ワリオの森
【わりおのもり】
ジャンル
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アクションパズル
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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4MbitROMカートリッジ
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発売元
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任天堂
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開発元
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任天堂 インテリジェントシステムズ(テック?)
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発売日
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1994年2月19日
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定価
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4,900円(税別)
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2006年12月12日/500Wiiポイント 【3DS】2013年5月29日/500円 【WiiU】2014年1月29日/500円
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判定
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賛否両論
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スルメゲー
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ポイント
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ハード末期とは思えない見た目のショボさ 複雑すぎる操作とルール 主役はワリオではないがワリオ唯一のファミコン出演作品 初のキノピオ主役作品 任天堂最後のファミコンソフト
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ワリオシリーズ
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概要
任天堂がファミコン最後の自社発売ソフトとして放ったアクションパズルゲーム。
ハードの終焉を飾る記念すべきソフトのはずだが、発売時期の悪さに加えて複雑な操作方法やグラフィックのショボさが仇となってしまった。
ストーリー
妖精達が住む「平和の森」にワリオがやって来て「平和の森」を「ワリオの森」と言ってのさばっていました。
森に住む妖精達は、爆弾を作り出す力は持っていますが、それを使って戦う事はできません。
その事を聞き付けたキノピオが、ワリオを倒すために「ワリオの森」にやって来たのです。
妖精の力を借りて、この「ワリオの森」から乱暴者のワリオを追い払い、元の「平和の森」にしてください!!
(取り扱い説明書より)
基本ルールと操作
フィールドは縦11マス×横7マス(VSのみ横6マス)。キノピオを操作して上から降ってくる爆弾やモンスターを動かし、フィールド内のモンスターをすべて消すとクリア。
モンスターや爆弾で埋まりキノピオが動けなくなるとゲームオーバーになる。
一定時間が経つと「爆弾タイム」と「モンスタータイム」が入れ替わり、「モンスタータイム」では爆弾の数が減る代わりにモンスターを降らせたり天井を低くしたりしてワリオが妨害してくる。
…と、ルールは単純なのだが、以下のようにモンスターの消え方とキノピオの動きのパターンが複雑で、
それを頭に入れておかないとすべてのモンスターを消すことができないようになっている。
モンスターの消え方
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同色のモンスターや爆弾を3つ以上、縦・横・斜めのいずれかに並べると消すことができるが、モンスターは同色の爆弾1つ以上と並べなければ消すことができない。また、モンスターの中には「斜め方向でしか消せない」「一定時間内に爆風を2回当てないと消せない」「爆弾を当てるごとに色が変わる」といった曲者もいる。
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モンスターの種類
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ウマウマ:頭巾をかぶったようなモンスター。縦、横、斜めどの方向でも消せる。
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ベイジー:野菜のようなモンスター。縦、横、斜めどの方向でも消せる。
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トッポ:耳が非常に大きいモンスター。縦、横、斜めどの方向でも消せる。
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ヒュードー:布をかぶったオバケのようなモンスター。1回ダメージを与えると色が変わり、もう1回ダメージを与えると消せる。
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マイコニン:キノコのようなモンスター。1回ダメージを与えると点滅を始めるので、点滅中にもう1回ダメージを与えると消せる。
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ソラリ:目が+のモンスター。斜め方向でしか消せない。
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バーソロミュー:バレリーナのようなモンスター。斜め方向でしか消せない。
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爆弾やモンスターを置くだけでなく、キノピオが持ち上げたりキックをしたりすることで列が完成したときもモンスターを消すことができる。これを利用することでキノピオを動かしながらモンスターを消すことができるが、うっかり爆弾を持ち上げてモンスターを消してしまい、狙っていた連鎖ができなくなることもある。
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一方、モンスターを3匹以上並べると、そのライン上にある爆弾がすべてモンスターに変わってしまう。これも連鎖と同じように、キノピオがモンスターを持ち上げたりキックをしたりしただけで起こる。
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同色のモンスターまたは爆弾を5つ以上消すとダイヤモンドがあらわれる。これを挟んで3つ以上の列を作ると同色のモンスターをすべて消すことができるが、ダイヤモンドと同色の爆弾は消えずに残る。このため、モンスタータイムで残った爆弾と同色のモンスターが降ってきたり、モンスターを3匹以上並べることで爆弾がモンスターに変わったりすると元の木阿弥になってしまう。また、ダイヤモンドは持ち運びができないので、変な場所にできると使うこともままならないなど、使い勝手が悪い。
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斜め消しや連鎖をすると天井が上がり、連鎖をすると爆弾タイムの場合は時間が延長され、モンスタータイムの場合は時間が短縮される。中盤以降のステージではこうしたテクニックを使って防御をすることも求められてくる。
キノピオの操作
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十字ボタンの左右で移動する。短く押すとその場で方向転換する。
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何も持っていない状態でAボタンを押すと、目の前の縦1列分のモンスターや爆弾を持ち上げる。Bボタンを押すと、目の前のモンスターや爆弾を1個だけ持ち上げる。
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爆弾やモンスターを持っている状態でAボタンを押すと、持っている爆弾やモンスターを全部、Bボタンを押すと一番下の1個だけを目の前に置くことができる。
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ただし、置けるのはキノピオのいる段より2段上までで、天井につっかえるような置き方はできない。
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↓+Aで目の前のもの「キック」して滑らせることができる。爆弾やモンスターを持っている状態でもキックはできる。
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ABを同時押しをすると、持ち上げたモンスターや爆弾の真上に「脱出」できる。
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何も持っていない状態なら積み上がったモンスターや爆弾を登ることができる。登っている最中にA、Bボタンを押せば挟まっているモンスターや爆弾を抜き取ることができる(Aで1列分、Bで1個)。
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スタートボタンでポーズをかけられる。また、スタートボタンとセレクトボタン同時押しでゲームセレクト画面に戻る。
ゲームモード
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ラウンドゲーム
AゲームとBゲームの2種類がある。
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Aゲームでは出現するモンスターをひたすら消していく。全てのモンスターを消せばラウンドクリア。
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Bゲームでも基本はAゲームと同じだが、一の位が9のラウンドでボス戦がある。ボス戦では、爆発ラインの延長上にボスが来るように爆弾やモンスターを爆発させることでボスにダメージを与えられる。ボスのライフが無くなったらラウンドクリア。
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出現するボスは時々大量にモンスターを召喚するなどの大技を繰り広げる他、別の場所にワープ移動もする。ワープして出現した瞬間にキノピオがボスと重なっているとその場でミスになる。
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ラウンドクリア時に上から降ってくるコインを30枚集める毎に、ミスした際のコンティニューに必要なクレジットが1増える。降ってくるコインの数は爆弾タイムとモンスタータイムが入れ替わる毎に少しずつ減っていく。
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そのため、クレジットを貯めるためにはなるべくモンスタータイムに移行しないように攻略する必要がある。
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全99ラウンドと長丁場になるので、過去クリアしたラウンド数までの範囲で、5ラウンド毎にスタートラウンドが選択できるようになっている。
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タイムレース
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EASY、NORMAL、HARDの3種類のレベル毎に、2ラウンドから5ラウンドまで4種類のステージがある。4種類のステージ全てのクリアタイムの合計を競う。
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レベル毎に認定基準タイムがあり、5級~1級とSILVER、GOLDそれぞれのランクに定められたタイムをクリアすると技能ランク認定される。
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VS
2人で対戦する。先にモンスターを全て消すか、相手が動けなくなってしまうかすれば1本で、3本先取した方が優勝。
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最初の設定で出現するモンスターの種類と数を変えることができる。モンスターの種類は2人で共通だが、数はお互いに違う設定にできるので、ハンデ戦も可能。
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相手への攻撃方法は次の4種類がある。
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同じライン上に同色のモンスターを3匹以上並べると、相手側の同一ライン上にある爆弾がモンスターに変わる。
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2連鎖以上で消すと、相手側のフィールドの縦一列にモンスターを送り込むことができる。また、タイムゲージが自分側に有利に、相手側に不利になるように変動する。
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モンスターと爆弾を4個以上同時に消すと、相手のフィールドを狭めることができる。
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ダイヤモンドを消すと、相手のフィールド内にある爆弾が全てモンスターに変わる。
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レッスンモード
操作説明の他、全12ラウンドの簡単ゲームによってゲームのルールや操作方法が覚えられるようになっている。簡単ゲームではモンスタータイムは発生しない。
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オプション
技能ランク認定証に表示される名前の登録、タイムレースの成績確認、セーブデータの削除が行える。
問題点
最初に述べたとおり、本作は典型的な「クソゲー扱いされやすいゲーム」の1つである。その理由としてよく挙げられるのは、次の2点である。
複雑・不親切なゲーム内容
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降ってくる爆弾やモンスターの色はフィールド内にある中からランダムで選ばれる。このため、せっかく爆弾タイム中に連鎖を仕込んでも、起爆に必要な色の爆弾が降ってこないままモンスタータイムに突入してしまうこともざらである。
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また、ある色のモンスターが全滅していても同じ色の爆弾が残っていたら、同じ色の爆弾が降ってくるため、必要な色の爆弾が降ってくる確率が減ってしまう。これも手早く処理しないとモンスタータイムで同じ色のモンスターが降ってきてしまったり、モンスター3匹並べのペナルティでモンスターに戻ってしまったりする。
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同色のモンスターを5匹以上消して作れるダイヤモンドも、どの色が選ばれるかはフィールド内にある色の中からランダムである。マイコニンや色が変わる前のヒュードーなど消しにくいモンスターと同じ色だったらかなり楽になるが、爆弾しか残っていない色だったりすると動かせないという仕様もあってかなり邪魔になってしまう。
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初めのうちは落ちてきた爆弾を素直に並べるだけでよいが、モンスターの量や種類が増えてくると、これらの仕様を踏まえながら効率よく消すための並べ替え方を意識しなければならない。特にタイムレースでは好記録を出すのにかなり運に左右されることになる。
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ラウンドゲームではコインとクレジットの数がセーブできないため、再開時はしばらくコンティニューできなくなる。このことが以下の仕様と相まってゲームの難易度を上げてしまっている。
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コインはラウンドを早くクリアするほど多くもらえるが、終盤のラウンドは長丁場になることが多くコインの枚数は期待できない。また、コインは面クリア時に自動で入手できるのではなく、上から落ちてくるコインを自分で拾わなければいけないし、地面に落ちてしばらくすると消えてしまう。
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エンディングを見るためには95面から連続5面クリアする必要がある。この段階までくるとクリアするだけでも難しく、クレジットがないとミスがまったく許されないことになる。
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これについては「ジャンプ」の機能を使えば対処できるのだが、説明書の目立たないところに書かれていたうえにコンティニュー方法と混同して気づかなかった人も多いのではないかと思う。なお、任天堂のバーチャルコンソールのページ、およびソフト内の電子説明書には説明がない。
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どちらかといえば99面がボス戦になるBゲームの方が楽…かもしれない。Aゲーム・Bゲームともエンディングは同じで両方クリアしても特典があるわけでもないので、ボス戦の有無のみでモードを2つに分けたのも謎ではある。
全体的なグラフィックのショボさ
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本作が発売されたころはファミコンソフトのグラフィックも大きく進歩しており、それらと比べるとどうしても本作の方が見劣りしてしまう。
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特にモンスターのグラフィックが顕著で、表示の制約からフィールド内のキャラクターがむき出しのドットで描かれている。下の画像を見ていただくと分かるが、原色で塗られたキャラクターに黒単色のフィールドという画面構成は初期~中期のソフトのように見えてしまう。
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また、背景はどのモードでも青空と大きな木だけで、ラウンドゲームではどんなに面をクリアしようが画面は変わらず(ボス戦では背景全体が赤くなるが)、パズルゲームであることも相まってより単調に感じられてしまう。
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ついでにBGMはゲームモード別に設定されている。このため、ラウンドゲームは終始同じBGMを聞かされるのも単調さに拍車を掛けている。
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ゲーム選択画面やレッスンモードの説明文がすべてカタカナ表記というのも初期のソフトっぽさを感じさせる一因である。ラウンドゲームのワリオのセリフには普通にひらがなが使われているのだが…。
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画像の「キ」や「オ」の文字に注目するとわかるが、前者は表示スペースの都合から濁点・半濁点を文字内に含むカタカナのみのフォント、後者は濁点と半濁点を1文字としているフォントのようで、同一文字の使いまわしはされていない。この他には、賞状風の成績表示画面のみに使用される4倍角のひらがなフォントが用意されている。
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ちなみに、本作のカセットの容量は4Mbit。ファミコンソフトの中では大容量の部類に入る上、前述のようにフォント自体は複数あるので、別に容量が足りなかったから仕方なくカタカナにした、というわけではなさそうだ。
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ゲーム全編を通してワリオの服の色が公式イラストと違っており、初期のゲームの「そこまで再現できなかった」感じやパチモノ感を漂わせてしまっている。
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同時発色数やパレット色など表示制約の都合によるのだろうが、それならワリオのイメージカラーである黄色を割り当てずに外しているのはなおさら疑問である。せめて帽子はどうにかならなかったのか…。
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画像
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カラフルすぎるゲーム画面
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なぜかカタカナ表記オンリーのレッスンモード
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いい感じのデモ画面だが、ワリオの服は…
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評価点
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落ちてくる爆弾やモンスターを自分で並べて連鎖を組み立てるというのは、『テトリス』『ぷよぷよ』のように与えられたものをうまく組み合わせるタイプのパズルゲームや、『パネルでポン』のように隣り合ったものを並べ替えるアクションパズルと比べると非常に自由度が高く、後発の作品でも似た例があまりない独特のものである。すべてを自分で組み立てなければならないため慣れるまでは単調な作業の繰り返しになってしまうが、『ぷよぷよ』などとはまた違った形で連鎖を完成させる楽しさがある。
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セーブ機能を搭載していること。当時の落ち物パズルにはスコアを保存できる機能はほとんどなく、パスワードによるコンティニューを搭載しているものでさえわずかだった。
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タイトルやデモ・メニュー・対戦時の結果発表など、ゲーム画面以外のグラフィックはクオリティが高く、少なくとも当時のファミコンソフトの中では標準以上のレベルである。
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特にタイトルデモ間に挿入されるキノピオとワリオの一枚絵や、A・Bゲームの合間に挟まれる寸劇はキャラが大きいこともあり、見栄えがいい。
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この他、2人対戦の結果画面はファミコン末期らしい黒縁取りを多用した絵。一方、メニュー画面では草のグラデーションを細かく描いている。
総評
パズルゲームの面白さは連鎖や同時消しといった「うまく消す」ことにあるといえるが、消し方そのものにアクション性が強く複雑な操作が求められる本作では偶然に任せて連鎖が起こることはまずなく、コツをつかむまではただの作業ゲーのようになってしまいがちである。
また、上達するには連鎖の組み方だけでなく、キノピオを自在に操りモンスターと爆弾を精確に並べ替える操作テクニックやモンスタータイムの適切な対処方法が必要であり、さらに淡々と同じ背景が続くことから単調さも否めず、99面クリアを果たすには相応の忍耐力も求められる。
それらの難易度を乗り越えて本作に面白味を見出せるようになるまでのハードルが高い作品である。
余談
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本作が発売されたのはスーパーファミコンのデビューから3年あまり経つ1994年2月。すでにファミコンは時代遅れの機種と見られており、ファミコンで新作を出すのは今さら…という感じが強かった。また、任天堂は1990年の『ドクターマリオ』から年1作ペースで新作のパズルゲームを発売していたが、さすがに前年の『テトリスフラッシュ』からは勢いが衰えており、落ちゲーが飽きられていた時期でもあった。
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さらに本作は大量出荷されたために小売店で投げ売りされ、長らくワゴンセールの主力商品となっていた。
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『ファミコン通信』(現『ファミ通』)のクロスレビューの評価も良いものとは言えなかった。当時の『ファミ通』はベタ移植もレビュー対象にしており、同日にカセット版が発売された『ゼルダの伝説1』が「最新ゲームに見た目は劣るが歴史に残る名作をもう1度体験すべき」と大プッシュされる一方で、本作はレビュアーの1人に「落ちてくるブロックを並べ替えられたら落ちゲーじゃない」とコンセプトそのものを否定されてしまった。
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ただし「慣れたら楽しめるのでは」という意見やゲーム内容の複雑さを指摘する意見など、もっともなものもあった。
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本作のCMはAV対応のファミコン(通称「ニューファミコン」1993年12月1日発売)や『ゼルダの伝説1』とともに紹介されており、マリオやピーチ姫、ヨッシーたちがニューファミコンについて歌い上げる中、ワリオが「大変だ、大変だ」と言いながら走ってきてニューファミコン本体の中に滑り込み、テレビの中でリンクと共に肩を組む場面が印象的である。
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テレビ東京系で放送されていたゲーム番組「スーパーマリオスタジアム」のコーナー「ファミコン王に挑戦」で、勝者にはスーパーファミコン、ファミコン、ゲームボーイの最新ソフトが貰えたが、スーパーファミコンやゲームボーイは新作が続々発売されラインナップが次々と変わっていったのに対し、ファミコンはこれ以降『ワリオの森』『ゼルダの伝説1』『ファイナルファンタジーI・II』『高橋名人の冒険島IV』で固定のまま1995年7月にファミコンソフト枠がバーチャルボーイソフト枠にまるまるすげ替えられるまで続いた。
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本作で初登場した敵キャラは、以降のシリーズで異様に影が薄く、ほとんど再登場していない。
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特に、ボス連中がマリオシリーズとしてはかなり異色のデザインをしており、「人魚」「ゴーレム」「死神」など、正統派ファンタジー風。デザインそのものが悪いわけではないが、マリオシリーズとして見ると没個性気味なのが再登場しづらい理由かもしれない。
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また、シリーズのレギュラーメンバーもキノピオとワリオぐらいである。なぜかキャサリンとドドリゲスという『USA』のキャラもいるが……。
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初めてキノピオが主人公となった作品であるが、日本国内ではルイージやピーチよりも先に主役を勝ち取ったことになる。
海外版
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同年12月に北米で、さらに1995年(!)に欧州でも
NES版
が発売された。
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北米NES版はローカライズに関わる部分の変更のほか、十字ボタン上にも脱出の操作が割り当てられ、操作性が改善された。(日本版ではAとBの同時押しのため誤操作が多発し、むしろテクニックの一つとなっていた)さらに爆弾がモンスターに変化するルールも撤廃されている。
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欧州NES版は北米版をベースとしPAL環境への対応が施された他、ほとんどのサウンドが作り直され十数のBGMが新規曲となっている。
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なお、北米はNES版だけでなくSNES版も同日に発売している。
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SNES版は上位機種への移植ということもあり、内容はFC&NES版から洗練されている。日本未発売なのが惜しい出来。
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グラフィックを一新し、ラウンドゲームや後述COM対戦ではステージ進行により背景が変わるなど見栄えは向上。画面はいい意味でカラフルかつ明るい雰囲気で描かれており、FC版のようなショボさはみじんもない。
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BGMはFC・欧州NESからのアレンジ曲に加え新曲も追加された。連鎖やステージクリア時など随所でボイスも再生される。
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キノピオたちの声というわけではななく1Pが若い男性、2Pが太いおっさんのボイスだが……。
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ラウンドゲームはA・Bモードの区別およびボス戦が撤廃され、新モードとして1人用のCOM対戦モードが追加された。
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対戦前には相手がセリフで口上を述べたりキノピオを煽るデモが挿入される。ラストのワリオ以外は全員新キャラ。ちなみにデモの雰囲気はぷよぷよの漫才デモに似ている。
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脱出は十字キー上またはXボタン、キックは操作タイプによりYまたはAでキノピオの向いている方向へ、左方向にはL、右方向にはRのワンボタンで実行できる。
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アクション要素の強い当ゲームにとってボタン数の増加は操作性の改善・向上に繋がり、FC版のAB同時押し問題は解消された。
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NES版から引き続き爆弾のモンスター変化は撤廃された。さらにダイヤモンドはモンスターや爆弾と同様に動かせるようになった。
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一方でラウンドゲームのクレジット増加に必要なコインが30枚から50枚に増える、ラウンドスキップ機能が使えないなど、厳しくなった要素もある。ラウンドクリア後のコイン拾い作業もそのまま。
サテラビュー版
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さらにサテラビュー番組として配信されたSFC版が存在する。SNES版をベースにユーザー参加型ランキングイベント用ゲームとして制作・放送されたもので、内容の異なるバージョンがいくつか放送された。
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「ワリオの森 爆笑バージョン」は放送開始の1995年度にサテラビュー向けラジオ「放課後の王様」でパーソナリティーをしていた爆笑問題が登場するバージョン。ゲーム内ではキャサリンが田中に、ドッスンの顔は太田のそれになっている。時期によってゲームモードやイベント内容を変えた複数のバージョンが放送されていた。
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後の「ワリオの森 再び」は1997年10月分のイベント番組として同年9月末から放送された。こちらはイベント期間終了後もサテラビューのサービス終了日となる2000年6月末まで度々再放送された。
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しかしこれらの収録ゲームモードはSNES版からの一部抜粋やイベント用オリジナルモードとなり、海外製品版と同内容の日本版はリリースされなかった。
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裏技となるが独自要素としてサウンドテストが追加されている。タイトル直後の操作説明画面でモンスターと爆弾をすべて残さずに消し、BGMが変わったら成功。ただしすべてのサウンドが聞けるわけではない。
その後の展開
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『どうぶつの森e+』(GC)に「ファミコン家具」の1つとして収録され、面白さを見出したユーザーの間では「『どうぶつの森』の中で『ワリオの森』に入り浸る」という冗談のような現象が見られた。ただ、ファミコン家具の中では入手が厳しい。
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2012年にニンテンドー3DSで発売された『ものすごく脳を鍛える鬼トレーニング』では、トレーニングの合間にプレイできる「リラックス」として、本作のルールを基にタッチ操作等のアレンジを加えた「脂肪爆発」が収録されている。タイトル通り、爆発させるのはモンスターではなく脂肪。
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タッチ&スライドで積み上げられた脂肪を動かせるのだが、スペースに余裕がある限りは上下左右に自由な移動ができるため、『ワリオの森』では不可能なテクニックも存在する。
漫画
マリオシリーズのパズルということもあり複数の漫画でネタにされた。どういうわけかゲームの設定を根本から無視した作品ばかりとなっている。
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コロコロコミックの『スーパーマリオくん』にて「ワリオの森編」として一連のエピソードが連載された。
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元がシナリオが薄いパズルゲーム+スーパーマリオくん自体ギャグマンガということを加味してもかなりカオスな展開になっており、原作の面影は薄い(というか主人公がキノピオじゃなくてマリオな時点で…)。
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ほかにもコミックボンボンの『スーパーマリオ』でも本作を題材にしたエピソードが連載された。
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こちらではなんとマリオとピーチが結婚し、ルイージが二人の子供であるという、パラレルストーリーとして描かれている。
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さらにはピーチが「私は人間じゃないから」と発言するシーンがあるが、これは作者の本山一城氏がわざわざ枠外にて「某誌にのった任天堂の人の発言より」と断っている。
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週刊ファミコン通信に連載されていたあべかよこ氏のゲームギャグ漫画『ごくらくゲーム』にも本作を題材とした話が2週連続掲載された。
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ヒュードーをリーダー兼ツッコミ役としたモンスター達が主役。また彼らは平和の森の住人でありワリオの侵攻に対抗しているレジスタンスという設定。
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ちなみに
キノピオと妖精は一切出てこない
。最後はワリオの正体を明かしたオチで締められる。
最終更新:2024年06月09日 09:44