ロックマン エグゼ2
【ろっくまん えぐぜ つー】
| ジャンル | データアクションRPG |  裏を見る
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| 対応機種 | ゲームボーイアドバンス | 
| メディア | 64MbitROMカートリッジ | 
| 発売・開発元 | カプコン | 
| 発売日 | 2001年12月14日 | 
| 定価 | 5,040円 | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| セーブデータ | 1個(バッテリーバックアップ) | 
| レーティング | 【VC】CERO:A(全年齢対象) | 
| 周辺機器 | 通信ケーブル対応 | 
| 配信 | バーチャルコンソール 【Wii U】2014年11月12日/702円
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| 判定 | 良作 | 
| ポイント | スタイルチェンジなどが追加され正統進化 良くも悪くも有名な凶悪即死コンボ「プリズムコンボ」
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| ロックマンシリーズリンク  ロックマンエグゼシリーズ | 
 
概要
『ロックマン エグゼ』の続編。
メインキャラクターなどは前作と同じ。プレイヤーは光熱斗とロックマンを操作してストーリーを進めていく。
ストーリー
WWW事件から3ヶ月後…
デンサンシティは平和を取り戻し、熱斗たちも普段の生活を送っていた。
…だがその一方、世界各国ではネットワークが次々に破壊されるという事件が発生していた。
その手口は、残忍・冷酷・卑劣で狙われた国はネットワーク以前の生活を余議なくされると言う。
一体、誰が何の為に…?
すでに魔の手が熱斗たちの街にも迫っていた。
(公式サイトからの転載、一部修正)
前作からの変更点、及び評価点
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ロックマンの姿が変わる新システム「スタイルチェンジ」
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バトル時の動作に合わせてロックマンの能力が変化し、様々な特徴を持つようになる。
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バスターを多用すると「ガッツ」、ナビチップを多用すると「ブラザー」、チップの多数使用で「カスタム」、攻撃の回避とHP回復で「シールド」の4種。これらは変化条件に対応した性能を持っているので、プレイヤーのプレイスタイルにロックマンが適応したと言える。
 さらに、ヒート・アクア・エレキ・ウッドの4属性のどれかがランダムで付与される(例:ヒートガッツスタイル)。属性によってそれぞれチャージショットの性能が変化し、そのまま戦い続けるとレベルが上がって威力が上がる。
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さらに隠しに「サイトスタイル」が存在。4つのスタイルを併せ持った最強の性能を持つが、デメリットとしてHP半減。通常のノーマルスタイルを合わせて18種類存在する。
 
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スタイルはノーマルスタイルと他2つを同時に持てるので、状況に合わせてスタイルを変えることも可能。また、通信交換することもできる。
 
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戦闘面での進化。
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カスタム画面(戦闘時のバトルチップ選択画面)のUIの改善
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前作のカスタム画面でバトルチップのコードを見るためには、確認したいチップまでカーソルを合わせる必要があったが、本作以降のカスタム画面は、チップコードも併せて表示するレイアウトに変更された。
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更に、一枚チップを選択すると、そのチップと組み合わせられない他のチップが暗転するようになり、カスタム画面の快適性が大きく向上した。
 
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バトルチップのコードに*(アスタリスク)が追加
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このコードは他のコードにとらわれずに使える(A,A,*や同じチップのA,*,Cなど)ため、戦略性が更に上がった。
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プログラムアドバンス内にも使えるが、同じチップをアルファベット順に選択するタイプの物に2枚以上の*チップを使う事はできない。
 
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「レギュラーチップ」システムが初登場
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チップフォルダの中の1枚をレギュラー指定することで、そのチップが毎戦必ず初手のカスタム画面に出現するシステムであり、戦略性の増進に大きく寄与すると共にシリーズ定番の仕様となった。
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ただしどんなチップでも選べるわけではなく、チップ毎に設定されている「レギュラー容量」以上の容量を所持していなければ指定出来ない。
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この所持容量は「レギュラーUP」というアイテムを取得することで増加していくのだが、強いチップほど容量は高くなり、全てのレギュラーアップを取得してもレギュラーに指定できない大容量バトルチップも複数存在する。
 
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特殊パネルの追加。バトル時のパネルに特殊効果を持ったパネルが出るように。
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ヒート以外の属性ではダメージを受けるマグマパネルや、同じ縦列に並ぶと引き寄せられるマグネットパネルなど。
 
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チップの攻撃力とウイルスのHP、配置がバランスの取れたものになった。
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属性や特殊パネルに加えて、ADDやレギュラーチップシステムを駆使すれば、序盤で手に入るダッシュアタックやヒートショットが主力のフォルダでも長く戦える。
 
 
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ダメージ計算方法の変更
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前作では暗転チップはその最中に与えた総ダメージを暗転後にまとめて与えていた(例:シャドーマンV3は敵が1体なら100×3=300)。今作では1回ずつダメージを与えるように変更されており、オーラ系チップはより効果的になっている。
 
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探索面での進化。
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電脳世界で使える「サブチップ」の追加。バトルでは使用できない、いわゆる消費アイテム的存在。
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ロックマンの体力を回復させるミニエネルギーやフルエネルギー、使うとしばらく弱いウイルスが出なくなるシノビダッシュなど全部で6種類。
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かわりに、『1』とは違って戦闘後にHPが全回復することは無くなった。
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サブチップは初期状態では各種所持最大数4個だが、「サブメモリ」というアイテムを取得することで最大数を増やすことができる。
 
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電脳世界の変化。今現在どこにいるのか分かりづらかった前作から一転、今作ではインターネットのエリアごとに地形や背景のデザインが変化し、場所が分かりやすくなった。
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また、メニュー画面に現在のエリア名が表示されるように(「○○エリア」や「○○の電脳」など)。
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「逃げる」選択肢の追加
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前作『1』ではバトルチップ「エスケープ」を使わない限り戦闘からの逃走は不可能だったが、今作からカスタム画面でLボタンを押すことにより逃走を試みることが可能になった。
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通常の逃走は相手のレベル次第で失敗し、逃走失敗した場合1ターンをバトルチップなしでしのがないといけない。代わりに「エスケープ」を使うとイベント戦以外では必ず逃げられるという差別化が図られている。
 
 
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イベント限定チップの配信
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本作より小学館主催のイベントにて、イベント限定のバトルチップの配信が始まった。
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ただし、受け取れるのは小学生以下限定なので物議を醸した。
 
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本作の限定チップ「ゴスペル」はプログラムアドバンスの1つ「ダークメシア」を完成させるのに必要なチップとなっている。これ自体はコンプリートに必要ない。
 
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本作限定のハードモード。
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敵の攻撃力が増加・通信機能を制限された高難易度版が収録されている。出現条件はかなり厳しく、タイトル画面の星5つ(後述の問題点参照)とコマンド入力が必要。
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セーブデータは別になっているので上書きされる心配はない。並行してノーマルモードもプレイできる。
 
問題点
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ストーリー面
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相変わらずストーリーがおつかい気味。
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何かあるたびに、同じような場所であっちへ行けこっちへ行け…の繰り返しが多い。クイックマンイベントやフリーズマンイベントで顕著。シリーズ共通の問題点でもある。
 
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リュックに入っているチップがすべて奪われる一連のイベントが厳しい。
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強力なチップを貰える機会はいくらか存在し、さらに電脳世界で集めることもできるが、この間に戦うのは最後列にいて攻撃が当てにくいサンダーマンとスネークマン。フォルダの内容もさながら、テクニックが問われる相手でもあるので倒しにくい。
 
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一方で、上記のイベント以降の攻略はプレイヤー次第だが難易度が劇的に下がる。
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理由は下記にも書いてあるが、この頃になるとプリズムコンボやゲートマジックなどのバランスブレイカーが使えるようになるから。
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他にも上記のイベント以降に戦えるボスは大半が前半までに比べると相対的にあまり強くない(決して弱くはない)というのも理由である。
 
 
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スタンダードチップ「フルカスタム」が強すぎる。
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効果はカスタムゲージを一瞬で満タンにする、というもの。
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用途は不要なチップを一緒に選んで流す事で必要なチップを高速で引き込んだり、コードの異なるチップを無理やりコンボに繋げたりなど。
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コード*なのでどんなフォルダにも入れやすく、レギュラー容量も軽く、5枚積みも可能。
 
 
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終盤のウイルスやナビの強さが鬼畜。
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前作と比較すると相手の攻撃が回避し辛くなっている。終盤になると一撃で受けるダメージも相当なものになり、動きも早いので回避が難しい。
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サブチップの登場によって戦闘後のHP全快は消滅したのだが、それを度外視して組まれたゲームバランスとも言える。こちらのチップの性能も相応に高いので、こちらが弱くて相手が強い『4』や『5』に比べるとやや簡単なところか。
 
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ただ、裏シナリオのライセンス取得イベントに限っては例外。なんとウイルスと30連戦。
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地形も毎回特殊パネルばかりなのでその影響で戦いにくい。途中でサブチップによる回復もできないので、フォルダに回復効果を持ったチップを組み込まないと非常に厳しい。
 
 
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ハードモードに入るための条件が難しすぎる。
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ラスボスと裏ボスの撃破はともかく、チップとプログラムアドバンスのコンプリートが必要。当然ながら非常に難しい。
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これに加えて、通信対戦でしか手に入らないシークレットチップもコンプリートしなければならない。ソフトと本体がもう1つずつ必要になる他、高いバスティングレベル(攻撃を受けない・あまり移動しないなどで上がる)でないと入手できないので必然的に作業になりがち。
 
    
    
        | + | 強力なチップ・プリズムコンボの存在 | 
対戦バランスが相変わらず悪い。ロックマンの最大HPは1000という点をまず頭に入れてほしい。
使うと画面が止まるため、実質的に回避が不可能な暗転チップは強力なまま。にもかかわらず、「ブルースV3」ともなると威力は200である。
前作で全く役に立たなかったプログラムアドバンスは威力が高いものが簡単に発動できるように。サイトスタイルはチップを10枚から選択可能(通常は5枚)なので、ADDなしに1ターン目から発動することもできる。
PAのぶっ壊れ代表格は「ゲートマジック」。素材は「トップウ」「スイコミ」に、V2・V3で2種類あってフル投入が容易な「ゲートマン」で発動し、全弾ヒットで900ダメージ。「アタック+30」をつければ、バリアを装着してバトルが始まるシールドスタイルすら瞬殺できるレベル。
配信チップの強さも凄まじい。属性つきで威力600(弱点属性なら1200で即死)の「○○ゴスペル」。また、先述のPA「ダークメシア」はなんと威力
3000×2
でオーバーキル。両方ともブレイク性能付きなのでガード不能。特にダークメシアの2段目は相手のいる位置を狙うので、インビジブル系のチップを使わなければ回避もできない。
上記の「フルカスタム」は対戦でも猛威を振るう。
通信対戦では相手も強制的にカスタム画面に入るため、選んだチップを使い切れなかった場合、残りのチップを使う為にそのままカスタム画面を素通りするか、諦めて新たなチップを選ぶかの二択を余儀なくされる。
良くも悪くも本作の通信対戦は「一瞬」で勝負がつくことが非常に多い。バトル内時間は1秒未満になることが多く、開始直後に先にAボタンを押せた方が勝ちということもしばしば。
 
凶悪なコンボ「プリズムコンボ」。「プリズム」と「フォレストボム系」の2枚だけで発生する。
「プリズム」は使うと3マス先に投げられ、そこに攻撃を命中させると周囲のマスに拡散してダメージを与える。そして「フォレストボム」は同様に投げ攻撃だが、投下してから数秒間は攻撃判定が残り続ける。するとプリズムはフォレストボムを拡散しつづけ、総ダメージは1万に達する。
プリズムとフォレストボム系のコードはかみ合わないのだが、フォレストボム1に限ってはストーリー中でコード*が入手可能(この他、チップトレーダーで入手できる)。よって、ストーリー中でもあらゆる相手を瞬殺し続けることができる。
ラスボスや裏ボスですらこのコンボで瞬殺できる。無効なのはプロテクト系(一撃で倒さないと倒れない)・カーズ系(あらゆるダメージを1にする)・プラネットマン(穴パネルばかりの状況で戦うのでプリズムを投げ入れられない)とわずか。
対人戦でも強力に思えるが、「インビジブル系で無効化」「エリアスチールなどで逃げられる」「プリズムの着弾点にいればダメージ10を受けて消滅」など、欠陥が多い。
海外版ではフォレストボム系が『エグゼ3』と同様の仕様に修正されている。
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凶悪なバグの存在
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サブチップの1つ「エネミーサーチ」は直前に戦ったウイルスやナビと遭遇しやすくなるのだが、このサブチップを基本1度しか現れないV2ナビと戦った後に使用して遭遇すると、
最悪の場合データが消える。
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カプコンはこのバグに対する謝罪文と対処法をゲーム関連雑誌に掲載して、この条件下で使わないように呼びかけた。
 
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後期出荷版・バーチャルコンソール版・海外版では修正されている。
 
総評
荒削りだった前作から、大幅に改良点を加えて遊びやすさが大幅に増した。
ただ、本作自体も中々に粗削り。ある意味で対戦バランスは『1』よりも悪いと言えるだろう。
余談
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本作発売から数ヶ月後にテレビアニメ版が放送開始した。ロックマンのテレビアニメは海外で既に制作されていたが、国内では初である。
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ちなみに後期EDや前期CM前のテロップでは、本作のパッケージイラストと公式イラストをそのまま流用していた。
 
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ボスキャラデザインコンテストが本作から復活。本作の発売に先駆け、他誌で開催されていた『ロックマン8』以来、コロコロコミックで開催された。
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本作に採用されたのは大賞の「ゲートマン」のみ。ゲームに登場する「名人」こと江口氏のナビとして登場している。更に専用のプログラムアドバンス・専用配信チップが用意されている。
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『3』以降のデザインコンテストでは、上位3位入賞者が採用されるようになっている。
 
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シリーズ恒例の要素として、様々なクイズを出題してくる「クイズくん」「クイズマスター」「クイズキング」が存在するのだが、本作のクイズキングにはかなり闇が深い要素が含まれている。(以下ネタバレ)
    
    
        | + | ... | クイズキングはアメロッパ城の地下牢にいるが、その正体は230年前に死亡した幽霊。生身の人間に取り付きながらクイズを出題し、全問正解されて魂が解放される時を待ち続けていた。 そしてクイズに全問正解すると、幽霊は無事成仏するのだが、残された男性に話しかけると「13歳の誕生日にお城に見学に来たが、それ以降の記憶が無い」と語る。しかし、その男性のグラフィックは老人。これが意味するものとは……。
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敵組織『ゴスペル』の首領は作中設定の200x年という近未来らしいラスボスである。(以下ネタバレ)
    
    
        | + | ... | その正体は航空事故で両親を失い、天涯孤独となった自分を助けてくれなかった世界に復讐を決意した
小学生。 時代的にまだ生新しかった某事件を彷彿とさせていたり、ハッキング技術があれば小学生でも大犯罪者になれるというのはあまりにリアリティがありすぎるせいか、
アニメでは存在そのものがカットされた。
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クリア後の隠しエリアは存在自体がネタバレである。
    
    
        | + | ... | エリア名はズバリ
WWWエリア。
サントラ曲名は『
AND YOU WILL KNOW THE TRUTH
』である。 ……次回作が出て本当に良かった。
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2020年1月18日に公開された製作秘話にて、「プリズムコンボ」が生まれた原因が語られている。
移植
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Wii Uのバーチャルコンソールで配信された本作は「つうしん」を選択すると通常では入手出来ない通信限定のシークレットチップやイベントで配布されたチップが手に入る仕様になった。よって、通信なしでハードモードに突入できる。
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通信限定チップ及びイベント配布チップはいずれも強力で、それらが最初から連発できてしまうという事からゲームバランスが崩壊してしまっているが、通信が不可能なバーチャルコンソール版ならではとも言えるだろう。
 
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『1』『2』『3』『3 BLACK』をセットにした『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション Vol.1』がSwitch/PS4/Steamで2023年4月14日にダウンロード販売。
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『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』として『Vol.2』とセットになったパッケージ版も同日販売。
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配信チップ「ゴスペル」シリーズを最序盤から呼び出せる点はWii Uバーチャルコンソール版と同一だが、通信対戦時はバランス調整のため1種類のゴスペル1枚のみしかフォルダにいれられないようブロック処理が施されている。
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通信機能が存在するためか、通信限定のシークレットチップについてはWii Uバーチャルコンソール版とは異なり、従来の入手方法のみとなっている。
 
最終更新:2025年05月23日 01:11