本稿ではオリジナルのFC版及び、リメイク作品であるWSC版とPS版を併せて解説する。
【ふぁいなるふぁんたじーつー】
ジャンル | RPG | ![]() |
対応機種 | ファミリーコンピュータ | |
発売・開発元 | スクウェア | |
発売日 | 1988年12月17日 | |
定価 | 6,500円(税別) | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | 4個(バッテリーバックアップ) | |
レーティング | CERO:A(全年齢対象)(*1) | |
配信 |
バーチャルコンソール 【Wii】2009年6月16日/476Wiiポイント 【WiiU】2013年12月11日 【3DS】2014年2月12日/共に476円(各税別) |
|
判定 | 良作 | |
ポイント |
『1』と異なりキャラ固定でシナリオ重視の作り ファンタジー戦記風のシナリオ進行 戦闘中の行動で成長が変わる新しいシステム 魔法干渉・回避率・重さなど重要な要素に説明なし きさまら はんらんぐんだな! |
|
ファイナルファンタジーシリーズ |
遥か彼方の世界において…長く続いていた平和が、いま終わりを告げた
衝撃的な演出手法の数々によりその名を轟かせた『ファイナルファンタジー』の第2作目。
前作とはうって変わり、ジョブやレベルの廃止、ドラマ仕立てのシナリオなどにより、単なるドラクエフォロワーに収まらない挑戦的な新機軸が盛り込まれた。
また、後に『サガシリーズ』を製作する河津秋敏がゲームデザインを担当している。
初期の作品ということもあり荒削りな部分も多いが、他にはないシステムを盛り込みつつも破綻させることなくバランスが調整されている。
ストーリー
魔界より呼び出した魔物の力を用いて世界征服に乗り出したパラメキア帝国。
世界中の国々が次々と陥落していく中、フィン王国は必死に抵抗を続けてきたが、
帝国の圧倒的な戦力の前に敗退、居城を奪われ王族は辺境の町アルテアに落ち延びた。そんな中、フィン王国に住んでいた4人の若者――フリオニール、レオンハルト、ガイ、マリアは、
家族を奪われ執拗かつ無慈悲な帝国の追手から逃げ続けていたが、ついに追いつかれ倒れてしまう。パラメキア帝国に対抗する反乱軍を指揮するフィン王国王女ヒルダに救われた一行は、
混乱の中で行方不明になってしまったレオンハルトの探索と家族の仇討ちを決意して反乱軍に加わり、
過酷な戦乱の渦の中に身を投じていくのであった。
特徴
世界観
行動の自由度の高さ
ワードメモリーシステム
本作では重要な単語を覚えておいて、それをNPCに尋ねてみることが可能。これが「ワードメモリーシステム」である。
このシステムのおかげで、シナリオ重視でありながらやらされ感の少ない自然なゲーム展開を実現している。
自由度が高いキャラクターの育成システム
戦闘バランス面
+ | このゲームの名物モンスターの一部 |
音楽
その他の変更点
フィールドマップの造形
戦闘バランス面での穴
本作は難易度の高さを指摘されることが多いが、主な原因は「重要なシステムの説明不足」と「ゲーム雑誌によって間違った攻略方法が広まったこと」にある。
+ | 長いので収納 |
システム面での制約
その他の問題点
前作のヒットに続いて製作されながら安牌といえる「前作のシステムのブラッシュアップ」ではなく、大々的なシステム変更で攻めの姿勢に出た意欲作。
売り上げ面こそ前作以上のヒットを記録したものの、システム上の説明不足からくる難易度面の誤解が大きく影響し、当時の時点でも正当に評価されたとは言い難い結果となったが、本作の提唱した独特のシステムやシナリオ演出は後の多くの作品に影響を与えた。
FF本編シリーズにおいては本作同様のシステムを搭載した作品はこれ限りとなったが、シリーズ初期の発展途上にある作品として十分に意義あるものだったと言えよう。
【ふぁいなるふぁんたじーつー】
対応機種 | ワンダースワンカラー | ![]() ![]() |
発売 | スクウェア | |
開発元 | KAN NAVI | |
発売日 | 2001年5月3日 | |
定価 | 5,200円(税別) | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | 8個(バッテリーバックアップ) | |
備考 | WSC同梱版:2001年5月3日/12,000円(税別) | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
様々な変更を加えたWSCリメイク オリジナルモードの仕様は不評 |
『ファイナルファンタジーII』のワンダースワンカラーによるリメイク。
前作の『FFI(WSC)』と同様に移植ではなく、大々的なリメイクを行ったものであり、グラフィックをはじめ、ゲームバランスやインターフェースが後期シリーズ(『IV』~『V』付近)に近い物へと改良されている。
快適な操作や改善されたインターフェースでかつ、オリジナルを極力尊重した作りとなっており、細かい変更はあるものの、後に発売されたPS版、GBA版、PSP版などに比べ、最もオリジナル版に近いリメイクである。
【ふぁいなるふぁんたじーつー】
対応機種 | プレイステーション | ![]() ![]() |
開発元 | KAN NAVI | |
発売日 | 2002年10月31日 | |
定価 | 3,800円(税別) | |
プレイ人数 | 1人 | |
配信 |
ゲームアーカイブス 2012年8月28日/572円(税別) |
|
判定 | 良作 | |
ポイント | WSC版をベースにPSでさらにリメイク |
『ファイナルファンタジーII(WSC版)』をベースにPSでリメイクしたもの。
ゲーム内容の大半はWSC版に準じている為、詳細に関してはWSC版を参照。
良くも悪くもWSC版のベタ移植に近いリメイクではあるが、WSC版は環境の都合上、現在プレイすることが難しいため、WSC版の移植作品としても機能している。
しかし武器の魔法干渉をなくしたため、WSC版やFC版で体験できたFFII独自の大きな面白さが減じてしまっているのは非常に痛いところである。
一方、大元のゲームバランス自体はWSC版を概ね踏襲しているため、根本的な面で何もかもが激変してしまったというわけではない。
強い武器さえあればよいということは、好意的に受け取れば武器防具の扱いに頭を悩ませずに進めるということでもある。PS版で大々的にパワーアップしたBGM、ギャラリーモードによって天野氏の原画を眺められる点などの追加要素もあるため、決してすべてが欠点に終始しているわけでもない。
また後のリメイク作品ではゲームバランスやメッセージに大幅に変更が加えられたことにより「オリジナルに忠実なリメイク」とは言い難くなってしまっているため、「原作に忠実な内容でWSC版に近いバランスでサクサク進めたい」という人にならば、おススメできる作品になっているといっていいだろう。
*1 バーチャルコンソール版で付与されたレーティングを記載。
*2 正確には本作までは「飛空艇」ではなく「飛空船」という呼称だった。シドも次作以降と違って本作では若く一人称が「俺」。続編でも名前は同じながらそれぞれ別人である。
*3 パーティアタックでマリアを先に倒した場合はこの限りではない
*4 チョコボは、PSP版の『I』のみ像が背景として登場する
*5 モルボルは元々はイソギンチャクの怪物、チョコボは元々白系で10m程度の恐竜サイズ
*6 これに限らず魔法使い系はソーサラーやマジシャンもバーサク、デス、ヘイスト、オーラなど高く売れる魔法の本を落とすので狩っておいしい。
*7 「くさいいき 1」と表示されるが実際は10。つまり「くさいいき 10」だが表示文字数の仕様上、表示しきれない「0」が切れて見えていないだけ。そのため命中率も結構高い。
*8 後の作品ではブラスター効果が即死か麻痺の二択となり、本作の要素が混じったと言われている。
*9 「くさいいき」同様で「ブラスター 1」と表示されるが実際は10。
*10 宝箱に潜むドラゴン系(ホワイト・レッドなど)や最初の中ボス「ベビーモス」などが後にエンカウントする時は通常のBGM。
*11 後の攻略本によると「魔妨率」が公式名称の模様。
*12 厳密には『ファミリーコンピュータ ゲーム必勝法スペシャル「ファイナル・ファンタジーII」』(ケイブンシャ刊)には簡単な解説が存在していたが、雑誌別冊扱いということもあって部数が限られていたため、ごく一部のユーザーのみが知る情報となっていた。
*13 断末魔の叫びなどでネタにされる事が多いラスボスだが、いうなれば高い能力値に加えて上記の名物モンスターの凶悪な特徴のほぼ全てを併せ持つ強敵であり、正攻法で戦えば苦戦は免れない。
*14 ブラッドソードを使うまでもない雑魚相手ならできなくもないが
*15 レベル2で呪い、レベル3で忘却、レベル4でカエル、レベル5で石化、レベル6では死亡からの蘇生も可能になる。
*16 ただし徳間書店のわんぱっくコミックスシリーズにおけるゲームコミック(作:みなづき由宇)では完全な形のビキニアーマーで描かれている。
*17 この号が発売されたのは12月2日なのでゲーム自身発売される前。
*18 発売時期の近かったドラゴンクエストIV、ファイナルファンタジーIII、ウィザードリィIII、女神転生IIのこと。
*19 チャイコフスキーの「白鳥の湖」のアレンジ
*20 ただし、メロディの一部をアレンジしたものであり、曲全体としてはほぼ別物となっている。