幽☆遊☆白書2 格闘の章
【ゆうゆうはくしょつー かくとうのしょう】
| ジャンル | 格闘アクションゲーム |  | 
| 対応機種 | スーパーファミコン | 
| メディア | 16MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | ナムコ | 
| 開発元 | ナムコ、トーセ | 
| 発売日 | 1994年6月10日 | 
| 価格 | 9,600円(税抜) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | オーソドックスな格ゲー 原作再現度は高い
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| 幽☆遊☆白書シリーズリンク | 
 
概要
スーパーファミコンにおける幽☆遊☆白書ゲームの2作目。
独創的なシステムを採用していた前作に対して、オーソドックスな格闘ゲームとなっている。
必殺技は体術系と霊撃系に分かれており、霊撃の使用には霊力ゲージを消費するなど独自要素も存在する。
特徴・評価点
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キャラクターは浦飯幽助、桑原和真、蔵馬、飛影、幻海、朱雀、酎、陣、死々若丸、戸愚呂30%の10人に、隠しコマンドを入力することで使用可能になる覆面幻海、少女幻海、戸愚呂80%、戸愚呂100%を足した14人。
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若干少ないものの、原作での出番や人気を考慮するとチョイス自体は無難であり、主要キャラを差し置いて脇キャラが採用されるような現象は起こしていない。
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とはいえ原作において暗黒武術会編以降も登場する凍矢、強烈な個性で人気を誇る鴉などが参戦していないことを惜しむ声もある。
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また、隠しキャラの4人はそれぞれ幻海、戸愚呂30%から見た目や技の流用が多いいわゆるコンパチキャラである。とくに戸愚呂80%は肌の濃さと一部技の攻撃範囲以外まるで一緒。
 
 
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グラフィックはよく描かれており、キャラゲーとしては十分に及第点。塗りの雰囲気などアニメ版のキャラデザを忠実に再現できている。
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背景の書き込みも細かく、朱雀ステージの背景には逃げ回る蛍子とぼたんの映像が映し出され、戸愚呂ステージの背景には垂金と雪奈が、暗黒武術会のリングでは審判の小兎や瑠架が背景でキャラクターの動きを追ってアニメーションするなど、原作再現へのこだわりが感じられる。
 
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ストーリーモードがよく出来ている。
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単に原作通りの組み合わせでバトルが行われるだけではなく、数枚のグラフィックとともにストーリーのダイジェストが挿入され、前後の流れを把握できる。
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ダイジェストといっても割と尺があり、未参戦のDr.イチガキ戦もアニメーション付きで再現されるなど、意外と力が入っている。
 
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原作再現のため序盤は全ての技を使うことができず、ストーリーの進行に合わせて霊撃を覚えていくという珍しいシステム。
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暗黒武術会では幽助、桑原、蔵馬、飛影、幻海の5人からキャラクターを選択することができ、原作における六遊怪チーム戦や魔性使いチーム戦のような出場キャラの選択を楽しむこともできる。
 
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原作に登場した技はほとんど使用可能。原作からして技の数が多くないためでもあるが……
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「死出の羽衣」「霊光鏡反衝」など一見すると格ゲー向きではない技もきちんと網羅されている。
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幽助の「ショットガン」や幻海の「霊光弾」は至近距離だと威力が上がるなど、原作の設定が活かされている。
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霊力ゲージを全消費する「超霊撃」の演出は迫力があり見栄えが良い。
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ただし一部を除いて隙がかなり大きいため、ロマン技としての趣きが強い。
 
 
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格ゲーとして特筆するほどの個性はないが、逆に大きな欠点も少なく、バランスはそれなりに良好。
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技の硬直やノックバックの時間が短めで、バトルのテンポは良い。
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一部の霊撃はボタンにより強弱を打ち分けることができ、例えば霊丸であれば弾の大きさが変化し、性能も若干異なるため、使い分けが求められる。
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CPUのAIの出来も良い。
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特に難易度を最高の「激ムズ」に設定した際の挙動は妙に凝っており、隙を見せるとすぐに必殺技が飛んできたり、無敵時間を利用して懐に飛び込んでくるなど、かなり歯応えがある。
 
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一応の特徴として気絶ゲージが存在している。
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先述の「超霊撃」を放つと自分の気絶ゲージがほぼMAXにまで跳ね上がるというリスクが存在する為、適当なぶっ放しは許されないというバランス取りがなされている。
 
 
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霊力ゲージが無限に使用できるトレーニングモードが搭載されているため、好きなだけコマンドの練習が可能。当時の格ゲーで実装しているのは意外と珍しい。
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L+Rボタン同時押しでランダムに霊撃が出る。コマンド入力が苦手でも楽しめる原作ファンの年齢層を意識した当時としては珍しい親切な機能である。
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ストーリーモード高難易度では使用不可能となるやり込みユーザーへの配慮もあり。
 
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BGMが好評。ハイテンポで闘志を掻き立てる熱い曲調となっており、下手をするとゲーム本編より評価が高い。
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サウンドモードが搭載されているため、存分に曲を聴くことも可能。
 
問題点
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前述の技硬直の短さの影響もあり、ハメが発生しやすい。
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画面端などの条件を要することが多いとはいえ、飛影や戸愚呂100%などの技の出の早いキャラは適当に蹴り続けているだけでも半ハメが成立することも。
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また攻撃判定の発生が長い技であればいわゆる「起き攻め」も可能。相手の起き上がりに技を重ねるだけでハメ殺すことができる。
 
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ダッシュ移動や二段ジャンプはできるキャラとできないキャラが分かれており、キャラによって立ち回り性能にかなりの差がある。
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一部キャラの性能が圧倒的。
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戸愚呂100%は広い間合いと弱攻撃並の発生の速さを持つ投げを持ち、通常技も軒並み高性能。体格の大きさもあって攻撃のリーチが極端に長い。
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それでいて攻撃力もトップクラスなので、適当にガチャプレイしているだけでも十分に強い壊れキャラ。
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超霊撃についても、他のキャラは「発生が遅い」「霊撃の進む速度が遅い」「ガード可能」といった欠点のうちいずれか2つは当てはまるのに対し、「発生が速い」「霊撃の進む速度は遅いが戸愚呂100%自体が馬鹿でかいためジャンプ力のないキャラではわかっていても回避が困難」「ガード不可」なため1つ抜けた性能を誇る。
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ラスボスとして意図的に強く設定された隠しキャラであることを考慮すれば、後述のキャラよりマシとも言える。
 
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飛影は戸愚呂100%ほどではないにせよ技の発生が速く、ダッシュ可能で移動スピードも速いため立ち回りにとても強い。
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それ以上に飛影を強キャラ足らしめているのが当身避け技「残像」であり、「残像」の持続時間中に飛影が攻撃を受けると入力可能な状態で相手の背後に瞬間移動する。当然、背後から確定で攻撃を当てることができるため、回避と攻撃が両立できているうえに、「残像」は飛び道具にも有効で、かつ1Fで発生するという超性能。
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厨二心をくすぐるネーミングで有名な超霊撃「邪王炎殺黒龍波」も非常に長い無敵時間と、極めて回避しにくい横長の判定を持つため使いやすく、あらゆる面で恵まれていると言える。
 
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そのほか、技の無敵時間が極端に長く発生も速いため、「霊剣」であらゆる攻撃を受け流せる桑原など、強いキャラはとにかく強い。
 
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BGMが好評なのは前述した通りなのだが、対戦時に自由に選べない。数人が共用するステージでは特定のもののみが流れる。
総評
キャラの性能のバランスや細かな調整は大味ではあるが、当時の格ゲーブームに乗じた粗悪なキャラゲーが横行する中、十分遊べるゲームバランスと原作へのリスペクトを感じさせる作りになっており、オーソドックスながらキャラゲーとしては悪くない出来。
(一部キャラを禁止すれば)対戦ツールとしてもしっかり機能する。グラフィック優先ならこちらが、多人数プレイがしたいなら『魔強統一戦』が推奨される。
最終更新:2025年01月26日 07:28