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本項目では3DS『カービィファイターズZ』とSwitch『カービィファイターズ2』を紹介しています。(判定は共に良作)
カービィファイターズZ
【かーびぃふぁいたーずぜっと】
ジャンル
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対戦アクション
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対応機種
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ニンテンドー3DS (ニンテンドー3DSダウンロードソフト)
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売元
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任天堂
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開発元
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ハル研究所
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発売日
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2014年7月23日
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定価
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750円(税別)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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ポイント
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カービィファイターズの強化版
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星のカービィシリーズ
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概要
『星のカービィ トリプルデラックス』(以下トリデラ)のサブゲーム『カービィファイターズ!』(以下前作)の拡張版。
ステージの増加・ひとりでモードの仕様変更・チーム戦の導入等の追加要素がある。
特徴
基本システム
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カービィ同士で戦い、最後に残ったカービィが勝利。ステージギミック・アイテム・対戦人数によるゲームバランスの変化など、スマブラと似通ったところがある。
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登場コピー能力
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全10種類+α。αの部分を解放するにはトリプルデラックスのすれちがい通信のデータが必要。αのコピーはどちらも前作には無かったもの。
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ソード:突進技、周囲攻撃、飛び道具とバランスよくそろっているコピー。威力が低いのが難点。
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ビーム:遠距離でも近距離でも戦いやすい。技が少ないが、それ故に初心者でも扱いやすい。
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ニンジャ:遠距離から牽制し、敵が近づいて来たら大技を叩き込むスタイルの能力。ジャストガードでカウンターも可能。ただし、トリッキーな技が多く扱いづらい。
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スナイパー:遠距離攻撃を得意とする能力。しゃがみ歩きも可能。近距離での手数の少なさが弱点。
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ハンマー:単純な威力は最強。ただし、技のスキが大きく、リーチも短い。『スマブラ』でいうガノンドロフ的なコピー。
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カッター:自在に操作できるカッターで遠くの敵を狙える。スナイパーに比べて、狙いやすさは劣るが、近距離での性能はこちらが勝る。
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ファイター:とにかく手数が多い。技の多ささえ使いこなせるようになれば、どんな状況でも立ち回れる。
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パラソル:落下スピードが遅いため敵のタイミングをずらすことができる。そこでできた隙をついて攻撃するとよい。全体的にトリッキーな能力。
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ボム:遠距離系コピーの中では素の威力が高い。爆風が広がるため乱戦に強い。罠のような使い方もできる。突進技が無いのが痛い。
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ウィップ:直接攻撃のコピーの中ではリーチが長い。遠くのアイテムをキャッチすることも可能。乱戦に強い技も持つ。ただ対空技が直線的なものと複雑なコマンドのものしかない。
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ビートル(α):ホバリングが特殊で、空中でも素早く技が繰り出せる。複数の敵を巻き込む突進技と投げ技が強力。
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ベル(α):かいひが使えない代わりに、ガード中に攻撃を受けるとカウンターが可能。音波が広がるので乱戦では敵を複数巻き込める。
追加要素
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チーム戦が導入された
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チーム戦では、専用アイテムのチーム合体砲が登場。チームメイトが合体すると強烈なビームを放つ。
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シリーズお馴染み、「くちうつし」も可能。「チュッ」というピンクのエフェクトが出る。
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新ステージの追加
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前作にあったステージ、「アナザーディメンション」が唯一削除。代わりに「夢の泉」がそのステージの趣旨を受け継いでいる。
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「ひとりで」モードに『スマブラ』のマスターハンドのようなボスステージが用意され、中盤でクラッコ、最終ステージでチームDDDとの戦いが待っている。
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「ひとりで」をクリアすると、そのコピーのレア衣装が手に入る。
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最高難度の「めちゃむず」クリアで、前作ラスボスのシャドーカービィが解放される。
評価点
戦略性の上昇
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コピー能力も増え、ステージも増えたので、戦略性が上がった。
おなじみのファンサービス
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ステージの選考範囲がまずファン向け。
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コピー能力のレア帽子の一部はファンにうれしいものとなっている。
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ボスステージのポーズ画面の説明は必見。
シャドーカービィがプレイアブル
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解放は難しいが、前作では敵専用キャラであったため、好評。
良質なBGMも健在
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新規BGMは少ないがどれも本編シリーズに恥じない質を持つ。
問題点
少々ボリュームが薄い
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サブゲームのアレンジであることや値段を考えると仕方ない。
ガード対策が一部のコピー能力で不十分
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ガードは本編で敵を掴む技で無効化できるが、それがないコピー能力は敵がガードをやめた瞬間を狙うか制限時間が尽きるのを待つしかない。
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次回作では全キャラ共通のガードブレイクが実装された。
めちゃむず及び最強レベルのAIの動きが理不尽
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コンピューター故の貯め技最速発動や、超反応ジャストガード等。
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ただし、それだからこそ面白いという意見もあるので一概に問題とは言えない。
ボスステージにおけるコピー能力間格差
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ボスの攻撃を回避しながら距離を調整できる突進技がある能力が戦いやすい。無い能力は苦戦を強いられる。
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しかし、ボスに負けると再戦のボスは少し弱く調整されるなどの配慮はある。
ネット対戦に未対応
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本作は戦略性が高いため、対人を気軽にやりたかったという意見が多い。
総評
カービィ同士の熱い戦い。
自分の得意能力を見つけ「ひとりで」のタイムアタックを極めるもよし、様々な能力を使ってみて違いを楽しむもよし。
良くも悪くも値段相応のゲームである。
余談
『ニンテンドー3DS ウルトラサマーセール』の前半の最終ダウンロードランキングは1位を獲得した。
2020年9月24日にNintendo Switchで『カービィファイターズ2』(後述)が配信された。
カービィファイターズ2
【かーびぃふぁいたーずつー】
ジャンル
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対戦アクション
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売元
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任天堂
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開発元
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ハル研究所 バンプール
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発売日
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2020年9月24日
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定価
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1.800円(税別)
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プレイ人数
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1人~4人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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概要(2)
『Z』の続編。
基本的な特徴は『Z』と同じだが、Nintendo Switchで発売されたこともあり大幅にボリュームが増量している。
変更点(2)
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ストーリーモードの追加
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題名は「宿命のライバル達」。カービィのライバル同士であったデデデとメタナイトが手を組んでカービィに逆襲する内容。
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オンラインプレイに対応
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ヨーヨー、アーティスト、ウォーター、スティックが追加され、本作初登場の新コピー能力として「レスラー」が登場。ベルとビートルがソフト連動無しで使用可能になっている。
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さらにカービィ以外のプレイアブルキャラ「バディ」としてデデデ、メタナイト、バンダナワドルディ、マホロア、グーイが登場。
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「ほおばり/つかみ」の追加
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全てのキャラで吸い込みからのほおばり、もしくはつかみが行えるようになった。
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具体的にはカービィとグーイ、デデデがほおばり、それ以外のバディがつかみとなる。
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一般的な格ゲーのつかみ攻撃に相当しており、ほおばった/つかんだ相手ははきだしたり投げ飛ばすことが可能。ただしほおばり/つかみ損ねた場合の隙は大きい。
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投げ飛ばされている相手に追撃を与えると「ついげきバディアタック」となり大ダメージとなる。必ずしもチーム戦のバディが追撃を与える必要はなく、関係ない相手や場合によっては投げた側一人の攻撃でも発生する。
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ストーリーアイテムの追加
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ストーリーランクの追加
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レア帽子の増加
評価点(2)
前作で指摘されていた部分の改善
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中でもオンライン対戦の対応は大きい。
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全ての能力でつかみに相当するほおばりが使えるようになったことで、戦術の幅がさらに広がっている。
安定の楽曲とファンサービス
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過去作から安定した楽曲。お馴染みの曲やそのアレンジ曲を聞くこともできる他、メニュー画面をはじめとした新規曲も"カービィらしさ"を保っている。
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新バトルステージ「激突!グルメレース」のステージはドット仕様。さらに『カービィのエアライド』のように裏曲が用意されており、バトル開始時にランダムで選ばれる。
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しかも裏曲は豪華なことに全て本作のために作られた新規アレンジである。特に「激突!グルメレース」の裏曲は必聴。
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レア帽子も過去作の要素がちりばめられている。
対人戦のバランス
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運も絡むゲームでありながら、画面では非常に多彩なアクションが繰り広げられることになる。
一方が不利な状況であっても何かしらのアクシデントで逆転することもしばしばであり、勝ちを諦めることなくプレイに専心できる。
美麗なグラフィック
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特に背景やエフェクト、水や光のグラフィック表現は特に美しく、非常にカラフルである。
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これは近年よく見られるマシンスペックを土台にしたリアル志向の光源処理とは異なり、優秀なデザイナーやアートワーカーたちの表現力と、プログラマーの解決力を以て作り込まれている。そのため処理落ちが見られない。
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『エアライド』や『Wii』時代より、『ロボボプラネット』『スターアライズ』などを経て進化を続けている。
賛否両論点(2)
要素の選出
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『Wii』からお馴染みの3体に加え、『スターアライズ』のドリームフレンズからグーイとマホロアが選出されたが、少々偏っている印象も受ける。
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ドロッチェはレアぼうし、リック・カイン・クーや三魔官シスターズはステージのギミックとして登場するなど、出番がないわけではない点は補足しておく。
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追加能力も全て『スタアラ』で復活・登場した能力。レスラーも同作で復活のスープレックスに近く、ファイアなどのお馴染みの能力がない。
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ステージは全体的に本編出典のステージが多く、過去作の番外からのステージは「天空」のみ。
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本編内だけで見ても『鏡の大迷宮』や『参ドロ』が欠けている中、『スーパーデラックス』及び『ウルトラスーパーデラックス』が出典のステージはさらに増え、4つになっている。
カラーチェンジの廃止
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従来作ではカービィの色を自由に変えられたが、本作ではプレイヤー番号ごとに固定。色のバリエーション自体も減り、シャドーカービィもボス専用に戻っている。
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バディが増えたため、仕方ない面もあると思われる。
問題点(2)
ストーリーモードの内容
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序盤はそれなりに敵を倒せるレベルなのだが、終盤になると敵の耐久力が強化されていき、アイテムを積極的に活用しないとタイムアップにすらなりうる。
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イベントシーンは挿絵と簡素で、基本的には淡々とバトルを繰り返すだけなのでやることが単調になりやすい。
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特に終盤のボス戦は十分な攻撃力の強化や「ボスキラーバッジ」がないと時間がギリギリ。攻撃力の石なども含め、攻略に有利なアイテムを取得できるかどうかは完全に運次第である。
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最高難易度のクリア自体は1回で良いものの、100%を目指す場合は全ての能力で巡る必要がある。
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また、アイテムはランダムに登場するため技のチャージの時間を短縮する「高速チャージの石」が「ウォーター」や「ビートル」などの「チャージ系の技がないコピー能力同士」でも出てくる。
対戦バランス
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例えば強力なダッシュ技と地空問わず強力な技を誇っている新コピーの「レスラー」や、攻撃力は並程度でも優秀な飛び道具やダッシュ技、対空技を持つ「ウォーター」は、上手く技を押し付けてしまえば一方的に攻撃し続けることが可能となる。
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特に高難易度モードのCPUは正確なコマンド入力を行うため、強敵になりやすい。
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スティックのように、Bボタンを連打するだけで広い攻撃範囲を展開することが可能なものや、マホロアのように短いチャージタイムで強力な飛び道具を放つことが可能なものも存在する。
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そしてこれらのキャラの性能をあわせ持つ環境トップキャラが「
グーイ
」遠距離攻撃の性能が高い上、おまけに無敵になるストーンで、近づいたらストーン→離れて遠距離攻撃→また近づいたらストーン……を繰り返すことで簡単に勝ててしまう。
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ハンマーのように飛び道具がなくリーチが短いコピー能力は、こういったコピー能力に非常に苦戦することになる。
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また、「メタナイト」が
このゲーム唯一のハメ技
を所持している。攻撃被弾モーション解除の瞬間より発生速度の速い技シャトルループを利用し、ジャンプでこの技をキャンセルして連続で差し込みながら画面斜め上に敵を追いやることで、シャトルループ→ジャンプでキャンセル→シャトルループ…の繰り返しで一方的に敵のHPを削り続けられる。メタナイト側が操作をミスしない限り抜け出し不可の完全な永久ループと化す。
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上記の対戦バランスに関しては、配信後から全てが手を加えられず無修正のままである。修正パッチなどもない。
ひとりでモードの最高難易度が過剰に高い
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前作に引き続き、最高難易度の「めちゃむず」ではAIが超速反応の回避やガード、反撃をするのに加え、2対1や3対1の状況、更に最終ステージであるシャドーカービィ戦では正確無比な入力のCPUと戦うことになる。
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特に多対一においてはアイテムやギミックの活用が重要となるが、良いアイテムが近くに落ちるかどうかは運となる。
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理不尽な状況でいかにAIの穴をつくかといった楽しみ方もあり、これを良しとする意見も存在している。
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ただし、むしろAIの穴をつくか、強運を引き寄せることでしか勝つのは難しく、またそういった挑戦的なゲームであるという説明は無いため、人によって大きく意見が分かれるところである。対戦ゲームとして見た場合はバランスの悪さが目立つ。
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タイムは計測されるものの、運要素の多さはタイムアタックの意義を削いでいる。
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100%クリアを狙うだけなら1回クリアすれば良いのは救いか。
ヒットストップの短さ、入力受付等
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対戦格闘ゲームとしては苦しいことに、ヒットストップは短めであり、さらにガード中あるいは他攻撃モーション中の入力受付がシビア。そのためガード行動や回避行動のメリットはやや少なく、これは前述の対CPUでの高難易度に影響している。
平坦なステージが多い
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20種のうち5つが仕掛けの無い平坦なステージ。広さに多少の差こそあるが、ランダムでステージを選ぶ(オンラインでもその仕様となっている)際平坦なステージが選ばれやすく、平坦なステージが得意な能力が有利。先述したリーチの短い能力への負担に拍車をかけている。
ファイターズポイントが貯まりにくい
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ランクが上がるにつれ、要求されるポイントが膨大になっていくため、レア帽子や裏曲をすべて解禁するのが難しい。
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プレイヤーと強いCPU2人VS弱いCPUのチーム戦のような、プレイヤーが何もしなくても勝てるような稼ぎ方もあるため、下手でも時間さえかければどうにかなるものの、相当な時間がかかる。
オンライン対戦の場合、対戦形式が完全に固定
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全て「チーム戦・アイテムあり・ゴーストあり」で固定されている。
総評(2)
『カービィファイターズZ』の続編としてオンライン対戦に対応するなど、よりボリュームが向上した一作。
多くの問題点は残るものの新能力やステージ等様々な要素が追加され、豪華になったと言える。
余談(2)
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本作は平日の午前中に唐突に発表され、さらに即日配信された。このゲリラ的展開にファンは驚くこととなった。
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新能力レスラーは番外で初登場というだけで『タッチ』の「バルーン」以来という特殊な位置づけにあるが、本作の仕様上「コピー元のキャラが初登場時点で存在しない」という異例な能力となっている。
最終更新:2024年09月13日 14:17