初期キリスト教美術
紀元2世紀末から3世紀はじめにかけて地中海沿岸の各地にローマ美術の流れを汲んだ
キリスト教美術が誕生した。以降キリスト教美術は1500年以上に渡って東西ヨーロッパにおける美術の中核を担っていったが、キリスト教の誕生から5世紀後半までの美術を初期キリスト教美術と呼称している。
- ローマのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂
- ラヴェンナのガッラ・プラキディア廟堂
ビザンティン美術
330年、コンスタンティヌス1世により帝都がコンスタンティノポリス(現イスタンブール)へ移されたことがきっかけで美術活動の重心も東方へと移っていった。これによって初期キリスト教美術に古代アジアやサーサーン朝ペルシアの美術的要素が融合し、ビザンティン美術が確立された。
- ハギア・ソフィア大聖堂の内部
- チェファル大聖堂の大構図モザイク装飾
- オシオス・ルカス修道院
- コーラ修道院
初期中世美術
476年の西ローマ帝国滅亡後、ゲルマン諸族の国家が次々と誕生した。ガリアの地においてもゲルマン民族の手によってブルグント王国が成立したが、5世紀後半にクロヴィス1世率いるフランク王国によって滅ぼされた。クロヴィス1世は都をソワッソンへ移し、ローマ文化を積極的に取り入れ、ローマ帝国の継承者としてメロヴィング朝を興した。
こうした経緯によって培われたメロヴィング朝の美術は工芸品分野において優れた技術を見せており、ゲルマン民族特有の豪華な装飾と、ガリア土着の伝統が融合した独特の様式を呈していた。
ロマネスク美術
9世紀から10世紀にかけて、ノルマン人やサラセン人などの異教徒の脅威により、カロリング朝はユーグ・カペーへその王権が引き継がれ、フランク王国は事実上の解体をみた。激動する社会情勢の影響を強く受けた西欧美術も同様に再び大きな変革を迫られることとなった。
ロマネスク美術は、そうした社会的変動を背景として初期中世美術という基盤を発展させ開花した、11世紀後半から12世紀にかけての西欧美術を指す。
- (伊)サンタンジェロ・イン・フォルミス教会の「栄光に輝く主キリスト」(11世紀末)
- カタロニアのリバスの祭壇画「栄光の主キリスト」(12世紀初頭)?
- (西)サン・クレメンテ教会の「栄光の主キリスト」(1123年)
- (西)サン・イシドロ教会の「栄光の主キリスト」(12世紀)
- (仏)サン・サヴァン修道院聖堂の天井壁画「最後の審判」
- コンクの聖女フォワの遺物像
ゴシック美術
ロマネスク美術の延長線上に位置付けられるゴシック美術は12世紀半ばごろより始まり、人間的・写実的な表現を特徴とし、ロマネスク美術の象徴的・抽象的な表現とは対照的な様相を呈している。
- サン=ドニ大聖堂
- シャルトル大聖堂の南周歩廊にある「美しきステンドグラスの聖母」
- チマブーエ(Cimabue、1240年頃-1302年頃)
- ドゥッチョ(Duccio di Buoninsegna、1255/1260年頃-1319年頃)
- ジョット(伊: Giotto di Bondone、1267年頃-1337年1月8日)
- ピエトロ(Pietro Lorenzetti[Laurati]、1280年頃-1348年)
- シモーネ・マルティーニ(Simone Martini、1284年頃-1344年)
- フラ・アンジェリコ(伊: Fra' Angelico / Beato Angelico、1390年 / 1395年頃 - 1455年2月18日)
ルネッサンス美術
ルネサンスは「再生」を意味するイタリア語 rinascita から派生した呼称であり、古典古代文化の復興という思想のもと、ギリシア美術やローマ美術の復活と自然の美や現実世界の価値が再発見され、人間の尊厳が再認識された時代を指す言葉となった。
- カルロ・クリヴェッリ(Carlo Crivelli、1430年頃?-1495年)
- レオナルド・ダ・ヴィンチ (伊: Leonardo da Vinci、1452年4月15日-1519年5月2日)
- ミケランジェロ(伊: Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni、1475年3月6日-1564年2月18日)
- ラファエロ(伊: Raffaello Santi、1483年4月6日-1520年4月6日)
- エル・グレコ(El Greco、1541年-1614年4月7日)
バロック美術
異論はあるものの17世紀の西洋美術時代様式を一般にバロック美術と称する。
- カラヴァッジョ(伊: Michelangelo Merisi da Caravaggio、1571年9月28日 - 1610年7月18日)
- ルーベンス(蘭: Peter Paul Rubens オランダ語: [ˈrybə(n)s]、1577年6月28日 - 1640年5月30日)
- ラ・トゥール(Georges de La Tour,1593年3月19日 - 1652年1月30日)
- レンブラント(蘭: Rembrandt Harmenszoon van Rijn、1606年7月15日 - 1669年10月4日)
ロココ美術
1710年代から60年頃までのフランスの美術様式を中心とした時代様式を一般にロココ美術と呼称する。
- フランソワ・ブーシェ(François Boucher, 1703年9月29日 パリ - 1770年5月30日 パリ)
近代
フランス革命から第二帝政期に至る18世紀から19世紀にかけてのフランスを中心とした美術様式は、一般に新古典主義、ロマン主義、写実主義の3期に分けて考えられている。
- ゴヤ(Francisco José de Goya y Lucientes、1746年3月30日 - 1828年4月16日)
- ドラクロワ (Ferdinand Victor Eugène Delacroix, 1798年4月26日 - 1863年8月13日)
- ブグロー(William Adolphe Bouguereau, 1825年11月30日 - 1905年8月19日)
- ヴァスネツォフ(Виктор Михайлович Васнецов / Viktor Mikhailovich Vasnetsov, 1848年5月15日 - 1926年6月23日)
- ミレー(Jean-François Millet、1814年10月4日 - 1875年1月20日)
最終更新:2017年07月29日 14:52