このページはVer.3.2.0 (2021年7月29日更新)を基準にしています。
アップデートによるゲーム内容更新が不定期に行われるため、必ずしも本記事の内容が最新の内容に対応しているとは限りません。
特別な理由がない限り操作キー等の表記はSwitch版のもので記述します。

モンスターハンターライズ

【もんすたーはんたーらいず】

ジャンル ハンティングアクション


対応機種 Nintendo Switch
Windows(Steam)
発売・開発元 カプコン
発売日 【Switch】2021年3月26日
DL版価格改定:2021年10月8日
【Win】2022年1月13日
定価 【Switch】
 パッケージ版:8,789円(税込)
 Best Price版:5,990円(税込)
 ダウンロード版:7,990円(税込)
 ダウンロード版改定価格:5,990円(税込)
 狩友ダブルパック:16,779円(税込)
 本体同梱版:42,240円(税込)
【Win】
 通常版:5,990円(税込)
 デラックスエディション:7,041円(税込)
プレイ人数 1人(オンライン:1~4人)
セーブデータ 3個
レーティング CERO:C(15才以上対象)
備考 「日本ゲーム大賞2021年間作品部門」大賞
判定 良作
ポイント プレイヤーの機動性が大幅に強化
シリーズ屈指の快適性
日本文化や古典怪談がモチーフの舞台設定
独特な新要素「百竜夜行」「操竜」
アップデートの適用が前提のストーリー
スケール感とエンドコンテンツが全体的に縮小
武器種バランス&護石の仕様に課題が残る
モンスターハンターシリーズ



解き放て、狩猟魂。



概要

モンスターと総称される強大な生物と「狩猟」をモチーフにした戦闘を行い獲物から素材を集めていく「ハンティングアクション」の金字塔シリーズの16作目。
ハンティングアクションとしては『モンスターハンターダブルクロス(以下MHXX)』以来4年ぶり(移植を除く)の任天堂ハードかつ携帯ゲーム機を含んだ市場*1での展開となる。
かねてより『MHW』とは別に任天堂ハード向けの作品を制作予定である事が明かされており、詳細が明かされる前から本作への期待は非常に大きかった。

基本的なゲームシステムは『モンスターハンター:ワールド(以下MHW)』を引き継いでおり、狩猟フィールドは全てシームレス、武器種も14種全てが続投*2している。
『モンスターハンタークロス(以下MHX)』のようなナンバリングシリーズの新展開を受けての支流的な立ち位置の作品というパターンではなく、『モンスターハンターワールド:アイスボーン(以下MHW:IB)』に続くナンバリングシリーズの新作として扱われており、シリーズの世代を更新するようなシステムへの根本的な変更も多い。

拠点となるのは和風な佇まいの『カムラの里』。作品のテーマやデザインのモチーフには『和風』『忍者』『妖怪』などが含まれている。
カムラの里は、原因不明の大型モンスターの大群による大襲来「百竜夜行」という現象に悩まされており、50年前「怨虎竜マガイマガド」と共に現れた夜行によって壊滅寸前にまで追い込まれていた経緯がある。本作のシナリオは、50年ぶりに発生した百竜夜行から里を救うために主人公が戦っていくという展開である。
舞台は『MHXX』以前の大陸に戻っているが、『MHW』初出のモンスターも登場する。

開発には、シリーズ初となる「RE ENGINE*3」が使用されており、これによりSwitchでも『MHW』に準拠したグラフィックやシステムを実現できたことが語られている。

公式による略称は『MHRise』。プレイヤー間では『MHR』という略称が使われることもあるが、スマホ向けに配信されていた『モンスターハンターライダーズ』(こちらの公式略は『MH-R』)と混同されることもあり得るので注意されたし。


特徴

  • 翔蟲アクションの追加
    • 本作の優れたアクション性の根幹をなす。ビジュアル的にワイヤーアクションである。
    • カムラの里の周辺地域に生息し、 鉄蟲糸 (てっちゅうし)と呼ばれる強靭な糸を出す甲虫『 翔蟲 (かけりむし)』。カムラの里のハンターはこの蟲を実戦レベルで使役し、鉄蟲糸を利用した瞬発力を移動や狩猟に活用している。
      • 翔蟲を任意方向へ飛ばすことで空中へ飛ぶ『 疾翔 (はやが)け』。着地前に回避ボタンで「空中回避」にも派生し高い機動力を生み出す。
      • モンスターにぶっ飛ばされた際に、納刀しながら体勢を立て直す『翔蟲受け身』。
      • 武器種ごとの攻撃や移動アクションの幅を広げる『 鉄蟲糸技 (てっちゅうしぎ)』。
      • 更には後述の『操竜』と呼ばれる鉄蟲糸術まで確立されており、様々な状況で活躍する。
    • 特に「翔蟲受け身」は納刀に時間がかかる武器であるほど便利なアクションだが、受け身を発動した瞬間にハンターの無敵時間が消滅するため追撃に注意が必要。
    • 本作では「疾翔け」で壁に飛びつくと、そのまま壁走り状態に移行する。ステージ中のほぼ全ての壁で可能であり、スタミナを大量に消費はするものの、ツタも何も無い垂直の壁を文字通り駆け登る事ができる。
    • 翔蟲は常時2匹所持しており、1つ使うごとにゲージ回復を待たなければならない。ゲージが回復するまでは上記アクションを一切使えないため、どのタイミングで翔蟲アクションを出すかの判断も重要になってくる。
    • またフィールド上には野生の翔蟲も生息しており、これを収集することで一時的ではあるが翔蟲を3匹使えるようになる。
    • これらの移動や新アクションは旧作の「クラッチクロー」や「狩技」とコンセプトが似ている部分やそれらを意識した要素もある。
    • 開発スタッフが「今作では翔蟲の導入で全ての武器種が共通で3次元方向への移動や回避が使用できるため、モンスター側のバランス調整もそれを踏まえたものとして行いやすくなった」という趣旨のコメントがあり、武器や戦闘の調整にも寄与していると思われる。
  • 新たなオトモ「オトモガルク」
    • アイルーに続く新たなオトモとして「オトモガルク」が追加された。ビジュアルは現実世界の犬・狼に近く、『モンハン』世界では牙獣種に該当するとのこと。
    • オトモガルクはサポートの多彩さでいえばオトモアイルーに劣るが、攻撃性能・機動力に強みがある。
    • オトモガルクに騎乗したハンターはスタミナの消費なしに、従来のダッシュを遥かに上回る速度で移動できる。騎乗したまま採取もでき、ハンターの背丈を超える程度の段差であればそのまま登っていける。
    • また、ガルクに搭乗中でも機動力を損なわずに砥石・回復薬などのアイテムを使えるため、エリア移動したモンスターの追跡中に、研ぎと回復の両方を足を止めずに済ませられることは勿論、モンスターとの交戦中に搭乗すれば、研ぎや回復を回避に専念しながら実行できるため、状況を立て直す際にも役立つ。
    • プレイヤーはアイルーとガルクのうち最大2体を好きな編成でクエストに連れていくことができる。
    • 騎乗したままガルクに攻撃させる事もできるが威力や使い勝手はイマイチ。縛りプレイでもない限りは、後述する「ソウソウ草」を刈り取る際や移動中のモンスターへの牽制に使う程度だろう。
  • 大型モンスターを操る「操竜」
    • モンスターハンター4(以下MH4)』以降、お馴染みだった「乗り」に代わる新システム。大型モンスターを鉄蟲糸で絡め取り意のままに操る技法である。
    • 今作では、鉄蟲糸技や空中攻撃、大型モンスターの同士討ち攻撃などが当たることで「操竜蓄積値」が上昇。一定値*4に達すると大型モンスターは『操竜待機状態』となり、このときに近距離で納刀中にAを押すか武器攻撃*5が当たることで操竜状態に自動で移行する。
    • 操竜が発生するとハンターはモンスターの背に乗り、制限時間中に移動・弱攻撃・強攻撃・突進離脱・回避等の動作でモンスターを自由に操ることができる。
      強攻撃を他の大型モンスターに当てればダメージと共にひるませ、3回まで落とし物をドロップさせる性質も持つ。
      • 「突進離脱」は直後に操竜を放棄するアクションではあるものの、壁にぶつければ操竜しているモンスター自体へのダメージが狙える。別のモンスターに衝突させた場合は双方ダメージ+落とし物ドロップ判定と共に相手モンスターに膨大な操竜蓄積値も与えるため、乗り換えての操竜が狙える。
    • 操竜中のハンターは完全無敵で、操竜されているモンスターによる攻撃は他のハンターにダメージを与えない。また、他のハンターから操竜中のモンスターへの攻撃は極端にダメージが小さくなる。
    • 一度操竜待機にしたモンスターは、操竜の成功/失敗にかかわらず、再度待機状態になるまでに10分のクールタイムが必要。同じモンスターに連続して乗ることはできない。
  • 新システムクエスト「百竜夜行」
    • 通常のクエスト(採集・狩猟・討伐)とは異なるクエスト群。いわゆる「タワーディフェンス」的な要素が強い。
    • 大型モンスターの大規模襲来を「 翡葉 (ヒヨウ)の砦」という特殊フィールドにて迎え撃つことになる。
    • 百竜夜行は本作のストーリーとも密接に関わっており、ストーリークリアのためには避けて通ることはできない。
    • 新たに「ヌシ」という系統のモンスターが登場し、百竜夜行では特定のモンスターが「ヌシ」として登場することがある。
      • 発売当初の時点では「ヌシ・アオアシラ」「ヌシ・リオレイア」「ヌシ・タマミツネ」の3種類で、アップデートを経て「ヌシ・リオレウス」「ヌシ・ディアブロス」「ヌシ・ジンオウガ」が追加された。
      • いずれも通常種とは異なるビジュアルと攻撃手段を持っており、更に罠が効かない等、一筋縄ではいかない強敵になっている。
        モーションやデザインの一部に、『MHX(XX)』で登場した「二つ名持ちモンスター」を彷彿とさせる要素があるが、世界観上の関係性は不明。
      • これらのモンスターは初めは百竜夜行のみの参戦だが、条件を満たすことで通常フィールドでの単体討伐クエストに赴くこともできる。
        後にイベントクエストでも単体討伐クエストが配信された。
  • 入れ替え技の導入
    • 武器種ごとに特定のアクションを「入れ替え技」として変更できる。大剣の場合、「タックル」⇆「ガードタックル」、「真・溜め斬り」⇆「激昂斬」、鉄蟲糸技「ハンティングエッジ」⇆「金剛溜め斬り」…といった具合。
    • 最初は武器ごとに1種類のみ使用できるが、条件を満たしていくことで3種類まで増えていく。
  • 百竜強化と百竜武器
    • 百竜強化は『MHW:IB』までのカスタム強化をシンプルにしたようなもの。各武器に用意された3種類からひとつだけ選び、専用の素材を消費して強化を施す。多くは攻撃力や会心率、属性値、防御力などを微増させる効果で、劇的な効果と言う程ではないが利用して損はない内容。
    • 百竜武器は各武器種に1系統だけ用意された特別な武器。そのままでは今ひとつな性能の無属性武器だが、百竜強化の枠が複数用意されており様々なカスタマイズを施す事によって、自由自在にその性能を変化させる事ができる。
  • 妖怪をモチーフとした新モンスター
    • 本作から登場した新モンスターは全て妖怪をモチーフとしている。*6パッケージモンスターのマガイマガドならさながら亡霊武者といった風貌で、どれも各妖怪の特徴や見た目を細かく再現されている。馴染みの妖怪やどこか聞いた事のある妖怪もいるだろう。
      • オサイズチは鎌鼬、ヨツミワドウは河童、ビシュテンゴは天狗(鴉天狗)、イソネミクニは人魚等々、攻撃モーションや名前は全て妖怪の特徴や各地域の方言、意味を指している。
    • 再登場した既存モンスターもなんらかの妖怪に関連付けられている。例えばフルフルはろくろ首(のっぺらぼう)、バサルモスは夜泣石、トビカガチは 野衾 (のぶすま)といった具合。
  • ヒトダマドリと花結
    • フィールドの随所に浮遊する人魂のような容姿の小鳥は「ヒトダマドリ」と呼ばれ、大型モンスターの侵入しないエリアには多めに配置されている他、「ソウソウ草」と呼ばれる茂みを攻撃すると数匹飛び出してくる。
    • ヒトダマドリはクエスト終了まで持続するステータス上昇効果*7の花粉を保持しており、近づくだけで取得されるため、強敵相手の戦闘前にフィールドを巡ってドーピングを施すというプレイングも可能となった。
      体力上昇 スタミナ上昇 攻撃力上昇 防御力上昇 、と4種(色)の薬効で区別される。
    • 上限値と1羽あたりの上昇量は装備中の「 花結 (はなむすび)」によって変化し、ハンターランク上昇などに伴ってより上位の花結が登場する。
    • 百竜夜行や闘技場・決戦タイプのクエストには、4色全ての薬効を最大まで上昇させる「虹ヒトダマドリ」が出現し、非常に頼もしい存在となる。
      • これを受けてか、体力を直接増加させるスキルは削除された。
  • カメラ
    • 正真正銘の固定アイテム扱いのカメラアイテムそのもの。他のゲームで言うフォトモードに該当。
    • 『MHW:IB』のビューモードと観察キットを足して割ったようなアイテムとなっており、それに伴い双眼鏡がアイテムとして登場しなくなった。
    • 本作では撮影したキャラクターやモンスターや環境生物を図鑑やギルドカードに貼り付けたり、マイハウスで飾ったり、そして加工までできるようになっている。
  • 手記帳
    • 本作の世界観を彩る、フレーバーテキストのようなもの。
    • 各フィールドに12種類存在し、内容自体はそのフィールドに関連する一連の日記や童話、言い伝えや調査記録が綴られたものとなっており、どの手記も何かしらのモンスターを示唆する内容が仄めかされている。
    • 集めていくと、雑貨屋からモンスターの木彫りを貰え、マイハウスに飾れるようになる。
    • 探索意欲を向上させる要因になっているが、自力でコンプリートするには各フィールドを根気良く隅々まで探す必要がある。
  • グッド機能
    • マルチプレイでクエスト達成後、帰還するまでの間に他のプレイヤーに「グッド」を送ることができる機能。
    • お互いにグッドし合うと相互グッドの関係になり、参加しているロビーなどを検索可能になる。
    • グッドを送られた回数によってアイテムが入手可能。粉塵を始めとする使用頻度の多い消費アイテムが貰える。

その他・追加及び変更点

  • 『MHW(:IB)』の新要素も調整と廃止が施されている。
    • 『MHW(:IB)』を象徴するシステムであった 導蟲 (しるべむし)、痕跡、オトモダチ、特殊装具、スリンガー、クラッチクロー、傷つけは廃止。
      • ただし、いくつかモーションが流用されるなど、一部のシステムに名残が見られる。
  • 環境生物の立ち位置が変更。ほぼ全ての環境生物が狩りに影響する効果を持つようになり、フィールドギミックやアイテムとしての側面が強まった。
    • 新規の環境生物が多数登場し、『MHW』からは何らかの効果を持つ一部の環境生物のみ続投している。
      各フィールド内にいる狩りに影響する効果を持つ環境生物がほとんどだが、「希少生物」と呼ばれる狩りに影響する能力を持たない環境生物も登場する。
      何かしらの効果を持つ環境生物は、それぞれ『捕まえて任意の場所で使用する』『ボタン入力で効果発動』『近づく(触れる)と自動発動』の三種類。
    • モンスターやハンターの攻撃が当たらなくなり、環境生物を倒す事はできなくなった(攻撃すると逃げる環境生物も一部いる)。
    • 一部の環境生物は環境生物かごにアイテムのような形で最大5匹まで捕まえてその能力を一時的に使用できるようになっている。使用しなかった生物はクリア後に自動的に自然に返す仕様になっている。
    • 捕獲してペットにする事は出来なくなったが、カメラで写真を撮る事でハンターノートに記録される。
  • 装飾品の入手は生産のみ、護石の入手はランダムのみ、と『MHXX』以前の形に戻った。なお護石はマカ錬金によるランダム生成でのみ調達可能となり、鉱床採取やクエスト報酬では入手できなくなった。
    • 装飾品のレベルも再調整されており、火力や回避・ガードに関するスキルの多くがレベル2以上に設定された。これらの取捨選択が重要になった一方で、余りがちになったレベル1スロットには状況に応じて属性耐性や状態異常耐性を積む余裕ができた。
    • また、装飾品が生産可能になったことに伴い『MHW』の上位防具の「α/β」の区分けは不要になったため、従来の上位装備を示す「S」1種のみに統合された。
  • 一部スキルは効果が変更されている。強すぎたスキルの弱体化や、傷つけを前提とした調整を受けていたスキルの再調整など。
  • 『MHW(:IB)』のマルチ補正自体は健在だが、本作では最大の4人でも体力が210%と補正がかなり緩められた。部位耐久値補正もかなり緩和され、マルチにした途端に部位破壊がしにくくなるような事態にはならなくなっている。
    • また、3人用の補正が追加され、3人プレイでも遊びやすくなった。
  • 集会所の上限人数が従来の4人に戻り、『MHW(:IB)』に存在した最大16人で対応するクエストも廃止された。
    • その代わりか、拠点の全エリアにて他のプレイヤーを招待することが可能となった。
  • クエスト仕様が『MHXX』以前のようにソロプレイ専用の「里クエスト」とマルチプレイ対応の「集会所クエスト」の2種類に戻った。
    それに伴い、緊急クエストと「セレクトクエスト」と言う従来のキークエスト(HR昇格にクリア必須のクエスト)に相当する制度が復活し、『MHW(:IB)』の任務クエストと調査クエストは廃止された。
    • なお、本作は里クエを一通りプレイすると集会所下位をスキップできる専用の「特別許可試練」というクエストが出現する。
      元々従来作で村クエからプレイしていたハンターは集会所下位のクエストが消化試合になってしまうことが不満点として上がりやすかったが、これにより上位までの道のりを大幅に短縮出来るようになっている。
    • これに伴い、ストーリー進行が絡む集会所クエストでも最初から参加可能な仕様に戻り、ムービースキップも再び可能になった。「救難信号」は「参加要請」と言った具合に名前と一部の仕様を変えて続投している。
    • クエストボードの仕様も従来のものに変更され、クエストの受注はカウンターで、他プレイヤーへのクエストの参加はボードで受注という形に置き換えられた。
    • 本作では『MHW(:IB)』の探索と従来の素材/採取ツアーの要素を掛け合わせた形で「探索ツアー」と言うクエストが登場。上述の2点の違いとして他のクエスト郡とは棲み分けされ、全フィールドで昼か夜に出発するかを選択できると言った違いがある。
  • ハードウェア変更に伴い諸々の基盤が一新されたため、『MHW(:IB)』と比較してゲーム開始時やクエスト前のロードはかなり早くなった。Switch版の『MHXX』と比べても大差ない程度であり許容範囲。
    • 他にも拠点内のエリアを跨ぐ際もロードでは無く一瞬の暗転のみで行けるので、拠点内の活動でストレスになることは無くなった。
      • それなりの大きさの箱庭フィールド、最大3体の大型モンスターと最大4人のハンター、最大4体のオトモが読み出されることを考えると、『MHXX』からそこまで増えていないロード時間はかなり健闘しているといえる。
  • ボイスにも一部仕様変更がなされている
    • 主人公がゲームプレイに応じて台詞を発するようにするか選択できるようになり、多種多様な声の種類や台詞パターンが用意されている。その際は掛け声以外のボイスをオプションでいつでも変更可能となった*8
      ストーリームービーでも主人公は登場するが、あくまで喋ることはなく、頷く際の返事程度にとどまる。
    • ボイスに関する性別の制約が撤廃され、体型や男女関係なく全てのボイスパターンをキャラメイクで選択可能となった。
    • 言語選択でモンハン語を選択すれば、ボイスをオンにしている限りモンハン語を喋るようになる。この場合、台詞の発音は聞き取りやすさと覚えやすさを重視してかどのパターンでも発音や内容は統一されるようになっている。
    • ボイスについては20種から選択可能で、一度選択したボイスを変えるには後述の身だしなみチケットを消費するが、別に販売されている有料DLCボイスについては別枠でカウントしており選択したボイス1種+購入済みのDLCボイスについてはプレイ中自由に切り替え可能。
  • オトモの仕様が『MHW(:IB)』からまた変更され、一点物のスタイルから従来の複数のオトモを雇用する機能へと回帰した。既存のものだけでなく、キャラクリしたものを自分のオトモにする事も可能。
    この仕様により、『MHW(:IB)』のふらっとオトモの機能は廃止された。
    • 従来のモンニャン隊に続くシステムが本作では「オトモ隠密隊」と言う名称で登場。
      • 『MHW(:IB)』では同期や一度知り合ったプレイヤーのオトモ、そして原住民族である獣人種のオトモダチに探検させると言う設定であったが、本作では従来の仕様に回帰したためか、雇用したオトモを遣わせると言う設定になっている。
      • また、一定の確率で隠密隊だけで百竜夜行に行かせる事が可能。
    • マルチプレイでは人数に関係なくオトモを一匹だけ連れていけるようになっている。
    • オトモに対するフレンドリーファイアが状態異常時を除いて廃止された。
  • ハンターが高台にいても同じエリアで比較的見えやすい位置にいた場合は発見されれば威嚇して遠距離攻撃してくるようになった。その為、高みの見物はしにくくなり、一方的な優位性はなくなった。
    • それまでの作品では飛び道具とは無縁だったアオアシラ等のようなモンスターでも高台の上にいると飛び道具で攻撃してくる。
  • 伝統のペットであるプーギーが廃止され、代わりにフクロウのような生物である「フクズク」が新登場。
    • フクズクは最初から所持しており、プーギー同様に名前を付けたり、着せ替えを楽しんだりする事も可能。
    • モンスターの位置を教えてくれるなど狩猟にも関わっており、過去作における導蟲やペイントボールの役割を持っているとも言える。

評価点

ハンターの移動性能の向上

  • 疾翔けからの空中回避や壁のぼり、大翔蟲によるショートカット、オトモガルクへの騎乗はハンターの移動速度を劇的に向上させ、目的地へ素早く向かうことが非常に楽な物となった。複数のキャンプとファストトラベルも前作から続投。
    • 移動、戦闘がシリーズでもっとも立体的である。
    • 「忍者」が新規アクションのモチーフであるだけに登れない壁は本当に少ない。過去作から復活したフィールドにも翔蟲を活用した要素がこれでもかと盛り込まれており、その違いを楽しんだり、「ここには何かあるはず」と探索する意欲を沸かせてくれる。
  • 運搬の仕様も見直されている。見えない壁がほぼ排除されたおかげで色んなルートで運搬ができるようになり、他にもスタミナ切れを起こしても落とさなくなったり、翔蟲を使った移動により落下高度をリセット出来たりとこれまでのストレス要素を大幅に削減する調整が施された。
    • また、支給品・納品ボックスを一つのキャンプに絞った事で、必然的にそのキャンプを目標に運搬する仕様となり、道を塞がれる/面倒なルートを強制されるなどの理不尽さも大幅に減った。

翔蟲によって戦闘スタイルが拡大、三次元要素が増加

  • 疾翔けで一気に距離を詰める、鉄蟲糸技で瞬間火力を出す、ピンチ時には翔蟲受け身……など色々な状況で翔蟲を使うことになるため、どこでどの翔蟲アクションを出すかについてプレイヤーの戦術センスが問われることになる。
  • モンスター側の攻撃にも翔蟲の存在を意識したものが多く、連続で繰り出してくる技は「翔蟲受け身キラー」にもなり得るほか、薙ぎ払いブレスやモンスターの周囲を攻撃する技など翔蟲を使用して回避する事が前提の攻撃もある。特に終盤のモンスターは下手に受け身を取ると追撃される……という攻撃を持つ者が多いため、受け身を取るか無敵のまま転がっておくか、という見極めが極めて重要になった。
  • 鉄蟲糸技には狩技が思い起こされる部分が強く、それらのリメイク的な要素も含まれるが、あちらが「ゲージを蓄積して解放」する大技的な扱いだったのに対して、こちらは「常時使えるがクールタイムが存在する」という通常技のような扱いであることが明言されている。
    • 元々プレイヤーが管理すべきゲージはHPとスタミナの2種類(武器種固有の要素は除く)だが、第3の管理要素として翔蟲のストックが新たに加わった。
    • 「翔蟲使い」スキルを積むことでゲージ回復の速度をUPさせることもできるが、装飾品のサイズが他のメジャーな火力スキルと競合しており、この点もプレイヤーの判断に委ねられている。
  • これらはバトルの根本部分に手を入れられているにもかかわらず既存要素とコンフリクトしたり強要される感覚などもなく上手く馴染んでおり、賛否が分かれやすいハンティング部分の新要素としては非常に調整バランスが良い。

快適性の向上、過去作からの改善点

  • 『MHW(:IB)』で見直された要素は勿論ほぼ続投し、快適性のため多くの要素に調整が施された。
    • 百竜夜行以外で一回以上狩猟したモンスターの部位肉質や属性耐性、素材入手確率をハンターノートで開示。
    • クーラー・ホットドリンクの廃止(過去作における耐暑耐寒スキル常時発動に相当)。
    • 食事の食材新鮮システムの廃止(体力、スタミナの上昇量は団子の種類を問わず固定となった)。
    • 力尽きても食事効果が消えない(ヒトダマドリ効果と同様)。
    • バリスタや大砲の遠距離固定型武装の弾の装填が不要に(無くなっても自動で補充される)。
    • マップ上で大型モンスターの位置がアイコンで常に表示され続ける(自動マーキングスキル常時発動に相当)。
    • 回復薬・回復薬グレートの回復量と使用感の上方修正(最大回復量の数割を即回復した後に残りを徐々に回復する仕様となった)。
    • 大型モンスターの要注意攻撃の直前に、ハンター自身がボイスでアナウンスする(強力な攻撃のタイミングが分かりやすくなった)。
    • 大型モンスターが瀕死になると、モンスターのアイコンに瀕死のマークが表示されるほか、アイルーを連れて狩猟していると捕獲可能になった時点で教えてくれる(スキル「捕獲の見極め」にあたる)。
    • 装飾品・装備品のマイナス補正スキルの廃止(ハンターにとってメリットのあるスキルのみ発動され、打ち消されるスキルはなくなった)。
    • 釣り時のQTE及びそれに準ずるアイテムの廃止(どんな魚でもアイテム無しで短時間で釣れるようになった)。
    • スリンガーは廃止されたが、従来の投げナイフに相当する「投げクナイ」が所持数無限になり投げ放題になった(リロード不要で使い勝手もスリンガーより向上)。
    • どの武器種でも空爆が可能に(翔虫による空中移動可能に伴い、タル爆弾の空中投下が可能に)。
    • ベースキャンプ関連の仕様変更(キャンプ場関連の設備の殆どがテント内に集約され、ファストトラベルのキャンプ選択画面への遷移も高速化)。
    • 採取ポイントでの採取回数が一回のみに短縮(採取一回で複数のアイテムを採取・採掘するようになった)。
    • 装飾品「耐衝珠」(ひるみ軽減スキル)が小サイズに変更(フレンドリーファイアを小珠ひとつで手軽に予防可能)。
    • 等々、移動性能以外にも多くの快適重視の調整がなされ、歴代最強のハンターと称される程である。
    • 特にモンスターの情報(肉質、素材の入手確立など)は、ハンターノートに記載されている内容が 攻略本に匹敵するレベル で具体的な数値まで明記されている。
      • 一方で、『MHW(:IB)』のハンターノートでは記載されていた「破壊可能部位」は今作では記載されていない。
  • フィールドのマップデザインが見直され、『MHW(:IB)』では何層にも分かれて大きく入り組んだ地形や狭い通路、段差が多かったため、迷いやすく戦いにくい場所が散見され、モンスターが地面や壁にのめり込む現象もしばしば見られた。
    • 本作では、その点が大きく改善され、『MHXX』以前のようにモンスターが行動するエリアは広く平坦な場所が多くなったため戦いやすくなり、壁や地面にのめり込む現象も格段に少なくなった。
      • 複雑な地形や細い道などは「サブエリア」といわれる大型モンスターの出現しない探索専用のエリアにわけられたことで、「探索のしごたえやフィールドごとの個性」と「戦闘のしやすさ」が両立されている。もっとも一部の戦闘エリアには比較的目立つアンジュレーションや段差があって完全にやりやすい平坦地形になったわけではない。
      • また、フィールドが何層にも分かれていることは無く、多くても2層構造になったため、後述する点を除き、彷徨う確率は『MHW(:IB)』と比べて減っている。
  • 拠点の利便性も更に向上し『MHW(:IB)』で登場した施設のシステムの殆どは少し形を変えて続投している。集会所ではほぼ全ての設備が充実しており、完全にここに引きこもってクエストを回していくとが可能になった。なお、一部の施設は過去作に登場した他の施設と統合されているものもあり、移動の手間が省かれている。
    • また、拠点内の全エリアでオンラインで他プレイヤーと交流できるようになり、翔蟲やオトモガルクを使った移動までできるようになったため、拠点内の活動の自由度が大幅に向上。
    • そして前作のトレーニングエリアに当たる修練場の自由度も大幅に向上。中央には実際のモンスターさながらの戦闘が可能な巨大なからくり蛙が設置され、遠距離武器のための的や大翔蟲、バリスタや大砲まで設置されているため、ありとあらゆる戦法の練習が可能。無論マルチプレイにも対応しているため、パーティとの連携確認も可能になっている。
  • マルチプレイ時では3人用の難易度が追加されたため、人数によって不利になる難易度が無くなり、クエスト中にプレイヤーが退出しても参加要請を出している限りは空いた枠も埋められるようになった。難易度もその都度調整される。
    • これにより、オンライン協力プレイをより気軽に楽しめるようになった。
  • 『MHW(:IB)』の救難信号の問題点も改善され、参加する側はクエストが選びやすくなり、時間経過による報酬減少・クリア不可の仕様は撤廃され集まるクエストに偏りが出る事は少なくなった。
    • 野良でのクエスト途中参加では、ギルドカードを交換しない限りは一期一会な交流となる事が多かったが、本作ではグッド機能の追加により相互グッドしたプレイヤーと再会しやすくなった。
  • ガルクかアイルーのどちらか一匹のみとは言え、オトモの性能を3人以上のマルチプレイでも気兼ねなく発揮してくれるようになった点は純粋に高評価である。
    • また、オトモに対するフレンドリーファイアの判定は原則撤廃されているため、彼らの行動を意図せず阻害してしまうことは無くなった。
  • 武器の生産や強化の際に要求される素材が軽くなっており、過去作よりも気軽に武器を作りやすい。
    • 本作では属性武器が弱かったり武器種ごとの格差が大きいなどで多様性が低いのでフルにメリットが発揮されたとは言いがたいのが惜しい。とはいえ序盤から中盤などでは十分に嬉しい部分である。
  • 前作であまりにも多く不評だった、ベース武器にモンスター素材を貼り付けただけの派生系であるいわゆる「皮ペタ」武器がほぼ撤廃され、デザインが個性的なものに戻った。
    • 『MHW』出身モンスターの武器に皮ペタが健在なものもあるが、少数派に留まっていることもあり、「一種の個性」「これはこれで味がある」と概ね受け入れられている。
  • 武器の攻撃力表示が『MHXX』以来となる武器倍率(実際の攻撃力)になったため、ダメージ計算が行いやすくなった。
    • 過去作では変更される度に賛否が巻き起こっていたが、ダメージ表示が導入された『MHW』ではモンハン独特の攻撃力表示*9はわかりづらいだけとの声もあったので、今更批判される事は少ない。
  • 似たような内容の水増しクエストや卵などの運搬クエストといった面倒なクエストが軒並み削除・或いは「サイドクエスト」としてまとめられた。
    • 小型モンスター討伐のクエストの多くが数種類のモンスターを合算した討伐数をクリア条件になっており遊びやすくなっている。
    • サイドクエストは本筋のクエストとは関係がないので、面倒な場合は無視してもクリアが可能。
    • 『MH4』の頃に外国籍のカプコン社員が外部的な視点から改善点として列挙したことが実っているといえる。
  • セレクトクエストの可視化
    • 過去作のキークエストはそもそも可視化されておらず、闇雲にクエストを受注してクリアしてもストーリーが進むかどうか分からなかったが、今作ではちゃんと可視化されるようになったため、ストーリーを効率良く進めやすくなった。
  • 里クエストのみ登場する「特別許可試験」
    • 村クエストを先に進めることで下位限定で集会場の進行度であるハンターランク昇格の特別クエスト「特別許可試験」を里クエスト内で行えるようになった。
      • やや難易度は高いもののランク上げのショートカットとしてみれば妥当な難易度であり、今まで問題視されていた村クエスト後の集会所が消化試合になりがちといった点を解消していることから高評価を得ている。
  • 一方で、クーラー・ホットドリンクの廃止や、モンスターを探すといった、リアルな狩猟生活を感じさせる要素が簡略化されたことを惜しむ声もある。
    • 賛否両論と言えるほどの数ではないが、旧来のシリーズファンからはシンプル化しすぎてリアリティに欠けるなどの意見もある*10
      • モンスターを捜索する部分が無くなったことは確かに狩猟風味や難易度への影響が大きいものの、全般としてはこれらの要素は受け入れられていることから当wikiでは快適性の寄与とみなし評価点として扱う。

戦いやすく調整されたモンスターの行動

  • 大型モンスターの行動には多くの調整が入り、特定の行動の前後に確定でスキを見せるタイミングが増えたり、ハンターが一方的に攻撃できない時間が減らされている。
    よく行動を観察して敵の攻撃を捌き、チャンスに攻め立てるターン制のような戦闘はやりがいがあり腕前の向上を実感しやすい。
  • 特筆すべきは過去作品で糞モンスの蔑称をほしいままにした、リオレウスやクシャルダオラがついに抜本的に改善されたことである。
    + ...
  • 両者ともに空中で長時間ホバリングする点が長年問題視されていたが、今作では攻撃アクションの一環としての飛行という形に*11変更され、行動終了後に着地して空中に長時間居座らなくなった。
    龍風圧バリアや咆哮からのブレス、竜巻接地など、理不尽だったり面倒だった隙潰しの要素もことごとく改善されている。『MHW』の変更で突進や尻尾回転のノーモーションもほぼ廃止されたため、ようやく戦いやすくなった。
    • かといって、理不尽な部分が排除されたから単純に弱体化されたわけでもない。空中行動そのものは素早く正確になったり、過去作の派生モンスターのG級行動の追加などで補われているし一撃の威力も高い。
      加えて、両者ともに『MHW』の歴戦個体の閃光玉耐性が追加されたことで「閃光ハメ」も成り立たなくなっているため、真っ向から戦える相手になった反面、真っ向から戦わなければ勝てないデザインに変わったとも言え、公式によるハメ推奨バランスが様々な方向から廃止されている。 リオレウスに関して言えば抜本的な行動パターンの変更に加え、高威力+火属性やられが付随された噛みつき攻撃の多用、更には非常に派手な大技・滞空火炎放射を使用するようになった。滞空火炎放射は使用後に確定で着地+隙を見せるためしっかり見切れば安定して反撃を叩き込める。
      大技の習得による駆け引きのメリハリと迫力を獲得したことから「ようやく戦闘が楽しくなった」「名実ともに真の大空の王者になった」と好評を得た。
    • リオレウスやクシャルダオラは、参戦が明らかになっただけでファンコミュニティがお通夜のような雰囲気になるなど経験者に残した爪痕が強かったために、いい意味で期待を裏切ることとなった。
  • アップデートで単体狩猟クエストが登場したヌシモンスターは『MHXX』の二つ名を動きを踏襲しながら新要素を追加したようなモンスター群であり、これらに関しても元々の高評価だったモンスター故に評価が高い。
    • 例外的にヌシ・リオレウスは大技以外に共通点がないが、黒炎王リオレウスの仕様は批判も多かったので妥当な調整と言える。
  • 操竜の追加に伴って合流時の行動パターンも変化している
    • 今作は大型モンスターが複数集まると、積極的に同士討ちを行いすぐに片方が操竜待機状態になる。操竜は容易に大きなダメージを狙う事ができ、落とし物による素材的な旨味もあり、合流は一転してプレイヤー有利な調整となった。
      • また、操竜大技が終了したモンスターは他のエリアへの移動を優先するため、落とし物を拾ったり他のモンスターとの戦いを邪魔されにくいのも地味ながら嬉しいポイント。
      • 過去作品では合流したモンスターは優先してハンターを攻撃するため、こやし玉によって片方を移動させるのが事実上必須であり、合流は「面倒なアクシデント」としての側面が強かった。
      • モンスターが、ハンターより脅威であろう大型モンスターを優先して攻撃するのは世界観的にも自然である。
    • 操竜それ自体も、大型モンスターを自由に使役して攻撃を繰り出すのは爽快感がある。操竜中はハンター自身は無敵である事も含めて、ひとつの初心者救済として機能している。
      • 強力なモンスターであるほど操竜時も高性能である事が多く、今作のメインモンスター・マガイマガドや旧作から幾度となく立ち塞がったラージャン、前作で絶大な存在感を見せたバゼルギウス等は無類の強さを誇る。

武器の調整(評価点)

  • 過去作では時々「ボウガンで照準を出すと強制的に下向きになる」「ガンランスでヒートゲージが追加されて使いづらくなる」などその武器種そのものを根本的に使う意欲が減少してしまうような要素が散見されたものの、本作ではその手の調整不足は見当たらない。
  • 武器種間のバランスは後述のように難があるものの、致命的なまでにゲーム内で使い物にならないような武器はなく、低難易度の作風もあり、格差を気にしなければどの武器も触って楽しめる範囲には収まっている。
  • 片手剣のモーションやコンボルートで不評だった部分が『MHXX』依然のものに戻り、ガンランスの起爆竜杭とそれに伴うアクションは削除された。
  • スラッシュアックスやチャージアックスのかち上げが削除されるなど、『MHW』で実施された基本アクションのパーティープレイでの使いやすさに関する見直しがより進んでいる。
  • 過去作ではトリッキーな不人気武器であった狩猟笛が抜本的に仕様変更され、「火力は低いが無敵・アーマーが豊富で生存能力が高い」「適当に武器を振っていても自動で支援効果が発動する」といった仕様へと調整された。露骨に有利な仕様も多く、『MHX』のニャンターのような初心者救済措置の役割を担っている。
  • 百竜武器の自由度が高い
    • 百竜武器の百竜強化の内容には専用のものが用意されており、攻撃力や会心率を通常武器より極端に上下させられる他、武器が持つ属性そのものや切れ味ゲージの配分、ガンランスの砲撃タイプや狩猟笛の旋律、アックス2種のビンといった各武器専用の要素にまで至り、まさに変幻自在。
      • 百竜武器の性能はもちろんカスタマイズ次第だが、ほとんどの武器で最終的に「属性や運用次第では1番手を狙える」「普通に使えば2~3番手くらい」程度に落ち着くものが多い。
      • 百竜武器が強すぎる弓、弱すぎる操虫棍といった問題点もあるが後述。
      • また、百竜武器はその 見た目を既存のすべての武器から選んで変更できる という唯一無二の特性があり、多少の性能差を差し置いても採用理由になり得る。今作は武器種内での格差が比較的大きく、序~中盤に登場するモンスターの武器は早い段階で最終強化を迎えてしまい「見た目はいいのに性能が……」といった武器も多いので、その救済にもなっている。
    • 反面、中途半端な武器を作るくらいなら無難に百竜武器で事足りる状況も多く、武器を作るために様々なモンスターを狩猟するという目的が弱くなってしまったのは課題と言える。

旧作要素の復活

  • 『MHW』とは並行しての開発かつ『MHXX』のスタッフを中心に本作が制作されたため、『MHW(:IB)』では廃止されていた一部の機能・要素が復活している。
    • メニューで項目を選択・決定する際のSEがシリーズファンからは馴染みのあるものとなっていたり、一時停止機能やオフライン・オンラインの切り替えが復活していたり*12、ロード画面の背景のイラストが復活したり、『MHW』で廃止されたガッツポーズが食事後ポーズになっていたり、オトモの雇用機能が復活したり、狩技・狩猟スタイルの要素の一部が入れ替え技に取り入れられていたりとような形でシリーズファンには嬉しい要素が本作に取り入れられている。
  • 出る量こそ過去作から減らされたものの、ヒットエフェクトの出血も再登場した。出さないように設定もできるため、気になる人にも安心。
  • 過去作の狩猟フィールドがリメイクされて登場する。対象となったのは『MH3(G)』及び『MHP3』に登場した水没林と砂原の二つ。もちろん、全エリアがシームレスに繋がった箱庭となった。
    • 「旧作のフィールドを『MHW』準拠のシステムやグラフィックで再構成したものが見たい」という要望は多く、実際にその期待に応えられた形となる。
      • 特に、過去作では水没林の背景にあるだけだった巨大なピラミッドを実際に登ったり玄室へ侵入できるなどの要素は過去作品の経験者たちから発売前後にかけてよく注目された。
    • 水没林は水中戦が引き続き撤廃されている為、同じく「水中エリアが無い『MHP3』仕様での水没林」としてシームレスなフィールドにリメイクされている。
  • 『MHW(:IB)』のモンスター素材は【○○の素材。△△の部位破壊で入手しやすい。~】といった汎用テキストばかりだったが、従来の凝った説明文に戻った。
    • なお『MHW』初出のモンスター素材は一新して書き直されている。

NPCのキャラクター性が強まった

  • シリーズで初めて会話可能な登場人物全てに固有名詞が付き、一般的な日本型ロールプレイングゲームの登場人物のような存在になった。
    また、『MHW(:IB)』でも大団長、受付嬢、調査団員等などのキャラクターに対して「口だけばかりで何もしていない、主人公に丸投げしている」「言動に何度も苛々する」とキャラ付けや言動、役割の不評が前作で槍玉に挙がられていた。流石に見直しが入り、不満を取り除くかのように本作は万人向けで癖が少なく、若年層にも理解しやすいキャラクターとして描かれている。
    • 高齢でありながら頼もしいカムラの里長フゲン、竜人族の双子姉妹で本作の受付嬢を務めるヒノエとミノト、アイルーとガルクが大好きな男の子イオリ、爽やかで愛弟子思いだが言動が少し滑っている教官ウツシ、明るい性格の茶屋の看板娘ヨモギ等々。
      特にヒノエとミノトは巫女風の衣装を纏う正統派な美女姉妹であり、デザイン面でもかなり高評価を得た*13。戦うところを除けば従来作の受付嬢と同じ立ち位置に戻り『MHW』経験者からの受けが良い。
      • 従来モブだったシステムNPCや会話のみの一般人も固有名詞と従来の村人より少し強めな個性が付与されている。中には個性というか癖が強すぎる人物もいる。
      • これらの人物はほぼ全員主人公と同郷の隣人で顔なじみであり、旧来のギルド所属のビジネスハンターとしての狩猟生活とは一味違う、拠点と一体感のある設定になっている。
      • 声優もそれぞれ土師孝也氏、佐藤利奈氏、伊藤静氏、花江夏樹氏、阿澄佳奈氏など人気や知名度の高い声優が多数起用されている。
        また、有料DLCではあるが、ボイスパターンをメインのNPCのものに変更する事が可能。キャラメイクやコーデによっては本当にこれらのNPCを操作しているかのようなゲームプレイが可能になっている。なお、NPCボイスは特別仕様で自由にオンオフの切り替えが可能。
    • 一部のキャラは百竜夜行限定だが戦闘時に共闘する。今まではストーリー中や特別なクエストのみしか戦わなかったが随時、百竜夜行クエストで戦ってくれるのはナンバリングシリーズで初。呼び出して使用することでタワーディフェンスでいうところの「ボム」や「スタン」などの有用な効果を発揮する。
      • 『モンハン』の世界ではハンター以外の人間が自衛を越えるレベルで武器を使うことは許されていないのだが、カムラの里では百竜夜行は「里の防衛」という形で住民一丸となって武器を使うことが許可されている事が本編にて語られている。

音楽

  • 過去作に勝るとも劣らない高品質な音楽は健在
    • 本作の雰囲気に合わせ和楽器と人の声(コーラス・歌)を取り入れた楽曲となっており、過去作とはまた違った魅力を持つ楽曲に仕上がっている。
      • 特にボーカル付きのメインテーマ(拠点のテーマ)や戦闘BGMは評価が高い。
    • 有料DLCになるが、本作のBGMには多彩なアレンジ版が存在する。原曲とはまた違った雰囲気の曲調で中々聞きごたえのあるものとなっている。
  • お馴染みの「英雄の証」やモンスター専用BGMなどの既存楽曲も全て和楽器やコーラスを取り入れた新規アレンジが使用され音楽的な統一感を持たされている。

プレイヤーの選択肢の増加

  • 今作で追加されたオトモガルクは、オトモアイルーよりも火力に優れ、移動・採取・戦闘中の立て直し等、快適性の向上に大きく寄与する。
    しかし、先述のとおりマルチにも1匹だけオトモを連れて行けるようになったが、火力・快適性に有利なガルクだけ選んでいればいいというわけでもない。
    • オトモアイルーの各種サポート行動やぶんどりによる素材収集も非常に強力・有用であり、移動性能に限れば他の要素で一定のフォローが可能であるため、マルチでもアイルーを連れて行くプレイヤーも多く見られるようになった。
      そればかりかソロでもアイルー2匹、あるいはガルク2匹といった選択肢は十分に有用であり、ガルク・アイルーのバランスは非常によくまとまっている。
  • ガルクは、獣人といった趣のアイルーとは異なってその見た目はまさに大きな犬であり、利発で従順なものの高度な文化を持たず言葉も喋らずより動物的で、触れ合うときの所作も随所に犬らしさが溢れているため犬派にはたまらない。特にクエストクリア時のタイアップ演出にオトモとの触れ合いシーンが追加されたため、ペット好きのプレイヤーは必見の内容となっている。
    • 開発スタッフによれば「猫だけでなく犬も連れていきたい」という要望に応える形でオトモガルクを実装した事をインタビューで明言している。
    • アイルーと同様に、すべてのモンスター(+α)素材に対応してガルク用の武器・防具が新規にデザインされており、とても多くのリソースを割いて開発された事が窺える。
  • 一部のみとは言え、限られたエリアでしか使用できなかった環境生物を捕獲して任意のタイミングで使用できるようになり、利便性と有用性が向上した。
    • 『MHW(:IB)』から狩猟で大いに役立つ効果を発揮する環境生物の種類が増えており、その中には今作では廃止された特殊装具に類似した効果を持った生物も存在する。
      • 固定アイテムとしての側面がなくなったため必須品として持っておく必要性は無くなり、狩猟前に必要な生物を捕獲してからターゲットに向かったり、逆に「敢えて持ち込まずに己の実力のみでモンスターに挑む」と言ったプレイヤーの選択肢も増えた。

賛否両論点

新要素関連

百竜夜行

  • ひと味違ったゲーム性を持ち込み、シリーズのマンネリ感や単調化を避ける試みであるものの、賛否が分かれている。
    仕様に馴染めば一つのコンテンツとして遊べるが、人を選ぶ部分があるのは否めない仕上がりに。
    • 1プレイにかかる時間が比較的長く、どれほど効率よくプレイしてもあまり短縮できない。
    • クエスト内で任意のノルマとしてランダムに提示される「サブクエスト」の条件がやたらに量が多かったり(「モンスターを10回状態異常にする」など)複雑だったり運に左右されたりと、ハードで手間がかかる。
      • サブクエストの内容次第では高評価を得ることが非常に難しくなってしまう。
    • また、ソロプレイはとにかく忙しく、特に高評価を狙うと文字通り縦横無尽に戦場を飛び回り、設備の設置や操作に忙殺される。マルチに比べるとモンスターの数は少なめになるがそれを差し引いても大変。その忙しさや考える事の多さが楽しい部分でもあるのだが、ソロプレイヤー全てがその楽しさを感じられるわけではない。
    • 砲台は高台の上に設置されていて兵器を使うだけでも翔虫が必要であり、被弾するとダウンして落とされるなど基本システムとの食い合わせが悪い。それを見越してフィールド内には大量に野生の翔虫が設置されているものの、尚利便性の低さを感じる時がある(特にソロ時)。
    • マルチプレイでは作業を分担できるために幾分楽になるが、野良では細やかな意思疎通は難しい。特異なゲーム性のため、効率のよいプレイのためには通常の狩りとはまた異なる知識と経験が必要になるが、チュートリアルが説明不足な事もあり、セオリーを理解していないプレイヤーの流入は避けられない。
      • どうしても意思疎通したければ定型文マイセットを用意するなどの方法があるが、インターネットプレイでは英語、中国語、朝鮮語、スペイン語、フランス語などが乱れ飛ぶためすべての文章を揃えるのは到底無理である。
      • 上述のとおりストーリー上避けては通れない上、武器の強化や百竜武器作成のためには周回を余儀なくされる。ヌシの単体クエストを出現させるためにも一度は百竜夜行をこなす必要がある。
      • アップデートで百竜夜行限定だった報酬を得られる狩猟クエストが追加されたので、各種フラグに関わるいくつかの百竜夜行をクリアすればもうやらない、という選択もしやすくなった。その場合も難易度の低い低ランクの百竜夜行だけは行う必要があるが…。
  • 一方で「ひと味違ったゲーム性は新鮮で面白い」と長時間のプレイによるマンネリを打破し得ると高評価する声もある。最初は戸惑うものの、それ以降は慣れてしまえばソロでもマルチでも問題なく遊べる。
    • これまでのシリーズにあったバリスタ砲台や連射砲などの固定兵器を用いて大量のモンスターを撃退したり、狼煙が上がったときに超強化された攻撃力で武器を振り回すのはどちらも純粋に爽快感がある。
    • またクエスト失敗の条件が最終関門の突破だけで、クエスト中は何度力尽きてもクエスト失敗せず、報酬金も減らない。2乙までならクリア報酬に関わるクリアランクにも影響しないので気持ちに余裕ができる。
    • クリア後に様々なモンスターの素材が一度に大量の報酬として手に入る旨味や達成感があるなど、全く見どころがないわけではない。単体クエストで自信が無い人から見ると及第点。
    • 前述の通り、意思疎通できて立ち回りを理解したメンバーを揃え、ノルマを達成しやすい状況であれば通常の狩猟よりも共闘感のようなものは感じやすい。
    • クリア時の評価についても、メリットは「報酬が増える」のみで、高評価時限定の報酬といった類もないため効率的なプレイを目指すのでなければさほど意識しなくてもよい。
    • 現在では攻略についての情報が出揃っているため、そういったセオリーを覚えてしまえば誰でもソロクリアができて百竜夜行独自の報酬は取れるようになっている。最高ランククリアは難しいが前述の通りそれが必須というわけではない。
  • また、集会所クエストにはチュートリアルに相当するクエストが無く、 里クエストを進めていない場合は、ぶっつけ本番で挑むことになってしまう 。 この仕様こそ百竜夜行を賛否両論たらしめた最大の原因と言えなくもない。
+ ネタバレにつき折りたたみ
  • やり玉に挙げられるのは集会所★2・★4の 緊急クエスト
    • ★2は大物が弱いので仕様を理解していなくても然程問題にはならないが、★4の方はチュートリアル履修済みでも今作としてはかなり高難度とされる場面であり、 ろくに予備知識の無いまま初めてのヌシ個体に蹂躙されるハンターが続出した 。続く★6にも控えており、こちらは新モンスターと戦う事になる。
  • 百竜夜行の絵巻物がロード画面で登場するのだが、その絵の中にはゴシャハギとイソミネクニも描かれているにもかかわらず、ゲーム内では全く登場しないので演出と実際の内容とで齟齬が起きている。
    • 因みにオロミドロとマガイマガドも描かれているのに、発売当初はゲーム上では一切登場していなかった。アップデートによりこの二体は追加され、後者に関してはトリックスターのような形でかなり特殊な仕様で登場するようになっている。
    • また、本作では他にも通常のモンスターとして登場している筈のロアルドロス、ボルボロス、ドスバギィ、ウルクスス、ベリオロス、ラングロトラ、クルルヤック、トビガカチ、ジュラトドスと言ったモンスターまで百竜夜行に未登場であり、出現モンスターの基準に謎が残る。
      • ちなみに、オトモ隠密隊で選択する百竜夜行では、これら未登場モンスターのアイコンも確認でき、素材も報酬として獲得出来るため、世界観上は登場している模様。
      • もっとも、厄介な状態異常を使うドスバギィ、ラングロトラ、イソミネクニなど、ゲームバランスを考慮した時に仕方が無いと思える面もなくはない*14
      • 主人公は「他の里守が戦っても撃退できなかったモンスターを最後の関門で防ぐ」という配置に付けられたと作中で明記している。よって百竜夜行に設定上は襲来しているが主人公がゲーム中でたまたま遭わなかったモンスターがいるという説明はできる。

ヒトダマドリ関連

  • ヒトダマドリは全体的に見ればプレイヤーに寄り添うシステムなのだが、やや賛否が分かれる部分がある。
    • 食事や装備、スキルによって過去作品に匹敵するステータスは得られるので、ヒトダマドリの取得によって上昇する分は純粋にプラスアルファである。狩猟の効率を重視する熟練者は無視すればよいし、初心者は時間をかけて遠回りしても、これを集める事で安全に狩猟を進められる。
      メインの戦闘エリアや通路からは外れた場所に多くいるため、収集無視しても狩猟の効率が落ちる事はほぼ無く、純粋に選択肢が増えたのは評価点。
    • モンスターのエリア移動を追跡する過程で自然と獲得するバフによって狩猟時間が伸びるほどハンターも強化されるため、時間切れに対する補助要素にもなっている。
    • また、マップの探索を促す動機づけにもなっている。ヒトダマドリがいそうな場所を探してみたり、新たな採取ポイントや環境生物、効率的なルートの発見をプレイヤーに探らせる設計になっている。
      • 防具が整うHR100を超えるとあまり積極的に集めることもなくなるが、アップデートで追加された「重大事変」と名の付くイベントクエスト群において、強化個体ヌシモンスターが出現し、剣士装備でも一撃で倒されかねない強烈な攻撃が出てきたことで、改めてヒトダマドリによる体力増強、防御力増強の意義が見直されている。
    • 一方で、収集の工程は作業的で億劫という感想や、マイナスをプラスにする儀式という価値観で捉えるプレイヤーも少なくない。
      • 今作は体力ゲージ・スタミナゲージが食事だけでは最大値に届かず、ヒトダマドリで補う部分の伸びしろが外見上余白として表示されているのも一因である。
      • 決戦用フィールドなどの専用マップでは全能力を即最大値にする虹ヒトダマドリが開始地点に設置されており、敵のステータスも強化前提に引き上げられているので、攻撃力と守備力に関しては実質的な意味がないのでは?という感覚を持ちやすいのも後押ししている。
    • 特にマルチプレイの体力補正との嚙み合わせが悪く、初心者がヒトダマドリを集めている間攻撃効率が落ちるので、戦闘に遅刻するとして批判されやすい。

和風テイストの押し出しが強い

  • 本作では大型モンスターに、妖怪(又は神格)のモチーフ、イメージが取り入れられている。これは既存モンスターも例外ではない。
    大型モンスターには生態ムービーを兼ねた登場ムービーが存在するのだが、全て琵琶法師による怪談風の語り及び字幕とホラー映画を彷彿とさせるノイズ風のエフェクトが入っている。そしてムービーの後半にモンスターの決めポーズと共に筆文字でモンスター名が表示される。
    • 今までとは毛色の異なるムービーにシリーズ経験者を中心に、「モンスターを妖怪に当てはめること自体が強引*15」と言う声や、琵琶法師の朗々としたナレーションが独特であり、やや否定的な感想も見られた。
      • 開発スタッフによれば既存モンスターに対するモチーフ入れに関しては、どんどん取り入れられるネタが少なくなっていったようで、「モチーフ探しと取り入れには苦労した」と語っており、実際にやや強引な部分も見受けられる。
  • 一方で、日本の芸能を取り入れた映像の完成度自体は高く、本作の和風な雰囲気に合っている、新鮮で面白いと評価する声もある。
    • 特にオサイズチやラングロトラ、プケプケなどの序盤で対峙する中型、大型モンスターでもムービーだけで威圧感や恐怖を覚えるとして高評価。「妖怪」というホラーなコンセプトは決して損なってはいない。
      とはいえあくまでも『モンハン』なので、極端に恐怖感のある映像表現はないのでその手の描写が苦手な人も安心。
    • また、単におどろおどろしさを強調するものではなく、勇ましさを感じさせるものやユーモアを交えたテイストもある。
      中には終始テンションが高かったり、狡猾なモンスターが嫌いなのかボロクソに貶してたりと琵琶法師自身もコミカルな一面が垣間見える。
  • 海外版(英語音声)では独特の口調の再現が難しいと言う事を逆手に取り、琵琶演奏とナレーションの内容はそのままに落ち着いた口調でモンスターを紹介すると言う手法を取っている。
    • ムービーのリアルさも相まってまるで自然番組のような雰囲気が出ており、これはこれで非常に味のある内容となっている。
  • 本作で登場する全ての大型モンスターにムービーが用意されている点を評価する声自体も多い*16
  • 過去作では特定のクエストを開始して特定のエリアに侵入するとムービーが流れるようになっていたものが多いが、本作では『MHX(XX)』のように特定のクエスト開始時に登場ムービーが流れるようになっている。
    • これにより、ムービーを見終えるまで参加要請を発信できない仕様やスキップできないという不満の声が解消された。
    • ギャラリーで再閲覧する際は、エフェクト・ナレーションの字幕を消した状態にもできる。この場合は従来の生態ムービーと同じような雰囲気になる。
  • モンスターのアイコンが妖怪にマッチした墨絵風になり、雰囲気こそ出ているものの、マップ上では識別性が悪いという声もある。
  • 一部に和風押しが強すぎ、従来の要素と取り合わせが悪い*17との評もあるが、概して和風テイストのアートは好評である。

主人公のキャラ付けの方向性

  • よく喋るようになった主人公
    • 発表当初こそ難色を示すファンも多かったが、オプションによって調整可能な事やゲームプレイ時では状況に応じてありがたい情報をプレイヤーに教えてくれたり、場所や場合によっては囁き声で話したり反響したりなど細かい部分にも作り込みに力を入れており、何よりこれまで分かりづらかった主人公(ハンター)の心情をうまく表現された台詞の内容から一転して好評を博した。
    • ボイスはテンプレ男性主人公、武人、快活な女性、成熟した女性などキャラ付けが濃い。少年のようなボイスがあるなど振れ幅が広くとられている*18のは評価できるだろう。
      • このような仕様を取り入れた理由の一つとして「外部ツールを使わずとも、他のプレイヤーとコミュニケーションを取れるようにしたかった」からとの事。実際にその面でもうまく機能しており、ボイスチャットが無くてもプレイヤーの気持ちをうまく代弁してくれる上、相手の事を咎めるような不快な発言は一切無い。
    • しかし、本作のNPC以上にどのボイスパターンもやたらと厨ニ的で仰々しい台詞回しが多く、本シリーズの野生味ある世界観とやや乖離している部分があるため、ボイスの内容については未だ賛否両論。アニメチックな作品であればもっと映えたのだろうが……。
      • どうしても気になるのであればボイスをモンハン語にするかオフにするといった手もある。
    • システム面では若干作り込みの甘い部分がある
      • 同じエリアにいるモンスターに居合わせると運搬中だろうが釣りの最中だろうが、狩猟クエストに赴いてない時であろうが、一戦交えようとする内容の台詞を発することがあり、プレイヤーの思惑と一致しないことがある。 一応、この台詞自体にはプレイヤーの近くにモンスターがいることを伝える意味もあるので無意味な仕様にはなっていない。
      • 「大型モンスターがプレイヤー(ハンター)を狙っている」と言う内容の旨を伝えると言うものがあるのだが、マルチプレイ時では全員が同じ内容の台詞を同時に発する上に名指しされないのでどこの誰に対して言ってるのか分からないと言う指摘もある。こちらも台詞自体は「大技が来る」という注意喚起としては機能しているので無意味な仕様ではない。
  • 主人公のキャラ付けの固定はいくばくか改善されるが、それでも作ったアバターによっては違和感が生じると言う場面はチラホラと存在する。
    • 今作の主人公は「カムラの里で生まれて他所へ行ったことはなく、ハンター志望の修行中で本編開始時に資格を取った」という設定が固定されている。それに反する設定でロールプレイをしたかったり外見を壮年~老年で遊びたいプレイヤーには引っかかるものがある。
      このあたりはアバター型主人公と設定の迎合性の問題点でもあり、よく囁かれる話ではある。
      • だが注意深く確認すると、実は「主人公が子供の頃から付き合いがある」と明言しているNPCは老人がほとんどなので、主人公を中年の外見で作成しても「遅咲きのハンターを目指した中年」となるが矛盾はしないようになっている。
      • カムラの里では歴史的な経緯から住民は武芸を磨くことが求められており、里独自の戦闘技術を習得した者を「ツワモノ」と呼ぶという設定がある。主人公は本編開始直後にハンターの認可を受けたが、この時点で「カムラの里でも指折りのツワモノ」と呼ばれているのでギルドに登録されるハンターになったのは最近だが、ツワモノとしては既に成熟していたということらしい。

フィールド構造の複雑化

  • 文字通り縦横無尽にフィールドを駆け回れる楽しさが評価されている一方で、過去作以上に複雑化したフィールドはストレス要素ともなりうる。
    • 移動ルートの自由度が増えた反面、上下の高低差が大きいフィールドも多く、特に戦闘中で高所から落下してしまうと元の場所に戻るのが一苦労。
    • 単純に登れる場所がわかりにくい場所も少なくない。ゲーム中で登れない場所(滝が流れている箇所等)について説明はあるが、それ以外にも登れない場所がある。
      • フィールドを駆け回っていたら登れずに立ち往生し、マップを見ると境界線まで来ていたといった事象も珍しくない。
    • 本作ではモンスターへの案内の矢印を表示出来るのだが、『MHW(:IB)』の導蟲と違ってかなりざっくりとした方向しか示してくれず、特に対象との間に高低差があるとマップを見て動かざるをえない場合もあるが、マップはマップでやはり高低差がわかりづらい。
      • 恐らく『MHW(:IB)』と違って固定されたルートがなくなったため、明確な最短ルートを示すことができなくなってしまったと思われる。
    • マップ上ではフィールド内の階層の繋がりがわかりにくく、複雑でややこしいとの不評もあり、後半のフィールドほどわかりにくさが増大していく。
    • 複雑な構造なのにコクピット表示の全体マップに採集ポイントを表示させることができないのも問題点。
      • 特に、地図上では採集ポイントが表示されているのに周辺に見つからず、どれだけ探してもないと思ったら異なる階層だった……などの事態が頻発する。
  • 新要素の手記帳についても、探索要素として一定の評価を得ているものの、一部の配置がやたらと高難易度になっている。
    • 隠し部屋や高所を見つけた報酬のようなものはともかく、草むらの中に無造作に配置されていたり、入り組んだ場所に隠されていたり、到底想像し得ないような場所に配置されていたりと、情報無しで完全収集するのはかなり難しい。

モンスターの仕様

  • 新規モンスターは全体的に高評価だが、一部のモンスターは賛否が大きく分かれている。
  • 中でもオロミドロは面倒な要素の多さから評価が大きく分かれている。
    • 不評とされている要因は、狙いやすい前足の肉質が堅い・見切りづらい独特のモーションが多く、それらを組み合わせた連続攻撃を仕掛けてくる・一部の技の攻撃範囲が常識外れに広い・泥の地形出現(怒り状態時はスリップダメージ有り)……などなど。特に巨大な泥の柱で有利な地形を作り出す光景は一般モンスターとしてはあまりに規格外で、下手な古龍種より超常現象を引き起こしているとまで言われる。
    • 過攻略の糸口に繋がる大きな打開策がないのも厄介で、攻撃に多用してくる尻尾を破壊しても先端がわずかに欠けるだけで攻撃のモーションや範囲は全く変わらない。
    • 独特で長い溜めやコンボ技の多用、わかりにくい後隙からどのタイミングで付け入ればいいのか分かりにくく、想定以上に駆け引きが難解なモンスターになってしまったといえる。シリーズファンの中には動きが覚えやすく肉質がどれも柔らかい判定も有情でガノトトス*19のほうがまだマシという声もあり、今までのモンスターの中で一番嫌いという意見も少なくない。
    • このように散々に言われてしまっているが、理不尽な面は過去作の不評モンスターのガノトトス等と比べると控えめである。
      • 全体的に動きが遅い故に予備動作も隙も大きい。射程と範囲に長けた攻撃が多い反面、懐に潜り込めば意外なほど簡単にやり過ごせたりする。泥による視界や足場の妨害はあれど、オロミドロ自身がダッシュや回り込みステップなどで無闇矢鱈と動き回ることはないため、相手の攻撃が終わっても頭や尻尾の先端がハンターの射程内に残り続けていることも多い。そのためガードやアーマー付きのアクションで凌げば長めの隙が丸ごと反撃のチャンスとなる。 オロミドロの実態は攻撃後の隙を突いてくるタイプのモンスターであり、ダメージを受けるのもプレイヤーが無理にオロミドロの後隙を狙おうとして攻撃しすぎた結果によるところが大きい。
      • 尻尾の泥球を破壊した時や、半身を地中に埋めている時に怯ませた時は長めのダウンを奪える。部位が大きく動きが少ないと言う点から、一つの位置に長時間止まる武器種とはかなり相性が良い。前足の硬さについても弾かれない技を持つ武器種で対策することは可能。具体的には、尻尾や泥を使った攻撃の範囲外から安全に狙撃できるガンナー全般、弾かれない攻撃を多数持つガンランス、相手の攻撃をタックルで凌いだ後、大火力の溜め斬りを差し込みやすい大剣などが挙げられる。これらの武器種に慣れた人からは「不評の理由が分からない」と言われるまでの高評価を下されることもある。
  • メインモンスターを務めるマガイマガドは、攻撃力・範囲共に強力で、高い緊張感と達成感を評価する声も多い。
    • しかし、攻撃前後にステップやダッシュでハンターを撹乱する動作が非常に多いこと、動きの軌道が縦横無尽な点から行動パターンが掴みづらい。隙を見せる頻度は多くタイミングも明確だが、どれも一呼吸する程度の短いものばかりで威嚇や身震いといった長い隙は皆無なため、下手な反撃だと先に相手に動かれてしまう。鬼火纏い状態では多くの物理攻撃に付随して爆発性のガスを設置するのも厄介。
    • ポイントとしては、相手の攻撃後の隙を突くと言うよりも、攻撃中も安置への移動やカウンターでの受け止めを意識し、攻撃後は即座に反撃出来るように立ち回るのが重要。また、動きの着地点を読んであらかじめ大技を「置く」ように発動すれば面白いようにダメージが入る。そこまで熟練するのが大変だが。
    • 上位になると新モーションが多数追加され「メインモンスターとはいえ強化が露骨すぎる」という指摘もある
  • ヤツカダキは部位破壊によって隙ができるというタイプのモンスターなのだが、不評な要素が多い。
    • 最大の不評部分は、普段は弱点の頭部が隠れていることにある。このためスタン狙いの武器はその用途では事実上役に立たなくなってしまう。
    • また、部位破壊を行っても、肝心の攻撃タイムが短すぎてろくに攻撃する暇もない。更には、破壊しなければならない尻側の部分を攻撃して反対側の頭部が出現するという形式のため、ただでさえ短いボーナスタイムが余計に縮む。
    • 弱点以外の肉質は渋く、戦法も面白くないため、戦っていて楽しくなりにくい。

全般

ビジュアル関連

  • 本作は、『モンハン』シリーズ全体及びSwitch向けソフトの中で比較すればかなりグラフィックが書き込まれている。
    • 特に本作で復活を果たし、グラフィックがブラッシュアップされた既存のモンスターやフィールドに関しては大きな注目を集めた。
    • グラフィックもさることながら、『MHW(:IB)』に準拠したシームレスのフィールドを実現したことは称賛に値する。
  • 一方で、ハードのスペック上仕方ない部分ではあるものの、『MHW(:IB)』と比べた場合グラフィックは劣る。
    『MHW』が劇的なグラフィックの向上で高評価を得たこともあり、その落差がやり玉にあげられることも多い。
  • また、同じSwitchで比較した場合でも、『MHXX』でも携帯モード720pを誇っていたにもかかわらず、本作ではTVモードで750p、携帯モードでは540pほどと解像度が低下。
    解像度が低いことで映像は焦点の合わないピンボケになりテクスチャ解像度も低いため、書き込みが挙がったにもかかわらず「『MHXX』よりもグラフィックが劣化した」という印象を与えがち。
    • あくまで解像度の比較において『MHXX』に劣っているだけであり、モデリングや法線マッピングの向上でグラフィックの質が上がったのは間違いない。
      また、解像度の犠牲はフレームレートの安定化に繋がっており、携帯モードでも4人同時ネットワークモード常時30fps前後を実現するためには、仕方ないと言える。
    • Switchの性能を考慮するとギリギリのラインであり、プレイ中は特に本体の温度が上がりやすくバッテリーの寿命も減りやすい。
  • こうした事情もあり、本作のグラフィック面の評価はシリーズ経験数などから、正反対な評価が並立するという複雑な状況にある。

全体的に難易度が低め

  • 特にハンター側の強化が著しく、シリーズ過去作と比べても「易しめ」という評価を受けることが多い。
    • 一方で、『MHW』の不動・転身の装衣や回復カスタムのようなシステムレベルでゴリ押しを可能とした要素はまとめて廃止されており、アクション面での難易度は下がったものの他の部分でバランスは取れているとの声もみられる。
    • ベテランのプレイヤーからすれば物足りなく感じるかもしれないが、シリーズ初心者やアクションゲームが苦手な人がプレイする分には程よい難度であろう。
    • 下記に述べるようにバランス調整不足と取れる点も多々あるが、どのような武器や戦術を選択しても十分にクリア可能である程度には自由度が高いといえる。
  • 従来はモンスターの挙動をしっかり覚えなければならず、知識として知らないとどうしようもない部分も問われるなど、獲物への習熟が「狩猟っぽさ」を盛り上げるのに一役買っていたため、慣れや知識がなくともプレイヤー側のリアクションでそこそこカバーできるような今作の戦闘に対して、(毎度おなじみの声ではあるが)「モンハンらしくない」との評価もある。

アクションの方向性の変化

  • 受け身機能は便利な反面、新たにハメられるパターンが増えている。受け身を取ることで逆にコンボを受け続けて死ぬような罠も増えた。
    • 今作によって追加された技等により、ほとんどの武器種がモンスターの攻撃を無効化するカウンターや、ノーリアクションで受け流し、ダメージも軽減するアーマー行動を備えるようになった。これによってハンターの生存力は向上し、また敵の攻撃を避ける以外の新しい選択肢が生まれ、リスク・リターンを天秤に掛けた駆け引きが楽しめるようになった。
      • 一方、ガードが可能な武器種はガードできる事自体の価値が相対的に低下し、引き換えに与えられたデメリットが目立つ結果となってしまった。具体的には、抜刀時の移動速度や納刀が遅いものが多く、位置取りで攻撃を避けるのが困難であること。ガードを活かすためのスキルが重く、それらが必要無い武器種と比べて、スキルの自由度が低くスキル面で格差が生まれていること…など。
      • 優秀なカウンター・アーマー技の有無が武器ごとの格差を生じているほか、ハンマーはカウンターもアーマーも追加されたのに、どちらも低性能で使いづらいという別方向の問題を持った例も。
  • 元から空中攻撃を得意としていた操虫棍は、「攻撃を受けにくい空中から攻められる」という強みが相対的に薄れてしまった。同じく強みであった「乗り」も今作ではクールタイム有の操竜に置き換わっているため、過去作ほどのアドバンテージはない。
  • また、本作を突き詰めると翔蟲や鉄蟲糸技をある程度使いこなす必要があり、新たなコマンドや管理すべきソースが増加したことで複雑化の要因にもなっている。
    • 翔蟲で移動能力が上がった反面、フィールドの広大化で移動には翔蟲かガルクのどちらかが必須になり、それらはただ走るだけと比べると要求操作が増えてしまい、普通に移動するだけでも入力の手間が増えて面倒くさい面もある。
      • 壁走りが思ったように出なかったり、壁や段差を利用したアクションの操作が多かったり、多用する割には少々不便な点もある。

装備品関連

  • 大部分の武器が防御技を手に入れたことで武器ごとで出来ることの差が無くなりつつあり、十分なリーチ、やたらに高火力な技、3種類ものカウンター(敵の攻撃無効)のある太刀さえ使っていればいいとなりがち。
  • 大剣が『MHW』での仕様のまま
    • 大剣は元々抜刀攻撃と納刀を繰り返し当ててダメージを稼ぐというシンプルな戦法がウリだったのが、『MHW』で発動に時間がかかる真溜め斬りを主軸にしたモーションで根本的に別物になってしまい、「未来予知が必要」と言われるほど人を選ぶ難解な武器になってしまったのだが、本作でもそれが踏襲されている。
      • しかも、真溜めのモーションにさえ入ってしまえば溜めなくても高威力が保障されていた『MHW』と、最後まで溜めないと威力が出なくなった代わりに追加アクションで真溜めまでのプロセスを大幅に短縮できるようになった『MHW:IB』に対し、本作は「最後まで溜めないと威力が出ないのに短縮手段まで取り上げられる」という両者の悪い所取りといった仕様になってしまっている。
      • 加えて『MHW:IB』で登場した従来通りの使い方ができるスキル「冰気錬成」も廃止されてしまったため、再び難しい武器になってしまった。
      • 単純に据え置かれたわけではなく、新規要素や真溜め斬りに頼らない別な戦法も登場しているため、全く逆戻りというわけではないが、旧作型の大剣は帰ってこなかった。
  • 同じく、ヘビィボウガンはしゃがみ撃ちが消されたまま。今のままではライトボウガンの長所に対してヘビィボウガンにやや劣る点も目立つ。ただ両者を比較した場合、運用法にもよるが決して弱い訳ではない。
  • 「狩猟笛」の仕様が大幅に変更され、本作では別物に近いほど様変わりした。
    これについて、前よりも扱いやすくなったという声がある一方で、独特の立ち位置で愛好されていた武器ということもあってか、仕様変更を嘆く声も聞かれる。
    • 狩猟笛の変更も不人気武器のテコ入れという明確な理由があったことから一概に否定されるべきことでもない。
    • 『MHW』で遅くなって不評だった強化状態の移動速度が『MHW:IB』で改善されたのにまた逆戻りしてしまっている。
  • 『MHX』で初登場し、武器種の一つとして十分に確立していたニャンターが本作でも再登場しなかったために、再登場の望みを断たれたアイルーファンや使用者から残念がられた。
    • とはいえニャンターは仕様が他の武器種とは大幅に異なるため再登場できないのは致し方ない面もある。
  • 「α/β」装備の差分の撤廃
    • 『MHW(:IB)』とは打って変わって「α/β」の差分がなくなったため、装備を直感的に選びやすくなったが見た目の自由度が下がってしまった。
      • 過去作では「剣士/ガンナー」又は「α/β」で防具の外見が2種類あったが単純に1/2に半減した。代わりにオトモガルク用の装備デザインが増えているがハンター用のファッションを重視したい層には不満となる。
  • 新規要素を成立させるために従来の強みやできることを減らされるような調整がなされている。
    • 例えば、操虫棍は新技の「降竜」の代わりに「強襲」が削除された。スリンガーと全く関係のない基本アクションながら削除されたのはこの武器だけ。
    • ガンランスは「踏み込み突き上げ」の移動距離が減少した。鉄蟲糸技に関しては問題点を参照。
    • 双剣は入れ替え技の「鬼人突進連斬」の威力が『MHW(:IB)』よりも更に低下して雀の涙のようなダメージ量になってしまった。
      • これらの武器は目新しい要素こそ手に入れているものの、前作までは出来たことができなくなるような使用へと変更された為、賛否が分かれている。

モンスターのチョイス

  • 本作では「大型モンスターの幼体・未成熟体は登場していても肝心の成体が未登場」というパターンが非常に多い。
    • 過去作でもそのようなパターンがあるにはあったのだが、今作ではそれが顕著である。こうした点も未完成商法や出し惜しみが疑われる要因になった事は否めない。
    • 特にやり玉に挙げられるのが「バサルモス」の成体である「グラビモス」の不在。『MH(無印)』から登場している最古参であるのに加え、バサルモスのモンスター図鑑にははっきりと「グラビモスの幼体」と成体名が書かれているのである*20
      そのため、グラビモスがいつ狩猟出来るようになるかと期待していたプレイヤーは肩透かしを食らう事となった。
  • 本作では火山系統のフィールドのみに生息する大型モンスターが新旧含めて一切登場しない。
    • 他のシリーズでは一つに限定された環境下にのみ生息するモンスターが登場するのに、溶岩洞という火山型フィールドがあるにもかかわらず、上述したモンスターが一切登場しないのは前代未聞であり、違和感がある。
  • 本作のヌシとコンセプトが被ってしまうためか仕方ない面があるかもしれないが、『MHX』以来となる亜種・希少種が未登場なのも残念がる声がある。
    • 一方で、亜種モンスターは水増しとの批判も強く、武器を強化していく内に亜種の武器になってしまうなどの理由から未参戦を喜ぶ反応もあり、評価は分かれている。
  • 開発のインタビューによれば、このような状況となったことにも事情があることが推測される。
    • 過去作からの登場モンスターの選択は、クエストの進行に合わせて順次敵やハンター側の武器の属性を登場させていくことや、難易度段階ごとの役割、フィールドごとの設計など総合的な面から判断して選ばれるという。
      もし、本作に成体やボス系統のモンスターがすべて出演した場合、序盤相当のモンスターがやけに多くなったり、後半につれて火山出身のモンスターが偏るなどの状態になっていただろうし、必ずしもセットで出さなければならないという決まりもない。
      • もっとも、プレイヤーにとっては開発の裏事情まで気にしようがないので不満は払拭しがたいのだが。

相変わらず使いまわしの多い縄張り争い

  • 『MHW:IB』でも指摘されていたが、本作でも縄張り争いのモーションの使い回しが多い。
    • 一応、『MHW(:IB)』には無かった組合せの争いが見られたり、新造されたモーションの争いもあるのだが、やはり使い回しが多いため、違和感や残念さが目立つ。
    • アンジャナフvsディアブロス、リオレイアvsティガレックスなど、挑めるランクも危険度も一回り以上差があるはずのモンスター同士が互角の縄張り争いを繰り広げるのは違和感の最たる例。
    • 組合せ毎に違う内容の争いを求める声が多いのは事実だが、やはり時間や予算の都合上難しいのだろう。

世界観の簡略化

  • 環境生物の扱いやモンスターの行動パターンについてリアルな描写を重視していた『MHW(:IB)』に比べて、本作はゲーム的な快適さや遊びの幅を広げる方向性となっている。
    • 例えば、環境生物はアイテム(又はフィールドギミック)としての側面が強調されており、目玉である翔虫にしても「あまりにも人間にとって便利すぎて魔法じみている」とも取れる。
    • その他にも例を挙げれば、『MHW(:IB)』ではモンスター毎にハンターを目撃した際のリアクションがバリエーション豊かだったのに対して、今作では全てのモンスターが「ハンターを見つけたら即臨戦態勢」と、『MHXX』以前の仕様に逆戻りしてしまっている。
      • また、従来では大型モンスターが瀕死状態になると、エリア移動時にずっと次のエリアまで足を引き連って歩くと言う移動法だったのだが、本作では通路に入ると途端に猛ダッシュするというやや違和感のある描写に。シームレスなマップとの相性やハメの防止など理由は考えられるのだが違和感はぬぐえない。
      • そして、大型モンスター同士が同じエリアにいると、ハンターを認識していなかった場合、二匹とも争う事なく闊歩し発見すると同時に争うという違和感のある状態になる事がある。操竜の仕様上、勝手に回数制限のある待機状態になるとゲームバランスに支障をきたしてしまう為なのかもしれないが、やはり不自然な描写に見えやすい。
  • フィールドギミックのうち、大型モンスターに大幅なダウンを与えられる大掛かりな仕掛けは全て撤廃。
    • 一応、フィールドギミックが無い訳ではないがその大半が環境生物に置き換わっており、『MHW(:IB)』と比べると見応えのあるリアルさに溢れたダイナミックな描写は薄い。
  • 本作の拠点で提供される食事の見た目は過去作に比べてかなりシンプルに。過去作では豪快な食いっぷりを見せてくれる美味そうなものが多い傾向があったため全てのメニューが三色団子に変わっている点については残念に思う声がある。
    • しかし、そもそも食事ですらない『MHP3』やチーズフォンデュの『MHX(XX)』などがあったことも考えると、本作の和風な雰囲気に合っているため、コレはこれでアリだと言う意見もある。またどれを選んでも同じ見た目の料理が出てきた過去作に対し今作では選択内容によって団子の見た目がしっかりと変わる点は評価できる。
      • 開発コメントによれば「わかりやすさと見た目の楽しさを重視してカラフルな団子に統一した」とのことなので、ここで書かれる不満は想定した上で採用したと思われる。
  • 拠点の仕様に関しても従来の仕様に回帰されている。
    • 『MHW(:IB)』では時間経過や特殊な条件下により拠点内のBGMや景観が変化したり、期間限定で集会所の催し*21が行われたりといった具合にかなり凝った仕様が施されていたが、本作では廃止に。
  • この辺りは本シリーズにどういった要素を求めるかで評価が変わってくる面もあるだろう。これらに不満を感じやすいのは、世界観を重視するシリーズファンの意見であり、本作から新規参入するプレイヤーやシステム重視のプレイヤーであればさほど気にならないだろう。
    • これらの仕様変更もまた、海外では面倒な要素が嫌われやすいという教訓に基づいているのかもしれない。また、ハードスペックの都合などもあると思われるので仕方ない面もある。
  • 言ってみれば、良くも悪くもスケール感に乏しい
    • モンハン特有の狩猟地やワイルドライフの野趣が薄めで、スローライフ要素は歴代で一番薄い。
    • 謎を追って世界を旅していた『MH4(G)』、新大陸を舞台に生態系を題材とし、壮大な世界を表現しようとした『MHW(:IB)』に対して、本作では一つの里とそこに迫る危機を題材にしているため相対的に感じられるスケール感が縮小している。
    • あくまで作風の違いではあるものの、全体的な雰囲気が旧シリーズ並みになったことに対しては賛否が見られる。
    • 村人の会話も誰それがどうした、など相互の繋がりは濃い反面噂話など狭い村社会の中にフォーカスされた話題が多い。
    • NPCの設定が大食いだとかツンデレだとか型にはまった漫画的な方向の味付けであり、東アジア文化圏内ではキャッチーな反面、世界観やリアリティを薄める方に作用したきらいもある。

BGMの仕様

  • 本作では過去作の中型モンスターが数多く復活しているが、『MH3』以降初となる中型モンスターの汎用BGMが廃止となっており、小型・大型モンスターの区分に分かられる事となった。これには中型モンスター戦の新曲や従来のBGMのアレンジを期待していたファンから嘆く声が少なからず出る事となった。
    • もっとも、過去作の汎用BGMは特定モンスターの専用BGM同然になっていた事も多く、特に『MHW(:IB)』の中型モンスター汎用BGMでは顕著な物であった。
      そうした意味では、曲数を絞る事によって、各汎用BGMが印象に残りやすくなったとも言える。
  • 過去作から復活したフィールドの砂原と水没林は汎用BGMが一新されている。
    新曲もクオリティは高いのだが、過去作の曲のアレンジに期待していた者は肩透かしを喰らうこととなった。
    • 一応水没林のBGMに関しては『MH3』が初出の曲のフレーズや雰囲気をある程度引き継いでいる。
  • 前作『MHW(:IB)』では、乗り状態に当たるBGMが本作の操竜状態時には短いフレーズを繰り返すオリジナルの楽曲が全モンスター兼用で流れるように変更された。
    • 前作では各モンスターのBGM毎にパーカッションパートを追加すると言う凝った作りのものを流しており、それを聞けなくなって残念という声もあるが、乗りも操竜状態も通常の戦闘パート程長い状態が続かず、流れるタイミングもかなり限定的だったため、廃止は仕方ないと言う声もある。
  • 既存曲のアレンジも曲の構成自体は原曲重視ではあるが、邦楽器やコーラスの多用には賛否両論がある。
    • 「原曲よりも迫力が出た」と言う声もあれば、「邦楽器やコーラスが多用されて原曲とイメージが変わりすぎ」等受け取り方次第で評価が分かれる。
      もっとも、この辺りはシリーズ物の宿命であり、個人の感性次第ではある。
  • 過去作同様にボーカル付きのBGMには全て日本語歌詞が設定されている(コーラスや掛け声のみの物は除く)が、ゲーム中で流れるのはいわゆるモンハン語版のみ。本作はボーカル付きのBGMが多いのだが、日本語版やオフボーカル版はサウンドトラックでしか聴けず、ゲーム中でも聴きたかったという声も多い*22
    • ただし、日本語版がゲーム中で流れないのは本作に限った仕様ではない。世界観や海外を意識してモンハン語版のみにしているようだが、キャラクターボイスは日本語にできるので、ユーザーは違和感を覚えやすい面もあるのだろう。

マイハウスのカスタマイズ自由度が低下

  • 本作では前作の『MHW:IB』と違い、マイハウス内の大幅な模様替えはできなくなっている。
    • 出来ることは、置物と掛け軸を入れ替えられる程度。自分好みの部屋に作り変えられないのは少々残念な所。
    • また、その置物や掛け軸をコンプリートするにはやや条件が厳しく、色んなバリエーションを選択できるようになるまでかなり時間が掛かる。
    • 置物の大部分は雑貨屋がセール時に行う福引の大当たりで入手できるが、「セールの開催」「景品に置物が含まれるか」「大当たりを引けるか」と何重にもランダム要素が含まれるため、コンプリートにはかなり運が絡む点に否定的な意見がある。あくまでもオマケだが勲章獲得のためにはコンプリートが必要。
      • 実は福引の置物は表示されてる景品の有無とは別に「景品が何であろうが大当たりを一定数引けば置物ももらえる」という救済措置が仕込まれているので「置物が景品になっている時だけ福引を引く」ということをしているとドツボにハマるが、とにかく福引が出たら機械的に弾き続けていればクエストを1000回程度行く頃にはコンプリートできる。クエスト1000回は多そうに見えるが他のやり込み要素を進めている間に余裕で達成できる数である。
  • 環境生物を捕まえて放し飼いする事は出来なくなった。
    • どの環境生物もバリエーション豊かで、『MHW(:IB)』ではハンターと戯れる事が出来たのだが、それが無くなってしまったのは少々寂しい。
    • また、この仕様変更に伴ってか魚は環境生物から従来のように単なるアイテム扱いに戻っているが、グラフィックが『MHW(:IB)』並に凝っているのに、こちらもマイハウスでそれを自由に鑑賞出来なくなった点は残念である。
  • 『MHW:IB』と違い、選曲して流せるBGMのバリエーションも最低限のものはほぼ出揃うようになり、拠点内全てのエリアでBGMを変更できるようになったのだが、相変わらず自由に聴けないBGMも存在する。
    • 特に気になるのが小型モンスターとの戦闘時のBGMとモンスターがエリア移動する時のBGM、そして食事場のBGMを選曲できない点である。
    • また、闘技場のBGMを選曲できるようにする条件が何故か厳しい*23。何も知らないと選曲できないBGMと誤認するプレイヤーが多いだろう。
  • とは言え、これらの要素は本作のゲーム性にはそこまで関与しない点ではあるので、ゲーム性重視の人はそこまで気にならないかもしれない。  

NPCとの会話内容

  • 今作ではショップなどの機能のあるNPCとの会話中に一定時間経つと、「時間はたくさんあるから焦るな」と気遣ってくれるという仕様がある。
    • 単なる遊び要素であり台詞自体も親切心に溢れたものなのだが、この「一定時間」が割と短く、特に加工屋などの利用頻度の高いNPCでは頻繁に聞くことになり、「逆に煽られているようで苛々する」という意見も少なくない。
      • 特に集会場側の加工屋のナカゴは、どこか小憎らしくも感じられる飄々とした表情やボイスから嫌うプレイヤーにはとことん嫌われており、モブながら5chにアンチスレが立つなどわけのわからない注目の仕方をされた。
      • 一方で特有の台詞回しなどが一周回ってクセになったり、重ね着装備が彼の発案であるとの設定が明かされると手のひらを返し絶賛するプレイヤーも相次ぐなど、なんだかんだでネタ的に愛されているキャラでもある。
    • どうしても気になるのであれば、モンハン語に切り替えたりNPCのボイスを消してプレイすると良いだろう。

問題点

アップデートを適用しないとストーリーが完結しない

  • ストーリーの完結(元凶となるモンスターの討伐)は発売日から二ヶ月後に配信されたver.3.0にて「追加エンディング」のような形式で搭載されたのだが、この点について最初から入れるべきだったという批判は根強い。
  • 他にも初期バージョンは強化が途中で止まる武器が数多くあったり、一部スキルの装飾品が未実装であったりと、アップデート前提の要素が多くみられた。
    • これらの要因によって実質ver.3.0がver.1.0だという揶揄がなされることになってしまった。メジャーアップデートの内容そのものは好評なので、本当に最初から入ってさえいれば、この部分に関しての評価は変わっていただろう。
      • 仮に最初からver.3.0相当の内容がリリースされていたとしても、Switchの8GBゲームカードのデータ量を超過するため、単価の高い16GBゲームカードを導入する必要があった。
        カプコンがそこまで意識したかは不明だが、コスト等の関係からアップデートを前提とした内容になった可能性もある。
  • スタンドアロン型のゲームでありながら進行状況をメーカー側にコントロールされるため、ある程度まで進めたらやることが尽きる、といった展開になりやすく、ver.3.0が配信されるまでは不満が吹き溜まっていた。
  • 特に、発売直後のバージョンではラスボスに相当するモンスターを倒すとマカ錬金を回すくらいしか先行してゲームを勧めた層にとってはやることがなく、以降のアップデートでも内容が小出しになって途中で進行が止まり目標がなくなることも、後述の「ボリュームが少ないゲーム」との印象を強くしていた。
  • ただし、本作の開発期間中は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による世界的なコロナ禍の真っ只中であり、開発体制に様々な影響が出ており、世相を鑑みるとやむを得ない面もある*24
    • しかし、それならばそれで発売を延期してでも、「全て入れるべきだった」という意見もある。
  • 当然ながら、アップデート自体は無料となっている。また、アップデートのロードマップ自体は発売前から告知されており、追加エンディング実装のアップデートは発売から約3か月後と、それほど長い期間が空いたわけではなかった事はせめてもの救いではある。むしろ、数ヶ月で一通りクリアして持て余してしまうというのもガチ勢ぐらいで、1日に数時間しか遊ばないようなプレイヤーにとってはさほど気にならない期間である。
    • また、 現在であればアップデートを適用する事が前提になるため、ネット接続が不可能な環境で購入・プレイしない限りは問題にならない
      対応ハードがSwitchであるため、ネット環境を持たない人物でもフリーWi-Fiのある場所に持ち出せば接続が可能。
  • 大型アップデート時、特にver.2.0はガラリと変わった装備環境や多くの追加モンスターがいた事もあり、リアルタイムで遊んでいた界隈には一定の盛り上がりがあった点はフォローできる。
    • しかし、ver.3.0ではあくまでストーリーの完結に重きを置いていたためか一転して追加モンスターの数が少ない上に、新要素と改善点も少なかったため、ver.2.0のような内容を期待していたプレイヤーからは肩透かしを喰らうこととなった*25
    • また、ver.3.0のメイン内容である奇しき赫耀のバルファルクに関してもやや面倒な仕様があり、ストーリーをクリアしてHRを100まで上げないと狩猟できない。
      過去作と比べてHRを上げやすくなっており、ストーリークリアまでは一定の条件をクリアする度に緊急クエストが出現するため飽きにくいのだが、それ以降は出現せず、クリアしてないクエストの消化や効率の良いクエストの周回になりがちでマンネリ化しやすく、目標のHRに行き着く前にダレやすい。

マカ錬金の仕様

  • 本作の護石周りの仕様は、非常に悪いものになっている。
  • 護石の入手方法がランダム入手に戻ったのだが、過去作で散々やり玉に挙げられた最適解といえる護石の出現率が低すぎる点に改善がみられず評判が良いとは言い難い。
    勿論運はあるのだが、理論上出現しうる最高のスキルとスロットの組み合わせの護石を求めた場合、効率よく護石を集めるためだけのプレイを3時間ずつ毎日続けたとして、
    100年以上やり続けても出現を期待できるほどの試行回数にはとても足りない*26と言えばわかってもらえるだろうか。そこそこの性能の護石で妥協しても膨大な時間がかかりかねない。
    • 過去作品で良質の護石のためにひたすら採掘を行う、効率の良いクエストをひたすら周回するなど作業的という批判が根強く、入手方法をモンスター素材を支払う方法とすることでハンターの本文である狩猟と紐づけ批判に対応したと思われる。しかし素材毎のポイント格差が大きく結局効率のよいクエストをひたすら周回するという図式はそのままだった。
    • 過去作から毎度、低確率ならば相応にスキルの移植やスロットの増加などプレイヤー側が関与できる要素や、ソシャゲのガチャでいう「天井」のような救済措置が必要だといわれていたが、過去作からの不満を全く吸収しておらず、全く進歩がないどころか悪化している点は大いに批判された。
      一応、排出されるスキルを選択できる要素も存在するが需要の多いスキルに対応していないことから空気と化している。
    • 前述した難易度の低さも相まって現実的に入手可能な程度のスキル内容でもプレイには支障はないのだが、理想の装備が組めないなどのフラストレーションは如何ともしがたい。
    • 過去作で配信された救済クエストのような効率よく大量に入手する手段がない点にも不満の声がある。
    • さらには、『MHXX』にあった護石の専用リスト画面がないため、不要な護石の再利用時に選択するのが非常に面倒くさい、モンスター素材をセットするにも一々選択するための操作が非常に面倒くさいとモチベーションを削がれるような要素ばかりである。

エンドコンテンツの乏しさ

  • 本作には、『MH4』のギルドクエスト、『MHX』の特殊許可クエスト、『MHW』の歴戦の個体といったエンドコンテンツに相当するものが本作には存在しない。
    • Ver.3.0以降もアップデートによってイベントクエストが追加されているが、量・質共にエンドコンテンツとして見るにはやや物足りない。
    • その、イベントクエストのクリア報酬も、ポーズやチャットで用いるスタンプばかりで新しく作れる武具が少ない点についての批判がある。
      過去作のような武器や一式防具を作成できるイベントクエストや、挑み甲斐のある高難易度クエストも少ないため、1回クリアすれば用済みになってしまうクエストばかりなのも味気ない。
    • また、いわゆるコラボクエストも他者とのコラボは数件のみで物寂しい。PC版も発売された事*27や、世界同時展開である*28といった事情は察せられるが。
  • ここまでを纏めると、難易度の低下も相まって、長期間やり込むモチベーションを保ちにくい。
    念のためフォローしておくと、ver.3.0の時点では標準以上のボリュームを備えており、単体のゲームとして客観的に必要十分な内容量ではある
    しかし、エンドコンテンツ以外にも上述したアップデート前提の内容やコラボレーションの少なさ、薄めなストーリー、実用的な武器種の少なさなど様々な要因から本作には「(モンハンとしては)ボリュームが少ない」という評価が多く見られることになってしまった。

回避が弱体化

  • 今作はモンスターの攻撃の追尾が非常に強く、しかもディレイをかけてくる敵も多いため、位置取りやローリング回避だけでよけながら戦うのが困難になってしまった。
    • 従来通りの感覚で回避しようとすると、本当にタイミングがきつく、ジャストでのボタン押しが要求される。
      時計回り回避や位置避けで立ち回っていたプレイヤーにとっては不満が大きい。
    • 代わりに、回飛距離アップのスキルが強化されている。要するに、今までできていたことが弱体化され、それを補うためにコストを支払う必要が出た。
  • また、回避行動に付与される無敵時間も大幅に短縮されてしまった。無敵時間による回避は本シリーズの快感で重要な要素だったために、プレイングの楽しみが減少する結果に。
    • 代わりにカウンターがバラまかれている。要するに、新要素を押すためにプレイヤー側の選択肢を狭める結果になっている。
      • よって、武器種ごとの適応・不適応の差も大きく、今作の武器格差の大きな要因の一つとなっている。
        影響が大きかったのは位置避けや回避を多用する片手剣、無敵時間を利用していたランスやガンランスである。これらは根本的に立ち回りの見直しを余儀なくされている*29
      • 『MHXX』でも、狩技の長い無敵時間やイナシや剛・鬼人切りなどのカウンターアクションが豊富だったものの、それらは位置回避やフレーム回避と両立しており、プレイヤー側の選択肢を純粋に増やす物だった。

武具の調整不足

  • 近年の作品としては、かなり 明確な形で 武器種感の性能差が存在している。
+ 強武器とされる武器についての問題点
  • 強い武器種として挙げられやすいのは、ガンナー3種(ライトボウガン、ヘビィボウガン、弓)及び剣士では太刀。とくにボウガンの「斬裂弾」と「徹甲榴弾」はバランスブレイカー気味である。
    • 今作のモンスターは弾肉質を固くすることでシリーズ恒例の遠距離有利のバランスを調整しようとしているように見られるが、この2種の弾は弾肉質を参照しないため猛威を振るっている。
      • 斬烈弾は切断属性のダメージ与えるが、その威力が非常に高く、モンスターによってはほとんど調合分の斬裂弾のみで狩猟できてしまう。
      • 徹甲榴弾は肉質無視のダメージ+スタン値を与えるが、十分な火力に加えスタン値が非常に高く、レベル3ならば頭に2発だけでスタンが取れるという打撃武器を遥かに超えるスタン能力を誇る。
  • しかしこの2つの弾は言わばボウガンの立ち回りから逸脱した効果を持つ、「弾属性」に属さない攻撃手段であり、「ボウガン自体が強い」か否かについては疑問符が残る。 実際、評価の高いボウガンは斬裂弾又は徹甲榴弾に特化した武器ばかりである。
  • こうした環境が出来上がった原因は、今作のモンスターの弾肉質がやたら硬いことにある。例え弾弱点とされる部位でも、斬撃や打撃に比べると明らかに低い肉質値であることがほとんど。(シリーズ恒例ではあるものの、)中には「弱点特攻」がギリギリ適用されない、露骨な肉質もある。
    また、非弱点部位は特に極端であり、中には弾肉質1=物理弾ダメージ99%カットというかなり厳しい肉質を持つモンスターも存在する。
  • アップデートによる追加モンスターは弾肉質がさらに渋い傾向にあり、弓を巻き添えに斬裂弾&徹甲榴弾偏重がますます助長されてしまっている。
  • 弓は火力でいえば全武器中トップクラスだが、操作難度が高いためかボウガンほど槍玉に挙げられることは少ない。
    • 前述の通り、今作はモンスターの弾肉質が劣悪だが、そんな環境でもなお弓がトップクラスの火力を発揮するほどに、基礎性能が恐ろしく高い。物理面だけでなく属性面も強いのが大きな追い風となっている。
    • しかし操作難易度についてもシリーズトップクラスに高い。『MHW(:IB)』のチャージステップが続投している一方、照準した部位をステップ後も狙い続けてくれる機能が廃止されているため、高い火力を出すためには左右に激しくステップしながら弱点部位をエイミングして射撃し続ける必要がある。
      • 本作ではジャイロ操作による右スティックなしでのエイミングが可能であるため、弓使いはこれの習得を奨められることが多い。
    • 逆にいえば、ここまでしなくても平均的な火力は十分出せるため、武器種自体の敷居が高いというほどではない。
  • 剣士では太刀が特に強く調整されている。そこそこの移動速度、豊富なカウンター&回避手段、飛翔蹴り→兜割りの瞬間火力が優秀……と一通り揃っており、弱点が殆ど見つからない。シリーズ過去作では「ガード不可」が短所として挙げられがちだったが、本作の太刀は防御面すら優秀なレベルに仕上がっている。
    • スタッフからも「本作における初心者向け武器は片手剣ではなく太刀」と明言されており、基本的なアクションだけである程度戦えるようにしたという点では明らかに狙った調整であると見られる。
    • 最大火力を発揮するにはカウンターを的確に決める必要があるためターゲットが分散するマルチへの適性が低めという欠点はあるのだが基本的なアクションだけでも十分に強いため欠点といえるかは微妙なところ。
  • 他の近接武器種に関しては調整ミスレベルの強さ・弱さを持つものは存在せず、むしろ総合的には『MHW(:IB)』から大幅に強化されているものがほとんど。ただ太刀と比べると何かと見劣りしてしまうものが多いのも実情で、他の武器の利点を奪っているという不満も多くみられる。
+ 弱武器とされる武器種についての問題点
  • ガンランスに関して、スキル構成による火力の頭打ちが早い*30ため、攻略はともかくタイムアタックレベルのやり込みではどうしても他武器種に大きく劣ってしまうため、中~上級者からは不満が多い。
    • ただ、ブラストダッシュが常用できるようになったため、斬れ味及び残弾数と引き換えにはなるものの、遠距離の機動力に関しては歴代ガンランス中最高…どころか、本作の全武器種で比較してもトップクラスに食い込んでいる。火力の乏しさは否定できないが、今までの鈍重なイメージを覆した変態的な立ち回りの自由さについては比較的評価されている。
  • チャージアックスの超高出力属性解放斬りは、当たり判定の調整によって全弾命中がかなり困難になった上にダメージまで下げられている。当てづらいのに当てても弱く、最大の大技が弱体化されていることには不満の声も多く見られる。太刀とは逆にリスクに対してリターンが乏しい、或いは返しでの反撃リスクが高く、高出力型の人気が低下してしまった。一応、前作で超高出力型が強かったことを受けた措置ではあるのだが……。
    • 超高出力以外の攻撃方法としては高圧廻填斬り(前作で言う斧強化)をメインに据える手もあるが、これも「斧モード解除で強制解除」という厳しい制約があり、火力を出し続けるためにはできるだけ斧モードで立ち回る(=移動・安全面を犠牲にせざる)を得ない。正直なところこの型では火力・防御・使い勝手等ほぼすべての面で太刀と同等以下としか言えないのが実情である。
    • また、各種強化を施し本領発揮するまでに相変わらず時間がかかるため、設備攻撃と武器攻撃が何度も入れ替わる百竜夜行とは相性が悪い。
  • 雑に使っても火力の出る太刀と比べると、隙が大きく動作も固いというデメリットが目立つだけの不満の残る調整である。
  • 操虫棍は体験版時点では「死に武器」に近いほどの火力の乏しさだったが、本編では体験版で使えなかった要素により、それなりに復権。「空中戦特化」という個性が強く押し出されるようになっている。ただ、全体的な操作の複雑さに対して火力の伸びが微妙な欠点は変わっておらず、「乗り」の削除もあって一線級の武器と言うには微妙なところ。とはいえ、他の武器にない独特な立ち回りが可能で「性能はともかく、使っていて楽しい」と概ね好評。
    • 猟虫のシステムが極限までシンプル化され、単に「店で買った虫を装備するだけ」になり、育成などの要素は撤廃された。ハンターごとの差別化という意味では不満の声もなくはないが、今までの形式が複雑すぎた感は否めないので方向性としては理解しやすい。
    • 猟虫は4系統用意されているが、唯一「通常型」は際立った個性がなくある程度慣れたプレイヤーからはまず選ばれない。もっとも、通常型の猟虫はシステム的に明らかに「初心者向け」として調整されている感はあるので、ある程度意図的なものと思われる*31
  • ヘビィボウガンは弾肉質に関係ない部分で強武器と認識される一方、特殊弾である「狙撃竜弾」は隙だらけの危険なアクションにもかかわらず低威力でまったくリスクとリターンに釣り合っておらず、半ば死に要素と化している。
  • そして誰からも忘れ去られ、公式使用率堂々の最下位となったランス……もとい「流転棒」はかなりいびつな武器と化していた。
    • ランスとは切っても切り離せないガード性能の装飾品が大きくなったことで付けづらくなっており、さらにセットで付けたいガード強化も3段階に分かれるなど、スキル周りでの不便さがアップしている。
      なら回避ランスを……と言いたいところだが、前述の通り本作の回避は不遇なので頼りない。
    • ランスの中で文句なしに強いといわれるのが鉄蟲糸技の「流転突き」なのだが、ランスとは思えない高火力の代わりに 操作が非常にピーキー で、2撃目を出すための操作が移動スティックを倒すだけで出てしまうため、うかつな操作を許さない。
      しかも、ゲーム内の説明に載ってないフィニッシュ攻撃が存在する。そんなところまで玄人向けにしなくても…
    • 他の鉄蟲糸技である「アンカーレイジ」「デュエルヴァイン」は問題があると言わざるを得ない。
      前者は『MHX(XX)』に存在した「ガードレイジ」に似たカウンター&バフ技であり、バフが赤(弱)と橙(中)と黄(強)の3段階存在しているため当然ながら黄で取りたいのだが、 ガード性能を積むと黄になりにくい という仕様がありチグハグ感が否めない。
      後者はモンスターに糸を括り付け、糸がつながっている間はモンスターまでジャンプできるという技なのだが、そもそも糸を括り付けるアクションの判定がすさまじく小さい&硬直が長い、糸をつけてもジャンプできるだけ、そして蟲消費が2個と使い道が果たしてあるのかと言いたくなるようなさんざんな性能であり、しかも入れ替えできないということでランス使いは笑うしかなかった。
    • 入れ替え技として『MHX(XX)』から「ジャストガード」が復活しているのだが、ジャスト判定が短縮されていたり成功時に出せる十字払いが弱くなっていたりと、リスクリターンの見合った技とは言えなくなっている。
    • 前述のとおり無敵技やカウンターが多くの武器種に配られたことにより、ランス最大の強みであるガードの信頼感が相対的に弱体化しているにもかかわらず、その補填も十分とは言えない状態である。
  • 百竜武器の性能は先述のとおり、「二番手~三番手」に落ち着きがちだが、弓は頭一つ抜けて強力な一方で操虫棍は弱すぎる。
    • 弓はカスタム枠が6とぶっちぎりに多く、デメリットなしに矢レベルを最高まで上げられる点が強力。かつては全ての属性と矢タイプで百竜弓が最適解になる程であった。アップデートにより強力な武器が増えた現在ではさすがに全てとは言えずとも、未だに多くの通常武器を食ってしまっている。
    • 操虫棍は専用要素である猟虫Lvが低く、これを向上させるカスタムは攻撃力を大きく下げるという、弓とは真逆のデメリットを背負っている。カスタム枠も3つしかなく、どう使っても弱い。発売当初から一貫してナルガ武器が最強の座に君臨していた事もあって、操虫棍使いの武器選択にまつわる不満は大きい。
    • ボウガン2種も操虫棍ほどではないが弱い。ブレ・反動・リロードが全て劣悪で、そのうちどれか一つ程度しか改善できない。そもそも徹甲弾・斬裂弾の扱いに長けた武器以外選択されにくいため、あまり話題に上がらないが……。
  • 一部の鉄蟲糸技・入れ替え技が調整不足な物が散見される
    • 最も顕著なのがヘビィボウガンで、「近接攻撃」「回復機関・狙撃竜弾」はまず用いられない。それぞれ「タックル」「機関・狙撃竜弾」に出番を奪われてしまっているのが実情であり、入れ替え枠の3分の2がまともに機能していない。ただ、前述のように狙撃竜弾そのものが火力が低すぎるので、「狙撃竜弾ヘビィを使うなら、一応回復になる回復機関・狙撃竜弾の方がまだ使い所がある」と斜め上の評価をされて採用されるケースもなくはない。あくまで消去法で選ばれているだけで、この入れ替え技が評価されているわけではないが…
    • ガンランスの「地烈斬」は使用後一定時間、砲撃のダメージが1.2倍になりと強力…というより これでやっとまともな威力になるよう調整されている ため事実上一択であり、「デバフ解除」「儀式」とすら揶揄される。効率を考えると競合する「ヘイルカッター」を選択する理由がほぼ存在しない。
    • また、大剣の「ハンティングエッジ」も調整不足な傾向がある。利便性やゲージ消費量を考えて「金剛溜め切り」が圧倒的優位とみなされている。
    • ハンマーは鉄蟲糸技の「インパクトクレーター」が飛び抜けて高火力……というより他のモーション全ての火力が抑え気味で、効率を突き詰めると「狩猟中に何度インパクトクレーターを当てるか」という内容に行き着いてしまう。
  • 属性・状態異常武器が冷遇気味で、モンスターの体力や属性肉質を見ても、属性攻撃が有効になりにくい。
    • 「攻撃」「見切り」「弱点特効」など、物理火力を飛躍的に高めるスキルは豊富で積みやすいが、属性面の強化となるとバリエーションに乏しい。また、「会心撃【属性】」の弱体化も大きい。
    • これにより威力は低いが手数の多いコンボを使う意味が薄くなっている。
    • 『MHX(XX)』に存在した武器の究極強化のようなシステムがなく、多くの武器がゲーム後半の性能に達しないで強化段階が終了してしまうために、武器の選択肢が乏しい。この点も「無属性武器の優位」に繋がってしまっている。
    • 属性を有効活用できるのは弓と双剣だけであると言ってよく、ほとんどの武器種は強力な無属性武器を持っていれば大抵の状況に対応できる。
      ボウガンは属性弾も不遇なため、斬裂弾&徹甲榴弾偏重がより加速している。
    • 『MHW(:IB)』も物理に偏りがちなゲームバランスであり、その一端を担っていたスキル「無属性強化」を廃止しているのになおこの状況である。斬裂弾の強力さといい、前作と同じ轍を踏んでいる。
    • 同様に状態異常属性も不遇気味。システムの変更に伴ってモンスターの体力が従来より大きく増えた関係で、毒や爆破、睡眠時のタル爆弾といった固定ダメージソースが相対的に弱体化した。麻痺も物理性能の低さを補っているとは言い切れず、効率重視の狩猟では使用される事は少ない。
      • ただし、状態異常が強すぎるとハメの横行やバランス崩壊を招き、実際に過去作品でも度々調整ミスを起こしているため、これらの調整には慎重にならざるを得ない事情は窺える。
      • 一応、百竜夜行のミッションの中に「モンスターを状態異常にする」項目があり、これを素早く達成できる属性重視の爆破武器には一定の需要がある。
  • 上述のように武器や技にバランスの問題を抱えてるのにもかかわらず、『MHW(:IB)』でなされていたアップデートによる武器のバランス調整には消極的な姿勢が見られる。
    • 直接的な調整であるモーションの火力や隙の軽減・増加などはされず、ほとんどが不具合修正に留まっている。
    • 追加モンスターの弾肉質など、直接的な調整を行わずにバランスを取る姿勢こそ見られるものの、裏目に出てしまっている。
    • 特に、武器種の中で火力面で完全に取り残されているにもかかわらず有利に使える不具合挙動は修正されたガンランス使いからの不満が多い。
    • いきなり完璧な調整を求めるのは高望みだがアップデートで修正してくれればよいという期待があったものの、公式が「『サンブレイク』の発売に合わせて武器バランスを調整する」と発表した。実際は『サンブレイク』配信の1日前に調整パッチを配信したが事実上は発売からサンブレイクまでの1年3か月の間、本作は武器の調整アップデートを放棄したに近しい。他の不満点で「エンドコンテンツが乏しい」というものがあったが、武器バランスの調整を一度もしない上にエンドコンテンツが乏しいということになり、不満点が複合して叩かれる要因となってしまっている。

ストーリー性の欠如

  • プロットを抜き出すと、本作のシナリオは「単に出来事が進むだけ」であり、感情移入や意外性のある展開や普遍的な要素がなく、ピンチなどの盛り上がりやメリハリに欠け、かなり物語構造が弱い。というよりも、ほぼ構造が存在しない。
    • 登場人物の固有名の設定などで人間NPCの「キャラクター性」は強まったものの、物語の骨格に寄与するような人物がおらず、シナリオ的な意味での存在感がない人ばかり。掘り下げがない、などと言われている。
    • 和風設定もストーリー面ではそこまで活かされておらず、拠点の雰囲気作りと住人の特徴づけ程度の意味合いしかなかった。
  • ストーリーの進行はNPCとのテキスト会話と最低限のムービーで済まされるのみで、ムービーはフルボイスではあるものの味気無さは否めない。
    • 視覚的にも文字情報的にもプレイヤーにとって「百竜夜行の脅威」を具体的にイメージさせるものがなく、結局主人公も歴代の主人公ハンターのように請われるがままに淡々と戦うだけであり、「自分自身が状況に貫入していく一体化感覚」を感じようがない。
    • 『MHW』のストーリーはNPCの扱いや描写こそ批判されたものの、ゲーム内でリアルタイムに展開されるシネマティックな演出やアドベンチャー部分自体は高評価を得ていた。ただし、これはスペックの都合もあるため、仕方ない部分もあるだろう。
    • そもそもストーリーの基本構造が「嵐を操る古龍に追い立てられたモンスターが里を襲う」と、『MHP3』とほぼ完全に一致してしまっている。もちろん、様々な要素により差別化はされているが、和風系の拠点ということも合わせて「オマージュ」というよりは既視感の方を強く感じる。
  • 村クエストのストーリーも、ストーリーというより事実が並んでいるだけで薄すぎる
    • メインモンスターであるマガイマガドも物語の根幹である百竜夜行とは直接的に関係なく、倒さないといけない事情はあるものの倒しても百竜夜行の解決そのものにつながらないという微妙な立ち位置である。
      • これまでのメインモンスターはストーリー上で実際にゲーム内で対峙する場面は複数あることが多いのだが、本作ではムービーイベントでの顔合わせ後にマガイマガド対策を進めるストーリーに移行、最後に会う時は決着をつけるクエストのため、ゲーム内で顔合わせする機会はたったの一回のみになってしまっている。
      • 50年前に被害をもたらした存在として、過去の災禍を現在の主人公が乗り越えるという流れになっていること、主要キャラであるフゲン、ハモンといったキャラとの因縁があるのだが、すべてあっさりと処理されていてヤマがない。
  • シナリオ自体、里クエスト→集会所下位→集会所上位と続く構成であるため、先に集会所から進めた場合はストーリーにも違和感が生じてしまう。
    • もっとも村クエストの概念がない『MHW(:IB)』を除いても、村クエストを進めないと重要な要素が得られないという作品が『MH4』から連続で8年以上、4作にわたって続いている上に
      もちろん今作でも里クエストを進めるように誘導した上でそうしなければ未クリアの表示が常に残り続けるのでこの状態でなおも里クエストを進めず集会所のみ進めるケースは限られると思われる。
  • 一部メインNPCの扱い
    • カゲロウとロンディーネの二名は公式サイトで紹介されている割にはストーリー上のテキスト会話ですら全くと言っていい程関わって来ない。
      • 一応二人とも施設を開いているため、何かしらの形でお世話になる事が多い。しかし、テキスト会話を見る限りでは武術の心得があるかのような内容が垣間見えるが、百竜夜行で彼らを呼び出す事は出来ない*32。ロンディーネに関しては「すぐにでも助太刀したいが、海の向こうにいる主が許可してくれない」と明確な理由が語られている。
    • そして一番影が薄いのがコミツである。ストーリーに関わる事は無くも無いが、出番は短く、ムービーのみである。
      • また、上述した2人と違い、ゲーム的な面でもお世話になる事は無いため、公式サイトで紹介されている割には他のモブキャラとほぼ同等な扱いになってしまっている。
      • 発売直後にカプコンが出したインタビューでコミツ役の声優が「上手に焼けましたー」の声を収録したことを述べているが作中には出てこない。収録したボイスをカットすることはゲームでは珍しくないが当初は現在と異なる描写をする予定だった可能性はありうる。

モンスターの仕様

  • マルチ補正は緩くなったとはいえ、モンスターの耐久力は前作『MHW:IB』から依然として高めの調整になっている。
    • 体力については、今作は操竜システムを筆頭にモンスターに大ダメージを与える手段が充実している上、翔虫アクションでハンター側の手数も大幅強化されているため、タフすぎるという印象は『MHW:IB』に比べるとかなり改善されている。
    • 部位耐久値については、おおむね全てのモンスターの部位が200~300代と過去作品と比べても高め。しかもその殆どが2回以上怯ませないと部位破壊が達成できない仕様となっており、部位破壊の難度は歴代シリーズでも高い。
    • 部位破壊で最も悪名高いのはボルボロスの頭殻で間違いないだろう。
      • 打撃属性でしか破壊できない条件はそのままに耐久値が不自然なほど引き上げられた。「ハンマーや狩猟笛で複数回スタンさせても壊れない」「頭しか殆ど攻撃せずに捕獲ラインまで削ってようやく破壊出来た」といった報告が相次いでおり、余りの壊し辛さに残り体力が絡んでいるのではないかとも推測されているが詳細は不明。
    • マガイマガドやラージャン、奇しき赫耀のバルファルクなどは体力に比べて全身の部位耐久値が高めで、特に体力の少ない複数狩猟、部位耐久値の跳ね上がるマルチプレイでは、一、二部位ほど破壊した時点で既に瀕死という状態も珍しくない。
  • 一部のモンスターは耐久値とは別ベクトルで部位破壊の難度が上昇している。
    • 『MHW(:IB)』ではリオレウス/リオレイアやプケプケの背中破壊は、乗り状態時に岩や樹木にぶつけさせることで容易に達成できたが、乗りがなくなった今作では武器でしっかり狙わないといけなくなり、部位破壊の難度が急上昇。一方、同じワイバーン骨格であるバゼルギウスの背中は、腹と部位判定が共有になったことで、腹を攻撃するだけで簡単に破壊できるようになった。*33上記3体にもこのシステムを流用することは出来なかったのだろうか。
    • トビカガチは前足の判定が『MHW(:IB)』からやたら狭くなり爪の入手が困難になった。捕獲でもそこそこの確率で手に入るのが救いか。
    • ジュラトドスはスリンガーの削除で身体に纏った泥を能動的に剥がせなくなってしまい、攻撃して怯ませるしか泥を剥がす手段がない。そこから更に攻撃して部位破壊達成となるのだが、戦闘中にも頻繁に泥を纏い直すため一部位も破壊できずに討伐してしまうことも多い。こちらも入手に部位破壊が大きく絡んでくる素材が無いのは救い。
  • エリア移動が多い
    • 従来作と比較すると、エリア移動の頻度が高く、フィールド上で追いかけっこになりがち。また、睡眠状態にしてから攻撃して目覚めさせると必ずエリア移動をするようにルーチンが組まれており、遅延が多い。
  • ヌシモンスターはそれぞれ固有の素材を持つが、その用途は百竜武器と一部の装飾品のみであり、防具が存在しない。
    • 強大なモンスターを制した証としてその意匠を取り込んだ武具を作成する事は、シリーズの魅力でもあり、この仕様を惜しむ声は多い。
      • 百竜武器にしても、デザインは初期装備の色違いもしくは重ね着による既存武器の模倣であり、見た目にはヌシ素材の意匠は全く感じられない。
  • 小型モンスターからの戦闘中の横槍が非常に激しい。
    • この点に関してはシリーズ全体を通して多く見られ、およそ聞かれないことがないほどよく聞かれる不満点だが、本作では明確にプレイヤーの妨害を狙ってくることが多く、ストレス要因になりがち。
      • 特に、限られたエリアにしか出現しないものの、デルクス*34の妨害は突き抜けた鬱陶しさ。
      • 何度も繰り返しプレイヤーを突け狙い吹き飛ばすケストドンも相当なストレス源。
    • 攻撃に巻き込まれて死亡するのもお構いなし。例によって、世界観やリアリティを損なっている。

ビジュアル面

  • オブジェクトがカメラに近づくと段階的に表示が消えていく。この際の方法が半透明にするのではなく網目状にグラフィックが欠落していくため汚く見えやすく、キャラが近づくだけでも手摺やテーブルなどが網目状に肉抜きされてしまうので不自然で見栄えが悪い。
  • カメラワークの問題
    • 三人称視点で自由に視点を移動できる3Dゲーム特有の、「カメラと操作キャラとの間に障害物があると強制的にカメラが極端にキャラへ接近して視界が悪くなる」問題が最近の作品と比べて気になりやすい。
    • 過去作でもこの問題がつきまとっており、作品を経る毎に少しずつ改善されてきたものの、本作では昔の頃のように気になりやすくなってしまった。
      • 直近の数作で比較すると、本作の壁際カメラはワーストクラス。壁だけでなく頭が見える程度の段差を背にするだけでもかなり視野が狭くなってしまう。
    • 『MHW(:IB)』でカメラがキャラに近いと指摘されることが多かったためか、本作ではカメラが引いていて視野が確保しやすい。この点自体は純粋に評価点なものの、逆に最も寄った状態でも従来作より引いているため、写真撮影時やモデリングを鑑賞するときなどには不便である。

システム関連

  • UIの練り込みが甘く、使い勝手に難がある
    • 特にやり玉に上げられるのが、『MHXX』までに存在した護石の専用管理メニューが消失したこと。
      性能がランダムに戻ったため、一覧しやすいリストでの管理は重要なのだが、何故か今作では削除されている。
      • 装飾品の管理画面は存在するので、この仕様は大きな疑問である。
      • このために装備構築や不要な護石をマカ錬金で処分する時に大きな手間がかかり、また、どのような護石があるのか把握しにくくなったためただただ不便でしかない。
    • マカ錬金で素材を選択する際や、アイテムボックスで護石のスキルを検索する際など、デジタルキーの左右でページスクロールできない。何度も使うメニューなのに効率が悪すぎる。
      • UIの悪さもあってマカ錬金で間違って必要な護石を処分してしまう恐れがあるが、ロック機能などがない。
    • +ボタンで出せる従来で言うスタートメニュー内での右スティック操作を「有効」にしても多くの場面で右スティックによるカーソル移動が無効でカメラ操作になってしまうため、移動しながらメニューを操作しにくい。
    • フィールドで地図を閲覧する際に、何故か操作がリバース操作に成っていて混乱しがち。
      • また、コクピット表示の全体マップと部分拡大マップをワンボタンでトグル出来ず、ショートカットの表示と同時に切り替わるかオプションからどちらかを選ぶかしかできない。旧作よりも操作性が劣化しており不便。
    • ショートカットのレスポンスが悪く、入力を受け付けるようになる時間が遅い。また、内部硬直の関係もあって反応しないことも多く、フラストレーションの原因になる。
    • ショートカットとターゲットカメラの受付時間の感覚が短くなっており、誤爆しやすい。
      • ハンマーで溜め歩きしながら誤爆してしまうと攻撃が暴発するため使い勝手が悪い。
      • また『MHW(:IB)』と異なりアイテムマイセットでアイテムショートカットの記録・読み込みができない。 パレットセットは4つまでしか保存できず、使用弾の異なるボウガンや弓を使い分ける場合都度パレットの入れ替えが必要となることが多くユーザーからの批判が多い。
    • 細かな点だが、『MHW(:IB)』にあったアイテムボックスの換金アイテムの一括売却機能がなくなった。
  • ロビーの仕様
    • まずロビーに部屋名を付けることが出来ないことが挙げられる。
      任意の募集文を使用した目的にあった集会所のマッチングが大幅にやりづらく、価値観の合ったプレイヤー同士の同流や目的ごとのスムーズな募集などが不可能で、ロビーが下火になる原因になってしまっている。
      • この仕様については『MHW(:IB)』からの仕様であり、世界同時展開になったことによる影響が大きく、全世界のプレイヤーが部屋名をチェックできるようにするために定型文のみでの部屋名になってしまったものだと思われる。
    • しかし選択できる文章が多くなく、到底ニーズに見合っていないため役に立っているとは言いがたい。
      • しかしながらそうした問題への対処を諦めて、十分なゆとりのあるブラックリストや検索除外ワードリストなどの処置もないのは一般ユーザーの利便性を顧みていないとの批判も避けられないだろう。
    • ロビーに入室する際、メンバーの装備武器種やクエスト状況などの情報が見られず、ロビーに入ったのに参加要請で参加枠が埋まっていてクエストに参加できないなど検索の使い勝手が悪い。
      • Switchの前作に当たる『MHXX』では集会所に入ったら挨拶しあったり気軽に交流したりという光景が繰り広げられ、大変な賑わいを見せていたが、今作では「 集会所なのに挨拶すらしない *35」「身内以外には妙によそよそしい」「入っても枠が救難で埋まってしまっている」と、前作とはまるで正反対な殺風景なオンラインになってしまった。
  • 「グッド機能」の意義が薄い
    • グッドされることでわずかながら実利的なメリットがあり(フレンドも含む)全員に送ることができるため、マルチプレイではクエスト終了後には事務的にグッドしあう風潮が強く、逆に「グッドしないことで(事実上)低評価を送る」ような使い方も目立っており、開発の想定とは異なった使用方法になっている。
      --また、クエスト終了後は剥ぎ取りや落し物の回収などで忙しいのにチマチマした作業を行う必要があるのも面倒くさいと言った反応もままある。
      • 「(事務的にやるだけだから)自動グッド送信/返信機能が欲しい」「いっそ消して欲しい」などあまり評価には恵まれていない結果になった。
  • 集会所はアクセスしたい機能が集中しているが、何故かフレンド機能や部屋検索など重要な機能を持たされた郵便屋だけが設置されていない。
    • マルチプレイの観点からは一番使いたいNPCなのに集会所にいないという本末転倒な状態になっている。
  • 食事効果リセット潰しが組み込まれている
    • 従来であればクエストから帰還すれば食事のスキル付与はリセットされていた(メシリタといわれる小技)のだが、今作ではリセットしても同じスキルしかつかない仕様になってしまい、目当てのスキルが付くまで意味不明に無駄な手間を食う仕組みになってしまった。
  • 『MHW(:IB)』にあったアクション確認用小動画の廃止
    • 前作では武器や特殊なアクションを行うアイテムの説明の場合にはゲームプレイ時の小動画が付いていたのだが、本作ではその表示が全て廃止。
      一応テキストの説明はあるのだが、アクションの説明は文字だけでは分かりにくいものが多いので入れ替え技を選ぶ時はやや困りやすく、実際にアクションを行わないとどんなものかが分かりにくい点があるのは不便である。
      • スペック上の問題点もあるかもしれないが他のSwitchのゲームのチュートリアルではちゃんと表示される事が多いので不満点になりやすい。
  • オトモガルクの仕様
    • オトモガルクの前身として『MHW』ではオトモダチモンスターが、『MHW:IB』ではモンスターライドのシステムが存在するのだが、本作ではその内後者のように「騎乗するためだけに呼び出す」システムがオトモガルクには存在しない。
      • 『MHW:IB』と違い、本作ではオトモをアイルーのみに設定しているとガルクの騎乗システムは全く使用できない。戦闘補助ではアイルー・ガルクに有用性の度合いに隔たりはないものの、戦闘に関係しないフィールドの移動面ではアイルーだけがかなり不利になってしまっている。
      • ソロではどちらか一匹をガルクに設定してしまえばこの問題は解決できるが、マルチプレイではどちらか一匹しか連れていけない。
        現在でこそガルクを使用せずに効率良く移動する手段も考案されているが、騎乗のためだけに呼び出せなくなった点に関しては不便になってしまったと言える。
  • キャラクリ時の問題
    • 本作のキャラクリのパーツは『MHW(:IB)』からやや少なくなっている。
      • スペック上の問題で表現できる顔が少なくなってしまったのかもしれないが、単純に顔の表現の幅が少なくなったのは劣化点である。
    • 『MHW(:IB)』と同様の仕様だが、一度作ったキャラクターの外見は髪型などの一部だけは自由に変更できるが、大きく変更するには有料DLCの「身だしなみチケット」を消費する。(2枚だけは無料で配布される)
      追加料金がかかることに異論がある者もいるだろうがそれ以前の問題としてどういうわけか身だしなみチケットは買える数が固定されている。
      一つのアカウントにつき無料配布2枚と限られた購入可能数分しかチケットを得る手段がない。最終アップデート後の時点では最大14枚を使い切ったらそのアカウントではもう変えられない。
      いわゆる性別(タイプ)の変更にもチケットが必要で男女の異なるファッションを同キャラで使い分けたいなどの需要にも制限がかかるので金に糸目は付けないから何度でも変えたい人間には不満となる。
      一つのアカウントで同時に3キャラを作ることができ(削除して再作成も自由にできる)、兄弟や身内で共用して遊んだり、男女で2キャラ並行して育てるなどの用法はありうる中で最大まで見積っても変更回数が15回未満というのは少ない。
      がめつい商法というわけではなくどういうわけか買いたくても買えないという謎の仕様となっている。
      • 後発のSteam版や『モンスターハンターストーリーズ2』も同じ上に、次回作の『サンブレイク』配信に合わせて買うことのできる権利の追加をしているため意図的な仕様なのだろうが理由は不明。
  • 写真アルバムの保存数が少なく感じやすい。
    • 本作のカメラ機能で撮影した写真はSwitch本体のアルバムやSteamのスクリーンショットフォルダと同時にゲーム内のアルバムにも保存されるほか、アルバムに保存してある写真はモンスターや環境生物のリストや自宅のフォトフレームやギルドカードにも貼り付けることができるのだが、アルバムの保存数の上限が300枚なのに対して貼り付けられる全ての箇所に写真を貼り付けると計117枚の保存枠を占有する。
      • モンスターリストの写真を全て貼り付けても特典はないので趣味の領域だが、環境生物リストに関しては全ての環境生物に写真を貼り付けることによって得られる勲章があるため、勲章コンプリートを狙う場合は避けては通れない。
    • 先述の通り、ゲーム内に貼り付ける必要がない写真はゲーム内アルバムから削除しても本体アルバムやスクリーンショットフォルダの写真は保持されるので、不要な写真はこまめに削除することによって対策ができるが、上限に達していると新たに写真を撮影することもできない。

+ アップデートで修正された点
  • 『MHW(:IB)』ではアイテムボックス内では装備品以外は採取・調合アイテム、弾・瓶、モンスターの素材と言った具合に自動的に小分けされたのだが、本作では従来のように全て一色端にまとめられるようになってしまっている。
    • アップデートにて『MHW(:IB)』の仕様へと戻された。
  • 『MHW(:IB)』では不要な場面で食料アイテムを使用すると、自動的にポーチにしまい、アイテムを無駄に使用しないようになっていたが、本作ではその仕様が何故か撤廃されてしまい、間違って選択すると従来のようにアイテムを無駄に消費しやすくなってしまった。
    • アップデートにてこちらも『MHW(:IB)』の仕様へと戻された。
  • 道具屋が半額セールを行っている時に道具屋に近付くと祭囃子が聞こえるようになるのだが、受付嬢や集会所のゴコクの近くにあるせいで、ストーリーに関わる真剣な話をしている真横で「ピーヒャラピーヒャラ」と緊張感のない音が流れて雰囲気が台無しになってしまうと批判が少なくない。
    • アップデートでオプションにてセール中のBGMをオフにできるようになった。
  • 全体的にヒットエフェクトの火花が飛び散る表現が量・まぶしさなどで過剰なきらいがあり、設定を「控えめ」にしても、4人プレイ時だとモンスターがまともに見えないことがしばしばある。オトモガルクを連れていたり、徹甲斬烈ガンナーがいると顕著である。
    『MHW』ではエフェクトが地味になった事で問題になっていたが、本作では逆にうるさすぎて戦闘時の視認性が悪くなってしまっていた。
    • 全員ガンナーであればさほど問題はないが、至近距離で戦う剣士にとってはモンスターが見えにくいことは死活問題である。
    • アップデートでオプションにヒットエフェクトを調整する機能が追加された。
  • 操竜の仕様の特殊性
    • 「乗り」は意図的に乗るための攻撃を当てないと移行せず、攻撃を出したキャラ以外は乗りに移行しなかったが、「操竜」は翔虫を使ったジャンプ攻撃や鉄蟲糸技を当てることでも操竜ダメージを蓄積してしまう。さらに操竜待機状態を見逃して攻撃してしまうと、意図せずプレイヤーが操竜を始めることにもなる。
      • 操竜待機状態になると一定時間手出ししにくい状態となり、ほぼ操竜せざるを得ない。そして操竜が持つメリットの多くは近くに他の大型モンスターがいる場合に発揮されるため、状況次第では若干損とも言える。
      • 一方で操竜待機状態への移行を見極められるなら、確認後に溜め技を狙ったり、アイテムを使用して体勢を立て直したりなどもできる。操竜中は突進離脱で壁にぶつけると、即キャンセル+ダメージ+ダウンが可能となっている。また操竜タイマー持続内であれば、高速移動が可能で他のモンスターに殴り込みをかける、突進離脱で相手を操竜待機状態にして乗り移るなどの芸当も可能である。
    • 他にも操竜中のモンスターはダメージが大幅カットされる仕様や、モンスターごとの操竜性能の違いや事前の動作確認できないなど、これまでにない特殊性は極端すぎるわけではないが経験と慣れを必要とする部分が多い。
    • アップデートにより、オプションの項目に操竜待機状態に操竜するかどうかの設定の有無が追加され、半ば操竜を強制する仕様ではなくなった為、この点はある程度解消されたと言える。
  • 登場ムービーの仕様
    • 本作の登場ムービーは集会所のクエストで初邂逅するモンスターの場合、途中参加ではムービーが流れず、ギャラリーに一切追加されない。
      • 特に問題視されたのは、ある緊急クエストでしか流れないムービー。一度クリアすると再度受注できないため、途中参加でクリアしたプレイヤーは他のプレイヤーのクエストに参加予約をしない限りは、一切見る事が出来ない…という問題が発売当初にあった。
      • アップデートにより、途中参加でもクエスト終了後には追加される仕様へと変更された。
  • バグ、不具合など
    • 初期バージョンは、マカ錬金で排出される護石が固定化される深刻なバグが存在した。
      • 確実に発生するわけではないが、理想の装備を目指すというゲームの根幹にかかわるバグであったため、一時はセンセーショナルな話題として取り上げられた。
      • アップデートによりこのバグは修正された。

総評

『MHW(:IB)』の成功を受けて、携帯機作品にもそれらの進歩点を取り入れることが待望されており、本作をもってようやくファンの願いが叶えられた。 その期待通りに『MHW(:IB)』のシステムを概ね踏襲しつつ、より快適さや軽快さを重視した作品に仕上がっている。
『MHW(:IB)』で批判されがちだったクセの強いNPC、乱入、クラッチクロー、ロード時間などの問題点も払拭されている。
引き続きシステムの見直しも進み、少なくとも快適性に関してはシリーズ屈指の出来と言ってよい。
一方でエンドコンテンツの少なさ、武器の調整、護石の仕様、これまでのアップデート内容などシリーズ物としての課題も残しており、目玉の一つであった百竜夜行も賛否両論であり、改善をすべき点も多い。
とはいえ、Switchとしては描き込まれたグラフィック、単体のゲームとして十分にリッチなコンテンツ、シリーズに上乗せされた翔虫やガルクのアクションなどの快適なゲームプレイなど、間違いなく「良作」と言えるゲームである。


Steam版

  • 2022年1月13日にWin(Steam)版が発売された。Switch版とのクロスプレイ・クロスセーブには対応していない。
    • なお、ストーリーの内容はSwitch版で言うところのver.3.0までの内容が配信開始時点で最初から収録されている。
    • 現在、Steam版の配信内容はSwitch版と同期しており、後述する拡張コンテンツ『サンブレイク』もSwitch版と同じ2022年6月30日に配信。
  • 内容は基本的にSwitch版と同一だが、PCのスペックに応じた解像度・フレームレート*36・テクスチャなどのグラフィック品質の向上、ロードの高速化、ウルトラワイドディスプレイ対応、ボイスチャット対応、キーボード&マウス操作への対応といった変更点がある。
    • また、Steam版の大きな独自要素の一つとしてフィルター機能が搭載されており、モノクロ/セピア/和風/戦国風といったフィルターを画面全体にかけることが可能で、シネマ風のフィルターでは、サウンドにも古い映画の音を再現するフィルターがかかるようになっている。

余談

  • 本作の企画は『MHX』発売後にスタートしており、『MHXX』や『MHW(:IB)』とは同時進行で開発が進められていた事が明かされている。
    本シリーズでは初採用となる自社製ゲームエンジンの「RE Engine」の採用に伴い、開発が長期化したという。
    • 当初はハードの制約もありシームレス非対応だったなど、開発過程で内容が大きく変化していった模様。
  • 本作のPVではシリーズでは初となるゲーム内では全く使われなかったと思われるプリレンダ形式のムービーが存在する。
    • 例として上げるとガルクが大社跡を駆けてハンターに合流する、百竜夜行で駆け抜ける赤い目をしたモンスター群、ハンターがマガイマガドと対峙するシーンなど。
    • ゲーム内で収録されなかった明確な理由は不明だが、恐らくプロモーション用に作られたのではないかと思われる。
  • ミノトが描くイラストは公式サイトの狩猟の導き書と言うコーナーで閲覧できる。
    • なお、これらイラストは発売前にも公式のSNSで公開されていた。
  • 大型モンスターの中で長らく別名が付けられていなかったフルフルだが、本作への登場を期にようやく設定された。初登場から実に17年経ってのことである。
    • その名も「奇怪竜」であり、設定上で本種が属する奇怪竜下目から取ってきたと思われるが、実にフルフルらしいネーミングセンスだと言えるだろう。
      • なお「電怪竜」はギギネブラ(亜種)を現す別名として存在していた。
  • TETRIS 99』とのコラボ祭が開催された。
  • ソニックフロンティア』は本作との相互コラボを行なっており、本作側ではソニックやテイルスを模した装備やソニックの置物などを獲得できるイベントクエストの配信が、『ソニックフロンティア』側ではソニック用のレウス装備衣装や肉焼きセットのミニゲームが含まれたコラボDLCパックの配信が行われた。
    • 『ソニックフロンティア』のDLCはあくまでモンスターハンターシリーズ名義でのコラボとなっているが、肉焼きのBGMは本作のものが使用されている。
    • ちなみに『サンブレイク』までを含めても、ソニックシリーズとのコラボが本作における唯一の他社ゲームとのコラボレーションとなった(他のカプコン社外とのコラボクエストにはユニバーサル・スタジオ・ジャパンとのコラボクエストが存在)。
      • なお、これらの他社とのコラボコンテンツは2024年1月21日をもって配信終了となる(公式サイト)。
  • 2021年12月16日にパッケージが廉価版として税込5,990円で発売DL版も同額になっているため事実上の値下げとなっている。
    • 2022年10月12日に全世界販売1100万本達成の発表と共にダウンロード版の価格が税込3,990円に改定された。
      • さらに、Switchの廉価版が2022年11月25日から税込4,389円に変更。
  • Switchの無料体験イベント、いっせいトライアルの米国版において本作が対象になった。2022年3月11日から同年3月17日まで。
    • 『サンブレイク』の前に宣伝戦略としては妥当だがモンハンがこのキャンペーン対象になるのは初のケース。

その後の展開

  • 大型追加コンテンツとして『モンスターハンターライズ サンブレイク』が2021年9月に発表され、2022年6月30日に配信された。
    • Switch版は本作とセットになった『モンスターハンターライズ + サンブレイク セット』も発売されている。
  • 2023年1月20日にPS5/XSX/PS4/One/Win(Microsoft Store)版が発売された。
    • その時点で『モンスターハンター ストーリーズ2』が発売されていなかったハードでは同作のコラボクエストが未収録だがそれ以外は概ね同一。
    • なお、大型拡張の『サンブレイク』も2023年4月28日に上記の機種で発売した。
+ タグ編集
  • タグ:
  • カプコン
  • モンスターハンターシリーズ
  • ACT
  • 狩りゲー

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月19日 19:20

*1 通常のSwitchはハイブリッド。

*2 『MHX』のニャンター、『MHF』のオリジナル武器種を除く。

*3 カプコン独自ゲームエンジンの中でも最新世代のエンジン。

*4 クエストターゲットではないモンスターは低く設定されている。

*5 ガンナーの弾攻撃も含む

*6 古龍については「妖怪より格上となる自然や神から取っている」とのこと。

*7 力尽きても消えない

*8 セリフの頻度を段階的に調整する事が可能であり、従来通りの掛け声のみにする事もできる。また、他プレイヤーのボイスもオフにできる。

*9 武器倍率に武器種毎の定数(武器係数)を乗算している。

*10 こうした声は『MHW』の頃から見られる。

*11 過去作でいうライゼクスに近い。

*12 もっともこれは『MHW』が常時オンライン接続前提のゲームであったという事情もある。

*13 インターネットに投稿されたファンアート点数もこの種の作品としては多い。

*14 その他、ウルクススやジュラトドス、そしてまたイソミネクニに関しても、生息するエリアや特殊な移動方法を行わせる都合上登場させられなかったと考えられる。実際『MHW:IB』に登場した導きの馳では砂漠地帯に沼地エリアが無かったためか、ジュラトドスが登場しなかった。

*15 モンハンのモンスターはリアルさを強調した「力強い生物」なので既存の設定が出来上がっている生態を幻想的な妖怪に擬すのは少し強引とする意見もある。

*16 過去作では、一部のモンスターにはムービーが無い、または一部のモンスターにしか用意されていないというのが珍しくない。

*17 初期装備を除けば防具や武器のデザインが西洋風中心になって里の雰囲気から浮きやすい。

*18 女性の少年ボイスは日本語版のみであり、英語ボイスでは男性の若者に差し替えられている。

*19 『MH(無印)』から登場する魚竜種のモンスター(本作では未登場)。ハンターが侵入不可の水中から攻撃を仕掛けてきたり、当たり判定がズレている攻撃(通称;亜空間タックル)等から、理不尽なモンスターの筆頭といえる扱いを受けていた。

*20 他のモンスターは「モンスターの幼体」と、成体モンスター名はぼかされている。

*21 現実世界に合わせて集会所の内装、BGM、スタッフの服装や料理の見た目が変更される期間があった。

*22 オフボーカル版に関しては元々ボーカルのある楽曲をルームサービスのいるエリアに設定すればて聞くことができる。ただし、オフボーカル固定になるが

*23 闘技大会クエストかチャレンジクエストをどれか一つでもSランクでクリアするというもの。かなり入手難易度が高い上に今作の闘技大会はSランクまで頑張らないと得られない報酬はな他にないので自己満足のためのものと誤認しやすい。

*24 本作においても開発体制を工夫したことが語られている他、当時最新作であった『MHW:IB』でもアップデート延期の要因になっている。

*25 ver.2.0ではPVにて大々的に発表されたオオナズチを中心にクシャルダオラ、テオ・テスカトルの古龍3体に加えてヌシ・リオレウス、ヌシ・ディアブロスと2体のヌシモンスター、更にサプライズ枠としてバゼルギウスと非常に多数のモンスターが追加されたものの、ver.3.0では奇しき赫耀のバルファルクとヌシ・ジンオウガ、真・ラスボスの3体のみである事が、逆に「序盤の勢いは良かったがすぐに失速してしまった」という印象を与えてしまっているきらいがある。

*26 理論値上の最高性能を手に入れる前に隕石が自分に落ちて死亡する確率の方が高い。文字通りの天文学的確率となっている。

*27 任天堂コラボのようなハード毎の案件がやりづらい。

*28 複数の企業が絡むアニメ・漫画のコラボは版権の都合で海外展開されない事が多い。

*29 本作では、「回避ランス」という従来のスタイルをほぼ見なくなってしまった

*30 これ自体は半ばシリーズ恒例だが、本作では代名詞の竜撃砲など砲撃が使い勝手を改善した引き換えに威力面で弱体化を喰らっているため余計に弱く感じやすくなっている。

*31 体験版時点で低評価だった理由の一つが、この通常型猟虫で固定されていたことだったりする。

*32 ハモンとゴコクに関しても同様の仕様。

*33 ディアブロスも『MH4G』以降、この部位判定が採用されている。

*34 砂を泳ぐ鮫のような敵。

*35 過去作ではマナーとされていた。ただし、システム上自動で振り分けられる『MHW(:IB)』では挨拶しない人も珍しくなかった。

*36 ただし、ムービーシーンのフレームレートはSwitch版から変化が無い。