数作れるが、ゲーム起動時は強制的に最新のセーブデータからの再開になり、どのデータから再開するかは選択できない
メニューの「DATA」の項目から選択できるのだが、普段あまり使う機会がない上に場所が分かりづらいこともあり、トゥルーエンドを見ずにノーマルエンドでクリアデータを作ってしまった際に絶望してしまうプレイヤーも。
しかも、何故か本作はエンディング後のクリアデータ作成がキャンセルできない。セーブ画面を抜けるにはクリアデータをどこかにセーブするか、ゲームを終了するしかなく、前述のような事態になりやすい。特にクリア前のデータを全て上書きしてしまった場合は尚更。
ステージ中では収集要素であるトレーディングカードが存在するのだが、これがプロレスラーのマスク というマニアックなもの。
須田氏が熱狂的なプロレスファンであり、須田作品には必ずと言っていいほどプロレスネタが盛り込まれているが故だが、プロレスファン以外にはイマイチ収集意欲が湧かない。
次回作ではトラヴィスがハマっている萌えアニメ「ビザールジェリー」グッズが集められるようになった。一方で別の問題も発生したがそれは当該記事にて。
Wiiリモコンの電池消費が激しい
リモコンを振るう動作の入力時にリモコン側からも音が出るのだが、その振るう機会が多いせいでリモコンの電池消費が他のソフトに比べて結構早い。
モーテルの階段を降りた直後にカメラがトラヴィスの背後に回るため、モーテルの階段付近の操作性が悪い。
乱戦になると処理落ちが発生する。特に狭い空間で多人数を相手取るタイプの殺しのミッションで顕著。
総評
ゲーム全体の流れは単調ながらも戦闘の爽快感は抜群で、本作が放つ独特の魅力もあり、虜になったユーザーは少なくない。
決して万人にお勧めはできないものの、世界観やグラフィック、本作独特のおバカ要素が気に入ったのなら是非遊んで頂きたい一作である。
移植
PS3 / 360版『ノーモア★ヒーローズ 英雄たちの楽園』
2010年4月15日に発売されたHDリマスター版。移植を担当したのはフィールプラス。
グラフィック向上はもちろんのこと、中井和哉氏らによる日本語吹き替えの追加、ボス戦のデモシーンのギャラリー機能、スロットで得た必殺技のストック機能などが追加された。
しかし、極長ロード&フリーズバグ&音ズレ地獄 という有様であり、結果として2010年クソゲーオブザイヤー据置部門にノミネート。 最終的に選外となったが、次点になってもなんらおかしくない代物であった(参照 )。
また、Wiiリモコンの直観操作による爽快感がコントローラーのスティック操作になったことで失われてしまい、テンポの悪い動作を雑魚敵1体を倒すたびに毎回行わなければならなくなった。
さらに、街の北側の区域に行けなくなっており、マップが狭くなっている。ロード時間の速度向上の為に削除したそうだが、むしろ長くなっているのでもはや劣化としか言いようがない。 アプデも行われたが、対応されたのは音ズレバグのみ。 そこだけ直されても…。
なお、PS3版のレーティングはWii版同様CERO:D となっているが、360版は表現が海外版準拠のためレーティングがCERO:Z (18歳以上のみ対象)に上がっている。
PS3版『ノーモア★ヒーローズ レッドゾーンエディション』
2011年7月21日発売に発売されたHDリマスター版。表現が海外版準拠となりレーティングがCERO:Z に上がっている。
『英雄たちの楽園』で問題になったロード時間やバグ等の諸問題は修正され、さらなる追加要素も実装されている。また、PS Moveに対応しておりWii版同様の直観操作による爽快感が味わえる。
一方、こちらは日本語吹き替えが廃止されWii版同様に英語音声+日本語字幕となっている。なお、シリーズで日本語吹き替えが実装されたのは前述の『英雄たちの楽園』のみとなっている。
ちなみに、海外ではこの『レッドゾーンエディション』が、『No More Heroes: Heroes' Paradise (英雄たちの楽園)』として国内同様PS3版のみ発売されている。
なお、『レッドゾーンエディション』限定のDLCとしてキャラクターのモデルやモーションを鑑賞可能な「ビューアーモード」があり、そこではシルヴィアの全裸を見ることができる。 配信終了につき現在は入手不可。
+
『レッドゾーンエディション』限定の過激なDLC ※エロ注意
VIDEO
Switch / Win版『No More Heroes』
シリーズ新展開に合わせ、続編と共に発売された久しぶりのHDリマスター版。
Switch版は2020年10月28日にダウンロードソフトとして配信開始。パッケージ版は翌年8月27日に発売された『3』の限定版にのみ付属している。
移植は同じく須田作品である『killer7』のWin版移植を担当したオランダのEngine Softwareが担当している。
海外向けリマスターのローカライズであるため、タイトルにもお馴染みの『ノーモア★ヒーローズ』の表記が無い。
必然的に表現も海外版準拠であり、国内任天堂版では初のCERO:Z 扱いの移植となっている。
Joy-Conを使った体感操作への対応及び解像度の向上が行われており、常時60fps化による滑らかな挙動とPS3/360版とはうってかわって完璧な仕上がりとなっている。
価格も2,000円程度とお求めやすい。今からプレイするならこちらがオススメだが、無規制なので残虐表現に耐性の無い人は注意。
ただし、あくまでオリジナル版準拠で『英雄たちの楽園』『レッドゾーンエディション』の追加要素は無い。
2021年6月10日にはWin版がSteamで配信開始された。
余談
真のエンディングのラストでは、ヒロインのシルヴィアが「続編はないよ。エヘヘ 」と言って終わる…と思いきや、最後にはデカデカと思いっきり「TO BE CONTINUED 」と表示される。どっちなんだと突っ込んだプレイヤーは数知れずだろう。
実際は続編『ノーモア★ヒーローズ2 デスパレート・ストラグル 』が発売されることになる。当初より本シリーズは3部作の構想だったらしく、やはり後者の方が本気だったようだ。
なお、『英雄たちの楽園』では『2』が既に北米で発売済みのためか「続編はないよ」の台詞が「ねえ、君。運が良ければまた会おうね」に変更されている。
Switch版はオリジナル準拠であるため、既に『2』も『TSA』も存在するにも拘わらず 、そしてSwitch版『2』と同時発売にも拘わらず 、「続編はないよ」に戻っており、完全にツッコミ所の大嘘になってしまっている。だがそれすらネタと思わせるのが『ノーモア★ヒーローズ』である。
同じく須田作品の『花と太陽と雨と 終わらない楽園 』にて、「ホテル内の忘れ物51個を全て入手」「万歩計で51万歩以上カウントする」という条件を達成すると、トラヴィスの衣装が入手できる。
『戦国BASARA3 』及び『戦国BASARA3 宴 』にて、『英雄たちの楽園』でトラヴィスの吹き替えを担当した中井氏が演じる伊達政宗の第5武器に、ビーム・カタナとシュペルタイガーがデザイン元になった「暴走無頼剣」がコラボ装備として登場した。
攻撃力こそワンランク上の武器があるものの、属性が付与されているのに加え、ダッシュ時の速度にプラス補正がかかるという専用の仕様がある。
オリジナル版のみ「シャイニングスパイラルウンコ 」の空耳で話題になった、元気ロケッツの「Heavenly Star」のPVが収録されている。
自宅で観ることができる他、作中でもナオミ博士の研究所などで「Heavenly Star」が掛かっているシーンがある。
最終更新:2024年02月08日 16:00