ファイアーエムブレム 聖戦の系譜

【ふぁいあーえむぶれむ せいせんのけいふ】

ジャンル シミュレーションRPG
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 スーパーファミコン
メディア 32Mbitロムカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 インテリジェントシステムズ
発売日 1996年5月14日
定価 7,500円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 4個(バッテリーバックアップ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年1月30日/926Wiiポイント(税10%込)
【WiiU】2013年4月27日/943円(税10%込)
【New3DS】2016年8月27日/943円(税10%込)
判定 良作
ポイント 3すくみ・結婚システム初導入
親子2世代の戦いを描いた壮大なストーリー
斧と歩兵が冷遇気味
「『ファイアー』エムブレム」なのに風が強い
ファイアーエムブレムシリーズ


概要

FEシリーズ第4作。シリーズ恒例の武器の3すくみシステムはこの作品から導入された。
一方でシリーズの中でも異色なシステムも多いが、これはディレクターの加賀昭三氏がこのゲームをファイアーエムブレムとして作ろうと思っていなかったところ、任天堂上層部の意向でFEのタイトルを冠せられたという経緯によるもの。


ストーリー

かつてユグドラル大陸を力と恐怖で支配したロプト帝国。
暗黒神ロプトウスの加護を受けた闇の帝国を打ち倒したのは、ほかならぬ皇帝の弟マイラと、
神より十二の神器を与えられた十二人の聖戦士たちだった。
聖戦士の一人聖者ヘイムはグランベル王国を建国。他の聖戦士たちは、
ある者はグランベル王国を支える諸侯に、ある者は他の土地で国を興す。
かくしてユグドラル大陸に平和が訪れた。

時は流れ、グラン歴757年。
グランベルの交易都市ダーナを東の王国イザークが急襲したとの報が入る。
この暴挙に対し、グランベル王国は国を挙げてイザーク王国を討伐すべく兵を送る。
だが、手薄になったグランベルを狙い、南の王国ヴェルダンが突如侵攻を開始する。
これこそがユグドラル全土を揺るがす長い闘いの幕開けであった……


特徴

  • 3すくみシステムが初搭載
    • 「剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い」という「3すくみ」システムが登場。使用武器による味方ユニット同士の差別化や戦略性の増加等に繋がった。
    • 本作以降のほとんどのシリーズに導入されており、今ではすっかりシリーズを象徴するシステムとなっている。さらに、ユグドラ・ユニオンなど、本シリーズ以外のSRPGでも見られるようになる。
  • 戦闘時に特殊な効果を発揮する「スキル」システムが登場
    • 兵種毎に設定されたスキルの他、ユニット自体が個別にスキルを所持していることもあり、こちらも味方ユニット同士の差別化に貢献した。一部の武器や道具には、装備・使用している間スキルを発動できる物も存在する。
      • 従来作品のシステムがスキルとして組み込まれている事もある。
        例えばシリーズ恒例の赤緑の騎士であるノイッシュとアレクについて、ノイッシュは一定確率でダメージが大幅に上昇する「必殺」を、アレクは相手より素早い(攻撃速度が上回っている)場合一度の戦闘で二回攻撃する「追撃」をスキルとして持っている。どちらも全キャラ共通のシステムとして存在していたものだが、本作ではこのスキルを持ったキャラしか発動されない。
  • クリア後評価
    • ゲームをクリアすると4つの項目でプレイを評価される。オールAを目指す場合は緻密な攻略・育成計画を立てる必要があり、手強いやりこみ要素になっている。
      • 「攻略評価」は要したターン数、「経験評価」は全ユニットのレベルアップ回数の合計、「戦闘評価」はユニットの負け回数*1、「生存評価」はロストしたユニットの数で評価される。
  • 恋愛・結婚システム
    • 男女のユニットは会話イベントを起こしたりマップ上で隣接させていると「恋愛値」が上昇し、一定以上になると「恋人」同士になる。前半で恋人になったカップルは結婚して子供を産み、その子供が後にユニットとして登場する。
      一部のユニットは固定カップルだが、それ以外はある程度組み合わせが自由で、カップルになったキャラ同士には支援効果がつくほか、必殺の一撃を発生させることができる。
    • 前半のカップリングによって後半の仲間の成長率や習得するスキル、所持品、サブイベントの有無などが決まる。
      • ユニットによっては「聖戦士」の血を引いており、ステータス画面で確認できる。聖戦士の血が入っていると該当種類の武器レベルに補正が付いてより上級の武器を使えたり、レベルアップの能力上昇確率にボーナスが付くなど特典がある。神器を使える濃い血統だとさらに効果が高い。これも両親から受け継がれる。
    • 前半で女性ユニットが誰とも結ばれなかったり、一定点までに途中で死亡したりした場合、本来仲間になるはずだった子供たちの代わりのキャラが仲間になる。これらのユニットたちは「平民ユニット」*2や「代替キャラクター」*3などと呼ばれる。ステータスや成長率も、カップリング成立時の子供達に比べると低め。
    • 後半のキャラもカップリングができる。支援効果は発生するが、子供は生まれない。代わりにエンディングの内容に関わってくる。
      • 基本的には、所有スキルや聖戦士の血脈が優れたユニット同士を結婚させると後半が有利になるが、敢えて不利なカップリングを作ったり、もしくはそもそもカップルを作らずに難易度を高めるといった楽しみ方も可能となっている。
  • ターンごとにセーブが可能になった
    • これは、他のシリーズに比べてマップはかなり広大であるため、従来通り章の間にしかセーブできないとなるとプレイが困難になるため。
    • ただし、敗北数0プレイを行う場合、敗北数は同一セーブデータから進行していると、コピーしたデータにも反映されてしまう為、「普段はデータ1で進行し、データ2で博打をする」という手段は通用しない。
      敗北数をリセットするには、前章終了直後に行えるセーブによる「ターン数が表示されていないデータ」から開始しなおす必要がある。
  • 他にも、シリーズの他の作品と比べてシステム的に次のような特徴がある。
+ 一覧
  • 他の作品で言う「進撃準備画面」や「拠点画面」は存在しない。その代わり、マップの開始地点となっている自軍の城にて、アイテムの売買などの戦闘準備を行う。
  • 所持金はユニット毎に設定されており、アイテムと同様に味方同士で自由に金銭の受け渡しをすることができない。恋人同士、もしくは兵種がシーフの者なら相手に「あげる」ことが出来る。
  • 闘技場のシステムが他の作品と異なっている。
    • 闘技場は各城に設置されている。戦う相手は章毎に固定されており、勝つ度により強い相手と戦うことになる(7回勝利すると闘技場制覇となり、戦う相手がいなくなる)。
    • 最も大きな違いは、闘技場で敗北しても死亡せずHPが1になるだけという点。負け数もカウントされず、何度でも再挑戦することができる。
    • また闘技場で勝てば賞金が貰える上、挑戦料も必要ない。
  • 武器は使用回数を使い切ると「壊れた武器」となるが、城の「修理屋」でお金を払うことによって直すことができる。
    • 武器ごとに倒した敵の数がカウントされてゆき、50を超えるとその武器を使っている時は「必殺」スキルを持たなくても必殺が発動するようになる。確率は(倒した敵の数-50)%(カウントは最大で100までのため、最大50%)。
  • ユニット毎の最大レベルは20ではなく30。レベル20に達すれば自軍の城でクラスチェンジを無償で行え、ステータスや武器レベルを上昇させられる。レベルは1に戻らず継続。
  • 必殺は、前述したように「必殺」のスキルを持つか、恋人、あるいは親族にあたるユニットが隣にいる、前述のように50体以上敵を倒した、或いはキラーボウのように元から必殺が発動するようになっている武器を使う、のいずれかを満たさなければ発生しない。そのため、「わざ」や「こううん」の重要性が、従来と比べて低くなっている。
    • その効果も、最終ダメージ3倍ではなく攻撃力2倍になっている。そのため、守備力が高いからといって安心はできない*4
  • 山賊、海賊が村に立ち入ると崩壊してしまい、情報やアイテムが得られなくなるのは従来通りだが、本作では村に入られても、10ターン以内に倒せば崩壊を免れられる。
  • 武器レベルはキャラクター毎に固定されており、クラスチェンジ以外で上昇することはない。
    • 子世代に関しては後述の結婚システムにより、聖戦士の血統によって通常より高まる場合もある。
  • 本作の乱数には疑似乱数が用いられており、初期の乱数種が固定のうえ、乱数を回す方法が攻撃することくらいしかないため、ROMに関わらず、同じ操作をすれば必ず同じ結果になる。
    • それを利用した"詰めエムブレム"なるものも登場。オープニングからエンディングまでの操作方法を記載した攻略本まで発売された(但しその本には誤植があり、途中で崩れてしまう)。
    • 一見中断セーブでリセット戦法を封じるためにも見えるが、これは実は制作側が意図していなかった模様。
  • FEシリーズでは唯一、エンディング恒例となるキャラごとの後日談が存在しない。
    • ただし、エンディングでは各国のその後の様子が描かれており、誰がどの国に移ったかがはっきりわかるようになっている。

評価点

  • 親子2世代にまたがる壮大な物語
    • 本作最大の特徴は、ゲーム全体が前半のシグルドを主人公とする「親世代」と、後半のシグルドの息子・セリスを主人公とする「子世代」に分かれており、後半になると親世代の自軍ユニットの殆ど全員*5がゲームから離脱し、代わってその子供達を操作するようになることである。この要素は、『覚醒』(子世代のキャラクターが仲間に加わる)や『風花雪月』(時間経過を伴う二部構成)など、後のいくつかの作品にも継承されている。
    • 後述の結婚システムにより、親世代の女性ユニットがどの男性ユニットと結ばれたかで登場する子供の能力等が左右される。
  • 元々見た目は軟派ながら戦場としてリアルなイベントの多いシリーズだが、前半はその中でもストーリーがかなり重め。『風花雪月』がリリースされるまではシリーズ中一番重いと言われていた。
    • 前半部である親世代は、序盤は隣国にさらわれたお姫様を救いに行くというような王道を絵に描いたような展開*6なのだが、中盤以降から、親友との戦いを余儀なくされたり、無実の罪によって反逆者の汚名を着せられるなど、どんどん暗い展開になってゆき、クライマックスではRPG史上屈指の悲劇的展開であろう「バーハラの悲劇」を以って幕を下ろすことになる。
+ バーハラの悲劇
  • ストーリー中盤、主人公シグルドの妻であるディアドラが息子と夫を残して誘拐されてしまう。のちにディアドラは記憶を消去されて王国近衛司令官アルヴィスに引き合わされ、シグルドの目の前で妻として紹介されるという、驚愕の寝取られ展開となる。
    • さらに弁明の機会も降伏の権利も与えられず、シグルド一行は反逆者としてアルヴィスらグランベル王国軍により不意打ちを受け、全滅という結末を迎える。これが「バーハラの悲劇」である。国のため、正義のためと信じて戦ってきた見返りがこの仕打ち。しかも愛する妻は自分のことを覚えておらず、よりにもよってその妻とくっついた男の手で殺される…と、あまりにも無情で惨めな最期を迎える。
    • シグルド(と先に離脱しているキュアン夫婦)は死んだと断言されており、他のキャラも(ここまで生き延びていれば)「生死不明」という扱いになり、一部を除いてその後の子世代の物語には全く登場しない。
      • 女性キャラについては公式にその後が設定として存在しているが、無事を子供達から明言された1名除き、子供を遺して死亡したり行方不明になったりしている者がほとんど。また、ディアドラについてもその後の末路が作中で描かれてるが、通常の方法でお目に掛かったプレイヤーは相当なやりこみ勢。
  • このイベントがあるからこそ、無念に散った彼らの子供達が遺志を継いで立ち上がるという後半のシナリオが光る*7
    • なお、このことからシグルドは「RPGでもっとも可哀想な主人公」と言われて名前が出てくるほど*8
  • その後の子世代においては暗黒神を崇拝するロプト教が台頭し、親世代以上に陰惨な状況でスタートする。
    • しかし親世代とは異なり、帝国に支配されつつある世界が主人公たちの活躍によって救われていくという展開になっており、親の仇もしっかりと討つことができるなど、バーハラの悲劇で受けた屈辱を存分にはらすことができる。
      • これは、シグルドは政治的な戦略眼に乏しいものの、強さのみならず、正義感の強い好青年で、結果的に敗れ去るものの、戦いの最中で多くの国々の英雄たちと絆を育んでいたことが大きい。その結果、セリスの率いる解放軍が聖戦士の末裔を束ね、数で勝る帝国軍を圧倒する結果を産むに至ったのである。
        なお、シグルドの大局的な物の見方が苦手な点は、親友であるキュアン*9やエルトシャン*10も同じである*11
    • シグルドを陥れて抹殺したアルヴィスも、一度は皇帝として君臨するものの、最終的にはロプト教団の捨て駒として利用される羽目になり、さらにディアドラは死ぬ前に記憶を取り戻している。夫婦揃って霊として登場し息子セリスを励ますという隠しイベントもあるため、これらの点からシグルドは最終的には報われているという声もある。
  • 宿命と情が絡み合う人間関係はかなり複雑でシリアス。
    • 今作の敵は(ほぼ暗黒竜の操り人形であるとはいえ)全員が人間であり、以前の作品で敵対した竜や魔物は登場しない。
      • さらに実の兄弟・親子・親友で戦うケースも以前より多くなっている。かつて世界を救った聖戦士たちの末裔が、同じ血族同士で愛憎を交えつつ殺し合う様はかなり皮肉なものがある。とはいえ、敵方が悪党の場合が多く、かつて味方だったキャラと戦うわけでもないので、後の作品ほど悲壮ということはない。
  • 前作までに見られた、死に際の一言以外に台詞がないようなキャラは存在せず、代替キャラを含めたすべてのユニットに会話が存在する。また、全体的に味方キャラは美形揃い*12である上に結婚システムが加わり、子世代も含めた攻略の範疇を外れたカップリング論などが交わされるなど、キャラ人気が以前の作品より高まっている。
  • 音楽の評価は非常に高い。
    • 他作品とは異なり章ごとに専用曲が用意されていて、自軍フェイズでは自軍ユニット達の心情を表した曲、敵軍フェイズでは敵国のイメージを表した曲になっており、展開にマッチしている。
    • 更に1章をプレイしている時間が長い本作に合わせ、前作『紋章の謎』と比べて軽めでポップ調に近い曲にされており、プレイヤーは飽きることなくゲームを続けられる。
    • 本作の曲には「唱歌のように」というテーマの元で作曲されており、どの曲も解りやすく、長く親しめる物になっている。
    • 作曲者はイメージ出しとして沢山の音楽と映画を鑑賞し、研究したという。その成果はまさに素晴らしいものであったと言えよう。
    • 第10章「光と闇と」の自軍フェイズの曲は人気の高い曲の一つで、蒼炎の軌跡でアレンジされている。
  • グラフィックもさらに強化され、非常によく動く。
    • 戦闘デモは『紋章』にあった「○○の攻撃!」などのダイアログは完全にオミットされ、以降の作品でも準じられていく。
      • 必殺のモーションだけでも通常の物と止め専用のものと複数用意されている力の入れようであり、現在でも根強い人気がある。
    • アニメーションOFFの場合はMAP上のユニットアイコンが簡易的なアニメーションで戦闘を行うが、これでさえもよく動く。
    • インターフェースまわりも良好。ハードをまたぐに連れ変わっていくが、基本はここで完成されている。
  • 主人公が強い
    • 前作に当たる「紋章の謎」では、主人公のマルスがリメイク前より弱く*13、不満に思うプレイヤーがいた。しかし、本作では、二人の主人公がいずれも非常に強く、爽快感を感じることができる。
      • シグルドは、最初から上級職の「ロードナイト」であるうえ、パラメータの初期値、成長率ともに高く、序章はボスユニットを一人で倒すことも難しくないほど。さらに序盤で強力な武器である「銀の剣」を入手できるため、レヴィンやアイラなど、一握りの強力なユニットを除いて最強と言われる。
      • セリスは、母親であるディアドラのナーガの血が継承されることからシグルド以上の成長率を誇り、さらに両親の能力に応じて初期値も高くなるため、最終的にはシグルドを大きく上回る能力となる。ただし、シグルドと異なり最初は下級職のジュニアロードから始める必要がある。後述するように本作では騎馬ユニットが非常に強いため、前半の最終章である5章でシグルドに「エリートリング」*14を持たせて、早いうちにレベルを20にすることが有効とされる。
    • なお、後の作品では、一時はリーフやロイなど、微妙な能力の主人公が多かった。しかし、「烈火の剣」のヘクトルや「聖魔の光石」のエフラム、「蒼炎の軌跡」のアイクなど、次第にシグルドやセリスに匹敵する強力な主人公が登場するようになる。

賛否両論点

  • 広大な戦闘マップ
    • 従来のシリーズに比べると1マップが非常に広く(『紋章の謎』等の約数倍)、他のシリーズではマップごとに1つしかない制圧拠点(敵城)が3つも4つもある。
    • その代わり章の数自体は序章と終章入れて全12章と少な目。また1マップのプレイ時間が長いことから、ターンの開始時にセーブすることが可能。
    • 出撃人数の制限がなく、敵の数も多いためすべてのユニットを戦場に出すことができる。ただし、移動は全て手動で行わなければならず、まったく別の場所に新しい敵の拠点が出現した場合は、わざわざそちらに移動させる必要が出てくる。
      • また、この影響から、移動力の低いユニットが冷遇される傾向もあるなど、一長一短と言える。
  • 武器・キャラともにバランスブレイカーが多く、これも難易度が下がった大きな要因になっている。
    • 強力なスキルを数多く所持することから死神兄妹と称されるラクチェとスカサハや、比較的高性能でありながら序章で獲得できる銀の剣、鬼のような回避ボーナスを持っていてほぼ全ての相手に無双ができる神器フォルセティや神剣バルムンクなどがその代表格。
      • 特に神器と呼ばれる準専用・専用武器のフォルセティ・バルムンクは、装備するだけで技は10、速さが20増加する。このため、装備可能なキャラを極限まで育てれば、「3すくみでの弱点属性の神器持ちのアルヴィス」や「圧倒的な命中率の高さを誇る神器持ちのイシュタル」という、システム上決定的なメタとなるキャラを除けばラスボスさえも含めたほぼ全ての敵の攻撃の命中率が0%になってしまうほど。
        このことから『フォルセティとバルムンクさえあればユグドラル大陸(本作の舞台)を征服できる』というジョークまで存在する。
      • ただし、今作は歴代で唯一「使用可能な味方ユニット全員を一度に出撃させられる」という仕様があるので、「こいつを出撃させるには主力を留守番させないといけない、そうすると戦力的にきついからできない。」というような問題はない。
      • 威力が高いうえに二回攻撃が可能な「ゆうしゃ」シリーズの武器も非常に強力で、必要武器レベルが高い「ぎん」シリーズより明らかに使い勝手がいい。特に「ゆうしゃの剣」は重さが3であるため極めて追撃しやすく、4回攻撃が容易に行える。本作の武器は、50体以上の敵を倒すことで「ひっさつ」が付与されるため、鍛えれば神器すら上回る効果を叩き出せる。
    • また、能力・スキルに長けた強キャラと言えど実際には武器に耐久度がある関係で一人で全ての敵を倒すのは困難であり、相手側にも神器を持つ敵キャラがいる事や、神器で無双しようにも修理代が莫大なのでシーフの腕輪や値切りのスキルと組み合わせなければ乱用は難しい。こうしたインフレ要素を持たないキャラでも、スキル次第では十分活躍の場はある。
      • フォルセティについても継承者によって使い勝手が大幅に変わる*15上、カップリング次第では使用できないことも十分にありうる。また、バルムンクの使い手であるキャラクターはステータスを少し低めに設定することでバランスが取られている。
      • また、ラスボスは「見切り」で必殺・流星剣・月光剣を発動無効+防御が高い+ダメージ半減効果を持つので、力のボーナスが無いバルムンクではダメージが通り辛い。また、魔法防御が極めて高いので、ある魔法以外はほとんどダメージが与えられないため、フォルセティはかなり不利という風に、基本的にはこれら2つに頼りすぎると泣きを見るように調整されている。
    • このため「キャラクター本人ではなく武器が戦っている」と揶揄されることも。本作の世界観を的確に表現しているとも言えるが。
  • 守備よりも回避を推奨したバランス
    • 味方の守備力より敵の攻撃力が低い場合、雑魚敵でさえ攻撃を仕掛けてくることがなくなる(いわゆる「ゼロ避け」)*16。あまりに守備が高いと大勢の敵軍を倒す効率が悪くなる。
      • 本作は『外伝』同様、守備がいくら高くても必ず1ダメージは通るにもかかわらずこの仕様*17である。結局ダメージを受けてしまうので、守備を上げるメリットが感じられない風潮を助長してしまっている。
      • そのため多数の敵を相手するシミュレーションゲームという都合上、守備の高いキャラクターの扱いが難しく、プレイヤーは速さの高いキャラクターや軽い武器を使おうという傾向が強くなり、また速さの差が一つ違うだけで追撃の判定が起こるため必然的に剣や風のような軽い武器が有利な環境を生み出した。それを表すように上述の風の神器フォルセティや剣の神器バルムンクは速さの能力を強化している。
    • このため力・技(命中)・守備が強化されるが重さも高い地槍ゲイボルグは、必殺を出せば大抵の敵を一撃で倒せる強大な攻撃力を持つ反面、装備することでかえって雑魚敵が戦闘を避けてしまう様になりこちらから一人一人倒す必要が出て非効率的、高威力を誇る神器同士では重いので追撃されてしまい守備の補正がかえって役立てられないなど、使いづらい。
      • そもそも、子世代への継承システムを特徴づけるためか、ゲイボルグは最初の持ち主であるキュアンとやけに相性が悪い。重量があるので彼のスキルである連続*18が発生しづらい、技がブーストされても命中率が上がるだけで味気ないなど、「必殺」持ちのエスリンとの子であるアルテナが持って初めてそのポテンシャルを引き出せるように設定されている。
      • そのため「槍の神器ゲイボルグよりほそみのやりのほうが軽くて修理費も安いから強い」とまで言われる始末。
      • さらにいうなら、敵専用の神器グングニルは技ではなく速さにボーナスがかかる為、重量13だがボーナスを考えれば実質重量3になるので、こっちを使わせてほしいという意見も…。
  • 平民キャラは概して本来産まれるべき子供達より弱く設定されており、プレイヤーに親世代で積極的にユニット同士の結婚を進めていくことを推奨する調整になっている。
    しかし、親世代のキャラ「シルヴィア」に限っては例外。彼女の子供達の代替となる平民キャラが普通に強く、結婚の意義が薄くなってしまっている。
    • 一応ステータス面では基本代理姉弟の方が低いのだが、彼らはダンサー(再行動をやって味方ユニットの補佐)・プリースト(回復担当)と直接戦闘に使用するためのユニットではないのでステータスの高低があまり問題にならず、スキルに親世代でどういう組み合わせでもシルヴィアの子につけられない味方を強化する「カリスマ」や経験値が入りやすい「エリート」*19がそれぞれついているのである。
      • コープルの強みとしては、ブラギ家の血*20により最初からAランクの杖が使える*21ことがあげられるが、種類が少ないし有用性に欠ける。そのため大体キャラの魅力にどうしても劣ってしまう。
    • 一応、能力面では親世代に匹敵するキャラもいるし、平民専用イベントや親世代が使用していた武器が入手出来る事もあるので完全に役立たず、数合わせ的存在にはならない。*22実際、一部の平民キャラは子孫キャラより人気があるキャラもいる。
    • 「平民」と言いつつ、聖戦士の系譜が示されているキャラもいたりする。*23
  • 重い展開が多いにも関わらずテキストフォントが老若男女ナレーション関係なく、可愛らしい丸字であるため、雰囲気に合わないとするプレイヤーもいる。

問題点

  • 子供たちの兵種が、実際に登場するまでわからない。そのため、組み合わせ次第では、親が持っていた神器や「流星剣」などの強力なスキルが、子供の兵種が合わないために使えないなどといった事態も起こりうる。また、子世代へのスキルの継承についてはゲーム内で細かい補足がない。
    • 一例として、ホリンの持つ「月光剣」やデューのもつ「太陽剣」は、子供が剣を使えてかつ歩兵限定の時のみ継承できる。子供が剣を使えるからといってラケシスとホリンを結ばせても、子供が両方とも騎兵なので継承できない。
    • スキルにはその兵種に標準装備の「兵種スキル」とキャラによって違う「個人スキル」があり(この区別はできる)、継承できるのは「個人スキル」のみ。例えばジェネラルにクラスチェンジしたアーダンの「大盾」などは兵種スキルであり、子供への継承は絶対にできない。
      • のちに子世代が登場する『覚醒』や『if』では、ある程度自由に兵種を変更できるうえ、スキルもすべて継承されるため、幾分かこの問題が緩和されている。
  • キャラ同士のアイテムの受け渡しが面倒。
    • 本作では「交換」コマンドが存在しないため、「一度中古屋に売り、受け取るキャラが買い戻す」という、仲間同士なのに妙に他人行儀で間接的な方法で行う必要がある。
      • 所持金は全体でなく個人に設定され、一部クラスや恋人など限られたユニットしかお金を受け渡し出来ない。そのため大抵は売った人が売却金を買い取り側に渡すことが出来ず、買い取り側の方で十分な資金を用意しておかなければならない。
    • このシステムにより、強い武器を前線で複数人が使い回しにくくなっている。
    • これは開発者がプレイヤーに考える余地を与えたかったからとの事だが、不評だったのか以降の作品では採用されていない。
  • 敵の使う「大盾」が鬱陶しい
    • 本作の「大盾」は、ユニットのレベルの値そのままの確率で発動し、いかなるダメージをも無効化するという強力なものとなっている。親・子世代ともに終盤ともなると敵のレベルが30になることがほとんどのため、常に命中率が70%の戦いを強いられる事となる。
      • 大盾を兵種スキルとして所持するクラスのジェネラル・バロンとの対戦機会がゲーム全体を通して多く、二章以降ほぼ全ての章でボスとして登場するため、城の地形効果も相まって撃破に運が絡みやすい。10章のアルヴィスもクラスが「エンペラー」であり、大盾を持っている。
      • 味方も大盾を修得できるが、前述した通り、味方の重装ユニットは使いづらく、事実上敵だけが得をしている。
    • また、余談ではあるが、神器「トールハンマー」を所有する敵が三人いるが、その中のレプトールとブルームは大盾を持っているため、トップクラスに厄介。逆に、最後の一人であるイシュタルは大盾を所有していないので、強敵ではあるものの運要素に左右されることはない。
  • 今作で導入された「3すくみ」には大きな偏りがある。本作においては味方側では剣と風、オーラを除いた光の魔道書が大きく優遇されている一方、斧と炎の魔道書が冷遇されている。
    • 剣は他の武器と比べ攻撃力が低いが、命中率が高く、また武器の重量が軽い。剣を扱えるキャラは味方の中で7~8割と多い上に高いステータスを持った兵種も多く、特に剣を専門とする「ソードファイター」とその後継職は、5回連続攻撃を行う「流星剣」や、敵の防御を無視する「月光剣」など、非常に強力なスキルを有している。
    • 斧はその真逆。攻撃力は高いが、命中率が低い上に重量も重く、使いづらい。そもそも斧を使える兵種自体が少なく親世代3人・子世代3人しかおらず、3人中2人は様々な武器を使える兵種なので斧専業は1人ずつ*24、その性能も先の剣使いを上回っていない。ただし2回攻撃できる勇者系武器は最も威力が高く軽くて強いので、勇者の斧は他にも劣らない一線級の性能である。
      • 親世代で斧を専門に扱うレックスは、獲得経験値が2倍になるスキル「エリート」を唯一子世代に引き継がせられるユニットである為、武器を継承できなくてもスキルの為にカップル成立させられることが多い。また、血筋の関係で守備力成長率にボーナスがかかるのも利点。武器継承を取るかスキルを取るかでプレイヤーを悩ませるユニットの代表ともいえる。
      • 槍は剣と斧の中間の性能。剣に3すくみで優位に立てるが、(斧ほどではないが)重量があるため回避率の低下を招いてしまう。なお槍と剣の重さは四倍程度のものである。子世代に槍を引き継がせられるのは固定カップルを除けば1人だけであり、しかも男性キャラで直接槍を継承させられるキャラはいない。
    • 「剣優遇・斧冷遇」は第1作目からずっと続いていることではあるが、当時の斧はあくまで「序盤の蛮兵の得物」というポジションの武器なので大した問題ではなかった。
      しかし、今作で前述の「3すくみ」システムによって剣・槍と同じ土俵に上げられたにもかかわらず、剣・槍より遥かに弱いため非常に大きな問題となった。
      • 以降のシリーズでは、『槍を扱う敵を多くする』『優れた性能の斧を登場させる』『強力な斧使いのユニットを登場させ、ソードマスターを相対的またはわずかに絶対的に弱体化させる』『攻撃速度の計算式を変更して、斧の重すぎるという欠点を克服できるようにする』と言った剣と斧の格差是正が積極的に行われた。しかし、最近ではこれが行き過ぎてしまって逆に「斧優遇・剣冷遇」であることが多く、シリーズが慢性的に抱える問題となっている。
    • 魔道書に関しては、同じランクの魔道書同士を比較すると、威力や命中は同じにも関わらず、重さだけが風>雷>炎の順に軽くなっている*25という差別化のみ。槍・斧と違って武器の性能を見るだけで冷遇されているのが分かる。
      • 一応、炎魔法は序盤で登場し、風魔法の店売りは終盤になるなどバランス調整がされていないわけではない。実際今までのシリーズでは、炎魔法のファイアーは一番最初に使われる基本的な魔法であり、風魔法という位置づけのシェイバーは終盤に手に入れられる強力な魔法という位置づけだったため問題は無かった。しかしこちらも斧と同様、3すくみによって同じ土俵に立たされたゆえ生じた問題と言える。
      • 炎Aの魔法は重過ぎる以前に、使えるユニットが子世代で2人しかいないという不遇点もある。(親世代の恋人の組み合わせ次第では子世代4人になり活用しやすくはなる)。しかも魔法を手に入れるのが最終盤であるうえ、それらが使えるユニットには他にもっと強力な攻撃手段があったり、肝心の魔力の成長率がさっぱりなので実用性がない…というダブルパンチであり使わせる気を感じない。
    • この偏りを象徴するように、本作には12個の伝説の武器が存在するが、そのうち斧・炎の魔道書・雷の魔道書は敵専用のものであり、味方が使うことはできない。特に伝説の斧スワンチカは防御力と魔法防御が大幅にあがるものの、重量が20と異様に重い上に命中も70と低い、さらに味方側に防御力を無視する「月光剣」のスキルの所持者がいるとあっさり倒されたりするという散々な扱いである。なお、炎→風が有利な相性な為、10章のアルヴィスは能力の高さもあいまってフォルセティ持ちが相手でも結構な確率で当ててくる。さらにアルヴィスもラスボス同様に『見切り』を持つ。
      • その反面、前述したように今作で優遇されている剣と風魔法には、最強神器と名高いバルムンク・フォルセティがあり、この点で優遇不遇は明らかに意図したものであることが窺える。
  • マップが広大な上に入り組んだ地形が少ないため、移動力に優れた飛行系(ペガサスナイト、ドラゴンナイトなど)や騎馬系ユニット(ロードナイト、パラディンなど)が優遇されていると言われている。
    • ソードファイター系など、性能の高い歩兵もいるのだが、歩兵系の足の遅さにイラついて騎馬系だけでプレイするという人もおり、高い攻略評価を狙う場合がそれが最適解となるほど。
    • 特に冷遇されているのが、防御力が高い代わりに移動力が特に低いアーマー系。前述の通り守備より回避が重視されるために扱いづらいうえに、味方の進軍に追いつくことができず、前線に出る頃には敵が殲滅されていることがほとんど。それを見据えたのか、本作では親世代・子世代でもアーマー系は1人ずつしか仲間にならない。
      • 親世代で仲間になるアーマーの「アーダン」は登場時に「お前の役目は城の防衛」と会話で言われるが、しかし本城を守る必要があるシチュエーションが全編通しても数回程度しかなく、活躍の場は少ない。アーダンは他にも美形キャラ揃いの中で唯一のブサイク顔だったり、能力もスキルも優れていないなど明らかに冷遇されている。攻略本でも「誰ともくっつけないほうがいい」*26と書かれてしまうほど。
        しかし、有用なレアアイテムの獲得や隠しイベントが存在することもあり、逆にファンから愛されているキャラでもある。また、火の玉ゲームコミックの4コマなどでは、他のどのキャラよりもネタにされまくっていた。
      • 子世代で仲間になる「ハンニバル」も、「れんぞく」「まちぶせ」とスキルは優秀なのだが、速さの初期値、成長率が共に低く、クラスもジェネラルの例にもれず足が遅い為、仲間になる時期が遅すぎることもあって戦力として計上されることはほとんどない。
  • ラスボス戦がいまいち盛り上がらない。
    • 従来作のラスボスと同様「特定の武器で攻撃しなければほぼダメージが与えられない」という設定だが、本作ではその設定が極端であり、多くの場合ラスボス前に手に入った対抗武器を扱えるキャラ(主人公ではない)と戦わせれば楽に倒せてしまうため、こういった感想を持つプレイヤーが多い。特に主人公が関わらない点についてはファンブックでもネタにされている。
      • 一応やり込みによって必勝法以外の方法で倒すことも可能。主人公で止めを刺すとラスボスの台詞が専用の物に変化する隠し要素もある。また、バグによって本来効かないはずのある武器*27が確実に効いてしまうなど、開発の想定外と思われる弱点も存在する。
    • その上、竜など巨大な存在に変身していた過去作品と異なり、最後まで人間の姿のままである。戦闘曲も、展開に合っていない訳ではないが地味。しかもラスボスでありながら、ラスボスとして君臨する前の章で普通の敵将として登場してしまっている。
    • 攻略本に掲載されたスタッフインタビューによると、シナリオ上の本来のラストバトルは10章(セミファイナルの章)であり、最終章はおまけという位置付けらしい。また、元々はその章で子世代が終了となり、孫世代が始まるという構想であった。本作のラスボスは物語上でも元凶と言える存在であるが、孫世代でその真の姿を現すという構想だったのだろうか。
    • また、このラスボスに対抗できるアイテム入手のために戦うマンフロイ戦も最終局面にしては同様に盛り上がりに欠けている。
      • 物語上の黒幕でラスボスの右腕という非常に重要なキャラでありながら、これまで何度も戦ってきた城を守備する中ボス達と大差のない強さで下記の難敵達と比較するとあまりにも弱すぎる。
      • 前作ではこのユニットに相当するようなキャラは強力な専用武器を使ってきたが、本人は下級の敵も使う一般の武器しか持っておらずスキルも貧弱なため。イベントでは強力な状態異常魔法を使うのに、それすら使おうとしないので呆気なさ過ぎる。
    • その為、寧ろラスボス戦より前に戦う事になるファルコン3姉妹(圧倒的な回避率を持つ+与えたダメージ分体力回復する上に間接攻撃も可能な大地の剣*28を装備。しかも「見切り」で必殺や弓特効まで無効化と隙がない)やイシュタル戦(雷の伝説魔法トールハンマーの使い手であり、装備ボーナスや指揮官レベル☆5もあいまって命中率が圧倒的に高い。数値にすると実に 224 であり、バルムンク持ちのシャナンであっても、回避はせいぜい100前後なので必中させられてしまう*29)のほうが山場と言われる事も。
  • 恋愛要素に穴がある
    • 本作では、恋愛進行値がマスクデータになっており、上昇の法則などはいっさい表示されない*30。確認するには、自軍の城の占い師に「こいのゆくえ」を尋ねる必要があるが、これでも大まかにしかわからない。
      • さらに、一度カップリングが成立すると、死亡しない限り解除ができないので、意図しない組み合わせによるカップリングが成立した場合、取り返しのつかないことになる。これらの点は、後の作品で搭載された「支援」システムによって改善されている。
    • 自由なカップリングがウリの本作だが、一部恋愛が困難、あるいは不可能なキャラクターがいる。
      • 親世代では、キュアンとエスリン、シグルドとディアドラは強制的に結ばれるため、恋愛は事実上不可能。ただし、前者は既に夫婦であり、後者も序盤で結ばれるため恋愛が不可能なことはすぐにわかるようになっている。
      • 子世代では、アルテナ、フィン*31、ハンニバルは恋愛が一切できず*32、ユリアも隣接以外では恋愛値が一切上がらないため、他のキャラクターに比べて結ばれることが困難*33になっており、そのことが一切説明されない。特にアルテナとユリアはユニットとして有用ということもあり、残念がったプレイヤーも多い。
  • 「聖戦士の系譜」はあちこちおかしいところがある
    • 今作での「聖戦士の系譜」は武器レベルを上昇させる効果があり、この効果は敵にもちゃんと適応されている…のだが、ゲームシステムを優先した結果、親と思われるキャラ*34がどっちもセティ(風)の血を引いていないにもかかわらず当人だけがセティの血を引いている敵将*35が居たり、ファラ(炎)傍系の血が敵の子供キャラに継がれていない*36など、システムとしての系図を優先した結果世界観の設定とあちこち食い違っている。
    • また、セリスもユリアも母親がロプト傍系持ちなのだが、何故かロプト傍系だけが継承されていない。三つ以上の血は継承できないという事なのかもしれないが、説明は一切ない。
  • 常時発動でないスキルは「踊る」を除き全部任意発動不可
    • この関係で戦略にスキルを組み込みづらく「敵の防御力によって防御無視の「月光剣」と手数の「流星剣」を使い分ける」とか、「こいつは何としてもこのターンで倒さないといけないから「突撃」で継続して戦う」というようなことはできない。
      あえていうと「怒り」と「待ち伏せ」のみ、発動条件が「HPが半分を切ると常時発動状態になる」なので、HPを調整すれば任意の時に出せなくもない。
      • 確かに自由に使えるとバランス崩壊につながりかねないスキルも多いが、スパロボの精神コマンドのように専用のリソースを消耗したりして制限掛けてでも任意発動できた方がSRPGとしてよかったのではないかという意見もある。*37
  • バグが非常に目立っており、現在でも新たなバグ報告が絶えない。
    • 特定の条件下でレベルアップすると成長率が下がるなど、攻略を妨げるものが多い。中にはゲームが進行不能になるものも。
  • 周回を重ねる毎にOPが変化し、全部で16パターン用意されているのだが、どんなに効率よくプレイしても1周するのに50時間程度はかかる*38ので、全てのパターンを見ようと思ったら物凄く手間と時間が掛かってしまう。
    • しかも、いわゆる「強くてニューゲーム」のような要素も無いため、また最初からプレイし直さなければならない。既にクリアしたデータでもう一度クリアして回数を稼ぐといった方法も通用しない。
    • 極め付けにクリア回数はセーブデータ欄に記録されるため、既にクリアしたデータを上書きしなければならない。別のセーブ欄に移し変えることで残してはおけるが、2周目をクリアするまで気づかない人も多かった。
    • OPの内容も、単なるおまけ要素で済むならまだしも、中にはストーリー中の伏線が明らかになるという超重要パターンが含まれている。
  • 積み要素の存在
    • 変な状況でセーブしてしまい、「どうユニットを動かしても誰かが死んでしまう」などの(プレイヤーにとって)実質的な詰み状況になる事態に陥ることもあった。死者が出た場合は、のちに入手できる「バルキリーの杖」でリカバリーが可能だが、城を落とされることが確定した場合、「ワープの杖」がない限りはどうしようもなくなる。
  • 隠しエンディングの出現条件が非常に厳しい。
    • 条件は『クリア時の総合評価をAにすること』。評価の内容は『生存』『攻略』『経験』『戦闘』の4つ。当然速攻攻略が求められるが、それのみならず、『経験』という項目をAにするにはアーダンといった使えない(使わない)ユニットのレベルも相当あげないといけないほどである。
    • また『戦闘』をAにするには「全ユニットの負け数の総和が3敗以下」というものだが、これはマップの途中でユニットが負けてしまって、そこでリセットしても加算されてしまう。またバグで負け数が増えてしまうこともある。後にFEのスタッフが語ったところによると、当初はライフポイントが導入される予定だった*39ので、仕様変更時の見落としと考えられる。
    • そこまで無理してみるほどのものでもないが(エンディングで少しムービーが入る程度)。またどれかの評価が1つだけBでも、他がAなら総合評価はAになる。
      • 4つの中で厳しいのは総ターン数400未満が求められる「攻略評価 A」。A狙いをすると歩兵をぶっちぎって騎兵だけで突き進むような攻略が必要になる。攻略評価Bならそれなりに余裕を持てる。

総評

本シリーズの大きなセールスポイントである、国家間の争いや人間関係などの部分を更に深く作り込んだ意欲作。
親から子へと続く壮大な物語や精巧に作られた一つの世界、結婚システムや3すくみ、スキルや職業ごとに異なるパラメータ上限、アルファベットで処理される武器レベルなどなど、後の作品にも継承される斬新なシステム、レベルの高いグラフィック・BGMなどから、異色作とされながらもシリーズ屈指の人気タイトルとなった。

批判が集まりやすいのはバランス面の問題。神器をはじめとした強力な武器の存在や、兵種や武器種の格差、「上手く活用すれば多大な恩恵を受けられる反面、逆もまた然り」のシステムがその偏りを助長するため、強いキャラクターは隆盛を極め不遇キャラクターはとことん不遇となる。ただし難易度自体は低めなので、攻略評価を気にしないのであれば本作を象徴する概念である「愛」で十分カバーできる。


余談

  • 本作の登場人物の名前(主に親世代)や神器などの用語名はケルト・北欧などの神話から取られているものが多い。が、基本的には名前だけ拝借したものと思われ、元になった神などとの関連は薄い。
    • 特にシグルド(ジークフリート)と剣バルムンク、スカサハ(スカアハ)と槍ゲイボルグは元ネタ(ニーベルンゲンの詩とケルト神話)でそれぞれが持ち主なのに、この作品では両者その武器を装備(所有)自体できず、別人の持ち物という設定*40
    • ごく一部ではあるが、ヘズル(ヘズ)と剣ミストルティンなど一致することもあり、またキュアンとエスリンは神話でも夫婦で、息子のリーフも『トラキア776』で「ルー*41」と名乗るシーンがある。
    • 前半のヒロインであるディアドラも、元ネタの神話では「悲しみと災いを招く者」という意味を持つ女性である。本作でも夫となった2人の男たちに、「悲しみと災いを招く」のならばヒロインの名前に用いるセンスの妙が見て取れるのだが。
    • 物語における重要な地名である「ティルナノグ」もケルト神話からとられたものである。後に加賀氏はISから独立する際、「ティルナノーグ」という名前の会社を設立している。
  • 親世代の主人公であるシグルドの妻はディアドラで固定なのだが、当初はシグルドも自由にカップリングが出来る予定だったらしく、子世代の主人公の「セリス」という名前も、男でも女でもどちらでも使える名前だからという理由で付けられた物らしい。後のシリーズでも、「クリス」、「ルフレ」、「カムイ」など、男性としても女性としても使える名前の主人公がおり、実際に性別を選択することができる。
    • ただし、当時の公式掲示板で加賀氏はセリスは最初から男として設定していたと、この説を否定している。
    • ちなみにセリスはシグルドと違い、ユリア、アルテナ以外のすべての女性キャラと結婚が可能。主人公が複数のキャラから相手を選べるのは本作が初めてで、のちに『封印の剣』などのGBA版タイトルでは複数の候補から相手を選ぶシステムになり、『覚醒』からの新作タイトルでは、本作と同様に、特定の相手を除いたすべての味方ユニットと結婚ができるようになっている。
  • 異父兄妹同士が子を成すという倫理的に真っ黒な展開がある*42。今の家庭用ゲームのシナリオではまずあり得ないことだろう。後にリリースされた『FE覚醒』には結婚したユニットの子供が未来からやってくるというシステムがあるが、その際に近親相姦は基本的に不可能になっている。一方、後の作品では、同性同士で結婚するという要素が存在する。
    • 一応抜け道はあるが伯母-甥/叔父-姪の関係が関の山(成立時に「妻」「夫」の欄が「伴侶」表記に変更)でそれなりに計画しないと成立しない上、子供のスキル的な意味でもったいない組み合わせになってしまうため、そのような組み方は普通はまずされない。
  • 本作のストーリーの一部に焦点を当てた次回作『トラキア776』も、本作の背景を引き継ぐと共に、「滅びの美学」というテーマの元でかなり重いストーリーになっている。その後の据え置き機も同様で、『蒼炎の軌跡』、『暁の女神』では、人体実験や、身分格差、種族差別など、『風花雪月』は貴族と平民の対立や、登場キャラのほとんどが本作に劣らぬ壮絶な過去を背負っている事、また、かつての仲間たちが殺しあう姿を描くなど、やはりシリアスな展開が続く。
    • 一方、携帯機作品(『封印の剣』~『if』)では、ライトユーザーを意識してか、本作よりも大分軽いストーリーになっている。
  • タイトルの「ファイアーエムブレム」は本作のストーリーにあまり関係ない。進め方によっては存在すら気がつかずに終わる。
  • 本作の攻略本は20社以上から出されている。攻略本が多くの会社から発売されていた時期である事を考慮しても、凄まじい量である。
    • また、コミカライズも非常に盛んで、多くの(主にスクウェア・エニックス関係)作家によって描かれている。小説版も刊行されており、第2次スーパーロボット大戦OGゼノブレイドなどの脚本を担当した竹田裕一郎氏が手掛けている。
      • 尤も「エニックスお家騒動」による作家陣の大量引き抜きにより打ち切りも含まれているのが残念なところ。
  • 同盟軍や乱数調整などを利用したものではあるが、シーフの腕輪、値切りを禁止しバルムンクとフォルセティのみでクリアした猛者が存在する。
    • フォルセティとバルムンクさえあればユグドラル大陸(本作の舞台)を征服できる』そんなジョークが真実化した動画もあるので、興味があれば探してみてほしい。
  • ゲームオーバー画面の採用は本作が初
    • 初代』、『外伝』、『紋章の謎』では「きろくしたところからはじめますか?」や「きろくがありません」の2種類のメッセージしか出ず、採用されなかったが、ゲームオーバー専用の画面が採用されたのが本作が初めてである。
      • 以降のFEシリーズ*43から採用するようになった。
  • 本作は自由恋愛が売りとなっているが、『トラキア776』で固定となったカップルが2組ある。片方はこの作品でカップルが自動的に成立する専用イベントがあったのだが(こちらはユーザーからのカップル人気も非常に高くほぼ受け入れられた)、もう片方のカップルに関しては、ファンから「勝手に固定しないでくれ」という声が未だにある。後日、このカップルに関する任天堂公式HPの記述は削除されたほど。
    • しかしながら、その『トラキア776』においても、カップルが成立したにしては不自然な点があったり、子供がもってくるある武器の名前がかなり意味深なものとなっているなどの疑問点もある。作中では明かされないため真相は闇の中だが。
    • 更に、任天堂公式HP・ファイアーエムブレムワールドの「マスター級Q7解答」の解説で若干揉めた。
      • この影響により、この後にリリースされた作品は、連作の際には恋愛が成立しなかったり、父親か母親のみが明らかになっているなど、カップリングに矛盾が生じないよう配慮されている。
  • スペースワールド95で展示された際の仮タイトルは『ファイアーエムブレム 光をつぐもの』だった。このタイトルは本編6章で使われた他、冬季ねあのコミカライズ版で使用されている。
最終更新:2022年10月03日 01:31

*1 本作ではユニットが倒された時点で自動的に「負け数」がカウントされ、リセットしても保持される。負けを消すには章初めのセーブデータからやり直す必要がある。

*2 厳密には公爵家の娘の子(うち1人は当主の伯父の下で育っている)やエルトシャンの側近騎士の子がいるので、平民でない連中が4人ほどいる。

*3 公式サイト「ファイアーエムブレム ミュージアム」内での呼び方。

*4 この仕様はFEではユグドラル大陸を舞台にした作品のみ採用されている。

*5 1人だけ、前半と後半両方で仲間になるユニットがいる。

*6 だが、歴代でも珍しい「最初の敵が異国の軍隊」という設定(他は初代の『暗黒竜』筆頭に「戦乱で治安が悪化して跋扈してきた賊の討伐」や、『蒼炎』などに端を発する「戦場に出るための訓練」が最初の戦いというのが基本。)であるという少し珍しい展開である。最も蛮族扱いされる国の軍なので外見上は山賊と変わらないのだが。

*7 『ファイナルファンタジーVI』や『ゼルダの伝説 時のオカリナ』でも似たような手法が用いられており、こちらも評価は高い。

*8 あくまで主人公では、という話であり、ハーディンやカナス、ディミトリなど、主人公に限定しないなら彼に匹敵する不幸なキャラはいる。

*9 友情のために祖国・レンスターの軍を多数引き連れて出撃し、結果的にレンスターの滅亡を招いた。

*10 父親を殺して連合国の主権を奪い取って悪政を敷いた挙句無謀な戦乱を巻き起こし、エルトシャン自身のこともぞんざいに扱う暴君「シャガール」を、「自分にとっては主だから」という理由でわざわざ助けてしまい、結果としてシグルドの足を大きく引っ張った。

*11 シナリオ作成時点で、この三人については「考えが甘い」意図的に欠点のある人物として描いていることが、ある攻略本のインタビューで明かされている。また、キュアン、エルトシャンと比較すると、シグルドに関しては不可抗力によるところも大きい。

*12 アーダンなど、一部例外もいるが

*13 ユニットの強弱ではなく、専用武器の性能の問題

*14 装備すると獲得経験値が二倍になる腕輪。

*15 魔法系ユニットで無ければ当然使えないうえ、魔法使いでもコープルが継承するともともと戦闘向きのクラスではないので他のクラスに劣る。

*16 戦術としては理にかなっているのだが、爽快感が無くなるのでプレイヤーからは敬遠されるきらいがある。

*17 『外伝』ではダメージによる「ゼロ避け」現象は起きなかった。

*18 追撃とは別に、攻撃が2回連続で発生する。序盤は必殺よりも出しやすいが、ダメージが必殺よりも低い、武器の消耗も2倍になるという短所も。

*19 こちらだけは前述の通りレックスと結ばれれば習得可能。

*20 このことを作中で知る者はいないため、彼がブラギ家を受け継ぐには当主であるクロードの息子になる必要がある。

*21 おそらくシルヴィアがブラギ家の血を引いているのはこのゲームデザインの事情である。また、彼女の血筋についても、仄めかす程度だが説明がある。

*22 ゲームバランス自体は全員が子を成さない、通称平民プレイを前提としていると言われている。

*23 親世代でも上記のシルヴィアは町の踊り子なのになぜかブラギ家の血を引いていたり(ブラギの直系のクロードの生き別れの妹という説もあるが定かではない)するのだが、こっちは明確に公爵家の令嬢として育てられた娘である。

*24 さらに言えば、直接、斧を引き継ぐこともできない

*25 この重量設定がかなり適当になっており「同系統は同重量で遠距離と神器のみ重い」というのが大半。

*26 「まちぶせ」を継承させられるが、それなら待ち伏せのほかに「エリート」の技能とネールの血を持っているレックスの方がはるかに得。しいて言うなら子供次第では武器継承ができることがアーダンの唯一の利点

*27 スリープの剣。状態異常付与武器は『31-魔法防御』が状態異常付与率になるのだが、魔法防御が32以上のキャラはアンダーフローで状態異常付与率が100%になる。

*28 プレイヤーが使う分には使用回数が10と少ない、修理費が高い、とクセが強く使い勝手が良くない武器となっている。敵は使用回数の制限が無い為、高価で使用回数が少ない武器も使い放題。

*29 ただし前述のように3すくみの関係でフォルセティ使いが育っていれば撃破は容易。また、彼女も魔法防御が32なのでスリープの剣で眠らせられる

*30 近くにいると成立しやすい、というニュアンスの情報を村で得ることが可能。

*31 親世代で恋人ができてなくても

*32 一部攻略本では、会話で恋愛値が上がるように書かれているが間違い

*33 コープル、シャルローとの恋愛は、裏技を使わなければ不可能とされる。

*34 セティの血を引いていてもおかしくないシレジアの侯爵キャラ二人。元から風の武器レベルAのバロンのため、系図が光っていない。聖戦士の血を引くとステータスボーナスがついてしまうため意図的に抜いたものと思われる

*35 ゲーム上、トルネードをマージナイトに使わせるにはセティの血が必須で、そのための措置。結果的に「系図が光っていない親から傍系が生まれた」とおかしなことになっている

*36 フリージの敵将二人の母「ヒルダ」はファラ傍系持ちだが、ボルガノンを使ったりすることが無いため子供二人はファラの系図を持っていない。また、何故か終章のヒルダはダインの直系になっている。当時の掲示板によると設定ミスでファラ傍系が正しい。

*37 この問題は以後のシリーズでも続き、『蒼炎』では重要な敵とのタイマン戦闘がほぼ運ゲー(主人公がスキルを発動すればほぼ勝ち、スキルなしではターン制限もあり困難。負けても進めるが後味は悪い。)という事態が起きたり、『暁』ではコマンドで選べるスキルがいくつか出たが肝心の奥義系が全部ランダム発動で「瞬殺(敵HPを1にする)」など「通常攻撃で倒せてたのに発動してHP1で止まり倒せなくなった」などという問題も起きていた。ただし『Echoes』以降は「戦技」という形で任意発動が可能になっている

*38 RTAでは10時間以内のクリア動画もアップロードされている。

*39 HPが0になると自軍を抜けるキャラクターがいたり、死亡したような描写があるのに実は気絶していただけというFEらしからぬキャラクターが出てくるのも、その傍証と言える。

*40 加えてスカアハは影の国の女王だが、スカサハはアイラの息子として登場するなど、性別も一致しないこともある

*41 ケルト神話におけるキュアンとエスリンの息子。彼の息子はクー・フーリンといい、ホリンの名前の元ネタである。

*42 本人達は知らなかったようだが

*43 最新作やリメイク作