トウィンクル クイーン
【とうぃんくるくいーん】
ジャンル
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多人数美少女格闘ゲーム
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対応機種
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Wii
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発売元・開発元
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マイルストーン
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発売日
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2010年8月26日
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定価
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5,800円(税別)
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プレイ人数
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1~4人
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象) |
判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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エロゲーキャラのお祭り格ゲー バグが多いがかろうじて遊べる
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BaseSon作品リンク
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ういんどみる作品リンク
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概要
マイルストーン開発の格闘ゲーム。
エロゲー原作のキャラクター12人が登場する。
登場キャラクター
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真・恋姫†無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~(BaseSon)
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祝福のカンパネラ(ういんどみる)
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カリーナ・ベルリッティ
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チェルシー・アーコット
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アニエス・ブーランジュ
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タユタマ -Kiss on my Deity-(Lump of Sugar)
特徴
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コントローラは、Wiiリモコン+ヌンチャク、クラシックコントローラ、ゲームキューブコントローラの3種に対応。
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ルールは1vs1、2vs2、1vs1vs1vs1(いわゆるバトルロワイヤル。)の4種類。
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基本ルールは2vs2で、公式大会もこれを採用している。
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2vs2では人間2人でチームを組むことも可能。
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2vs2の場合、体力ゲージは2人共孤立している。特定のコマンドで交代が可能で、待機キャラは徐々に体力が回復する。
操作方法
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基本的な攻撃は弱中強ボタンで行う。
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キャラごとに定められたコマンド入力で必殺技を出せる。例えばましろなら波動拳コマンドに対応している。
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中強同時押しでソリダリティアタックが発動。成功すればパートナーと交代する。攻撃を受けているときにも発動可能で、コンボから抜けられる。
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特殊ボタン
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単体で押すと「ブロッキング」や「受身」になる。
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弱と同時押しで「投げ技」になる。
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超必殺技
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攻撃や被弾によって溜まるノーブルゲージを一本消費して発動する。
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各キャラ2種類用意されている。攻撃だけでなく回復技もある。
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挑発
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相手のノーブルゲージを僅かに減らす。
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キャラクターによっては何の効果もない、文字通りの挑発になる。
問題点
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ハードルが高い
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オンライン対戦に対応していないため、対人戦は顔を合わせて行う必要がある。2010年の家庭用新作対戦格闘ゲームでこれは大きな欠点。
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更にエロゲー原作、粗いグラフィック、バランスが悪いなど曲者の本作を一緒に遊んでくれる人を探すのは困難である。
しかも当然ながら格ゲー初心者では経験者の相手は厳しい。
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全体的にチープ
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オープニング曲のムービーが、立ち絵素材を切り貼りしたものでとても安っぽい。
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グラフィックが粗い。エロゲーキャラなのに可愛くないという致命的な欠点である。原作はいずれも美麗なCGだったために落差が目立つ。
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技のエフェクトもしょぼく、華琳の超必殺技は「岩を落とすだけ」と言われるほど。
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隠し要素の解禁が面倒
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ストーリーモードやサバイバルモードなどをクリアすることで解禁される要素があるが、これを揃えるにはかなり時間がかかる。
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しかもどのモードもさほど面白くないので、作業になりがち。
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EXキャラクターと呼ばれる、火力が上がり防御が下がったキャラクターも隠し要素。
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他の隠し要素にCG(一枚絵の出来は悪くない)、キャラボイスなどそれなりに魅力があるものも一応ある。
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キャラクターが少ない
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2010年のゲームで12人はさすがに少ない。その上でキャラ毎に作り込まれているわけでもないので…。
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しかもその中でユキはハルの劣化コンパチである。
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一応EXキャラクターを入れれば24人にはなるが、ほぼ同じ見た目なので別キャラと見なすのは厳しい。
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人選
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『G線』からは公式人気投票2位のヒロインを差し置いて7位のサブキャラが選ばれている。それもこのゲームに向いているキャラというわけでもない。
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このキャラは前述のユキなので、何故人気キャラを抑えてこのキャラを選んだのか謎。
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ロードが異常に長い。
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ストーリーモードにおいて顕著。一戦ごとにかなり待たされる。
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前述したようにグラフィックが粗いので工夫の余地は相当あると思われるのだが、ここらも技術力不足や最適化の努力がなされなかったということだろう。
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死に技
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桃香の超必殺技は縦への攻撃範囲が異常に広い「東南の風」が優秀すぎるので、ランダムで飛び道具が飛ぶだけの「皆のすごい手助け」はほぼ使われない。
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上記に限らず、使いどころがない必殺技や超必殺技が結構ある。
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コンピュータが馬鹿
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4人対戦だと突っ立っているだけのキャラがいたりする。
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バグが多い。ネタとしてある意味楽しめるには楽しめるのだが…。
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代表例は画面端バグ。
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ステージには端が設定されていてそれ以上下がれない。
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…のだが、ステージの真ん中から少し下がっただけで、いきなり画面端になりそれ以上下がれなくなることがある。
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攻撃中にも発生し、攻撃で押し込んでいるときにいきなり画面端になったりする。
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発生条件や解除条件が不明なうえ、結構な頻度で発生するのでコンボなどに支障が出る。
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ネタになるのはユキ限定のゾンビバグ
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控えがいる状態で体力が0になる攻撃を受けた際、受身を取れば体力0のまま続行できる。
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何度でも発動できるためゾンビと呼ばれるように。
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これで最弱脱出かと思われたが、空中で追撃を受けた場合などはこのバグを使えないため、結局最弱の座は揺るがなかった。
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その他のバグの例。
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対人戦で挑発を繰り返すとバトルが始まるのが遅くなる。
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トレーニングモードでジャンプを選びメニューを閉じて、またジャンプを選ぶと、上昇し続ける。
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花音が決着後に動き続ける。
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2P限定で発生するバグもあるため、1Pと2Pで差が出てしまっている。
賛否両論点
ゲームバランス
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コンボに使うノーブルゲージがとにかく溜まりやすく、かなりコンボが繋がりやすい。
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ただし、空中でのヒット数に制限があるなどの仕様により、基本的には永久コンボは不可能。
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永久コンボ
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アメリは「神通力ビンタ」で相手を浮かせて「ジャンプキック」、再び「神通力ビンタ」…の繰り返しでゲージがある限り、コンボが繋がる。
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コンボ中にどんどんゲージが溜まる上、このコンボは空中ヒット制限を無視するので、ミスするまで繋げられる永久コンボになる。
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カリーナは「ザッフィーロ~水~」だけで永久コンボになる。コマンドは63214Bだけ。ただしアメリと違い、ゲージを消費してパートナーと入れ替わることで途中でコンボを抜けられる。
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上述の様なコンボが強力なキャラクターがそのまま強キャラとされる。
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逆の例としてリーチが短く、コンボも繋ぎにくいハルが明確な弱キャラとされている。
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ぶっちぎりの最弱はユキ。ただでさえ弱いハルの劣化コンパチなので、大会では誰も使わなかった。
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2vs2前提でバランスが取られているので、1vs1や、1vs1vs1vs1だとさらにバランスが悪くなりキャラ性能差が広がる。
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1vs1だと前述のカリーナのコンボが脱出不可能。4人対戦だと、初期配置で真ん中にいるプレイヤーが不利。画面全体攻撃「東南の風」が猛威を振るう。
評価点
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貴重なエロゲーキャラのお祭りゲー
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同ブランド内でのお祭りゲーは幾つかあるが、4つのエロゲーブランドがコラボした商業格ゲーは本作くらいである。
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2D格ゲーでありながら、4人対戦に対応しているのも珍しい。前述したようにバランスは悪いが。
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対戦格闘ゲームとして、ある程度腕前が反映される程度のゲーム設計は為されている。
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前述したコンボはある程度は練習が必要であり、初心者がすぐにマスターして無双できるような難易度ではない。ただし、大層難しいわけではない。
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波動コマンドや昇竜コマンドといった、一般的な格ゲーのコマンドが使えるキャラもいるため格ゲー経験者なら入り込みやすい。
総評
バグが多く、見た目もチープだがかろうじて遊べる出来にはなっている。
楽しむためのハードルは高いが、一緒に遊んでくれる友達がいるならネタゲーにはなるだろう。
動画
開発・販売に至った経緯の謎
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真・恋姫†無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~(BaseSon)
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G線上の魔王(あかべぇそふとつぅ)
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祝福のカンパネラ(ういんどみる)
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タユタマ -Kiss on my Deity-(Lump of Sugar)
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いずれも任天堂ハードには移植されていない。
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マイルストーンはWiiとDSで開発実績があるのでその影響だと思われるが、やはりWiiのみでの開発を決断したのは「謎」としか言いようがない。
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4作が選ばれた理由についても謎。
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いずれもエロゲーマーにとってはそれなりに知名度のある作品ではあるのだが、『恋姫』以外はバトル要素は強いわけではなく、『恋姫』自体も他3作とは世界観が全く異なるせいで浮いている。
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いずれにせよ中途半端過ぎて違和感が凄まじい。ブランドが統一されていたり、あるいはもっと参戦数が多ければここまで気にならなかったと思われる。先述の通り、どの作品も当時の話題作ではある。
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恐らく後述の通り、アーケードタイトルとして発売される予定だった名残りだと思われる。家庭用オリジナルタイトルとしてなら不自然だが、予定通りアーケード版としての移植だったら、其処まで疑問符にはならなかっただろう。
余談
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タイトルを間違えられやすい。
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『トウィンクル クイーン』が正式名称。言いにくい事この上ない。
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『トゥインクル クイーン』と間違える人が結構いる。遂には「ティンクル クイーン」とまで言われる程。いずれも「英単語の置き換え」という意味では間違ってはいない。
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元々はアーケード向けの作品として開発されていたと言われており、実際に2008年の夏~秋頃の業界紙の広告にタイトルこそ公開されていないものの、当作を示唆する情報が出始めている。もっとも、この情報が出た時点で一部の参戦作品はまだ発売すらされてなかったので、参戦作品もろくすっぽ決まっていないような開発進行度での見切り発車染みた情報と推測されるが...。
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そのうちの片方が『ニトロワイヤル -ヒロインズデュエル-』をアーケード版として移植する予定だったものの、後述の事情で頓挫し、後にエクサムが開発をサルベージして2015年にリリースされた『ニトロプラスブラスターズ インフィニットデュエル』と思われる。
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また、それとは別にエロゲーを原作として開発されていた格闘ゲーム『PROJECT CERBERUS』もあるが、作品の設定上もあってか萌えとは程遠い作風なので、上記の広告の情報とは関係無いと思われる。
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こちらも元々アーケード向けに開発されていたが、結局PSPでの発売となった。
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ちなみにマイルストーンのアーケード作品は全てNAOMI基板でリリースされており、上記の2タイトルも元々はNAOMI基板でリリースされる予定だった為、もし当作品が本当にアーケード作品として世に送り出された場合、NAOMI基板だっただろうと推測される。
関連作品
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マイルストーンは、同時期に本作と同じくエロゲーであるたまソフトの『LOST CHILD』を原作とする対戦格闘ゲーム『PROJECT CERBERUS』をPSPでリリースした。
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しかしこちらも本作と同じくアレすぎる出来で、同社の格ゲー開発のノウハウの低さを露呈してしまった。
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本作の参戦作品のうち『真・恋姫†無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~』は後に単独での対戦格闘ゲーム『真・恋姫†夢想 ~乙女対戦★三国志演義~』を発売している。
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同作はAC向けに発売した物だが、PCやPS3に移植されネット対戦にも対応している事から対戦のハードルは低く、続編まで作られている。
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2015年に稼動した『ニトロプラス ブラスターズ -ヒロインズ インフィニット デュエル-』(ニトロプラスブランド内でのお祭り格ゲー)は、マイルストーンがアーケード向けに開発していた物だが、諸事情により同社の活動が停止した後にエクサムが企画をサルベージしたという繋がりがある。
最終更新:2024年08月02日 10:42