かまいたちの夜 輪廻彩声

【かまいたちのよる りんねさいせい】

ジャンル サウンドノベル

(上:PSV / 下:Win)
対応機種 プレイステーション・ヴィータ
Windows 7/8.1/10
発売元 MAGES./5pb.Games
開発元 レジスタ
発売日 【PSV】2017年2月16日
【Win】2018年2月23日
定価 【PSV】6,800円(税抜)
【PSV(DL版)】6,480円(税込)
【Win】7,800円(税別)
配信 【Win】DMM GAMES
2018年11月30日/6,500円(税込) ※2020年販売終了
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 シリーズファンから不評
ポイント シルエットではなくギャルゲー風の見た目に転生
イラストと文章の不一致や演出面の劣化
ゲームとしては遊びやすくなった
チュンソフトサウンドノベルシリーズ


概要

サウンドノベルゲーム『かまいたちの夜』を5pb.がリメイクした作品。
原作の発売元であったチュンソフト(現:スパイク・チュンソフト)は監修・開発協力のみで本作の販売には携わっておらず、公式サイトも5pb.側のみに存在する。

元はアダルトゲームなどで知られるあかべぇそふとつぅ系列である「エスチュアリウム」からの持ち込み企画だったとのことで、イラストレーターを有葉氏が担当している。


変更点・追加要素

  • PS版『かまいたちの夜 特別篇』までの全シナリオに加え、モバイルアプリ版からの移植である「A Novel」と、なく頃にシリーズなどで知られる竜騎士07氏執筆による完全新規書き下ろしシナリオ「辺獄の真理編」が追加されている。
    • 「A Novel」は元々は公式ファンブックに掲載された小説版をそのままゲーム化したもの。出題編と解答編に分かれており、選択肢は無い。
  • キャラクターの台詞は男女や一部シナリオのモブ含め全編フルボイスで再生される。
    • 声優陣はSFC版当時の「CDドラマ」及び「ちょっとエッチなかまいたちの夜」から一新された。
    • ボイス追加に伴い、主人公とヒロインの名前がデフォルトの「透」と「真理」で固定になっている。
  • キャラクターデザインが原作のシルエットではなく、所謂ギャルゲータッチの立ち絵が付いたノベルゲームとなった。
    • これに伴い、画面全体に文章が出るのではなく、画面下部の会話ウィンドウにのみ表示されるようになった。キャラクターの会話時には喋っているキャラクターの名前も表示される。
      • なお、選択肢の際は画面中央に枠付きで表示される。
  • 背景写真はスマートフォン版『かまいたちの夜 Smart Sound Novel』で新規撮影されたものを使用しており、本作新規のカットもある。
    • 一方で、作品の舞台は2010年代に大きく設定変更された『SSN』版ではなく、原作通りの1990年代の設定に戻されている。
  • SFC版でグッドエンドだったものの、PS版以降バッドエンドとなってしまった犠牲者2人での解決エンディングは、本作でもバッドエンド扱いのままとはなっているものの、再びスタッフロールが付くようになった。

評価点

  • システム周りの進化
    • 従来の細密なフローチャートはもちろん、高速既読スキップ/未読含む強制スキップ、クイックセーブ&ロードを備えており、プレイしやすさは歴代の移植で随一となっている。
    • プレイ時間が記録される他、メッセージや選択肢の既読率が%表示で記録される。全体とシーン毎で個別に確認可能であるため、進捗状況も分かりやすい。
    • 音楽鑑賞やCG鑑賞モードもあり、こちらも収集要素となっている。
    • トロフィーも搭載。完全コンプリートがプラチナトロフィーの条件となるため、便利なフローチャートこそあるが歯ごたえは高い。
    • 犯人を指名する際の名前入力で、過去作では対応していなかった猫のジェニーを新たに指名できるようになった。当然猫が犯人であるはずがなく、指名しても残念ながら専用文章ではなく過去作品と同様の汎用文章のままなのだが、対応したトロフィーを獲得できる。
      • その他、名前入力で香山を「はげ」で、啓子を「でぶ」で、亜希を「めがね」で指名できるなど、各キャラクターに対応した別称入力も無駄にパターンが増えている。ただの悪口やないか。
      • 主人公やヒロインの名前が透と真理で固定化したせいか、「とおる」「まり」などの名前や、「ぼく」などの一人称でも指名できるようになった。これも異様にバリエーションが多く、「せっしゃ」「それがし」「てまえ」「まろ」など日常ではまず使わない一人称までフォローしている。
  • キャラクターボイス
    • 新たな声優も特にキャラクターのイメージを壊したものでは無く、演技そのものについての批判も特に無い。強いて言うなら一部キャラの声が設定に比べやや若めに聞こえる程度。
      • ちなみにPS1版同様、「金のしおり」を達成するとゲーム内で「ちょっとエッチなかまいたちの夜」を聴くことができるようになり、こちらもきちんと今作の声優で再収録されている。シナリオ自体は当時とほぼ同じであり、旧声優にも劣らぬ怪演を聴くことができる。
    • ごく一部しかボイスの無かった『真かまいたちの夜 11人目の訪問者』と違い、本作ではほぼ全ての台詞がフルボイスになっている。
      • 流石に地の文は心の声も含めボイス化されておらず、また香山のカラオケ等ボイスが無い箇所も僅かにあるが、それでも大量のボイスが収録されている。
    • ボイスが付いたことで文章に加えて声でも情報を得ることができるため、特にミステリー編において登場人物の言動に注目しやすいという利点もある。
    • また、キャラクターの台詞は現在喋っているキャラクターの名前が出るようになったため、ボイスも合わせて誰が喋っているのか分かりやすくなった。
    • ボイスが苦手な場合も、キャラクターごとにボイスの音量を設定することができ、例えば「感情移入したいので主人公の透だけボイス無し」といったことも可能になっている。

賛否両論点

  • シルエットが廃止され、ギャルゲータッチのイラストに変貌。
    • 発表時は旧作のファンからの批判が噴出、キャラクターデザインを担当した絵師にも批判が殺到してしまうなど悪い意味で話題になってしまった。
    • 「影絵がウリのゲームにイラストを搭載する」という発想そのものがただでさえ賛否両論だった中で、5pb.代表「志倉千代丸」が「やっぱりシルエットモードが欲しい」とツイート、絵師が土壇場で謝罪するなど、Twitterにてイラストにまつわる問題が勃発。
    • 誰よりもスタッフ自身がイラストの搭載に不安を抱いていたことが分かる。最終的にシルエットの使用は一部シーンの使用で落ち着いた。
      • 持ち込み企画であるため、イラストの大半は5pb.側に話が来た時点で既に出来上がっていたとのこと。
    • 絵師曰く、死体のイラストは頑張ったとのこと。グロ絵が苦手な人は注意すること。
      • 全てがだめだったわけではなく、ヒロインの真理のイラストの可愛さ等については好評である。
  • サウンド周りについて
    • イラストの搭載に数々のファンが困惑していた中で、我孫子武丸氏は「音楽のことは誰も心配しないのか?」という内容の冷静なツイートを残していた。
    • 原作のBGMのほとんどについては全曲新たにアレンジされたものの、そのほとんどが原曲の印象を壊していないため、違和感はほとんどない。
      • ただし、あまりにも印象が原曲そのまんま過ぎるため一部で「原曲をそのまま使っている」と勘違いされるほど。よく聴けば異なるのだが。
      • また、ごく一部の曲のみ完全新曲に差し替わっている。
    • 一方で、効果音(ME)については一部が差し替えられたのだが、これにより印象が大幅に変わってしまったものがある。
      • その中の1つ*1は主にコミカルなシーンに用いられていてファンには印象的なものだったり、『かまいたちの夜』シリーズの象徴として『金八先生』でも用いられていたりと圧倒的な存在感を誇っていたので、これの変更は基本的に「改悪」として扱われている。
      • 他にも、チャイムの音も原作の響くようなものではなくやや軽いものになってしまった。
  • 「真理の探偵物語編」の仕様変更
    • PS版では特殊なシステムにより読み戻し機能の対象外だったため、推理モノでありながら非常に分かりづらいものになっていたが、本作ではバックログの仕様変更により読み返すことが可能になったため、この点では改善と言える。
      • フローチャート自体も一部変更されてPS版より多少細かくなったため、途中から読み進めるのも容易になっている。
    • その一方で、PS版と違いこのシナリオのエンディングもピンクのしおりの条件に加わっている他、読了率をコンプリートするには全ての組み合わせを試す必要がある(全48パターン)など、完全クリアを目指すには面倒になっている部分もある。
    • また、各容疑者の供述調書ファイルの証言は紙の文面であるため、残念ながらボイスの対象外になっている。
    • 容疑者のイラストは描き下ろしではなくPS版をほぼそのまま流用して顔を隠しただけとなっているため、本編の絵柄と比較するとかなり浮いている。
      • 一方で探偵事務所の背景は、PS版ではチュンソフトの社屋を使用した実写だったのだが、今作では撮り直されず新規のイラストになっており、PS版と比較して内装の雰囲気が大幅に変わっている。
  • 追加シナリオ「辺獄の真理編」
    • 本シナリオのみ我孫子武丸氏ではなく竜騎士07氏が担当しているため文章の毛色がやや違い、シナリオ自体も人を選ぶ内容。
      • 一部のユーザーからは竜騎士07氏の過去作『ひぐらしのなく頃に』に擬えて「かまいたちのなく頃に」などと呼ばれることも。
      • 透の恋心を知りながら曖昧に躱している、ともすれば透の心をもてあそんでいるようにも見える本編での描写について、「『罪作りな女』だが、その言動は高嶺の花として敬遠され続けた恋愛経験の乏しさの裏返しであり、不器用ながらも本心では透一筋」と描写されており、ヒロインを過剰に美化することなく「恋する乙女」として描いている部分は好意的に受け止められている*2
      • 中盤で俊夫のポケットから出てくるとある物や、恋愛の話題になった際に啓子が漏らした言葉など、本作の別シナリオやシリーズ続編の内容を踏まえたファンサービス的描写も盛り込まれている。
    • 一方で、本シナリオには従来のシルエットでは表現しづらい、登場人物がギャルゲーらしく描かれていることを利用した演出が存在する。インパクト絶大なものなので戦慄したユーザーも多いだろう。
    • 旧作と違いピンクのしおりの条件に含まれているため、新たなシナリオへ進むにはこの追加シナリオのクリアも必須となっている。
    • また、本作初出となる新たなシナリオはこれ1本のみとなっている。他のシナリオは全て過去の移植版で収録されたものの再録のため、旧作をやり込んだファンからすれば物足りないものとなってしまっている。
      • ただし、「A Novel」についてはこれまでゲーム化されていたのが携帯アプリ版と初期Android版のみしかなく遊ぶ手段が限られていたため、手軽に楽しめるようになったのは評価できる。

問題点

  • キャラクターのイラスト化に伴う演出の劣化
    • 本作は、恋愛ゲーム等でよく見られるポーズ固定のバストアップ+表情の差分のみの立ち絵イラストがメインとなっており、重要な場面にはスチルイラスト(静止画の一枚絵)が要所要所に存在するものの、原作の影絵シルエットに比べると全般的に動きのある絵が少ない。
    • 一枚絵スチルについても、『』の「青ムシ抄」や『428』の「カナン編」等のようにほぼワンシーンのイラストをメインにしたゲームと違い、本作ではそれほど頻繁に使用されているわけではないため、臨場感が薄くなり劣化と取られることもある。
      • 例えば、原作では割れた窓から吹き込んだ風でカーテンがはためいていた場面が今作では一枚絵で全く動かない、人影がよぎったと書かれているシーンで何もよぎらない、など。明らかにSFCに演出力で負けている。
      • 一枚絵イラスト自体の枚数もそこまで用意されていないため、コーヒーを飲む人物の横顔を疑わし気に見つめる場面や、玄関から死体の手首が入り込んでいる場面など、原作での印象的なシーンの多くが一枚絵として採用されておらず、原作経験済のプレイヤーから見ると肩透かしになっている箇所も多い。
    • 立ち絵のポーズがほぼ固定なためか、状況によっては違和感のある描写が多々あったり、酷いと立ち絵すら出てこないで文章だけで済ませている箇所もかなり存在する。
      • 基本の立ち絵の時点で個性的なポーズを付けているため、ペンションのオーナーなのに来客応対中だろうがクレームを受けている最中だろうがほとんど常に腕組みポーズな小林、首元に右手をずっと添えたままな美樹本等が特に目立つ。
      • 原作ではアップになる場面で立ち絵の顔部分をそのまま拡大してごまかしているシーンなどもある。
      • 特にひどいのがオカルト編(旧作での悪霊編)。原作ではシルエットで全裸の女性が出てくるシーンが多く存在するのだが、本作では規制の影響でイラストによる全裸描写ができなかったことにより、ほとんどの場面で画面全体を覆うドアップの顔の瞳に反対側の景色を映すという演出を貫いているため、動かない一枚絵の多用もあってその場の状況が分かりづらい。
      • さらにクライマックスシーンについても、原作ではシルエットがアニメーションしてかなり動く緊迫した内容になっていたのだが、本作では全裸が出せないためかイラストすら皆無の文章のみであっさり済まされてしまっており、原作を知らないとどんな状況なのか想像しづらいものになっている。
      • 原作と同様に状況に合わせた様々なポーズを取らせようとすると個別で大量のイラストが必要になり、キリが無いため演出面を妥協したと思われるのだが、これにより原作と比較して演出面でパワーダウンしたという印象を受けやすい。
      • 似たような画面構成の作品と比べても、例えば『うみねこのなく頃に ~魔女と推理の輪舞曲~*3』の場合は、各キャラクターにつき2~3種類のポーズ差分を作り、そこに十数種類の表情差分を組み合わせることで非常に多彩な表現を可能にしている。そういった力の入った作品に比べると、ポーズ差分がない分どうしても見劣りしてしまうだろう。
      • 上記の作画の乱れが少ないことについても、「バストアップのイラストでごまかして量を描いてないのだから乱れようがない」と批判されることも。
    • 「白目をむいた」という演出が決まって黒目をそのまま上の方にズラすという描き方に統一されているため、表情がいわゆる「アヘ顔*4」のようになってしまい、シリアスシーンが台無しと言われることも。
  • 本編の描写とキャラクターデザインの違和感
    • 絵師がエロゲをメインに活動していた(=美少女以外を描く機会があまり多くない)人物であるせいか、文句なしの美少女として描いて問題ない真理はともかく、他のキャラクターについては大なり小なり年齢や体格の描き分けをきちんと出来ていないと違和感を指摘する声も出ている。
      • 女性キャラだけ見ても、設定年齢(18歳の高卒)を踏まえても幼さが強過ぎるOL3人組(特に、啓子は文章で描写されている「やや肥り過ぎ」の体型にはとても見えない*5)、俊夫と同じぐらい雪焼けしている筈のみどりの肌が白い、美少女テイストなイラストにほうれい線を加えただけな春子・今日子等*6
      • 男性キャラについても、やり手の関西社長であるはずなのに妙に目がかわいく穏やかな香山、山男のようにゴツいはずの美樹本が痩身気味で見た目の身長も小林オーナーと大差ない、など違和感がある。
        そもそも細かい事を除いても、男性陣は全般的に作画崩壊手前のデザインであり、女性陣とのクオリティの差が激しい。
    • 皆で平和にペンションで過ごす序盤のパートならまだしも、本編が疑心暗鬼に陥るサスペンス的な緊迫した状況であるのに、美少女テイストな可愛い系イラストが影響して怖さがかなり軽減されてしまっている場面もある。
    • ミステリー編に登場するバラバラ死体の一枚絵で、落ちている足が両方右足という作画ミスがある。
      • 推理が重要なゲームであるのに、よりによって右足が2本というミスは「実は死体が1人ではなく2人分かもしれない」等の余計な勘違いを生んでしまうため批判されている。
  • テキストの表示領域の減少
    • 原作では画面全体を使ってテキストを最大9行表示していたのだが、本作では画面下の小さいウィンドウに最大3行までしか表示されない。
      • 文字のサイズが原作より小さくなっているので、1行分で表示できる文字数自体は1.5倍程度に増えているものの、それでも一画面内の文章量が半分未満に減っているため、原作と比べると小分けにして文章を読んでいくことになり、やや手間がかかる。
      • バックログにもキャラクターの名前が表示されることの弊害で、特定の編に仕込まれたある暗号がぶつ切りになり、非常に分かりづらいものになってしまっている。
    • 例外的に、シナリオで重要となる特定のメモなどのメッセージは画面全体を使って表示する演出になっている。また、選択肢も文章とは別に画面中央に出てくる。
      • ただし、画面全体を使ったテキストの表示中は何故か一律で背景が暗くなるように設定されているため、特に「鎌井達の夜編」では演出がやや台無しになっている。
      • また選択肢の枠が独立したことで、スパイ編の「勝手にカーソルが動く選択肢」の演出が実現できなかったためか、なんと該当の選択肢演出そのものがカットされてしまい、文章が抜けて微妙に意味が繋がらないものとなってしまっている。
    • 原作に存在した文章のウェイトが皆無で、文字がスルッと表示されるようになってしまい、効果音との連動感が薄れている。
      • 例として9時を告げる鳩時計の音が鳴り無意識に数を数える場面でいちいち手動送りする必要がある、「こんや 12じ、だれかが しぬ」のメッセージが余韻も無く一気に表示されてしまう、など。
  • フローチャートの仕様
    • 既に通ったルートにそれまで無かった選択肢が増えた場合、PS版ではそのルート上に新たな選択肢ボックスがそのまま増加していたが、本作では一見フローチャートに変化が現れず、改めて該当のルートを通り直して自分で見つけないとチャート上に新たな選択肢が現れない。
      • このため、フローチャートの見た目に頼りすぎて少し前に戻って埋めることばかりを繰り返していると選択肢の増加に気付かないということもあり得る。
    • また、フラグのみ立てて後のルート分岐や文章変化に影響する選択肢はフローチャート上では確認できないため、直接チャートを移動していると読了率がいつまでも100%まで埋まらないという事態が起こりやすい*7
    • PS版同様、「雪の迷路編」「真理の探偵物語編」「辺獄の真理編」など、一部の選択肢がフローチャート上に現れないものもあるが、これらも全て読了率に影響するため、コンプリートするには自力でどれを選んだのか把握して一通り埋めなければならない。
  • 主人公とヒロインの名前が固定
    • 名前を呼びかけるセリフボイスとの兼ね合いか、デフォルトの「透」と「真理」で固定されており変更不可能。
    • これに伴い、原作でゲームスタート時にあった「ペンション『シュプール』へようこそ。お客様の名前は 透 様。おつれ様は 真理 様ですね。」のパートが削られている。
      • 一方、劇中でゲームをする際に主人公達が名前を付ける場面は原作からそのまま変更されていないため、本作でプレイする場合はここで初めて見ることになり違和感がある。
  • CERO:Z(18歳以上のみ対象)の割にはあっさりしすぎる描写
    • 確かに死体は出てくるのだが、基本的に原作に準じた描写のものをイラストに起こしているだけであるためグロさはそこまでではなく、CERO:Zと身構えていると拍子抜けする。

総評

ノベルゲームとして見た場合、システム周りは快適で非常に遊びやすく進化している。
新たについたボイスも健闘しており作品のイメージを壊しておらず、任意にオフも出来るため苦手なユーザーにも配慮している。

一方でシルエットが廃止されイラスト化した事については、近年の作品らしく馴染みやすくなった一方、テキストとの不一致や演出面の劣化など見過ごせない問題点も多い。
また、ストーリー自体は一部の時事要素の修正を除くと20年以上前の作品ほぼそのままであり、それに新規シナリオを加えただけである。
そのため、現在はゲームアーカイブスなどで安価に入手できるPS版等と比較すると、遊びやすさや追加シナリオを考慮しても本作独自の魅力というのはやや弱いと言えるかもしれない。


余談

  • 5pb.代表の志倉千代丸が発売前のツイキャスにて、「元のシナリオに新規シナリオを追加したものだから今までのユーザーは買わなくていい」「個人的にはシルエットが良かった、かまいたちで萌え絵はやめたほうがいいと言った」といった否定的な発言を行っていた。
    • 一方で、イラストの採用などについて「本シリーズを知らないユーザーにとっても、近年の同ジャンルに合わせた馴染みやすいデザインにする事で楽しんでもらう」というコンセプトによるものであることも語っており、それ自体には好意的な解釈を示すユーザーもいた。
      • しかしながら一枚絵などに見られる、いわゆるデスゲーム系作品にも似た安易なグロテスク描写に頼っているといった批判の声もあり、その点でもコンセプトが悪い部分として出てしまった感がある。
  • 売上は芳しいものではなく、PSV版の初週売上は約6千本程度。また、後述のPC版発売の際の煽り文句として「PSVで累計1万本以上のセールスを記録」とされているため、最終的な売上本数は1万本強と見られている。
    • 初代の続編である『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』の設定は「ゲーム『かまいたちの夜』が大ヒットした」というメタ事実が前提となっていたため、本作がこんな調子では『2』のあらすじが成り立たず今後のリメイクは無理ではないかと危惧されることに。
  • 2021年に『かまいたちの夜』がオーイズミよりパチスロ化された。
    • デザインは本作と同じくギャルゲータッチのビジュアルだがデザインは一新されており、キャラクター達が全体的に若返っている。
      • 一応、みどりは本作と異なり雪焼けした肌となっているが、髪が金髪となり黒ギャルにしか見えなくなっており、俊夫もギャル男と化している。画像はこちら。

移植版

  • 2018年2月23日に、Win移植版『輪廻彩声』が発売された。
    • OP楽曲とムービーが新規のものに差し替えられている。また、PCに併せて画質も向上しており、UIも少しリニューアルされた。
    • それ以外はほぼPSV版のベタ移植であり、PCに合わせたインターフェイスの改善、前述のバラバラ死体の両右足の修正なども特に行われていない上に、指定された推奨環境スペックで起動できない環境があるなどの報告もあり、やや杜撰な移植となっている。
    • 操作系統もコントローラーは使用不可でマウスオンリーとなっている。一応、犯人の名前入力のみキーボードを使用し、漢字入力も可能。これにより犯人の名前の対応がPSV版よりさらに増えていたりもする。
    • PSV版に存在したトロフィーが廃止されており、それに代わる機能もない。そのため、やりこみ要素としてはPSV版より劣化した形となる。
    • 発売当時の5pb.の公式サイトでは発売半年以上経っても「発売予定」の表記のまま更新されず放置されていた(現在は修正済)等、せっかくのWin版でありながら公式側にあまりにもやる気が見られない状態である。
    • 2018年11月30日にはDMM.comのDMM GAME PLAYER専用版もネット配信開始。
      • ただし、残念ながらDMM版は2020年に販売終了。既に購入済の場合のみ再ダウンロードおよびプレイ可能。
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  • 5pb.
  • サウンドノベル
  • 2017年
  • PSVita

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最終更新:2024年04月26日 09:25
添付ファイル

*1 原作ではファンから「デドー」などと親しまれていたME。

*2 『2』の項目に書かれているが、『2』ではヒロインの言動が小悪魔どころではない領域に突入しており、不満点の1つに挙げられることもあった。

*3 『なく頃にシリーズ』作品の移植作品。

*4 二次元における成人向け作品の表現でよく見られる、性的快楽で絶頂した時の独特な表情。なお、二次元のアヘ顔と現実の絶頂は大きく異なり、現実の女性が絶頂しても白目をむくようなことはない。

*5 一応胴体が多少太めに描かれているのだが、顔のラインが他の女性と大差ないためバストアップのイラストだと単なる巨乳のようにも見える。

*6 春子は30代にも見えると言われているのだが、シワを加えすぎて老け気味に見えてしまう。

*7 例として、「ひとつの推理」のパートはフローチャートで直接飛ぶと「決死隊」の調査で外に出ていないことになってしまうため、外に出た場合のルートの文章を見落としやすいなど。