聖剣伝説3 TRIALS of MANA

【せいけんでんせつ すりー とらいあるず おぶ まな】

ジャンル アクションRPG

対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション4
Windows(Steam)
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 ジーン
発売日 2020年4月24日
定価 5,980円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 13個(うち1個はオートセーブ専用)
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 良作
ポイント 原作の雰囲気を保ちつつ現代的にリファイン
忠実すぎるストーリー・原作テキストは賛否両論
仲間AIなどの一部仕様に難あり
アップデートで最凶難易度を実装
聖剣伝説シリーズ

概要

1995年にSFCで発売された『聖剣伝説3』のフルリメイク作品。
20年以上前のゲームのリメイクながら、全体の雰囲気やシステムは原作を踏襲した部分が多く、当時のゲームをそのまま3Dでリファインしたような作風となっている。

副題の「TRIALS of MANA」は「●● of MANAシリーズ」とする上で数字の3を意味する『tri』に絡めた単語として「Trial (試練)」が選ばれた。
また、原作が『聖剣伝説コレクション』として海外へ初進出した際のタイトル名でもある。

大まかなゲーム内容としては比較的オーソドックスなシステムのアクションRPGだが、多段階に分岐するクラスチェンジシステムが大きな特徴である。
ストーリー面ではパーティメンバーをゲーム開始時に選択するというシステムを取っており、プレイヤーは6人の候補者から「主人公1人と後に出会う仲間2人」を予めチョイスすることになる。
ストーリーの大筋は全主人公で共通だが、発生するイベントや出会うボスなどが変化する。


あらすじ

太古の昔、「マナの女神」が災厄の化身である8体の「神獣」を打ち倒すことで世界は創造された。
しかし、それから長い時が経った現在、世界の源である「マナ」が急速に失われつつあり、人々もその変化を感じ取りつつあった。

一方、6人の主人公はそれぞれの事情で悲劇に見舞われて心に深い傷を負い、事態打開のために故郷を出て旅に出る。
目的地である聖都ウェンデルを目指す主人公は、その途中でマナの女神の使いである「フェアリー」と出会い、世界の危機を知らされる。
同時にフェアリーと不可分の宿主(やどぬし)となってしまった主人公は、行きがかり上、各地の精霊達の協力を求めて世界中を巡ることになる。


原作からの変更点

  • システムの概要
    • 常に目的地が画面内に見える☆マークで表示される親切設計になったが、原作通りの非表示にはできない。
    • 戦闘が始まるとエリアが出現し、そのエリア外周の境界線が黄色の場合に一定時間触れ続けると逃走になる。
    • フィールド画面がトップビューであった原作から三人称視点(いわゆるTPS視点)に変更となった都合で2人同時プレイはできなくなっている。
  • 主な操作(PS4の場合)
    • R3でターゲットロックON/OFF、ロックオン中に右スティック左右でターゲット変更。
    • ○で素早い弱攻撃、△で大振りの強攻撃を行う。
      • 初期クラスでは○ → ○ → ○、○ → △(吹き飛ばし攻撃)、○ → ○ → △(広範囲攻撃)という3つのコンボがあり、上位クラスに成長することで増えていく。
      • 強攻撃は押しっぱなしで溜めることが可能。隙が大きく威力上昇も控えめだが、敵のアーマー(後述)を大きく削れる。
    • ×でジャンプ。空中で弱攻撃を出すと一瞬浮き上がり、強攻撃を出すと素早く降下する。ジャンプは段差の移動にも用いる。
    • □でローリング。空中でも使用可能で、バトルでの回避に多用する他、ジャンプの飛距離を伸ばすのにも使える。
    • 特技・アイテムはリングコマンドを開くか、R1と○×△□を組み合わせたショートカットに設定して使う。
      • ただし、ショートカットで使う際は回復・補助系のターゲット指定が自動になるため、メニューから使った方がミスを避けられる。
    • L2・R2で操作キャラ変更。町の探索時や一部攻撃の動作中などを除けば、いつでも実行可能。
    • これらのボタン割り当てはオプションで変更可能。
  • 必殺技
    • 敵や特定のツボを攻撃すると出現する青い結晶、「かけら」を集めることでSPゲージが溜まる。SPゲージは100%で1本分となり、1本以上溜まっていると必殺技が使用できる。初期ゲージの最大値は200%(2本分)。
      • 仲間の攻撃ではかけらが出現しない。また、長いコンボであるほどかけらを稼ぎやすい。
      • 後述のクラスチェンジを行うたび、そのクラスに対応した新技を習得し、ゲージの上限も1本ずつ増えていく(最大4本)。
    • 必殺技はL1と○×△□の組み合わせで使用する。
      • □でクラス1、△でクラス2、○でクラス3、×でクラス4の必殺技を使用する。消費ゲージ本数はそれぞれクラス数と同じ。なお、ケヴィンおよび敵獣人の投げ技は削除された。
    • 必殺技は高威力でアーマー削り値も高いため、アーマー付きの雑魚を一掃したり、ボスに一気にダメージを与えられる。また、動作中は無敵なので攻撃回避にも使える。
      • ただし、敵の激しい動きで射程外に逃げられたり、動作終了の直後を攻撃されて回避できない場合もある。
  • 一部の特殊な敵について
    • 原作と違い、飛んでいる敵にはジャンプしないと攻撃が届かない。その代わり、何度か攻撃して叩き落とせば隙ができる。
    • 一部の敵は「アーマー」を持っており、HPゲージの横に青いアイコンが表示される。アーマー付きの敵は攻撃を受けても仰け反らず、ダメージもほとんど与えられないので、アーマー削り値の高いタメ攻撃や必殺技でアーマーを破壊する必要がある。
  • 敵の攻撃範囲(予兆)の表示
    • 本作では、敵が魔法・必殺技などの動作を始めた時点で、攻撃範囲が半透明の赤い円や扇型で表示される。
    • この表示は内側から徐々に濃く染まっていき、端まで染まると攻撃が発動する。つまりプレイヤーは攻撃が発動するタイミングも知ることが出来る。
    • ボス戦においては、回避困難(または不能)な範囲が予告された後、青色のゲージを持つギミックが出現することがある。
      • 一定時間内に全てのギミックを破壊すれば阻止でき、ボスが一定時間ノックダウン(行動不能+被ダメージアップ)する*1
      • ただし、ボスによっては戦闘が進むとギミックの出現数が増えたり発動までの時間が短縮されるため、仲間と上手く分担しないと間に合わなくなる。
  • 育成システム
    • キャラがレベルアップすると育成ポイントを取得し、これを「力・守・知性・精神・運」の5系統(素早さ及び関連要素は削除)に振り分けることで特技・アビリティ・リンクアビリティを取得できる。
      • レベル99で全項目をマックスにできるが、それまではいずれかの項目を諦めざるを得ない。
      • 割り振った育成ポイントは「ブラックマーケット」の占い師が有料でリセットしてくれる。また、最終盤~クリア後に入手できる有限アイテムでクラスチェンジをやり直すことも可能。
    • 特技は原作における魔法・特殊攻撃の総称。攻撃・回復・補助などの効果があり、使用時にMPを消費する。
      • 基本的には精神を上げて習得していくが、アンジェラの各項目(魔法の属性毎に分散)、ホークアイの運(トラップや忍術)など、例外も複数ある。また、魔法は習得しただけでは使えず、同属性の精霊を仲間にする必要あり。
    • アビリティは習得するだけで永続的に効果を発揮するタイプと、アビリティ用スロットに付け替えて使うタイプに分かれている。
      • 「力+5」などの基礎ステータスアップ系は前者に分類され、習得しただけでキャラが自動的に強化される。
      • それ以外のアビリティはスロットにセットすることで初めて効果を発揮する。最初は2枠しか無いが、クラスチェンジする毎にスロット数が成長し、カスタマイズ幅が伸びていく。スロット数はクラス2で4つ、クラス3で6つ、クラス4で8つとなる。
      • これらとは別に、クラス2以降の各クラスには専用アビリティが設定されており、クラスチェンジによって習得・効果を発揮する。
    • 特技・アビリティは系統毎に順番に取得される。例えば「力」に15ポイント振れば、そこまでの力系統のものを全て習得できるが、逆に下位のものを飛ばして上位版を取ることはできない。
      • なお、これらの育成ポイント数は直接的にはバトルに影響しない。例えば「力+5」のアビリティを取得することで攻撃力である「基礎ステータスの力」を上げることはできるが、リメイク前と異なり、「育成項目の力」に振ったポイントで攻撃力が上がるわけではない。ステータスの数値は基本的に装備品とレベルアップにより上昇する。
    • 本作の特徴として、パーティ全員で共用できる「リンクアビリティ」の存在が挙げられる。
      • 例えば、アンジェラが習得したリンクアビリティ「アブソーブ(強攻撃ヒット時、MPを1回復)」を仲間に貸すことで、最大MPが低いキャラでも特技を多用できる。特に強攻撃が多段ヒットするケヴィンやホークアイとの相性は抜群である。
      • ただし、同じリンクアビリティを複数人が装備することはできず、周回による複数化も不可。
      • 通常のアビリティ同様、キャラ・クラスによって習得内容が異なるため、パーティ全体の育成方針や戦術に影響する。
      • なお、ストーリー進行やサブイベントを通じてNPCからリンクアビリティを貰えることもある。
  • フィールドギミック
    • ジャンプを駆使して登った先に隠された宝箱や、視点を回すことで見つかる道など3Dを活かしたフィールド・ダンジョンが作られた。
    • 砂漠の流砂でなかなか先に進めない、氷で滑る、毒霧や火柱が吹き出るといった原作にないギミックも登場。
    • ダンジョン内での回復は原作同様セーブポイントを兼ねる「金の女神像」でできるほか、壊すとHP・MP・SPを小回復できるツボ(色で回復ステータスが異なる)も随所に設置されている。
  • ドロップアイテム
    • 原作では敵を全滅させた際に宝箱が現れ、仕掛けられたトラップを解除しつつアイテムを手に入れるという方式だったが、本作では戦闘終了ごとに自動で入手できるように変更された。
      • 1体ごとにドロップ判定が行われるため、倒す順番を気にする必要もなくなった。
    • 宝箱の概念が消滅したのではなく、本作では町やダンジョン上に最初から宝箱が置いてある。一般的なRPGの宝箱と同じものに役割が変更されたと言える。
      • 宝箱のトラップとして登場した敵「オーガボックス」「カイザーミミック」は、特定のダンジョンで宝箱に擬態しているという形で続投。
  • 植木鉢
    • 原作にも登場した、宿屋に置いてある植木鉢。各所で手に入る「種」を植えると、アイテムが手に入る。
    • 今作では種が「ノーマル」「銀」「金」「虹」とランク分けされており、ランクが高いものほど良いアイテムが出やすくなっている。
    • 植木鉢にもレベルが設定されている。種をたくさん植えてレベルアップさせると、敵が種をドロップしやすくなったり、種から良いアイテムが出やすくなる。
    • 今回も、クラス3用のクラスチェンジアイテムは「???の種」から入手できる。
  • サボテン君探し
    • 初めて「黄金の街道」を通る際、『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』以降恒例のキャラ「サボテン君」が登場する。これ以降、各地の町・フィールド・ダンジョンにサボテン君が配置され、5回見つける毎に様々なごほうびが貰える。
    • ごぼうびの内容は、マップ上の宝箱の数・位置表示、買い物や育成リセットの割引、戦闘終了時の獲得経験値をランダムで倍加等、多岐にわたる。
    • 最大の50回見つけると、強力な効果を持つアクセサリとリンクアビリティが貰える。
  • 隠しボスについて
    • 原作ではデュランかアンジェラが主人公でないと戦えなかった隠しボスが、主人公の選択を問わず戦えるようになった。また、何度倒しても再戦できるようになっている。
      • 相変わらずの最強ぶりを誇るが、初回撃破時に強力なアビリティが貰えるので、早期撃破のメリットも大きい。
    • さらに、『聖剣伝説 HEROES of MANA』所縁のキャラが新規隠しボスとして追加された。
  • 周回要素
    • 元々「トライアングルストーリー」と大まかに3つの物語が存在する作品であり、複数周回する需要の高いゲームであったが、本作ではクリア後の追加シナリオを完了することで「強くてニューゲーム」が解禁される。

評価点

キャラクター性

  • フルボイス化
    • 前作『聖剣伝説2 SECRET of MANA』同様、本作もフルボイスとなっており、演じる声優陣も有名どころが多数起用されている。例として6人の主人公には、江口拓也氏・大久保瑠美氏・逢坂良太氏・諸星すみれ氏・小野友樹氏・小松未可子氏といった昨今のアニメやゲームで知名度の高い名前が揃う*2
      • 修行大好きなデュラン、好奇心旺盛なアンジェラ、食べ盛りのケヴィン、「でち」が口癖のシャルロット*3、キザなホークアイ、物腰の柔らかいリースという各々の個性が、良質の演技と後述のサイドトークにより十二分に表現されている。
      • なお、主人公の声優陣は『LORD of VERMILION ARENA』や『チェインクロニクル』などの客演作品からの続投である。
    • 他にも内田真礼氏や中村悠一氏、杉田智和氏に南條愛乃氏をはじめとして、総勢38名の豪華声優陣を起用。全体的に若手や中堅声優が多いが、大塚明夫氏といったベテランも参加している。
    • ただし、前作と違って町を歩くモブキャラはボイス無し。
  • サイドトークの実装
    • 前作『聖剣2SoM』にあった幕間イベントこそ無くなったが、町・ダンジョンへの到達時やボス戦で発生する仲間同士の掛け合いが追加された。
      • 台詞のバラエティは豊富で、パーティの順番を入れ替えるだけでも台詞が大きく変わるため、周回プレイの楽しさが増している。
      • 特に、敵に容赦なく子供っぽい悪口をぶつけるシャルロットの奔放っぷりには和むこと請け合い。
    • 戦闘の開始・終了時にも様々なボイスが用意されている。瀕死、状態異常、逃走、必殺技でのトドメ、フェアリーとの掛け合いなど、原作の時点で高かったキャラクター性が伸ばされており、愛着を感じやすい。
    • また、町の探索中は主人公のみを操作し、仲間2人は一時解散して町中で過ごすようになった。
      • ボイスは無いが町毎に全員分の台詞が用意されており、これもキャラの掘り下げに貢献している。
  • キャラクターのリデザイン
    • 『2』のリメイク時と同様、大本のデザインは変更せず、随所に3D化で映えるような衣装の細かいレイアウトが追加されている。
      • 露出度の高いレオタード衣装などもそのままで、「1990年代のゲームがそのまま現代のゲームとしてリメイクされた」感が強く感じられる。
    • メインデザイナーは過去のシリーズリメイクや『コレクション』などと同様のHACCAN氏。氏のタッチ自体が非常にシリーズに合っていることもあり、原作の結城信輝氏からの変更がマイナスになっていない。
      • 特にアンジェラは原作のイラストにあった若干のけばけばしさが取れ、イメージが良くなった。女性キャラはリースばかり持て囃されがちな原作であったが、ボイスが付いたこともあってアンジェラやシャルロットの魅力に気付いたという声も多い。
      • パッケージにも使われている、マナストーンを背にした集合イラストは原作のパッケージ絵と同一の構図。現代的なイラストになりつつも美麗で、ゲーム開始前から期待させてくれる。
    • サブキャラクターも3D化に合わせてリデザインされた。原作ではドット絵しかなかったようなキャラにも設定画が描き起こされている。
      • 黄金の騎士ロキ、デュランの実母シモーヌと伯母ステラ、シャルロットの両親リロイとシェーラ、ホークアイの友人イーグルとその妹ジェシカなど、多くのサブキャラが専用グラフィックになり、血縁関係を踏まえたデザイン変更も随所に見られる。
    • モンスターについても、敵ながら愛嬌のあるモーションを再現しつつ、細かなデザイン変更も多く行われている。
      • 居眠りする種族の増加、手鏡を取り出してウインクするカーミラなど、ちょっとした小ネタもある。

グラフィック・サウンド

  • 美麗な3Dグラフィック
    • 各キャラクターは目パチ・口パクが標準搭載されたうえで、目を閉じれば瞼が合わさり、口を開ければ歯・舌が見えるなど、非常に作り込まれている。
      • デュランのすさまじい髪量、男性キャラの筋肉、女性キャラの肌色部分、石化状態のリアルな質感といった、驚くほどのこだわりが随所に見られる*4
      • モブの兵士や人型のモンスターなども、リデザインに加え頭身が大きく上がったことで受ける印象は殆ど別物となっている。
    • 各クラスの衣装は、走ったり振り向いたりという動きに合わせて各パーツが動くなどかなり細かく作りこまれている。
      • 原作ではメニュー画面のドット絵から推測するしかなかった半分以上のクラス衣装が、元のカラーリングを踏まえたうえで立体化されたことも魅力の1つ。
    • 町・ダンジョンなどのフィールドは原作の地形をある程度残しつつ拡張され、牧歌的な雰囲気・色合い、時刻変化による夕焼け空などもしっかり表現できている。
      • 各ショップには山盛りのまんまるドロップや商品棚、壁掛けの武器があったりと、細かい内装も手が込んでいる。
    • 総じて、本作は前例がほとんどない、2D見下ろし型 → リアル頭身&フル3Dマップへのリメイクを見事成し遂げている。
  • クセのないアレンジBGMと原曲の同時収録
    • アレンジBGMは原曲者・菊田裕樹氏による監修のもと、山﨑良氏、関戸剛氏、山岡広司氏、宮野幸子氏が担当。『聖剣2SoM』のアレンジは評価されているとは言い難いものが多かったが、今回は原曲の雰囲気を重視しており、当時の思い出を損ねることなくプレイできるだろう。
    • さらに、総数60以上に及ぶ原曲も収録されており、オプションからいつでも切替可能。
  • 懐かしい効果音
    • HP・MPの回復、レベルアップ、雑魚の撃破エフェクト、リングコマンド・メインメニューのUIなど、所々に原作風の効果音が使われている。

周回プレイ

  • 強くてニューゲーム
    • レベル、所持金、アイテム(各種オーブ・大切なものを除く)、装備品、一部のリンクアビリティ、冒険手帳のTIPSカテゴリ、マップの踏破状況、サボテン君探し、SPゲージの残量(200%まで)、リングコマンドの登録状況(ショートカットを除く)、プレイ時間を引き継ぎ可能。
      • 発売約半年後の10月14日に行われたver1.1.0アップデートで、衣装の引き継ぎも追加された。
    • また、全員の獲得経験値を300%アップ(つまり4倍に)するリンクアビリティと、前周で使用した3人のリンクアビリティを入手できる。
  • 難易度選択の実装
    • 「ベリーイージー」「イージー」「ノーマル」「ハード」の4種類があり、非戦闘時ならいつでも変更可能。また、難易度別の隠し要素はごく僅かで、途中変更によるペナルティも(後述のノーフューチャーを除けば)一切無い。
      • 最も易しい「ベリーイージー」の場合、何度全滅してもその場で復活(完全回復+SPゲージマックス)できるため、気軽にストーリーを楽しめる。
    • 発売約半年後の10月14日に行われたver1.1.0アップデートで、「強くてニューゲーム(2周目以降)」にて選べる難易度「ベリーハード」「ノーフューチャー」が追加された*5
      • 「ノーフューチャー」は『LoM』にも見られた究極の難易度で、公式でも「クリアが非常に困難」と謳われている。
      • ハードまでの青ゲージは阻止しやすいゆえに単調だったが、追加高難度では耐久値の向上により「広範囲必殺技で複数を巻き込む」「阻止を諦め、必殺技やリースの召喚魔法で無敵回避する」といった戦略性が生まれた。
+ ベリーハードの詳細
  • レベル以外の引き継ぎと経験値4倍を想定した難易度*6。クリア後のリンクアビリティなども含め、持てるものを全て投入して攻略することになる。
    • 専用のクリア特典は用意されておらず、後から難易度を変えることも可能。
  • 敵の耐久力が全難易度中最高となっており、とにかく硬い。火力についてはノーフューチャーより低いが、それでもパーティの防御面を補強しなければ瞬殺は充分あり得る*7
    • 無策で挑むとAIキャラの介護に追われがちだが、最大HPの数倍のダメージを受けるケースは少なく、神獣リング*8や防御系の特技・アイテム・アビリティで即死を防ぐ余地がある。
    • アビリティ制限がないため、MPの無限化・自動回復、アイテムの無限化、各ステータスの大幅アップ、戦闘開始時のSP200~300%増加など、ある程度のゴリ押しも通用する。
  • 総じて、回避下手なAIキャラを光クラスの防御性能で護るも良し、闇クラスの火力や天使の聖杯でゴリ押すも良し。ノーフューチャーよりもクラス選択の幅が広く、かつハードまでとは一線を画する歯ごたえでプレイできる。
+ ノーフューチャーの詳細
  • 周回開始時にしか選べず、途中で難易度を下げると次周まで再挑戦不可。
  • レベルがリセットされ、最終盤~クリア後の強力なリンクアビリティが軒並み使用不可となり、1回の戦闘で使用できるアイテムが各3個までに減少。
    • HP・MPの総回復量、戦闘不能から復活できる回数、ステータスアップ/ダウンやセイバーの総効果時間など、あらゆる面が制限されると言ってよい。
  • そして、超強化された敵*9プロローグからこちらを殺しに掛かってくる。例えば、クラス1最強防具で固めたレベル1のキャラが、レベル1のラビに2発で倒されてしまう。ただし、雑魚の固さについては武器を引き継ぐことで釣り合いが取れる。
  • ボス戦はまさに苛烈の一言。ベリーハードに次いで硬く、大半の攻撃でこちらを即死させ、時間制限と一部の予兆の表示時間短縮も施される。
    • 雑魚を召喚しつつ戦闘エリアをトラップだらけにする「ジェノア」・各個撃破が通じない「ビルとベン」・3体それぞれが範囲攻撃を行う「マシンゴーレムS」・火球バリアや青ゲージ阻止で事故りやすい「ザン・ビエ」・独立したツタとイバラなぎ払いが厄介な「ミスポルム」など、手数の多いボスが鬼門となる。
  • ノーフューチャー限定のリンクアビリティとして、AIキャラが戦闘不能にならずHP1で耐える*10「聖剣の導き」や、戦闘勝利時に全員のHPを全回復する「聖剣の導きII」が用意されている。
    • ただし、両方の使用を前提とした難易度調整が施されているため、救済措置というより「全てはプレイヤーの腕次第」を示す象徴に近い。
  • 別ゲーのような難しさが終盤に向けて激化していくため、使用キャラ3人のクラス1~2用装備やクラスチェンジアイテム、非使用キャラ3人のリンクアビリティ、非売品を含む有用な魔法アイテム、獲得経験値を増やすクッキーなど、事前に収集・調整すべきものが山ほどある。
    • また、HP1で耐える「奇跡」「奇跡II」や、一度だけ攻撃を無効化/反射する「トランスシェイプ(ドリアードの像)」「カウンタマジック(マタンゴの油)」などの即死対策も忘れてはならない。
  • 上記のように不利な要素だらけだが、敵の行動パターンを把握し、避けられない攻撃をクラス1必殺技やキャラクターチェンジで凌ぎ、通常の攻略では出番の少ないアイテム・特技なども活用することになるため、コアなファンからは「この難易度が一番楽しめる」と高く評価されている。
    • また、ノーフューチャーで特定の条件*11を満たせば、通称「赤装備*12」を入手可能。その圧倒的な性能は、まさに「絶望に立ち向かい続けたプレイヤーへのごほうび」と言えるだろう。さらに、クリア特典のアクセサリも用意されている。
  • 極めてユーザーフレンドリーな設計
    • 一度踏破した地形はフィールドマップに記録され、NPCやショップ、開けた宝箱の位置が表示される。また、目的地の位置・方角や目的概要を常時確認できるので迷いにくく、原作における「似たような地形」「何もない行き止まり」も削減されている。
      • 仲間は地形トラップのダメージ・状態異常を受けず、段差などに引っ掛かってもワープしてくるため、探索時に後ろをいちいち気にする必要は無い。
    • 移動が簡略化されたシーンがある。マシンゴーレム戦後にマイアに戻る部分と火山島ブッカ脱出後にフォルセナに向かう部分が自動進行となっている。
    • やり込み要素に含まれる「宝箱」「サボテン君探し」は、後者をある程度進めることで総数・位置などが判明するため、残り数個のために世界中を探し回ったりせずに済む。
      • また、サボテン君探しは期間限定の配置がなく、根気さえあれば1周でコンプリート可能。
    • 手動セーブのスロットは原作の3個から12個に拡張され、6人の主人公別にセーブデータを使い分けたり、周回前の記録として残しやすくなった。
      • それらとは別にオートセーブ専用のスロットも存在し、特定のタイミングで上書きされる。
    • 仲間と出会った際、追体験という形でその仲間のプロローグをプレイでき、より感情移入しやすくなった。もちろん、原作通りダイジェストで済ませることも可能。
      • ただし、追体験中に手に入れたアイテムや経験値は全て破棄される。
    • 敵のレベルや獲得経験値も見直され、レベル上げがしやすくなった。これにより原作より早い段階でクラスチェンジできる*13のはもちろん、パーティ全員をカンストのレベル99まで育て上げることすら現実的な範疇に収まっているほどである。
      • 原作のクラス3は基本的に最終盤専用だったが、本作では後半に入る頃にチェンジ可能となるため、利用価値が大きく上がっている。
      • 闇以外の神獣ダンジョンでは雑魚の撃破ボーナスとしてかけらが増量されるため、???の種稼ぎやクラス3必殺技の試用を狙いやすいのも嬉しいところ。
      • また、2周目以降は獲得経験値4倍のリンクアビリティが解禁される。これにサボテン君の経験値ブースト(低確率で2~3倍)が加われば8~12倍になるため、さらにレベル上げが快適になる。

戦闘システム(評価点)

  • シンプルながら楽しめるアクション性
    • 原作の敵が多用した「全体攻撃かつ必中の魔法・必殺技」は、攻撃範囲が再設定される形で削除。また、すり足移動の廃止やローリング・予兆の実装により攻撃を回避しやすい。
    • プレイヤーは○△の組み合わせでコンボを繰り出し、長いものほどダメージとSPゲージを稼げるのだが、欲張ると回避のタイミングを逸してしまう。比較的単純なシステムながら、このジレンマが面白さを生んでいる。
    • オリジナリティこそ高いとは言い難いが、クラスチェンジやマルチシナリオといった独自のアイデンティティを保ちつつ、3Dアクションの優等生的な作りになったことで、充分に評価されている。
  • 必殺技の仕様変更
    • 見た目通りの2ヒットになった「十文字斬り」「ダブルアタック」「ぽかすか」や、前方に竜巻を発生させる「旋風槍」「旋風剣」「旋風脚」「スパイラルロッド」に加え、魔力を込めたフレイルで爆撃する「どかーん」など、総じて派手になったことで爽快感が増した。
      • クラス2以降の必殺技は「初撃で敵をロックする単体タイプ」「複数の敵に当たる広範囲タイプ」の2種類があり、状況に応じて使い分けることが重要*14
    • 仲間の必殺技はプレイヤーの操作で直接使用することはできないが、自操作にして何らかの通常技モーション中に先行入力し、再度操作キャラを切り替えることで任意に発動できる。*15
      • 追加高難度の耐久度の高い青ゲージ割りに活用できるほか、ロック技からロック技につなげて延々敵を拘束することも可能。
      • 仕様として、非操作キャラの攻撃は一部の青ゲージに対し、削り値がかなり低くなるので注意。ロック中に切り替わった別のキャラで攻撃を当て続けられるため、結果として大幅に青ゲージを削ることは可能。
    • 原作同様、一部の必殺技は敵に流用されているが、そちらは性能低下やモーション・エフェクト変更など、何かしらの差別化が施されている。
  • 魔法・必殺技に対するカウンター技の仕様変更
    • 原作では「敵専用」「使用者が多い」「必中」「終盤に向けて高威力化」など非常に厄介だったが、本作では回避可能、または発動を阻止できるようになった。
    • この仕様変更と魔法の威力向上により、攻撃魔法特化であるアンジェラの使い勝手が大幅に向上した。また、ホークアイの一部クラスも恩恵を大きく受けている。
    • 一方、トラウマ級の強さを誇った「ビルとベン」「獣人ルガー」や、カウンター技で即全滅の可能性があった「ダークロード」「ウルフデビル」「ナイトブレード」などの脅威度はだいぶ下がっている。
  • 時間停止の仕様変更
    • 原作では敵味方のいずれかが魔法・必殺技を使うたびに停止し、戦闘のテンポを損ねていた。本作では「リングコマンドの展開中」「操作キャラが必殺技を使う際のカットイン(ON/OFF可)」や「単体タイプの必殺技(味方は止まらず追撃可能)」など、限定的かつ有利な要素として再調整された。
  • クリティカル・黒焦げ・バックアタックの実装
    • 原作の「クリティカル」「黒焦げ」は何の効果もない死に要素であったが、リメイクにあたって実用的な効果が与えられた。
    • クリティカルは「稀に与ダメージがアップ」というもの。アビリティや魔法「エナジーボール」による強化も可能。
      • 関連アビリティには、クリティカル発生時に確率でステータスダウン効果を付与したり、状態異常が付与された敵へのクリティカル率を高めるといった搦め手も用意されている。
      • 新たにバックアタックも実装された。背中が設定されている敵に対し、背後から操作キャラの近接攻撃を当てるとクリティカルが確定する。
    • 黒焦げは「一定時間、防御力・魔法防御力が半減し、視界も狭くなる」というもの。強力だが、敵側に付与する手段は限られている。
  • その他、細かい点
    • ロックオンマーカーと敵のHPゲージが表示されるようになり、SPゲージも次回以降の戦闘に持ち越せるため、各個撃破や短期決戦などを狙いやすい。
    • 戦闘中に使ったアイテムを倉庫から手動補充する必要がなくなった。
    • 回復アイテムはキラキラ・宝箱として各所に配置されているため、積極的に購入せずとも不足しにくい。また、特定の色のツボを壊して小回復したり、レベルアップ時のボーナスとして完全回復することも可能。
    • 非戦闘時のリングコマンドに「ほぼ全回復」「全回復」機能が追加されており、単体小回復のまんまるドロップでもパーティ全体を素早く回復できる。
    • 敵の属性耐性から「反射」が削除され、標準・弱点・半減・無効・吸収の5種類となった。さらに、リングコマンドから属性攻撃のターゲットを探すだけで判別可能*16

育成システム

  • カスタマイズ性の高いキャラ育成
    • 分岐するクラスチェンジシステムによって、同じキャラでも性能・戦法が大きく変わってくる。そこに個人用のアビリティと共用のリンクアビリティをどう組み合わせるかというファクターが相俟って、多様なキャラクタービルドが可能となっており、特にゲーム後半を見据えたパーティ・クラス編成が熱い。
      • ゲーム中盤以降はそう高くない代金で育成リセットも出来るようになり、最終盤ではクラスリセットも解禁されるため、自由に色々な構成を試せる。
    • 原作では特技の習得条件がプレイ中に明示されず、それを満たしたうえでレベルアップ毎に1つずつ習得する必要があった。
    • 一方、本作では習得条件が明示されているだけでなく、育成ポイントを随時消費してステータスアップに注力したり、貯めた分をクラスチェンジ直後の全特技習得に充てるなど、プレイヤーの好みを反映させやすい。
      • また、本作では魔法アイテムの発動が遅い反面、同じ効果の特技は即発動するものが多いため、パーティの特技構成も重要である。
    • アビリティの効果は「ステータスや与ダメージをアップ」「回復・補助の効果をアップ」「強攻撃に特殊効果を付与」「デメリット付き」「味方全員に効果あり」など多彩。
      • パーティ・クラスの編成次第で「クリティカル率を75%アップ」「強攻撃に状態異常5つと即死判定を付与」「瀕死時に攻撃力を90%アップ」といったロマン溢れる構成も可能。
    • 3D化に合わせて着せ替え機能も実装された。クラスチェンジ後は、衣装のみを経由した下位クラスに戻せる。「性能で選んだ上位クラスの見た目が好みじゃない」という可能性もあるため、地味に便利。ただし、街や村の中で自由行動をしている仲間には反映されない。
      • ちなみに、各種イラストでデュランが持っている青銅色の盾が「戦士の盾」として実装されており、光クラスに進むことでクラス1衣装の完全再現が可能。
      • ver1.1.0にて衣装引き継ぎも実装され、クラス2以降は好きな見た目でプレイできるようになった。
  • 各キャラ・各クラスの性能調整
    • 6人の基礎ステータスを見直しつつ、アビリティによる各クラスの個性付けも図られている。
    • 原作ではカウンター対策や高等テクニック・バグ技の可否も重要視されがちだが、本作では共通アクションさえ上達すれば全員が活躍できる。
+ デュランの詳細
  • デュランは攻撃力こそ二番手になったが、最大HP・防御力は随一。また、キャラ専用のアビリティ「挑発」で敵の注意を引くなど、タンク役としての個性が強まっている。
    • 通常攻撃のモーションにクセがなく、「十文字斬り」「旋風剣」「閃光剣」などの必殺技も使いやすい。特に閃光剣は広範囲かつ演出が短く、種稼ぎで大活躍するだろう。
    • 雑魚との殴り合いで倒されにくいため、初心者の操作キャラにもオススメ。
  • 光クラス2はHP回復魔法「ヒールライト」の習得に加え、各種盾で防御力・魔法防御力を底上げできる。また、水竜・灼熱・雷神・大地の盾に属性半減効果が実装されており、タンク役として申し分ない。
    • 光クラス3「パラディン」はHP50%以上だと即死せずHP1で耐える、大きめのダメージを受けると微回復する、味方のダメージを一部肩代わりできるなど驚異的な堅牢さを誇り、ゲーム終盤の敵に有効な「セイントセイバー」も習得可能。
    • もう1つの光クラス3「ロード」は、全体ヒールライトと状態異常回復魔法「ティンクルレイン」を習得し、アビリティで味方ステータスを小アップする万能型。
    • どちらも防御面に秀でるが、デュランゆえそれなりの物理火力も出せる。
  • 闇クラス2は原作同様、超範囲を誇る「旋風剣」で雑魚を一掃し、セイバー魔法4種でボスの弱点属性を突くスタイル。アビリティ「アタックセイバー」は弱点属性でなくとも与ダメージが上がるため、攻撃面のサポーターとしても強力。
    • 闇クラス3はクリティカル重視の「ソードマスター」と、強攻撃を自傷ブーストする「デュエリスト」に分かれている。ソードマスターなら「アタックセイバーII」や「攻乃型」で、デュエリストなら「憤怒」でさらなる火力アップを図れるため、ケヴィン並みの近接特化キャラに転向することも可能。
  • 上記のアビリティ「挑発」はクラス1で習得でき、厄介なステージギミックから戦いやすい場所へ敵を誘導したり、AIにデュランを操作させて自キャラはバックアタックを狙うなど、あるかないかでゲーム性が変わるほどの効果を発揮する。
    • タフな光クラスとの相性は言うまでもないが、闇クラスにおいてもソードマスターが「守乃型」と組み合わせてタンク役をこなせる他、デュエリストの憤怒ブーストにも使えるなど、とにかく用途が広い。
+ アンジェラの詳細
  • アンジェラは「敵のカウンター技の仕様変更」「魔法威力の向上」により、原作から最も強化されたキャラとなった。下位魔法に頼りがちなクラス1~2はやや苦しいが、クラス3になれば全キャラ中最高の殲滅力を発揮する晩成型であり、名実ともに遠距離攻撃キャラの筆頭。
  • まずはクラス1のリンクアビリティ「アブソーブ」によるMP回復を活かしつつ、光クラス2で魔法の消費MPを減らすか、闇クラス2の自傷ブーストで瞬間火力を高めることになる。
    • どちらを選んだ場合もアビリティ「アブソーブII」を習得できるため、アブソーブを仲間に貸したうえでの自給自足も可能。
  • クラス3はまさに大魔導師の風格で、大きく成長した姿を見せる。光ルートはMP周りを更に改善しつつ、破格の性能の「セイントビーム+」で敵を焼き尽くす。闇ルートの「メイガス」は、全員のHPを使う多重自傷ブーストと、最強の古代魔法「エインシャント」により、ボスのHPをあっという間に溶かしてしまう。
    • 光クラス3はアビリティや必殺技の差により、雑魚との連戦に強い「グランデヴィナ」に、ボス戦で真価を発揮する「アークメイジ」と、それぞれ明確な個性を持っている。
    • 闇クラス3「ルーンマスター」は、パーティの状態異常付与率をアップするアビリティが強攻撃に適用されない、無属性魔法を覚えない、主力となる上位魔法4種の詠唱がやや遅いなど、他3つのクラスに比べてクセが強い。
    • しかし、汎用性の高いリンクアビリティ「アンフェア」「状態異常無効」を習得する唯一のクラスであり、アーマー付きの雑魚を「ストーンクラウド」「デス・スペル」で瞬殺する爽快感もある。
  • 原作とは比べ物にならないほど強くなったが、攻撃力・最大HP・防御力は相変わらず最低なので、タンク役のデュランに護ってもらうか、操作キャラに固定して回避を徹底したい。
    • また、習得可能な6属性の魔法が5つの育成項目に分散しているため、育成難度も相応に高い。割り振りを誤ったときは早期の育成リセットが推奨される。
+ ケヴィンの詳細
  • ケヴィンは最高の攻撃力を獣人化でさらに伸ばせる反面、最大HPトップの座をデュランに譲り、防御力も平均以下になった。AIは回避が苦手なので自分で操作するか、早めの回復を心掛けたい。
    • 獣人化は夜間限定の能力だが、原作と違い夢見草の購入方法が用意されており、確立後は最高火力を維持できる。
    • デュランに比べれば、吹き飛ばし攻撃や広範囲攻撃のクセが強く、一部必殺技の使い勝手も悪い。一方でクラス3コンボの最終段が5ヒットするため、強攻撃に特殊効果を付与するアビリティと好相性。ほかにも「単独で多重瀕死ブーストを狙う」「SP増加・還元アビリティにより必殺技を多用する」など、デュランとは違った前衛役が楽しめる。
  • 各クラスの個性は原作に近く、クラス3が「SPゲージの効率アップ」「全体ヒールライトとリーフセイバーによる永久機関」「ムーンセイバー込みの殴り合い重視」「最高の攻撃力やエナジーボールによる火力特化」に分かれている。
    • どのクラス3もそれぞれの役目に必要なアビリティを自前で習得する。予備知識が無くとも大活躍でき、仲間の特技・アビリティ次第で更に伸ばせる完成度の高さが魅力。
+ シャルロットの詳細
  • シャルロットは原作どおりのヒーラーキャラ筆頭。各所で回復アイテムを拾えるようになったとはいえ、彼女の存在はパーティの継戦能力を飛躍的に高めてくれる。
    • 序盤でヒールライトとティンクルレイン、クラス2で全体ヒールライトを習得し、HP回復量は終始4~6割程度をキープ。最大MPもアンジェラに次いで高く、回復アイテムを使わずに済む場面が多い。
    • 初期設定のAIでも回復魔法を適宜使用してくれるため、初心者のパーティにもオススメ。
  • 攻撃力・最大HP・防御力はアンジェラに次いで低く、必殺技のダメージも伸び悩む。しかし、吹き飛ばし攻撃(ヒップアタック)の性能が全キャラ中最高で、混戦での自衛・サポートに重宝する。
  • 光クラス2は回復力向上アビリティとセイバー魔法4種がメイン。光クラス3になれば「回復限界突破」で全員の最大HPを実質1.3倍にしつつ、「アタックセイバーII」で攻撃面も一層強化できる。
    • 難易度ハードまでなら、回復力を最重視した全体ヒールライトによりパーティが不死身同然となるため、初心者にも安心・安全のクラスである。
  • 闇クラス2は無属性の召喚魔法とアビリティ「スリープ」「強化召喚」がメイン。強攻撃で雑魚を眠らせれば、単発技の「ユニコーンヘッド」で大ダメージを狙える。
    • 闇クラス3「ネクロマンサー」は強攻撃に黒焦げ・石化を追加でき、複合タイプのステータスダウン魔法「ブラックカース」も強力。
    • もう1つの闇クラス3「イビルシャーマン」は、アビリティによる敵ステータスの小ダウンと弱点属性ダメージの小アップ、「デーモンブレス」による魔攻・魔防ダウン効果がメイン。属性攻撃や防御力ダウン効果を補完することで、ネクロマンサー以上の補正が得られる。
+ ホークアイの詳細
  • ホークアイはテクニカルキャラの趣が強まった。広範囲攻撃が4ヒット、クラス3コンボの最終段が5ヒットするため、自前の「ポイズン」をはじめとする特殊効果付与アビリティと相性抜群。
    • また、最高の運によりトラップ・投擲技・反則技の威力が急速に伸びていくほか、アイテムのドロップ率を上げるリンクアビリティも習得し、魔法アイテムや種稼ぎに貢献してくれる。
  • 光クラス2は広範囲かつ演出の短い必殺技「飛燕投」、パンプキンボムとの組み合わせでMP大回復を狙える「ボディチェンジ」、MP消費を抑える「特技MPセーブ」がメイン。
    • 光クラス3「ワンダラー」は豊富な補助魔法を習得する。仲間の特技やブラックマーケットでは代用しにくい上、魔法のクルミさえあれば即死対策を湯水のように使えるため、難易度ノーフューチャーでの切り札と言えるクラス。
    • もう1つの光クラス3「ローグ」はトラップでSPを稼げるようになり、高威力かつ動作の短い投擲技「アックスボンバー」「グレネードボム」も使いやすい。
    • どちらもMP吸収付きの特技を覚えるため、パンプキンボム無しで自給自足が可能。
  • 闇クラス2は属性忍術4種がメイン。燃費にやや難ありだが、属性攻撃・ステータスダウン・SP稼ぎと幅広く使える。忍術は精霊の力を借りないので、クラスチェンジ直後から水・火属性を扱うことも可能。
    • 闇クラス3「ニンジャマスター」は属性忍術の全体化により、雑魚の動きをまとめて封じつつ大量のSPを稼げる。なお、原作での全体攻撃の殆どは本作では範囲攻撃に変更されているが、忍術は文字通りの全体攻撃*17であり、発生も早いため信頼性が高い。
    • もう1つの闇クラス3「ナイトブレード」は、クラス専用の即死アビリティ「ローレスキリング」に前述のポイズン付き強攻撃を組み合わせることで、アンジェラとは違った雑魚掃討の快感を味わえる。また、無属性の「凶器攻撃」と高威力の「ブラックレイン」も有用。
  • なお、原作で強力だった特技「ルナティック」や「含み針」は弱体化している。
    • 最大HPをダウンさせる「ルナティック」は、原作ではラスボスへの初撃で実質1万前後のダメージを与えることができたが、本作ではボス全般に効かなくなっており使い道に乏しい*18
    • 「含み針」もアビリティ絡みの調整結果で沈黙*19付与率が大きく下がっている。ただし、そもそも雑魚の大技で即全滅するようなシチュエーションが激減しているので、さほど影響はない(使う必要性も薄れてしまったが)。
    • ルナティックと同様の効果を持つ「凶器攻撃」は、運補正のダメージを与えてからダウン処理を行う。ホークアイ自身の運が高いため、オマケ付きの無属性遠距離攻撃として有用。
+ リースの詳細
  • リースは原作どおりのステータスアップ/ダウン役に加え、リンクアビリティ「クリティカルアップ」を仲間に貸す、光クラスのアビリティで消費アイテムのHP回復量を増やす、詠唱完了~動作終了まで無敵の召喚魔法をぶっ放すなど、攻撃・補助の幅が広くなった。
  • 槍のリーチは他キャラと比較して長いということはなく、振りのモーションも遅いが、その分隠しデータの攻撃倍率が高い。そのため、リンクアビリティで補えばクラス3コンボ中トップクラスのダメージを叩き出せる。
  • 光クラスが味方のステータスアップ、闇クラスが敵のステータスダウンという構図はアビリティ面でも変わらない。また、クラス1必殺技「旋風槍」も優秀なので取っ付きやすく、全般的に必殺技の硬直が短い。
    • 光クラス2必殺技「真空波動槍」は射程が長く、青ゲージを複数まとめて削るのに便利。
    • 闇クラス2必殺技「飛天槍」は広範囲かつ演出が短いため、雑魚散らしに最適。また、単発技なので複数の敵のアーマーを剥がしやすく、シェイプシフターやボスにカス当たりする心配もない。
  • クラス3については個性の変更・強化が目立つ。
    • 光ルートの「ヴァナディース」は攻撃力が下方修正され、戦闘勝利時に全員のHPを小回復する、ダメージを受けるとSPが増える、リンクアビリティ「天啓」で最大HPもアップできるなど、防御重視のスタイルとなった。「スターランサー」はステータスアップ魔法が全体+永続化し、アビリティによる底上げもしやすい。
    • 闇ルートの「ドラゴンマスター」はHP100%時に攻撃力を底上げする、ステータスダウン魔法に自分へのステータスアップ効果を追加する、召喚魔法でSPを稼ぐなど操作キャラ向き。「フェンリルナイト」はステータスダウン魔法が全体+永続化し、連発によるSP稼ぎも狙いやすい。
  • クラス4の実装
    • クリア後の追加シナリオを進めることで「クラス4」にチェンジ可能。
    • 光/闇の2種類となっており、クラス2と同じ属性が自動選択される。クラス3の特技・各種アビリティが引き継がれるため、性能的には選んだクラス3の強化版に近い。
      • 特技は追加されないが、基礎ステータスの向上、真の最強装備と上位アビリティの解禁、豪快でやりたい放題な新必殺技など、クラス3から目に見えて強くなる。
    • 追加衣装として見るだけでも6キャラ×2着ずつ用意されており、原作の「清廉とした光、禍々しい闇」も遵守されている。
  • 表示桁数の増加
    • 主人公たちのステータスがHP4桁、MP3桁に増加するとともに、最大ダメージの上限(999)も取り払われた。序盤で2桁ダメージを基本とするパーティが最終的に4~5桁ダメージを叩き出すため、強くなっていく過程を実感しやすい。
      • 若干のインフレを持たせることで原作からの発展性を感じやすくなっており、原作プレイヤーは数字だけでも「リメイクされた」感を味わえる。
    • 実用性は無いが、充分に育った状態で序盤のレベルの低い敵に単独ダメージの高い技を当てれば6桁のダメージを出すことも出来る。限界に挑戦してみるのも面白いかもしれない。

その他(評価点)

  • 中盤以降における資金難の緩和
    • 原作では8精霊が揃う辺りから装備品の価格が急上昇するため、買い替える部位・タイミングに注意を要したが、本作では「全ての部位を毎回買い替えるのは厳しい」程度まで金銭事情が改善されている。また、特定のダンジョンで1ランク上の部位が見つかることもある。
    • サボテン君探しのごほうび(買い物の1~2割引)、早期のクラス3実現に伴う最強装備の解禁なども駆使すれば、常に店売り最強+αを維持することも可能。
  • 魔法アイテムの入手方法の増加
    • 原作と違い、クリア済の神獣ダンジョンから雑魚がいなくならないので、一部の魔法アイテムを稼ぎやすい。また、ホークアイのリンクアビリティでドロップ率を上げることも可能。
    • サボテン君探しのごほうびでブラックマーケットの品揃えを増やせば、夢見草と各種像(一部を除く)・牙・爪も購入できる。
    • さらに、1個あれば実質無限に使えるという強力なリンクアビリティも用意されている。
    • 「ウルフデビルの油」だけは原作同様、入手方法が植木鉢に限定されているため、クリティカル率を上げる魔法「エナジーボール」の代用が難しい*20
  • スタッフロールの演出
    • 世界各地を巡るフラミーと、平穏のなかで微笑む主人公たちの姿が描かれる。
      • 6人全員の後日談が描かれるため、1周目でパーティに加えなかった3人の消息を知ることもできる。また、シャルロットのシーンは原作のイメージイラストを再現しつつ、パーティに加えたか否かで登場人物が変化する。
      • さらに、2つ目のスタッフロールで「The End」を再現するなど、スタッフの原作愛が感じられる。
  • 複数のボイス・テキスト
    • ボイス2種(日英)とテキスト5種(日英仏独西)が収録されているため、演技や言い回しの違いを探すのも一興である。

賛否両論点

ストーリー・サウンド

  • 原作再現度が高すぎるストーリー関連
    • 原作のストーリー上の問題点がそのまま残っている。
    • 本編の20年前を描いた『HoM』での設定がほとんど触れられていない。
      • 一応、親世代達のリデザインは『HoM』を意識したものとなっており、上記のようにクリア後の追加シナリオでは『HoM』所縁の隠しボスと戦うことになり、その前のクラス4イベントでは『HoM』でメインキャラになっていた親世代達も関わって来る。しかし、『HoM』で明かされた設定*21の逆輸入と思しき描写は特に無い。
      • もっとも、『HoM』自体が元々『3』本編と関わりの薄い内容であったため、敢えて別作品として本リメイクにおいても関連を薄味程度にしている可能性も考えられる。
    • 原作に忠実すぎる内容という点では、先に発売されたリメイク版『聖剣伝説』『聖剣2 SoM』も同様であったため、リメイクのコンセプトがシリーズ通して一貫していたのかもしれないが、後者に関しては幕間エピソードで物語の補完や不備、キャラの掘り下げを上手く行っていたため、そちらと比較すると味気無さは否めない。
  • 原作テキストがほぼベタ移植
    • 補完・差分化*22されたり平仮名から漢字に直された箇所もあるが、ボイス付きリメイクに合わせた改稿等はほぼ行われていない。
      • 「まっ殺」「たん生」「殺りくと破かい」といった平仮名交じりの原作台詞と、きっちり漢字で表記した新規台詞が混在している。また、キャラ付けや口調のぶれも見受けられる。*23
    • SFC版の頃は表現の制約上仕方がなかった、3行で表示される非常に説明的な台詞がボイス付きで読み上げられる場面もしばしば見られる。一括表示の場合、急に敵役が苦しみだすなど先の展開が前もって表示されてしまう事も。
    • 本作はやたらと主人公たちが「絶対に許さない!」という発言をする。原作テキストから存在するのだが、周回するとかなり頻出するため気になるプレイヤーもいるかもしれない。*24
    • 一方で原作ファンからは「シナリオを変に改変せずにシステム面を今風にしたのが良い」という意見も見られている。
  • クラス4イベントについて
    • 追加シナリオのクラス4イベントは全て新規の台詞であるためか、ゲーム本編との整合性を欠いた描写が見られる。
      • ホークアイのイベントで仲間のケヴィンが突然「ぐずぐずするな!」と乱暴にしゃべる、シャルロットが両親の墓について初見であるかのような反応をする*25、など。
      • デュランのイベントは熱い展開なのだが、対戦相手についての説明がまったくなく唐突。リースも「オーブ」と聞いてリボン(母の形見)を思い浮かべたり、父王にまつわる儀式の詳細を知らないなど、不自然な描写が増えてしまった。
      • ただし、どのイベントも各々の家族や友人が関わっており、パーティが「あんた」や「きみ」ではなく名前で呼び合うシーンも多いため、キャラ間の絆を実感しやすい。
    • 本編シナリオが原作そのままな一方、それ故に起きてしまった矛盾や弊害もある。
+ ネタバレ注意
  • アンジェラ・ケヴィンの2名はそれぞれの親と敵対関係にある。ルート分岐によってはエンディングで和解するのだが、クラス4イベントはラスボス直前の時系列なので、「和解前なのに別段悩むことなく会いに行き、互いに和解後のような態度を取る」という奇妙な展開になる。また、クラス4イベントの終了後もエンディングは一切変わらない*26
  • 竜帝ルートかつパーティにアンジェラがいる場合は、紅蓮の魔導師撃破後に女王と和解し、マナの聖域に向かうよう言われる。
    • しかし、クラス4イベント(つまり和解直後)の女王は「姿を見なかったけれど、どこかへ行っていたの?」と言い、アンジェラもツッコむことなくイベントが進行する*27
  • BGMのアレンジについて
    • 評価点で述べたとおり原曲重視の出来なのだが、悪く言えば耳コピアレンジが多く、音質もあまり良くない。同社から発売されたリメイクの先輩と同期の『ファイナルファンタジーVII リメイク』を聴き比べてもその差は歴然。
    • また、本作の人気曲の筆頭である「Nuclear Fusion」「Hightension Wire」「Sacrifice Part Three」などの名曲の出来が芳しくなく、戦闘時の高揚感を煽るにはパワー不足が否めない。

ゲームバランス(賛否両論点)

  • 強力すぎるバグ技の存在(ver1.1.1)
    • ゲームバランス崩壊級の現象が多く、併用すれば追加高難度も楽にクリアできてしまう。
+ 詳細
  • リンク技登録バグ
    • 極めて凶悪なのがこのバグ。特技リングコマンドを開くのと同時にキャラクターチェンジを行うと、交代前のキャラの特技をショートカットに登録できる。しかも、元々の特技を所有したキャラがクラスリセットしても登録が維持される。
    • この技により「攻撃特化の闇・サポートと回復の光」という、クラスチェンジの根本的な傾向が崩壊してしまう。また「古代魔法と全体忍術を使うフォルセナのファイター」といった芸当も可能なため、キャラクターの個性も崩れてしまう。
    • 特定のアビリティは他人の特技にも適用されるため、本来不可能だった相乗効果が発生するとゲームバランスが崩壊する。トランスシェイプを一騎打ちイベントに持ち込む、本来覚えられないセイバーを任意に移植するといったことも可能。
    • 「デーモンブレス」など一部モーションが特殊な技を移植して使用すると、Tポーズをとったままキャラが硬直してしまう。
    • Switch版では不可。
  • ボス瞬殺バグ
    • ランドアンバー(本体)の魔法を反射すると、異常なダメージが発生して瞬殺できてしまう*28
    • アークデーモンのみデス・スペルまたは同効果のゴーストの瞳やルーンの書で、難易度を問わず9999の固定ダメージが発生する。その上、一気に大ダメージを与えて第一形態のHPを削り切ると、変身させずに倒してしまえる。
  • アイテム多重登録バグ
    • 特定の手段を踏むとリングコマンドにアイテムを多重登録できる*29
    • 多重登録されたアイテムは元が2個以上ある場合無限に使用できるようになるため、貴重なクラスチェンジアイテムや、ドリアードの像などのドロップアイテムも無限に使用可能となる*30
  • アイテム増殖バグ 
    • 多重登録したアイテムを戦闘中以外の場で使用し、地形ギミックなどで中断を発生させると増殖する。なお、ver1.1.1にて同キャラに対するドーピング上限が各10個までに変更されているため、HP9999や力999は不可能。
  • バグロープ 
    • 多重登録された魔法のロープはどこでも使えるバグロープとなる。使いどころによってはショートカットが可能となるが、場合によっては進行不能になる危険がある。街中などロープが使えない場所でロープを多重登録してもバグロープは発生しない。
    • 風の太鼓を多重登録するとどこでも使える太鼓ができ、月読みの塔前広場など普段は使用できない場所からフラミーを呼べる。ただし、ダンジョン内など本来太鼓を使える場所がどこにもない状態でバグ太鼓を使うとフリーズし、一切の操作を受け付けなくなる。
  • メッセージウィンドウ表示バグ 
    • ダンジョンやフィールドで特定の動作*31を成功させるとメッセージが表示されたまま動けるようになり、雑魚敵と戦闘にならなくなる他、砂漠のビルとベンなど一部ボス戦がスキップ可能になる。
    • 街中では仲間が1人以上いる状態で、会話範囲外から主人公キャラがダッシュ攻撃などで滑り込んでアイテムを使用し、使用前に会話に成功すると発生する。
  • クッキーアロマバグ
    • 取得経験値をアップさせるクッキー系アイテムを使用後、取得ルクを増加させるアロマ系アイテムを使用すると、アロマの効果が切れるまでクッキーの取得経験値アップ効果も継続する(逆も可)。
  • 育成ポイント超過バグ
    • 仲間の育成ポイントが主人公よりも多い状態で、育成画面から仲間の育成ポイントを振ると同時にメニューを閉じ、ポイントを振る音が鳴り続ければ成功。
    • 主人公の育成ポイントが超過してマイナス表示になり、ポイント振り放題になる。マイナス表示は降った後メニューを閉じれば正常に戻る。
  • 補助効果永続バグ
    • ワンダラーの専用アビリティ「ボルテージ」による補助効果が特定の一騎討ち戦でワンダラー未参加にもかかわらず発動し、永続化する。
    • 非永続の補助効果(セイバー以外)を特定の順番で使用すると、次に適用された補助効果が永続する(PS4版限定)*32
    • 補助効果の永続化はリースの光クラス3「スターランサー」でしか出来ないはずだったが、このバグならアイテムさえあればどのクラスでも出来てしまい、対象もスターランサーより多い。なお、一度に可能な永続化は2種類まで。
  • ノーフューチャーにおける光/闇クラスのバランス
    • 敵の攻撃力があまりに高いため、光クラスのウリであった防御性能がほぼ無意味になり、火力偏重が進んでしまった。特にボス戦で顕著。
      • 例えば、ノーフューチャー限定の「聖剣の導き」のように、高難度限定で光クラスのみ防御力をアップさせる追加アビリティがあれば改善できた。
  • 補助効果の仕様
    • ダメージ計算でダメージは防御力と反比例する仕様上、ステータスアップ効果よりもダウン効果の方が強力なのだが、ドレイクの鱗などアップ系アイテムが店売りなのに対し、ダウン系アイテムは敵や種から入手する非売品になっている。
    • アンティマジックやダウン強化を無効化するボスが複数いる。
+ 詳細
  • ボスに付与された補助効果をアンティマジック(スペクターの瞳)で消せない場合、いわゆる「本体部位なし」のボスとなり、ステータスダウン効果自体は発揮されるものの、ダウン強化およびラッキーダウンで与ダメージを伸ばせず、ダウンオール系の効果も等倍となる。
    • 本体なしボスは主に複数部位持ちであるため、多段ヒットによる与ダメージ超過を防ぐ意図と思われる。しかし、ボス全体の半分強が本体なし=ダウン強化無効なので、仕様を知らなければ多くのボス戦で無効のアビリティを付けていることとなる。
    • 本体ありボスは特別でダウンオール系の効果が2倍となる。このためクラス4ならば魔法防御が最大-97%=反比例して33倍ダメージとなるなど、特定ボスへの特効要素として活用可能。
    • 雑魚はダウンオール系はなど倍になるが、ダウン強化およびラッキーダウンは乗る。

その他(賛否両論点)

  • 個性の乏しい装備品
    • ほとんどはステータスをアップするだけで特殊効果が無く、フレーバーテキストも一切ない。また、原作にあった複数のイメージアイコン(ドット絵)が削除され、カテゴリアイコンで統一されている。
      • ただし、武器・盾はグラフィックに反映され、デザインも幅広いので着せ替え用コレクションになる。
    • 中盤以降は同時に複数の装備品がショップに並ぶことがあるが、特殊効果付きのアクセサリ・盾を除くと、最上級のものを選ぶ以外に選択肢がない。
    • ほぼ原作通りではあるが、現代的に特殊効果付与などの個性を与えて装備選択に幅を広げてほしかったところ。
  • ゲーム終盤でお金の使い道がなくなる
    • 早期クラス3を達成しやすくなったことで、最強装備のダブり売却や店売り装備の不要化が発生しやすい。大枚をはたく機会も限られているため、終盤~クリア後はお金が無意味に貯まりがち。
      • 追加高難易度への対策として各種魔法アイテムを買い込む用途ができたが、それでも貯まる金額の方がはるかに多い。
    • クリア後のブラックマーケットで種や各種レアアイテムが販売されるなど、何かしらの使い道があればよかったのだが…。
  • 次世代グラフィックへの対応状況
    • Steam版では4K及び30FPS/60FPS/120FPSまで出力対応しており、ゲーミングモニタを使用することでヌルヌルレベルでスムーズに動作する。
    • 比較的廉価グレードのGPUでも120FPS安定するのはうれしいところ。
      • ただ、テクスチャのローディングが追いついていないのか、頻繁にキャラの顔等が崩れる不具合が見受けられる。
    • 逆に、現行コンシューマ機ではSwitchで30FPS程度、PS4でも平均で50FPS弱で不安定と、ハード末期でのリリースなのもあってスペック的に流石に苦しい状況である。
      • 早々に次世代機での4Kリマスターが望まれる処である。
  • 原作から演出の変更された箇所がある
    • 新規プレイヤーにとってはさしたる問題ではないが、原作からのファンにとっては、慣れ親しんだ演出を変更されたことが原作再現度の低下という点で問題となりうる。人によっては、演出が明確に劣化したと感じる部分もあるだろう。
      • 宿屋に宿泊した際のSEがカットされた。
      • ステータス割り振りの仕様変更により、レベルアップ時のBGMが冒頭部分しか流れなくなった。
      • 金の女神像での回復時の演出が、原作は画面全体が緑色に光るものだったのに対し、本作ではアイテムや魔法での回復と同じような演出に変更。それに合わせてSEも変更された。
      • 風の太鼓使用時のSEのリズムが変わった。
      • 滝の洞窟攻略後のジャド脱出時に、原作では2人目の仲間*33に牢屋から出してもらった後に金の女神像を調べるとBGMが仲間加入時のファンファーレ*34からジャドの曲に切り替わる演出があったのだが、本作では牢屋イベント後はフルメタルハガー戦の曲がジャド脱出まで終始流れ続けるように変更された。
      • 原作では大砲に乗る際は「BGMが消えてドラムロールが流れ、発射後にボン・ボヤジがジャンプする」という演出があったのだが、本作ではドラムロール及びボン・ボヤジのジャンプがカットされてBGMが流れ続けるようになった。
      • マナの剣を抜くシーンの簡略化。原作ではBGMの尺に合わせるように各地のマナストーンが次々に表示される演出があったのだが、本作ではその部分がカット。テンポが改善された*35一方で、演出的には物足りなくなった。

問題点

グラフィック・演出

  • イベントシーン
    • 演出面の強化は行われているものの、3Dに置き換える際の補完が足りないシーンがいくつかある。
      • 原作再現とはいえ、リース主人公のオープニングで、大事な弟が付いて来ているか確認せずに駆けだし、しばらく走ってようやく弟が攫われていることに気付くシーンは特にシュール。
      • 宿泊時の寝間着姿が削除され、戦闘服のまま寝るようになってしまったのも地味に残念な点。
    • 演出面の強化が逆効果になっているシーンも存在する。例えば、フェアリーのキラキラ音やノームのピョコピョコ跳ねる音、シェイドの羽ばたく音などが会話中にも鳴り続けるため、集中力を削がれるという意見がある。
    • 表情の基本パターンが「真面目(ニュートラル)」「笑顔」「驚く」の3つしかない。「驚く」については口をぽかんと開けるだけで緊迫感に欠ける。
    • 一部シーンでテクスチャの読み込みが間に合っておらず、一瞬ではあるが顔や衣装がのっぺりした感じになる。
    • ラスボスのHPが低めであると同時にクラス3の火力インフレが著しくなったため、ハード以下の難易度だと後半戦BGM「Sacrifice Part Three」がまともに流れる前に勝利できてしまう*36
      • アークデーモン戦に存在した形態変化*37が簡略化されたこと、ヒュージドラゴン・ダークリッチ戦でのBGM切替に間が無いこと、ヒュージドラゴンの全身が映る(スケールダウンしたように見える)ことも演出劣化と見なされやすい。
  • その他
    • 贅沢な悩みだが、戦闘のテンポが大幅に良くなったが故に、一部の必殺技演出が冗長に感じられることがある。
      特にクラス3~4の単体タイプや、終了時に決めポーズを取る「朱雀飛天の舞」「青龍殺陣拳」などが顕著である。
      ただし単体タイプについては、「演出≒ロック時間が長いほど仲間が追撃しやすい」というメリットもある。
    • 主人公たちの足音が硬い靴音で統一されているため、裸足で歩いているはずのケヴィンが歩くと違和感が生じる。特に石畳の上を歩く時などは顕著にそれが感じられる*38
    • 時刻が切り替わる際、画面が暗転して数秒間操作できなくなる。
      • 昼夜は8分半ほどで入れ替わるので結構な頻度でプレイを止められる上、タイミングが悪いと流砂や溶岩などのギミックに抵抗できない。
    • ボス撃破時のBGMがレベルアップ音で打ち消されやすく、リザルト画面も数秒で自動終了するため勝利の余韻に浸りにくい。
    • また、原作ではボス戦後のイベントでもボス撃破時のBGMが流れ続けていた場面でも、本作ではリザルト画面終了と共にBGMが切り替わってしまう。そのため、本作ではボス撃破時のBGMは冒頭部分しか聴くことができない。
    • SFC版や前作『聖剣2 SoM』などと同じく、本作のショップ店員はヨガをイメージした踊りを踊っているのだが、本作のそれは明らかに変。
    • 横方向に手を伸ばすという動きを延々と真顔で繰り返すだけという奇怪な動きであり、一目見ても滑稽さ・不気味さを禁じ得ない。
    • SFC版の時点で『3』は『2』ほど細かく滑らかに動いていなかったが、それと同じどころか更に酷くなっている。
    • ブースカブーやフラミーでの移動時、原作ではワールドマップの端から反対側へはシームレスに移動できたのだが、本作ではマップ端から外側に向かおうとすると霧に包まれたような画面が5秒ほど続くため、テンポが悪くなっている。
    • 風の神獣撃破後、原作ではフラミーに乗った状態のまま再開するのでそのまま次の目的地に向かうことができたが、本作では風の回廊からの再開となり自分でフラミーを呼ぶ必要があるため、多少テンポが悪くなっている。

ゲームバランス(問題点)

  • バグの存在(ver1.1.1)
    • ゲーム進行に影響を及ぼすものは少ないが、大小様々な現象が確認されている。
+ 詳細
  • 進行不能バグ
    • 倒したボスがHP0のまま無敵化する、搭上から落ちたボスが復帰しない、ボスがワープする瞬間気絶させると消えたまま復帰しない、ケヴィンの変身直後に攻撃するとキャラがフリーズしたり地面に埋まる、など。
    • 進行不能ではないがボスがモード切替後に攻撃をしなくなるバグも確認されている。
  • 難易度変更バグその2
    • 周回プレイを開始し、手動セーブせずに難易度を変更すると、引き継ぎ元データの難易度が変更されてしまう。
    • 難易度ノーフューチャーだった場合は元に戻せないため、先に手動セーブを1回行うか、難易度変更自体を控えることを推奨。
  • 種に関するバグ
    • 回復アイテムとして使用するか売却すると、まんまるドロップしか出ない種が生成される。
    • 難易度ノーフューチャーで「???」以外を植えると、中身の装備品枠がおかしくなったり*39、真っ白なアイコンのバグアイテムが生ったり、ノーフューチャーのクリア特典アクセサリが増殖することがある。
  • 「ダークフォース」などの爆発音が発生している最中にリングコマンドを開くと、かなりの確率でBGMが止まって無音になる。
    • BGMをオリジナル版に切り替えると発生しない。
  • 攻撃を受ける直前に操作キャラを切り替えると、稀に元キャラが硬直する。
    • 元キャラに再度切り替えても一切動けず、敵の攻撃などで怯むと正常化する。
  • AIキャラが必殺技を使う瞬間、向きが反転して空振ることがある。
    • ダメージ床や敵の攻撃に反応して、CPUが回避を試みているのが原因。複数の攻撃対象がある場合は、別の敵をターゲッティングする事でも発生する。
    • 必殺技リレー時も敵の攻撃やダメージ床があるとそれに反応してあさっての方向を向いてしまう。
  • 属性忍術に対し、敵味方の反射効果が発動せずに解除されたり、反射効果の掛かっていないAIキャラが反射することがある。
  • ポロビンリーダーやギルダーバインの「カウンタマジック」、ライトゲイザーの「マジックシールド」などが、敵でなく味方パーティに掛かることがある。
  • 比較的危険性の少ないバグ
    • スペルレジスト2種バグ。メイガスはアビリティ版、ドラゴンマスターはリンクアビリティ版の「スペルレジスト」を習得するが、アビリティ版を先に装備しないとリンクアビリティ版も装備中になるなど不具合が発生する。
    • 幽霊船で2人以上が同じアクセサリを装備し、装備者かつ仲間2でないキャラが呪われると、所持数が一時的に増える。
    • 吸収・無効化属性のセイバーや爪を使用中に「スリープ」で眠らせると敵が眠ったまま行動する。
    • ミラージュパレスにて特定の場所で時刻が切り替わると、とあるキャラが椅子から浮く。
    • デュランのクラス4イベントを達成すると、古の都ぺダン(過去)で自由行動中の仲間(デュラン以外)が消える。
    • はりせんちょっぷや白虎衝撃波など、必殺技のエフェクトが戦闘終了後も残る場合がある。
  • 一部アビリティ・必殺技などの調整不足
    • タメ攻撃を強化するタイプ全般*40、同属性の被ダメージを減らす「ガードセイバー*41」や、発動間隔・回復量ともに劣悪な「HP自動回復」など、使いどころのほぼない死にアビリティが存在する。
    • NPC由来のリンクアビリティは用途の限られたものが多く、所々で取りこぼしてもゲームバランスは大差ない。しかし、魔法の燃費改善に役立つ「コンバート」は使いやすさに反して入手期間が極端に短く、特にアンジェラへの影響が大きい。
    • 非単体タイプの必殺技で敵を倒した際、次のターゲットが指定されず同じ地点を攻撃し続けてしまう。また、素早い雑魚やボス全般に対してスカりが発生しやすいものがある*42
    • クラス3は総じてどのキャラも強いのだが、ソードマスターやニンジャマスターに強力な特技・アビリティが集中しすぎていたり、ヴァナディースの一部アビリティがスターランサーのものと同じ効果・習得条件でHP制限を課されていたりと、同キャラのクラス間に調整不足が見られる。
      • また、最強装備の性能は原作同様、光光<光闇<闇光<闇闇クラスに統一されており、「防具は光クラスの方が強い」といった差異もない。
  • 原作から劣化した種・植木鉢の仕様
    • 原作と違い、「???の種」以外の中身は「通常枠」「レアアイテム枠」「装備品枠」に分かれている。
      • 通常枠は消費アイテム・魔法アイテム・投擲アイテムが混在しており、特定のカテゴリのみを狙うことはできない。
      • レアアイテム枠と装備品枠は、種のランクや植木鉢のレベルが低いと滅多に出ない。
    • 枠毎の中身は種の入手時点で決まっており、ロードして植え直しても枠しか変わらない。また、クラス1~2で入手した種からはアクセサリ以外の装備品が出ないなど、最強装備のコンプリートにリアルラックを要求される。
      • 上記の仕様上、固定配置の種を使った厳選は可能であり、主にクラス3へのクラスチェンジで役立つ。

戦闘システム(問題点)

  • 設定幅が少なく学習しない仲間AI
    • 近接攻撃の頻度が低く、各種コンボを無意味に中断することもある。
      • これにより「あと少しで青ゲージを阻止できるのに、AIキャラが攻撃を止めてしまう」といった事態も発生する。
    • 設定項目が少ないうえにターゲットとの距離を指定できなくなったため、「HPが少しでも減ったら回復しろ」「この特技だけ使用禁止」「中~遠距離を保て」などの細かい命令はできない。
      • 「攻撃せず回避に専念しろ」という命令はできるのだが、敵の通常攻撃や予兆が来ない限り、その場を動こうとしなくなる。また、自分の周囲をすっぽり包むような攻撃に反応しにくいため、回避率が良くない。
    • ほかにも「半減属性と無効・吸収属性の区別が付かない*43」「MP制限無しの全力攻撃を命令しても威力優先にならない」「攻撃系特技の射程を考慮しなかったり、効果の薄い補助系特技を連発する*44」など、賢いAIとは言い難い。
  • 戦闘開始時の仕様
    • 戦闘エリア外にいる仲間の特技が使えない。この仕様上、ダッシュしながら雑魚との戦闘に入るとタイムラグが生じやすい。
      • 「攻撃せず回避に専念しろ」と命令している場合、その仲間は戦闘開始時に立ち止まってしまうため、ワープしてくるまで数秒間待たされることもある。
      • 事前に仲間を戦闘エリア内に誘導しておく手もあるが、敵の死角を突かなければならず面倒。
    • ボス戦開始時に流れるイベント台詞はリングコマンドを開いていると止まってしまう。ボス戦時は開幕に補助魔法やアイテムを使用するのが定石であるため、せっかくの台詞がぶつ切りになる。

その他(問題点)

  • 一部UIの不便さ
    • アビリティ装備画面
      • タブなどの機能がないドラムロール式のため、中央付近のアビリティを選択する際にスクロールし続ける必要があり面倒*45
      • アビリティセットを記録できず、雑魚戦とボス戦とで頻繁に付け替える必要に迫られる。
    • 補助効果アイコン
      • 同一箇所に表示されるアイコンが複数あり(右上に6種類、左に3種類)、それらは点滅によって切り替わる。しかも、リングコマンド展開中は切り替えがストップしてしまう。
      • ボス戦や追加高難度などで戦闘が長引いた場合、どの効果が切れたか確認するのに手間取りやすい。
    • 各種スキップ機能
      • イベントシーンの小スキップは予想以上に飛んだり、整合性が崩れて一瞬違うキャラが映ってしまうことがある。
      • クラスリセット後そのままクラスチェンジに進めず、そのたびにいちいち通常画面に戻ってロードを挟むこととなる。また、条件を整えてもクラス1から一気に3や4まで進むことはできず、一段階ずつ行う必要がある。
      • 育成画面にて解放された項目の表示がスキップ不可。高レベルで育成リセットした場合、クラス4は最低でも1キャラ60項目以上あり、その全てを一つずつ確認しなければならない。
    • オートセーブ
      • 手動作成したセーブデータを読み込むと、同じデータがオートセーブスロットに複製されてしまう。つまり、誤操作で読み込んだ際にオートセーブからの復帰ができない。
  • 引き継ぎに関する一部の仕様
    • 強くてニューゲームが解放されて以降も、七章をクリアしたデータでなければ引き継ぎ元として選択できない。
    • 周回開始時に選ばなかった3人のリンクアビリティを引き継げる反面、選んだ3人はクラス・育成状況・引き継いだリンクアビリティがリセットされる。この仕様上、ストーリー進行を無視した性能強化や、クラス間の特技・アビリティ収集はできない。
      • 場合によっては周回開始前、引き継がせたいリンクアビリティのためだけにクラスリセット → 再チェンジを行う必要がある。
    • ドーピングアイテムの累計入手数(各10個まで)、サボテン君リングの入手フラグが引き継がれる。
      • どちらも売却可能であり、誤って手放してしまうと取り戻しがつかない。
      • ドーピングアイテムは同キャラに10個ずつ使ったとしても効果を感じにくく、周回を重ねて稼ぎまくる(お気に入りのキャラを最強にする)こともできない。
    • タイムアタックミッションの記録が引き継がれない。
      • 達成時のデータ閲覧・リプレイ・ランキングなどの機能も一切なく、詳細は自分で控えるしかない。
  • ロード時間の長さ
    • ロード自体はマップ切り替えとイベント前後程度しかないが、画面暗転とロード画面合わせて10秒前後掛かり、1回1回はやや長め。
    • 戦闘が絡まず移動やイベントが連続するとロードの頻度が上がることもあり、少なからず気にかかる。
    • 一応、ロード中にそれまでのストーリーや人物・用語解説、TIPSを表示する配慮は行われているが…。
    • Steam版でゲーム本体をSSDに格納するか、PS4 Pro+内蔵SSDまたはPS5でプレイする等である程度は改善できる。
      しかし金銭的な投資が必要であり、Switch版ではいずれの対策も不可能である。
  • 2人同時プレイの廃止
    • リメイク版のゲームシステムでは実装困難ではあるが、友人や家族とプレイした原作プレイヤーの層が厚いだけに、リメイクにあたって最新ハードでの協力プレイを望む声もあった。

アップデートで修正・改善された要素

+ ver1.1.0
  • ver1.1.1にて修正が確認されたバグ
    • 難易度変更バグその1
      • オプション画面から難易度を変更し、手動セーブせずにデータをロードすると、「難易度を変更したデータ」「ロード先のデータ」のどちらかに「所持金の変動」「装備品の消失・置換」などが発生し、その状態で強制保存されてしまう。
      • 「1周目をノーマル以下でプレイ→タイムアタックミッションで難易度変更を求められる→変更して即挑戦→失敗したのでロード」など、一般的な初プレイにおいても発生し得る。
      • このバグで失ったものは再プレイで取り戻すしかないため、予防措置として手動セーブを徹底するか、難易度変更自体を控えることを推奨。
    • アビリティが外れるバグ
      • アップデート以前のセーブデータをロードし画面切り替えの伴う移動をすると、装備していたアビリティが全て外れてしまう。
    • タイムアタック報酬バグその2
      • 報酬自体はタイムアタック達成後のニューゲームでも発生するよう修正されたが、入手時の名称が光の司祭のリンクアビリティになっている(表示がおかしいだけで入手できる報酬自体は正常)。
      • ver1.1.1にて名称バグが修正。また、既に報酬を所持している状態でも入手画面が表示されるようになった(表示されるだけで複数入手は不可)。
    • 一部の進行不能バグ
      • 特定のボス戦で召喚された雑魚をかいがらハンターに変身させて倒すと、戦闘終了時にエラー落ちする。
      • ミラージュパレスの特定の箇所で敵撃破後メニューを開くと進行不可となる。
    • 戦闘のリザルトが表示されなくなることがある(ver1.1.0にて追加)。
      • 表示されないだけでアイテムや経験値などは獲得しており、セーブデータをロードすれば表示されるようになる。
    • 火事場の馬鹿力バグ
      • ケヴィンのリンクアビリティ「火事場の馬鹿力」の効果が女神像を触って回復しても続く。
    • 「マシンゴーレムR」が透明化する、最後に倒した「マシンゴーレムS」が自爆しない。
+ ver1.0.1以前
  • ver1.1.0にて修正が確認されたバグ
    • アイテム増殖バグ
      • アイテム無限使用のリンクアビリティを装備すると、使用モーションが敵の攻撃などで中断されるたびに増える。
      • アイテムの使用モーション中に難易度を変更してロードすると、そのアイテムが増えることがある。
    • 種を回復アイテムとして使用するか売却するとバグ種が生成される。
      • 植えるとエラーアイテムが生ったり、植木鉢が最大レベルを超えて成長することがある。
    • パーティの誰かがクラス2になる度、デュランの光クラス用武器「コリシュマルド」が1つ減る。
    • タイムアタック報酬バグその1
      • タイムアタックミッション達成済のセーブデータがあると、新規のニューゲーム(1周目)がミッション達成済として扱われ、報酬のリンクアビリティを取得できなくなる。
      • アップデートせずにバグ発生済のセーブデータを正常化することはできない。バグ無しのセーブデータを新たに作ることは可能だが、セーブデータのバックアップ・復元が必須となる*46
    • 街中で仲間のヒールライトを選択し「ほぼ全回復」を選ぶとフリーズする。
  • 親切設計に伴う難易度の低下と、周回プレイの仕様について
    • 下記のようにプレイヤー有利の仕様が多く、慣れれば最高難易度「ハード」でも楽にクリアできてしまう。
      • 原作における敵の「カウンター技」「必中の魔法・必殺技」が見直され、さらにローリングや予兆が実装されたことで、敵の攻撃を回避しやすい。
      • 進路上の敵を倒していくだけでレベルがどんどん上がり、雑魚とのステータス差が大きくなる。
      • ボス戦における青ゲージ阻止はギミックの数・耐久力が異なるだけで、長いコンボを決めていけば間に合うよう調整されている。
      • 各種セイバーやステータスアップ/ダウンなどの補助魔法は有用だが、使わなくても何とかなるシチュエーションが多い。
    • 周回プレイに引き継ぐ内容を選択できず、既に使用しているキャラクターのレベルも強制的に引き継がれてしまう。
      • 1周目で育てたキャラを再度使うと最低でもレベル70~80程に達しているため、最高難易度「ハード」でも赤子同然で、攻略上のやり甲斐が失われていた。
      • 2周目であれば1周目で使っていない(育てていない)残り3キャラをパーティキャラに選べばよいが、3周目となると育てたキャラで進めざるを得ない。本作は全てのルートを進むのに3周必要であり、トロフィー/実績も同様であったため、周回が実質消化試合になるこの仕様は不満の種になっていた。
    • 現在は、引き継ぎ時にレベルをリセットするかどうか選べるほか、引き継ぎ前提の高難度「ベリーハード」「ノーフューチャー」が追加されたため、上記についてはほぼ解消された。ヌルくてもいいのでさっさと周回したいのであれば、レベルを引き継いで「ベリーイージー」などを選べばよい。
    • 周回や育成のやり直し要素があるにもかかわらず、衣装が引き継ぎ不可、クラスチェンジ演出とスタッフロール2種がスキップ不可であったが、これらもアップデートで解消された。
  • 勝利台詞がお金の話ばかりになる
    • 所持金が5万ルク以上になると、雑魚戦の勝利台詞に「お金が貯まってきた」という趣旨のものが加わるのだが、台詞の発生頻度が高すぎる。
    • わざと無駄遣いして所持金を減らせば回避できるが、いちいち買い物をして所持金を調整するのはかなり面倒で、しかもゲーム後半ではすぐ貯まる額なので焼け石に水。そもそも、演出のために攻略上の不利を被らなければならないという時点でいかがなものか。
    • 引き継ぎ時に高額の所持金があると、序盤からお金の話ばかりでダンジョン固有の台詞などを聞く機会が少なくなってしまう。
    • アップデートで発生頻度が低下し、他の台詞を聞きやすくなった。

総評

1990年代当時のような雰囲気を保ちつつ、2020年のゲームとして丁寧にブラッシュアップされた作品。
原作で批判の多かったアクション面のもっさり感を根本から改善し、より完成度の高い作品に仕上がったことで原作ファンからも新規プレイヤーからも好評を博した。
原作再現に傾倒するあまり原作のストーリーやテキストに存在した問題点がそのままだったりと、力の入れ具合が極端になってしまった部分は否めないが、原作を最大限尊重しようという姿勢そのものは評価できるだろう。
童話のようなストーリーと魅力的なキャラクター、いつでも変えられる難易度や周回要素などの点から見ても、幅広いプレイヤーにお勧め出来る作品と言える。


余談

  • 製品版にセーブデータを持ち越せる体験版が配布されている。
    • 内容的にもかなりボリュームがあり、最初のダンジョンとボス戦まで、概ね1~2時間分を製品版同等にプレイできるので、興味があるならまずこちらをプレイしてみると良いだろう。
  • 本作には3人のプロデューサーが携わっているが、その内の一人として小山田将氏が参加している。同氏が手掛けた『聖剣2 SoM』はバグなどで不興を買ったが、本作では面目躍如となったと言える。
    • 一方で、追加イベントがあるとはいえ、3Dリメイク版『聖剣伝説』シリーズは最初に出たPSV/スマホ版『1』も含めてストーリーが基本的に原作そのままという共通点も見られているのだが…。
  • とあるサイトの企画で『聖剣伝説3』の女性キャラの人気投票が行われた。結果は主役3人の表彰台独占だったのだが、1位リースと2位アンジェラの差が僅か1票という大接戦だった。
    • 後に主人公6人の公式人気投票も行われた。結果は1位リース、2位アンジェラ、3位ホークアイで、HACCAN氏によるお祝いイラストも公開されている。
    • ボイスやキャラクター描写が追加されたことも含め、アンジェラにとってはまさに大躍進となった。
  • 新型コロナウイルス蔓延に伴う緊急事態宣言で全国的に外出自粛が行われた最中に発売されたため、同時期に発売された『ファイナルファンタジーVII リメイク』らと並び、自宅待機中に遊ぶゲームとして注目された。
    • 芸能人などのYouTube配信でも、本作の実況が多数行われ盛況を見せた。
    • もっともプラスの影響ばかりとは言えず、本作の発売に合わせて開催が予定されていた『聖剣伝説3』のオーケストラコンサートは公演中止となり、約1年後にオンライン形式で再開催されることとなった。
  • 2021年2月12日に世界累計出荷・ダウンロード販売本数が100万本を突破した。
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最終更新:2023年12月02日 08:48

*1 ギミックを持たないボスはダメージを与え続けることでノックダウンが発生する。

*2 ちなみに主人公を演じた声優陣の殆どが当時から原作をやり込んでいたり、そうでなくともよく知っている事がインタビューで語られている。

*3 戦闘時に「でちっ」「でーちぃ!」「でち!?」「ふぎっ!」「うっけきょー!」などの奇声を発するようになったが、諸星氏の熱演により違和感ゼロである。

*4 アンジェラを光クラス2「ソーサレス」にするとニーソックスで太腿のお肉が寄る、サブキャラのアマゾネス「ライザ」の左脇付近にホクロがある、石化すると目のハイライトが消えつつ欠けやひび割れもできるなど、3Dモデラーの執念が感じられる。

*5 発売当初の時点でもそこそこの歯応えは有ったが、原作経験者などコアなユーザーからはもっと高い難易度を望む声が多かった。それに答える形で当初は予定していなかったであろう2段階の高難易度を追加した企業姿勢は非常に真摯であると言える。

*6 レベルも引き継ぐと楽になるが、序盤から戦闘を楽しむことはできず「歯ごたえのある周回プレイ」という趣旨から外れてしまう。

*7 ノーマルに比べて攻撃力が約6倍、物理防御が約3倍、魔法防御が約6倍。

*8 特定の属性ダメージを半減させる新アクセサリ。

*9 ノーマルに比べて攻撃力が約8倍、物理・魔法防御が約2倍、そのうえボスの攻撃力は約30倍ほどに。

*10 プレイヤーがミスしなければゲームオーバーにならないため「自キャラはガン逃げし、不死身のAIキャラに戦ってもらう」という手もある。ただし「AIキャラの攻撃は低頻度かつSPを稼げない」「ボス戦では時間制限がある」など非効率的。

*11 ①虹色アイテムの種を入手する(≠引き継ぐ) → ②「種(ランク不問)の装備品枠を引く」を繰り返す → ③種(ランク不問)の装備品枠が赤装備に置き換わる → ④置き換えが解除されるまで赤装備を引く → ①に戻る…というもの。虹色アイテムの種は入手時期が遅く、最低でも闇の神獣ダンジョンまで進む必要あり。

*12 クラス4最強装備の強化版。カテゴリアイコンが赤く、武器は1.5倍、防具は2倍の性能・売値を誇る。

*13 順当に進めていけば風のマナストーン発見時、つまり最速でクラス2へのクラスチェンジが可能。クラス3についても、レベル38は遅くともマナの聖域到達~フェアリー救出あたりで達成でき、風のマナストーン発見時に達成することすら十分可能。クラスチェンジアイテムの素「???の種」は神獣ダンジョンに合計6個配置されているほか、ドロップする雑魚も変更・増加している。

*14 後者であっても、1体をターゲットとして発動する点は同じ。

*15 CSスワップ(CS=Class Strike、必殺技の英語名称)、必殺技切り替え、必殺技リレーといった名称で呼ばれている。

*16 月の属性耐性はムーンセイバーのみに影響するため、実際に当てるまで判別不可。

*17 全ターゲットを同時に個別サーチするタイプ。敵の部位が複数ある場合はその全てを対象とするため、一部ボス戦では火力も相当なものになる。

*18 正確には「雑魚の最大HP・現在HPを個別にダウンさせる」という効果に変更された。雑魚戦では基本的に殴った方が早いうえ、消費MP11を踏まえるとハーフバニッシュ(消費MP9・現在HPを半減)の方が使いやすい。

*19 原作と違い、魔法以外の特技と必殺技は使用可能。

*20 闇ケヴィン用のクラスチェンジアイテム「死狼の魂」で代用したり、ヴァナディースのアビリティ「ランダムアップ」で同じ効果を狙うことは可能。

*21 アンジェラと英雄王、ホークアイとイーグル・ジェシカの兄妹、といったキャラ同士の隠された関係性など。

*22 主人公がフェアリーに取り付かれて「(早く!)」と急かされた際の返事、「風の回廊」の入り口にあった風神像が消える理由、「幽霊船」で呪われたキャラがする照れ隠し、ジョセフィーヌからの情報無しに「古の都ペダン」を目指す理由など。

*23 主人公たちが仲間やマナの女神を呼び捨てにする/しない、デュランの英雄王に対する呼び方、アンジェラとの共通台詞でフランクに喋るリース、シャルロットのプロローグにおける死を喰らう男の台詞など。

*24 おそらく同一のある文章を男女シャルロットの3つに分け、そこからさらにキャラごとに語尾を調整する、という執筆方法だったために重複が多いと思われる。

*25 本編の強制イベントでは誰の墓なのか言及されないため、調べ損ねたプレイヤーへの配慮という見方もある。

*26 ケヴィンは獣人王に敵意をむき出しにし、アンジェラも久しぶりに理の女王と再会したような反応のまま。

*27 「長く操られていたせいか、少し記憶に混乱が見られるようだ」というフォローはある。

*28 数値は敵ステータスに応じて上昇し、難易度ノーフューチャーにて6桁が確認されている。

*29 種を1種類かつ1個の状態にして戦闘中使用し、発動前に被弾や地形ギミックなどでキャンセルされるとアイテム欄の種から何もない空欄を道具リングコマンドに選択できるようになる。この状態で何らかのアイテムをリングに登録し、さらに続けて空欄も登録すると、空欄が直前に登録されたアイテムに置き換わりリングコマンドに多重登録される。

*30 戦闘中の使用回数上限は越えられないが、戦闘が終われば多重登録されたアイテムは減っていない。

*31 NPCや看板など会話が表示される対象の近くで主人公を操作し、仲間キャラにアイテムを使用させ、その間に主人公で攻撃を繰り出しながらアイテムを使用すれば、アイテムが使用される前に会話を発生させられる。

*32 例えば「ドレイクの鱗」→「ウルフデビルの油」や、ヴァナディースの「パワーアップ」→「金狼の魂」など。2種類永続化する場合は防御力アップ → 攻撃力アップの順で使用する。

*33 2人目がシャルロットの場合は仲間に選ばなかったキャラ。

*34 既にパーティが3人の場合は助けてくれたキャラのテーマ曲。

*35 とはいえ本作にはイベントスキップがあるので、原作通りの演出だったとしてもテンポへの影響はスキップするためにボタンを押す手間が増える程度のものだろう。

*36 周回プレイ専用の難易度「ベリーハード」「ノーフューチャー」であれば、ラスボスに相応しい硬さ・強さを見せてくれる。

*37 爆発 → 形態変化まで数秒の間BGMが消える演出。

*38 硬い靴を履くデスハンドやデストロイヤーにクラスチェンジした場合なら問題ないが、サンダルを履くバシュカーやビーストキングでも違和感は残る。

*39 クラス1~2で植える際、パーティ選択に関係なく「ケヴィンの武器」「シャルロットの体防具」「ホークアイ・リースの頭防具」が候補に追加される。

*40 タメ攻撃はわざわざ時間をかける割に威力・リーチに欠けるため、ほぼアーマー破壊専用技となっている。

*41 敵の攻撃属性と属性耐性が一致しやすい仕様上、こちらの近接攻撃も通らなくなってしまう。

*42 夢想阿修羅拳・スターアタック・大地噴出剣・白虎衝撃波・光弾槍など。

*43 例えば、全ての攻撃系特技が敵に半減される場合、半減属性のセイバー魔法も掛かると一切攻撃しなくなる。

*44 例えば、届かない位置でもブレスや召喚魔法を使うイビルシャーマン・ナイトブレード・クラス3リース、敵の攻撃方法に関係なくマジックシールドを使うビショップ、ボス相手にルナティックを使うワンダラーなど。

*45 十字キーと左スティックの両方で入力すれば高速でカーソルを動かせるが、加速が付きすぎて微調整が難しい。

*46 「セーブデータの空きスロットを作り、番号をメモする」→「データ一式をバックアップしてから削除する」→「真っ新な状態でニューゲーム(1周目)を始め、メモと同じ番号にセーブする」→「バックアップデータを復元する」という手順。