この記事では執筆禁止とされている『にゃんこ大戦争』のスピンオフゲームを紹介しています。
編集する際は『にゃんこ大戦争』本編の評価・解説を含まないようにご注意ください。


とびだす!にゃんこ大戦争

【とびだす にゃんこだいせんそう】

ふたりで!にゃんこ大戦争

【ふたりで にゃんこだいせんそう】

ジャンル シミュレーション

対応機種 ニンテンドー3DS
Nintendo Switch
メディア ダウンロード
発売元 ポノス
開発元 【3DS】ポノス
【Switch】トーセ
配信開始日 【3DS】2015年5月31日
【Switch】2018年12月20日
定価 【3DS】777円(税8%込)
【Switch】999円(税8%込)
プレイ人数 1~2人
レーティング 【3DS】CERO:A(全年齢対象)
【Switch】CERO:B(12才以上対象)
判定 バカゲー
ポイント キモかわいいにゃんこが日本に世界に宇宙侵略
リアルタイムのログインボーナス&スタミナ制
「とびだす!」の課金代替要素は単純作業
「ふたりで!」は単純作業+ミニゲーム
「とびだす!」はボリューム不足
ポノス配信作品
にゃんこシリーズ(執筆可能作品に限る)
とびだす! / ふたりで! / GO!GO!ネコホッピング / にゃんこ新日本


概要

ポノスのスマートフォンゲーム『にゃんこ大戦争』の家庭用版。3DS版は『とびだす!』、Switch版は『ふたりで!』のタイトルで発売されている。
原作は基本無料・追加課金型のいわゆるソーシャルゲームだが、本作は課金要素が存在せず、完全な買い切り型のゲームとなっている。
公式で「追加課金一切無し」を売りとしており、実際(いわゆるログインボーナスなどの時限式の報酬無しでも)ゲーム内でレアガチャを無限に引けるようになっている。…相応の手間もあるが。

基本

  • いわゆる「ラインディフェンス」と呼ばれる、タワーディフェンスをさらに単純化したようなRTS(リアルタイムストラテジー)。ソーシャルゲーム界では定番のゲームジャンルである。
  • 画面は真横から見たスクロール画面。マップの端に自軍のにゃんこ基地が、逆の端に敵の基地がある。
  • 時間で蓄積されるお金を消費してにゃんこを生産。敵基地からは敵キャラが出現して進軍してくるので、こちらのにゃんこを逆方向から進軍させて倒していく。敵基地のHPを0にすればステージクリア。
    • にゃんこはそれぞれ必要コストや生産後に発生するインターバルなどが異なる。基本的に弱いにゃんこは生産が早く数で押す、壁となるスタイルをとり、強いにゃんこほど生産効率が悪くなって、ここぞというときに出す切り札的な存在となる。
    • 単に弱い強いだけでなく「HPが高く自軍前面で盾になってくれる」「遠距離に強力な飛び道具で攻撃できるが接近されると弱い」など個性的な能力傾向を持つにゃんこも多いので、それぞれを適切なタイミングや比率で生産する事が、マップ攻略のために重要な戦略となる。
    • 事前に10枠(Switch版の2人協力プレーでは5枠×2)のキャラ編成を行う。組んだ編成はいくらかストックが可能で、ステージによって使い分けることができる。
  • 進軍中に「働きネコ」にお金をつぎ込むことで、お金の生産ペースや蓄積上限を増やすことができる。働きネコにお金を回すほど生産は早くなるが資金も高額になるため、どこまで働きネコに資金を注ぎ込んでどの時点で切り上げるかの見極めはとても重要。
  • ゲージがたまると自軍基地から一定距離までにいる敵をまとめて攻撃できる「にゃんこ砲」が使用可能。序盤は敵を一蹴でき、後半も敵を強制的にのけぞらせる効果により、発射タイミングを意識することでかなりの戦力になる。
  • いわゆる「石」に相当するスマホ版で言う課金要素はネコカン。本作では課金では購入できず、ログインボーナスと下記の「お宝」の被りでの取得が主となり、同じく下記のXP、アイテム、統率力の購入、レアガチャを引くのに用いられる。
  • ステージクリアなどでXP(経験値)を獲得し、それをキャラや施設の強化などに用いる。
  • ステージに挑むには時間で回復する「統率力」を消費する必要がある。XPでの強化や下記の「お宝」で最大値を上げることができ、時間以外にもネコカン、そして「ふたりで!」ではミニゲームのクリアで回復できる。
  • ステージクリア時にランダムでステージに対応した「お宝」がドロップする。粗悪、普通、最高の三段階があり、その地域全体のお宝を揃えることで、自軍全体が品質に応じて恒久的にパワーアップする。
    • スマホ版との違いとして、被った場合はネコカンに変換されるという仕様がある。変換効率は消費統率力関係なく、全ステージで共通。
      • そのため消費統率力の少ないステージに挑み続ける→獲得したネコカンで統率力回復を繰り返すことでネコカンの通算は大幅にプラスになる。「とびだす!」ではこれによりネコカンの無限稼ぎが可能で、実質アイテム、統率力も無限
      • 「ふたりで!」では1ステージごとの上限が追加されているため、ネコカンそのものの無限稼ぎは不可能だが、下記の「にゃんにゃんチャンス」の仕様により統率力、レアガチャは無限稼ぎが可能
  • ガチャも存在し、そちらで新しいにゃんこ(キャラクター)の獲得、すでに持っていれば重ねてのパワーアップ(ソシャゲとしては強化度合いが超微量)が可能となる。
    • 「にゃんこガチャ」「レアガチャ」の2種類があり、「とびだす!」ではレア、激レア、超激レアが出る「レアガチャ」のみが存在する。「ふたりで!」のみの「にゃんこガチャ」は基本キャラと施設強化、そして施設強化完了後は5個でレアガチャへの変換が可能な「こやし」となる。
      • 「レアガチャ」は進行度において排出キャラクター追加、またガチャシリーズ追加がなされる。
    • ガチャを引いた後のオートセーブは無し。ただしほとんどの場合順番が固定されているのでロードで引き直しても変わらない。
  • ランダムで一定時間の間特定のステージにアイテム入手率UPなどのゲリラステージ効果が付与される。

機種ごとの違い

「とびだす!」(3DS版)

  • ステージは日本編、世界編、宇宙編の一本道でほかのステージは無し。
  • 「とびだす!」のタイトル通り裸眼立体視に対応している。
  • ほかのバージョンには存在しないやる気ゲージが存在し、にゃんこを生産するごとにやる気ゲージが消費され、ゲージが無くなるとにゃんこを生産できなくなる。
    • ただし他のバージョンでも一定数以上のにゃんこを生産すると新たなにゃんこの生産ができなくなるので、「とびだす!」のみ生産できるにゃんこの上限が可視化されていると考えてよい。
  • ローカル通信対戦が可能となっている。
  • にゃんこチケットがないため、基本キャラ、施設の強化がXP以外でできない。

「ふたりで!」(Switch版)

  • ステージは「とびだす!」のステージに加えて、高難易度のレジェンドステージも登場。
  • 「ふたりで!」のタイトル通り2人協力プレーが可能。
  • 2人協力プレーでは「にゃんこ砲」が双方のRボタンを押すタイミングで威力が変動する「超にゃんこ砲」となる。
  • 「ふたりで!」ではにゃんこミッションという課題が設定されており、条件を満たすことでガチャチケットやネコカンが手に入る。
  • たまに「にゃんにゃんチャンス」と呼ばれるミニゲームが発生し、ゲームをプレーすることでスコアに応じたレアガチャチケット含む報酬や統率力回復が可能。
    • 消費統率力の少ないステージでこちらを誘発することで無限稼ぎが可能
    • ミニゲームも2人協力プレーに対応している。
  • ログインボーナスの回数が多め。
  • 「お宝」の被りによるネコカン獲得に1ステージごとの上限がある。
  • 2020年7月16日のアップデートで対戦モード実装。
    • にゃんこ砲が敵陣営のキャラに属性を付ける「属性にゃんこ砲」となる。本拠地に当てて出撃を封じることもできる。
    • 1画面でのおすそわけ対戦とローカル通信対戦が可能。

評価点

  • キモかわいいにゃんこ達
    • 原作からそうだが、にゃんこのデザインがキモかわいい。
    • 中には「にゃんこ……?」と思うほど猫とは程遠い姿をしたにゃんこも存在し、そういう面ではバカゲーといえる。
    • キモかわいいにゃんこに混じって、なぜか美少女キャラやモンスターなどもいるが、「にゃんこが組み込まれた武器を持っている」「よく見ると中ににゃんこが乗っている」など、必ずどこかに「にゃんこらしさ」は存在している。
    • 多くのキャラがパロディ要素に富んでいるのも特徴的。どこぞの宇宙要塞だったり、ツインテールなボーカロイド*1だったりといった、様々なものを真似ている。一目で分かるものもあれば、元ネタを知らなかったりよく見てみないと分からないものもある。
    • さらに、キャラの説明文も面白おかしく書かれているものが多い。「豆腐屋の親を持つ大豆アレルギーのロッカー」や「サーフィンをしていたら荒波に巻き込まれたにゃんこ」など進化することでキャラのストーリーが進むものもある。
  • ゲームバランスの良さ
    • 基本的に本編クリアだけならやさしめの難易度だが、ところどころで難所が発生し、ユーザーを飽きさせない作りになっている。
    • 「ふたりで!」は「そろそろきつくなってきた」というタイミングで、ちょうどミニゲームやミッション報酬が発生してネコカンが大量に補充されるようになっているため、詰みを回避できるような作りになっている。
    • 勝てない場合も勝てるステージで稼ぐ、自分でも思いつきやすく検索でも出る無限稼ぎで仕切りなおせば、まともな時間で十分対処できる。
    • 序盤はあっさりクリアできるが、終盤は編成で頭をひねらないと難しい。特に「ふたりで!」は顕著で最終章の「未来編」や「レジェンドストーリー」は、かなりの高難易度であり、特定のにゃんこがいないと勝てないレベル。
      • 実は難所と呼ばれる場所も、「レアではだめだが超激レアなら楽に突破できる」…というステージだけではなく、「イノシャシ」「サイクロン系」といったパワー系にはレアキャラで相手を弱体化させる方が超激レアより安定するなど、レア度の低いキャラも活躍の場があるバランスとなっている。もちろん特定の超激レアが刺さるステージもある。
      • ガチャ代を含めてネコカンの重要性を認識させるのもこのあたりからである。
  • 無限稼ぎによる、スマホ版では揃えられないキャラも揃えられるコレクション要素
    • 元となるスマホ版では課金専用キャラクターのコンプリート、同キャラを重ねてのパワーアップには現金の面での限界があるが、作業さえこなせば無限に稼げる「とびだす!」「ふたりで!」ではフルコンプも買い切りで可能。凝ったデザインや一風変わった性能の超激レアも少なくないため、コレクターは満足できる仕様となっている。
    • 「ふたりで!」にはオリジナルにゃんこが何体かいる。ただし、どちらもコラボキャラや、後のバージョン専用キャラはさすがに出ない。
  • 2人プレー対応
    • 「とびだす!」では対戦、「ふたりで!」では協力プレーに対応している。

賛否両論点

  • 序盤ステージと「お宝」集めの単調さ
    • スマホ版でも取りざたされるが、慣れたプレイヤーにとってはお金も揃わず、最低限の戦略しか必要もないのに時間がかかる序盤の単調さを面白いとは感じにくい。「お宝」集めも若干高価な消費アイテムを使わない限り運任せなので、この辺りは弱めのにゃんこと敵がわちゃわちゃしているのを見るだけで楽しめるかどうかで評価が分かれるところ。
  • プレイスタイルによって変わるゲームバランス
    • 本作は無限稼ぎを含めたネコカンの管理でバランスが大きく変わる。稼ぎをやりすぎると簡単になりすぎるので注意。
    • 「進めることで新しいガチャキャラが解禁」という仕様上、ある程度レアガチャが引けるように貯めておいた方がいいが、貯めすぎても道中が大変になるのでバランスが難しい。

問題点

ソシャゲ然のシステムとそのフォロー要素

  • 本作はゲーム本体が買い切りとなっており追加課金も存在しないことを売りにしているが、それ以外のシステムがどう見てもソシャゲ然としている。
    • 戦闘を開始するには時間で回復する統率力が必要で、時間以外での回復の手段は用意されているがひと手間かかる。テンポよく遊ぶためには早いうちから統率力をなるべくXPやお宝で伸ばしておくのが望ましい。
    • ガチャはチケットもしくはネコカンで回す。ガチャなので当然だが、欲しいにゃんこが手に入るかどうかは運任せ。しかもネコカンでガチャを回す場合の要求数が多めで、数回も回せばあっという間にネコカンがなくなってしまう。
      • なお「ふたりで!」の場合は、統率力回復にネコカンを使い、にゃんこチケットかレアチケットがドロップするステージを周回した方が効率が良い。
    • アイテムもネコカンで購入する必要がある。ただしガチャに比べれば要求数は少なくギャンブル性も薄いため、ネコカン切れを起こすことはまずない。

ネコカン、レアガチャチケットの入手の単純作業さ

  • 「追加課金一切無し」と公言している通りネコカンを現金で購入ができなくなっているが、問題なのはその追加課金に代わる手段が単純作業であること。お宝のネコカン変換機能、「にゃんにゃんチャンス」の報酬により無限稼ぎが序盤から行えるが、ひたすら簡単なステージを作業的にこなすのが、両バージョンとも基本となる。
    • 幸いどちらも携帯機なので、別のことをしながら気軽にこの無限稼ぎはでき、「ふたりで!」の方は楽しめるミニゲームも挟まるが、膨大な数を揃えようと思うとゲーム性があるゆえの大変さも出てくる。
  • 無限稼ぎそのものの理屈は単純であるため自分で気付きやすく、現在は検索もあるため「詰み」に陥ること自体は少ないが、無限稼ぎを知らない場合にネコカンを浪費してしまうと非常に損をしてしまう。
    • 「追加課金不要」の売り文句に偽りはないが、重課金ユーザーのようなことをしたければ相応の単純作業を要求されるのは間違いない。

「とびだす!」のボリューム不足

  • 発売当時のスマホ版と比べた場合、流用で収録できたはずの高難易度要素の「レジェンドストーリー」が一切無しというのは、ボリューム不足を指摘されても仕方がないと言える。
    • レジェンドストーリーはスマホ版では「こちらが本番」ともいうべきの、日本編などを遥かに凌ぐ大ボリュームのメイン要素。いつでも挑むことができるレジェンドステージ、特定の期間にのみ登場するスペシャルステージの二つがある。
    • 発売当時と比べてどれほど未収録かというと、スマホ版ではレジェンドステージの約134ステージ目のステージクリア報酬キャラの「ウルフとウルルン」が「とびだす!」に登場する=そこまでのレジェンドステージは収録可能のはずである。
    • その分、一本道の中でレジェンドストーリー専用の難敵も能力を調整されて登場するようになっている。

総評

1000円未満のリーズナブルな値段で「にゃんこ大戦争」の面白さを買い切りで最大限表し、課金要素を単純作業という現実の懐具合と関係のない部分でフォローした怪作。

こちらが初めてのユーザーも「にゃんこ大戦争」のキャラの可愛さや後々奥深くなる戦略性を楽しめるようになっている。

挑戦できるステージのボリュームやコラボ要素はスマホ版に適わないものの、買い切りで超激レアコンプリートという夢のようなことが可能なのはスマホ版にはない魅力なので、スマホ版ユーザーも手を出す理由のある仕上がりとなっている。

「無限稼ぎの単調さを許容できるか」でゲーム内の戦力充実ぶりが大きく変わってくるが、そちらを無しにしても楽しめるバランスとなっている。コンプリートしたいユーザーはその点を意識した方がいいだろう。

余談

  • 3DS版の発売記念として「にゃんこカート」、Switch版の発売記念として「ネコ兄弟」がそれぞれアプリ版で入手できる。特ににゃんこカートはどこかで見たような格好をしている。
    • なお、アプリ版におけるSwitch版とのコラボステージでは最後に「でも一番面白いのはアプリ版!」と言ってしまっている。宣伝する場所でそんなことを言ってしまっていいのだろうか。
  • Switch版は対戦モードの実装と同日の2020年7月16日にポーチと限定キャラダウンロードコード付きのパッケージ版が発売。
最終更新:2022年08月02日 10:52

*1 後に原作でそのキャラとコラボしたのだがそれはまた別の話