Deus Ex: Human Revolution / デウスエクス

【でうすえくす ひゅーまん れぼりゅーしょん】

ジャンル アクションRPG


対応機種 プレイステーション3
Xbox 360
Windows
Mac OSX
Wii U
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 Eidos-Montreal
発売日 2011年10月20日
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
備考 WiiU版は日本未発売
判定 良作
ポイント スクエニ買収後初の『デウスエクス』
『1』の戦略的自由度が復活
シリーズで最も過去の世界を描く
Deus Exシリーズ



人類の未来が委ねられたのは、
人の手か。神の手か。



ストーリー


西暦2027年 アメリカ合衆国 ミシガン州デトロイト

科学の発展によってもたらされた、機械による人体拡張技術「メカニカル・オーグメンテーション」は、医療、産業、そして軍事力といった様々な用途に活用されるハイテク技術として期待され、さまざまな企業が技術的優位を巡って企業戦争を繰り返していた。

しかし同時に、人体に異常な力を与えるオーグメンテーション技術は一般市民からの反発も根強く、一部反対派は反オーグメンテーションを掲げるテロリスト「ピュリティ・ファースト」を名乗り企業と対立するまでに深刻な事態となっていた。

そんなオーグメンテーション技術の最先端を往く企業の一つ、デトロイトを本拠地とするサリフ・インダストリーは、自社の研究を他社やテロリストから保護すべく社内に保安部隊を設立、元SWATの男アダム・ジェンセンを隊長に任命する。

順調に研究を進め、軍との契約も取り付けたサリフ・インダストリーだったが、重大な発表を間近に控えたある日、突如として謎の傭兵集団が本社を襲撃。圧倒的な力で施設を破壊し、研究員の多くを抹殺してしまう。

元恋人を殺害され、自らも生死を彷徨う重症を負ったアダム・ジェンセンだったが、サリフ・インダストリーのオーグメンテーション技術によってサイボーグとして復帰。事件の真相を解き明かすため、調査を開始する。


概要

Deus Ex』(以下『1』と表記)から始まるデウスエクスシリーズの3作目にして、2009年のアイドス・インタラクティブ(現:スクウェア・エニックス・ヨーロッパ)のスクウェア・エニックス買収後の新たな出発点となった作品。
『1』から遡ること25年前を舞台としており、J.C.デントンやアレックス・Dらが使用していたナノ・オーグメンテーションではなく、それより一世代前のサイボーグ技術「メカニカル・オーグメンテーション」が実用化され始めたばかりの時代を描く。

開発を行ったのは、カナダのモントリオールを拠点とするゲームスタジオであるEidos-Montréal*1
原題は『Deus Ex: Human Revolution』だが、日本CS機版は発売元の違いや知名度の問題もあり『デウスエクス』のタイトルで発売された。


ゲームシステム

基本システム

  • 基本的には一般的なFPSに近いものを採用しており、移動と視点移動、しゃがみとジャンプを駆使して道中を進んでいく。
    • 新たな挙動としてダッシュが追加されており、短時間のみだが従来作品のもっさり移動とは比較にならないスピードで走ることが可能となった。
  • 新たに追加されたカバー動作では壁や花壇、箱といった遮蔽物の背後に隠れることができ、この際はTPS視点となり周囲広範囲を見渡すことが可能になる。
    • また、カバー時にはそのまま発砲することで身を乗り出すことなく射撃が、カバー状態で壁に向けて移動を入力することで一瞬身を乗り出しての射撃が可能。これらを利用することで、ダメージを抑えつつ応戦することができる。

難易度選択

  • 簡単な順に「ストーリー重視(イージー)」「アクション重視(ノーマル)」「Deus Exマスター(ハード)」の3段階が存在し、ゲーム開始時に選択する。

ゲーム進行

  • 大まかな流れはオリジナル同様。NPCの点在する都市や軍事基地といった箱庭型ロケーションを探索し、依頼をこなしてストーリーを進めていく。
    • ミッションの解法は1つではなく、正面突破または裏ルートからの潜入、副次任務達成、特定NPCとの交渉と、攻略から解決まで複数の手段が用意されている。
    • 穏便な手段を講じれば平和的解決を望む層から称賛され、暴力的な手段を講じれば迅速な解決を望む層から称賛される。例えば冒頭ではテロリストに囚われた人質の救出作戦が存在するが、この際に人質の命を優先するか、テロリストの確保を優先するかで社長や社員、警察、SWATといったNPCの主人公に対する反応が変化する。

経験値・オーグメント

  • バイオモッドを収集し使用する前作までのシステムは廃止され、新たに『Skyrim』などでも見られる個別スキル育成型RPGに近いものが採用されている。
    • プレイヤーは経験値を貯めることでレベルアップし、レベルアップするごとにプラクシスと呼ばれるオーグメント強化用のポイントを入手。体の各所にあるオーグメントに対しこのプラクシスを使用することで、そのオーグメントの性能を強化することができる。
    • 強化できる要素はさまざまで、爆発を起こしたり同時にテイクダウンできる人数を増やしたりといった戦闘面、防御力を上げたり有毒ガスに耐えたりといった防御面、ダッシュ時間を増やしたりジャンプ力を上げたりといった移動面、姿を消したり足音を消したりといったステルス面、解除に掛かる労力を減らすハッキング面、交渉や周囲の情報をより多く表示するインターフェース面など、色々な能力を必要に応じて強化することが可能。
  • 経験値は戦闘や探索、あるいはミッションの成功や交渉の成功といったさまざまな結果を得るたびに加算されていく。より困難な行動やより状況に望ましい行動を取ることで得られる経験値が増加するようになっている。
    • 例えば、敵をただ射殺した場合は経験値が+10されるだけだが、素手や麻酔銃で無力化に留めた場合は取得経験値は+30に増加する。
    • 『1』のスキルポイントに存在していたロケーションボーナスも再登場しており、マップの探索を進めていくとそれに応じて経験値が増加していく。
  • 取得・強化するオーグメント数は前作と比較して大幅に増加・細分化され、プレイスタイルに合わせてさまざまな強化が可能となった。
    • 一部オーグメントは最初から選択することはできず、ツリー状になっている根元から順番に解禁されていくようになっている。

体力

  • 基本値100の体力が設定されており、これが0になると死亡する。銃撃のほか、落下、有毒ガス、漏電エリアなどでもダメージを食らう。
    • 深刻なダメージを負った場合は、随所に落ちている鎮痛剤を使用することで減った体力を即座に増やすことが可能。主にボス戦などで重宝する。
  • 前作までは凄まじく燃費の悪い特殊オーグメンテーション扱いだった自動体力回復機能だが、本作では最初から導入済み。ダメージを受けていても、一定時間経過すると徐々に体力が回復していく。また、回復中もエネルギーは消費しない。
    • 部位ごとの損傷の概念は前作同様に廃止されており、爆発物を踏んで足が無くなったりといったことはない。

エネルギー

  • これまでのシリーズ同様、オーグメントの使用や特定の行動によってエネルギー(MPに相当)を消費する。前作まではアイテム、または補給ロボットを利用して回復していたが、本作では部分的ながら自動回復機能が利用可能となっている。
    • 専用単位として「エネルギーセル」が存在し、これの最大値を増設していくことでより多くのオーグメントを連続して使用することができるようになる。
    • エネルギーセルは使い切ると空となり再補充するまで使えなくなってしまうが、少しでも残っているセルは時間経過で自動的に補充される。完全に消費してしまったセルは、エネルギーバーなどの専用食料品を消費することで補充することが可能。

ハッキング

  • これまでのシリーズ同様、パソコンやレーザー制御装置、ドアロックなどの複数の電子端末ではパスワード入力のほか、ハッキングを仕掛けることが可能。
    • 各端末にはハッキングに必要なレベルが設定されており、オーグメント強化で設定以上のレベルに達していなければハッキングを開始できない。
    • ハッキング時には専用の画面が開き、各エリアが相互に線で接続されている中を相手に探知されずにスタート地点から目標まで繋げるミニゲームが行われる。
    • 探知されるかどうかは陣地を占領するごとに確率で決まり、探知された場合でも相手が自分のスタート地点にアクセスしてくる前に自分が目標に接続できればクリア。
    • 占領することでクリアとなる目標地点(丸形)の他にも、便利アイテムを入手できたり追加情報を入手できたりと複数の恩恵を得られる陣地が点在している。ハッキングに余裕がある場合は、それらを占拠していくことでクリア時により多くの報酬を入手することができる。
    • オーグメント強化により、ハッキングレベル上昇、陣地占領時の探知確率低下、敵の逆探知速度の低下、報酬の事前照会といったさまざまな恩恵を得ることが可能。
    • また、便利アイテムとして陣地占領時に使用すると絶対に探知されないコンピューターウイルスや探知されても逆探知速度を遅くするツール、ハッキングを代わりに行ってくれる自動ハッキング装置といったものも存在し、これらを利用することでより簡単にハッキングを行うことができる。

武器

  • これまで同様、ピストルからサブマシンガン、アサルトライフル、スナイパーライフル、ロケットランチャーなどといったさまざまな武器が登場。前作でリストラされた非殺傷武器も復活しており、これらをプレイスタイルによって使い分けて進んでいくことができる。
    • 前作までには狙撃銃のスコープ以外に存在しなかったADSも実装されており、ハンドガンであってもアイアンサイトをのぞき込んでの狙撃が可能。これにより、狙撃銃以外の武器でもヘッドショットがかなり狙いやすくなった。
    • スキルシステム廃止に伴って武器の命中精度も最初から非常に高くなっており、照準合わせの腕次第では少ない装備であってもまともに太刀打ちできるようになっている。
  • 『1』のシステムに原点回帰しており、アップグレードやインベントリの武器サイズといった要素が復活。
    • 新たに『バイオハザード4』のように弾薬自体もインベントリ内に配置される方式へと変更され、よりアイテムマネジメントが重要となった。またインベントリ内のアイテムの回転が可能となり、より配置の自由度が上昇している。
    • 武器アップグレードも個別アイテムとして各種に配置される仕様に戻っており、プレイヤーは道中で拾う、または購入したアップグレードを任意の武器と結合して強化していく。
  • 前作までは利用不可だった素手でのテイクダウン(無力化)が可能に。エネルギーを消費するが、人間相手であればボタン一つで昏睡状態にすることができる。

会話システム

  • 犯人との交渉や、重要人物との会話、サブミッションを受けるか否かといったさまざまな会話場面で選択肢が登場し、プレイヤーは状況に合った受け答えを求められる。
    • 受け取る物品の変化や取れる攻略ルートの変化、重要人物の生死といったさまざまな場面で関わり、選択次第で物語が変化していく。

評価点

高い自由度

  • シリーズおなじみの高い自由度は本作でも健在。強化したオーグメントに応じて屋上から地下水路まで異なるルートを選択したり、交渉を通じてより望ましい結果を得たり、随所で発生するサイドミッションや武器密売人、ギャングなどを利用して自身を強化したりと、できることは非常に多い。
    • 最初のステージである工場潜入ミッションにおいても敵を無力化して逮捕する、囚われた人質を救出する、リーダーを説き伏せて人質を解放させるといった穏便な手法で解決に導くこともできれば、敵を全員殺害する、リーダーに戦闘を挑む、人質救出をSWATに任せ先に進むといった強引な手法で解決してしまうこともできる。周囲も異なる反応を返し、部分的にストーリーにも影響を及ぼすため、周回プレイ中も飽きることがない。

グラフィックの向上

  • 長い歳月を経て発売されたのもあり、グラフィックの差は一目瞭然。色合いも青・黒から金・黒へと変化しており、より美しい世界を堪能することができる。
    • 前作までのロボコップめいた前時代的なメカデザインも全面的に見直され、モダンな自動車や装備が多数登場。複雑なSF的世界観の構築に一役買っている。

物理演算の向上

  • 前作までのやや難のある物理演算が改善され、ラグドールや持ち上げた木箱の挙動なども自然になった。
    • 散らばって回収が困難だったアイテムも『1』同様の方式に戻され、ストレスなく死体漁りが可能。

丁寧な翻訳

  • これまでのデウスエクスシリーズはアイドスの日本展開の都合上、プレイするのが困難だったが、本作は家庭用機かつ翻訳済みということで気軽に遊ぶことができる。
    • 複雑な世界観や用語の多い同シリーズだが翻訳内容は悪くなく、物語に違和感なく入り込むことが可能。

より親切なナビゲーションシステム

  • 目的地までの距離を表示するマーカーや、一度見たパスワードが該当するキーパッドの操作時に隣に表示される機能など、プレイヤーを助ける視覚的な要素が大幅に増加。
    • これにより前作までのような手探り感はなくなり、より簡単に各種ミッションを進めていくことが可能となった。

インベントリと弾薬システムの復活

  • インベントリが簡略化され弾薬も共通となった前作が不評だったのを踏まえ、『1』同様のインベントリと個別弾薬取得方式に戻されている。
    • 強力な銃器を大量に携行することはできないようになっており、アイテムや弾薬の取捨選択に頭を悩ませながら進んでいくことになる。
  • なお、本作も死体とアイテムの状況は維持されるシステムとなっており、捨てたアイテムは消えることなくその場に残り続ける。
    • インベントリ自体は狭いが、これを利用して特定の場所に資材をため込むことは可能。

ロード地獄の改善

  • さすがに年月が経っているのもあり、自動読み込みによるシームレスな移動が可能な箇所が増えた。
    • 前作『Deus Ex: Invisible War』のような細かに分割されたマップはなく、プレイ中のストレスは比較的少ない。

奥深いストーリー

  • テクノロジーの発展とそれが引き起こす問題を主題に、イルミナティやMJ12といった陰謀論を絡めた壮大な物語は過去シリーズ同様に巧妙。
    • オーグメンテーション技術の黎明期という時代背景もあり、これまでは当たり前のように使用されていたオーグメントの負の部分も多く描かれるなどより倫理的な問題も描き出している。
    • これまでで最古の年代というのもあって直接の繋がりはほぼないが、戒厳令の敷かれたアメリカ、発展と格差の広がる中国、謎の巨大企業オフィス、港湾での破壊工作など、訪れるロケーションは『1』を意識した場所が多め。
    • 青年時代のトレーサー・トンや暗躍するマンダーレイ、急拡大するバーサライフ社など『1』へと繋がるネタも「知っている人ならニヤリとする」範囲で登場し、シリーズ未経験者もシリーズファンも楽しめる内容となっている。

複数のオーグメントの自動化

  • 『1』では飛び降りやジャンプ、移動速度上昇、過重量オブジェクトの持ち上げといった各種オーグメントを利用する際はまずファンクションキーから該当オーグメントを選択し、起動させた状態でなければ効果を得られなかった。
    • しかし、本作ではそれら使用タイミングの限定されるオーグメントは軒並み自動起動型へと変更されており、飛び降りたり走ったり持ち上げたりといった動作の際にいちいちオーグメントを起動させる手間がかからない。
    • スニークやクローキングといったオーグメントはこれまで通り任意発動式となっており、使い勝手は前作までと同様。

重火器プレイの優遇化

  • 本作からは新たに選択式インベントリ拡張機能やダッシュ機能が追加されており、また装備中の移動速度低下率も『1』に比べ減少したためヘビーライフル、レーザーライフル、ロケットランチャーといった大型武器を使用しての重火器プレイがより容易になった。また武器種自体も減少したため、所持している重火器の弾薬が足りなくて使えないといった状況にも比較的陥りにくい。
    • もちろんこれまで通りサイレンサーを装着したハンドガンやスナイパーライフルを利用しての隠密プレイや、近接攻撃と麻酔攻撃を多用した非殺傷プレイ、或いはアサルトライフルをメインとした通常火器プレイを行うことも可能。

賛否両論点

ハッキングのミニゲーム化

  • スキル強化次第で何もせずとも高速ハッキングが可能だった前作までとは異なり、本作では専用アイテムを使わない限りどのハッキングでもミニゲームを行う必要がある。
    • 関連オーグメントが増加し、腕次第で経験値やクレジットといった報酬も増えるなど要素としては強化されているものの、慣れない間は戸惑うことに。

問題点

異様に早い無力化からの回復

  • 麻酔銃などの非殺傷武器、またはテイクダウンで無力化したNPCは昏睡状態となるが、この際に敵が見つけるとノックして即座に起こしてしまう。
    • 即座に昏倒する強力な麻酔を撃たれようと、首を絞められて窒息したり腕をへし折って床に叩きつけられていようと一度倒れて起こされると何もなかったかのように起き上がるため、違和感を感じがち。

避けられない一部ボスとの戦闘

  • 本作では合計5回のボス戦が存在し、そのうち交渉が行える最初のボスとラスボスを除く3回は人間型ボスとの一騎打ちとなる。
    • 『1』では事前に仕掛けた爆弾トラップを作動させ粉砕する、キルスイッチを唱えて自爆させる、逃亡して戦闘を回避する、射程圏外から狙撃で胴体を吹き飛ばすなど、真っ向勝負を挑まずともさまざまなアプローチで名有りボスに対処することができたが、本作の人間型ボスとの戦闘ではエリアに侵入したとたんに強制的にムービーが挿入され、銃撃戦で敵を排除しなければ先に進むことができない。
    • ボスのHPも悪い意味でFPSのボス的な調整となっており、どう見ても生身の頭めがけて弾丸を浴びせても一向に倒れない。このため、非殺傷プレイやステルスプレイを目指して武器を揃え、オーグメントを育成しているプレイヤーにとっては鬼門。『1』では強力だったロケットランチャーも、これらのボスに対してはほぼ効かない。
    • ボスにも簡単に対処できる攻略法自体はあるのだが、インベントリを圧迫する大型兵器を敢えて携行する、道中で使いどころがないオーグメントを敢えて取得する、途中で発生するサイドクエストを敢えて受けずに進める、などいざボス戦に入ってからでは遅いものばかりでやや不親切。

やや豪快で演出過剰なカットシーン演出

  • 本作では一部オーグメントの使用時や階段の上り下り、カバー操作時などの際に、一時的に主観視点ではなく背面視点や客観視点へと視界が切り替わる。ただし、この演出にややくどい箇所が存在してしまっている。
    • 主に該当するのはテイクダウン(近接攻撃による無力化)発動時とイカルス・ランディング(高所からの落下ダメージを無効にするオーグメント)発動時に発生する演出。テイクダウンは座っている敵以外はどの角度・状態からでもブン殴ったり腕をへし折ったりと一秒程度の暴力的演出が入る。
    • そのため『MGS』シリーズにおけるCQCのようにはいかず、イカルス・ランディングは発動中は着地位置の調整ができずに垂直落下し、着地時にはカメラが前方からの視点となり周囲の状況が見渡せなくなってしまう。

総評

年代や開発体制は大きく異なりながらも、高い評価を受けた初代『Deus Ex』への原点回帰が多く見られる作品。
それでいて、現代的なFPSやオープンワールドタイトルに準拠した要素も多く取り入れられている。
だが、その複雑で奥深いゲームプレイは高い精度で『Deus Ex』らしさを維持することに成功している。
翻訳やチュートリアル、ナビゲーションシステムといった要素も旧作以上に充実。
ストーリーも前作知識なしでも問題なく楽しめるなど、シリーズ初心者にもオススメの作品と言えるだろう。


余談

  • 海外では2013年10月22日にWiiUで完全版の『Deus Ex: Human Revolution Director's Cut』が発売されているが、こちらは日本未発売。
    • また、Steamで配信されているWin版も現在は『Director's Cut』として配信されている。そのため、日本語化は不可能。
    • 一応有志によってオリジナル版の日本語化MODは製作されているが『Director's Cut』版非対応のため、日本語で遊ぶにはPS3/360版を購入するか、Winのオリジナル版パッケージを購入して日本語化する必要がある。
  • 本作の発売に合わせ、さらなる前日譚となる小説『Deus Ex: Icarus Effect』がアメリカで出版された。
    • 主人公は米国シークレットサービスのアンナ・ケルソーと、英国特殊部隊SASのベン・サクソン。ベン・サクソンは後にゲーム『Deus Ex: The Fall』で主人公を務めている。
    • また、『1』からもガンサー・ヘルマン、ボブ・ページ、モーガン・エヴァレットといったキャラクターが複数登場しており、2つの作品を繋げる内容となっている。

続編・派生作品

  • 『Deus Ex: The Fall』(Win 2014年3月18日発売)
    • 『デウスエクス』のスピンオフ作品。元はスマホ向けに配信されていた同名作品のPC移植版。開発はモバイル機器向け作品のデベロッパーであるN-Fusion Interactive。日本未発売であり、Steamで配信されているWin版にも日本語は収録されていない。
    • 時系列上は『デウスエクス』の前日譚で、サイボーグ化したイギリスSASの元傭兵であるべン・サクソンが雇い主でもある民間企業の庇護下にあった秘密結社「タイランツ」の裏切りにあい、命を狙われながらもその裏の陰謀の真実に迫る。
      • だが、最初からシリーズ化を目論んだストーリー展開でありながら、次作が作られる様子もなく打切り同然で終わってしまっている。
  • 『Deus Ex GO』(iOS/And 2016年8月18日発売)
    • トゥームレイダー』や『HITMAN』と同じく、旧EidosのIPを起用した『GO』シリーズの一作。
    • 『デウスエクス』のスピンオフ作品としての側面もあり、アダム・ジェンセンが再び主人公に抜擢されている。
  • 『Deus Ex: Mankind Divided』(PS4/One 2017年3月23日発売)
    • 『デウスエクス』の続編。前作から2年後の2029年を舞台に、改造された人間が起こした一斉暴動事件によって機械化した人間と普通の人間が対立する世界で、対立を裏から煽る者がいることに気付いたアダムがこの陰謀を阻止するために戦う。
    • 前作同様に開発はEidos-Montréalが担当。Win版は日本CS機版発売日に日本語化DLCが無料配信された。

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最終更新:2023年11月30日 16:00

*1 ゲームブランドとしての「Eidos」は既に消滅しているが、傘下の開発スタジオであるEidos上海とEidosモントリオールにその名を残している。