ぷよぷよeスポーツ

【ぷよぷよいーすぽーつ】

ぷよぷよeスポーツ アーケード

【ぷよぷよいーすぽーつ あーけーど】

ジャンル 落ち物パズルゲーム

対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション4
Windows(Steam)
アーケード(ALL.Net P-ras MULTI Ver.3)
発売元 【Switch/PS4/Steam】セガゲームス
【アーケード】セガ・インタラクティブ
開発元 セガゲームス(ソニックチーム)*1
発売日 【Switch/PS4ダウンロード版】2018年10月25日
【アーケード】2019年4月18日
【Steam版】2019年5月8日
【Switch/PS4パッケージ版】2019年6月27日
定価 【Switch/PS4ダウンロード版】2,036円(税込)
【Steam版】1,100円(税込)
【Switch/PS4パッケージ版】1,990円(税抜)
プレイ人数 1〜4人
(アーケードは1〜2人)
レーティング CERO:A (全年齢対象)
判定 なし
ポイント 対戦中心のeスポーツ向けタイトル
演出は簡素化
魔導物語・ぷよぷよシリーズ

概要

ぷよぷよテトリス』をベースとして「ぷよぷよ通」「ぷよぷよフィーバー」ルールの対戦や大会使用に特化するよう開発された作品。
発売当時の「ぷよぷよ」公式大会では当時の据え置き向け最新作である『ぷよテト』が使用されていたが、大会利用にあたり第三者(プロデューサーインタビューより。おそらくテトリスの権利者であるザ・テトリスカンパニーなどを指していると思われる。)に許諾を得る必要があったため、ぷよぷよの対戦に特化したタイトルとして開発された。
また、機能を対戦面を中心に限定することによって価格を抑え、ぷよぷよの競技人口を広める狙いもある。実際に、ダウンロード版は発売からしばらくの間500円(税込)に大幅な割引がなされていたほか、定期的にセールも行われている。

当初はダウンロード専売だったが、2019年にはSwitchとPS4で同価格帯でのパッケージ版も販売。また、同年にAC版『ぷよぷよeスポーツ アーケード』も稼働開始した。収録モードの違いやAimeカードとの連動を除けばほぼ同内容のため、家庭用版と共に扱う。

特徴

基本的なシステムは『ぷよぷよテトリス』に準拠しているため、そちらの記事も参照のこと。

ルール

  • ぷよぷよ通」「ぷよぷよフィーバー」の2つの定番ルールを収録。
    • 全ルールで『ぷよテト』同様の2〜4人対戦やチーム戦、1人で1戦のみ行うワンプレイや、次から次へと現れるCOMと戦い続けるとことん対戦を行えるほか、オフラインで最大8人まで勝ち抜きトーナメントを組める「たいかいモード」を新たに搭載している。
    • クイックドロップのON/OFF、ハンデ設定、負けたプレイヤーが次の試合で有利になるブースト機能(火力アップ・落下速度緩和・連鎖のタネ)など、細かいルールも設定可能。

チャレンジ

  • 2019年3月のバージョン1.03アップデートで追加。eスポーツ大会での予選などで使用することを想定した1人用モード。
    • タイム等のルールが固定のスコアアタックである「公式チャレンジ」、設定したタイムでスコアアタックを行う「スコアチャレンジ」、設定したスコアに達するまでの時間を競う「タイムチャレンジ」の3種類が用意されている。

レッスン

  • パッケージ版発売に伴い追加された、過去作の「じゅぎょう」に相当するモード。DL版もアップデートで追加。
  • 基本ルールをお手本を見ながら「基本」「応用」「研究」の3段階から段階的に学ぶことができる。
  • 実践形式の「問題」ではガイドを見ながら、基本的な操作や階段積み、折り返しといった基本テクニックを一通り学べるようになっている、言わば簡易『なぞぷよ』に近いモード。全200問収録。

インターネット機能

  • インターネット関連のモードも『ぷよテト』に準拠しており、ランクマッチ「ぷよぷよリーグ」でレート戦、リプレイの閲覧などが可能。
    • また、「クラブ」は削除され、ルームマッチ「きがるにたいせん」に置き換えられた。
  • 2020年8月のバージョン2.02では「かんせん」モードも追加され、他のプレイヤーの試合を観戦したり、応援スタンプを送ったりできるようになった。

アーケード版

  • アーケード版については久々のアーケード展開となった。シリーズ全体では2013年の『ぷよぷよ!!クエスト アーケード』以来、従来のルールに則った本編としては2003年の『ぷよぷよフィーバー』以来である。
  • 収録モードが家庭用と少し異なり、アーケード版は対人戦の「全国対戦モード」「店内対戦モード」、1人用の「スコアアタックモード」の3モードのみ実装のシンプルな構成。家庭用版にある4人対戦や追加モードは存在しない。
    • 「全国対戦」はネットワークを利用して全国のプレイヤーと、「店内対戦」は店内のプレイヤーとマッチングして対戦する。
      • マッチング待ちの間は1人用の「かちぬき」でプレイし、連勝数が記録される。マッチングが成立すると乱入によりCPU戦が一時中断されて対人戦に移行する。
      • ライフ制となっており、対人戦で1セット敗北 or 3セット連続で勝利、もしくはマッチング無しでCPU戦が一定時間経過によりライフが1つ消費される。ライフが全て無くなるとゲームオーバー。
      • 大会用の用途として、CPU戦中に任意で現在のライフと残り時間を全て破棄して強制ゲームオーバーにすることも可能。
    • 1人用の「スコアアタック」は「かちぬき」のルールで制限時間6分内でのスコアを競うというもの。こちらは途中乱入無し。
  • 「Aime」カードを使えば戦績データやレーティング等の保存・アイコンのカスタマイズも可能。
    • アイコン設定などのカスタマイズ要素はAimeカードと無料の連動ウェブサイトを用いる形となる。
    • おまけとして1日1回のライフボーナス等も付与される。
  • 操作は基本的に筐体備え付けのコンパネだが、外部USBゲームパッドの接続も行える。
  • 全国のラウンドワンなど一部店舗ではオフライン専用・Aime非対応となった機能制限版の『ぷよぷよeスポーツ アーケード すぽっと!』も稼働している。

評価点

純粋にぷよぷよの対戦に特化している

  • 面倒なモード解禁やキャラ解禁の必要もなく、買ってすぐに全ての要素で遊ぶことができる。
    • ルールも定番であるぷよぷよ通とぷよぷよフィーバーが収録されている。
    • ぷよぷよ!! Puyopuyo 20th anniversary』のフィーバールールのような深刻なバグもなく、問題なくローカル、オンラインで対戦を楽しむことができる。
    • 一応、アップデートで追加の隠しキャラクター3体は出現コマンドが必要だが、これも簡単なコマンドのみで使用可能。

比較的抑え目の価格帯

  • 対戦に特化した最低限の内容に抑えられているため、通常2000円前後と従来の作品より抑え気味の価格帯に設定されている。
    • 本編シリーズのソフトの価格帯と比べると、比較的安価でぷよぷよの対戦を楽しむことができる。
    • 特にsteam版は内容は変わらず通常1100円と抑え気味になっており、各種オンライン要素はもちろんのこと、リモートプレイにも対応している。

アイコンを設定できる

  • スマートフォンアプリ『ぷよぷよ!!クエスト』由来の豊富なキャラ画像とカードの枠、背景を自由に組み合わせて、自分好みのアイコンを作れるようになった。作ったアイコンは対戦時にも表示される。
    • 『ぷよクエ』ではあり得ない枠と背景の組み合わせも可能。豊富なキャラクターと合わせて個性を出すことができる。

色覚特異性に対応

  • 従来の作品でもぷよのスキンの「イロガエ」で一部の色覚特異性には配慮されていたが、本作ではアップデートにより「3色覚」「1型2色覚」「2型2色覚」「3型2色覚」の4つの色覚特異性に対応した色フィルターをかけられるようになった。
    • コマンドを入力することで、自分のフィールドにだけフィルターをかけられる。そのため、違う色覚特異性を持った人同士の対戦にも対応している。
    • また、従来通り「モジ」「ソニック」などぷよの色によって形が違うぷよのスキンも存在。色覚フィルターと併用することもできる。
  • 実装にあたり、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構の監修を受けている。この取り組みは各メディアでも取り上げられるなど大きな話題を呼んだ(参考)。

その他の評価点

  • 『ぷよクエ』の仕様を引き継いで、全消し時にもキャラがボイスを喋るようになった。
  • 「相殺演出」の追加。大連鎖による相殺中は画面上部にキャラが押し合う演出が追加され、視覚的にわかりやすくなった。
  • ルールエディットや対戦中のBGM・背景の選択などの基本的な設定はもちろんのこと、強化COMコマンド、通常対戦時のCOM強制敗北コマンドといったあると便利な要素も搭載されている。
  • アップデートで追加された「チャレンジ」「レッスン」「かんせん」等の新モードはいずれも好評。

賛否両論点

キャラクターチョイス

+ 登場キャラクター
  • 初代『ぷよぷよ』: アルル・シェゾ・ルルー・すけとうだら・ドラコケンタウロス・ウィッチ・カーバンクル・サタン・ハーピー
  • 『通』『SUN』:セリリ・ラグナス
  • 『フィーバー』:アミティ・ラフィーナ・シグ
  • 『7』:りんご・まぐろ・りすくませんぱい
  • 『クロニクル』:アリィ・ラフィソル(隠)
  • 『ぷよクエ』:ヘド(悪魔ロックシリーズ)・スルターナ(魔人シリーズ)・シエル(天使シリーズ)・ホウライ(龍人シリーズ)・ハルトマン(天騎士シリーズ)・アレックス(童話シリーズ)・パプリス(隠)*2 戦乙女 (ヴァルキリー)アルル(隠)*3
  • キャラクターの総数だけ見れば、『ぷよぷよクロニクル』から据え置きの24人+無料アップデートで追加された隠しキャラ2+1人。しかしスマホ版『ぷよぷよ!!クエスト』からもキャラクターが参戦した結果、従来のキャラが一部削減されている。
    • 初代『ぷよぷよ』~『SUN』の旧コンパイル組からは『20th』以降定着したいつものメンバーが揃っている上に、『クロニクル』にてスキルバトル専用のサブキャラとして復活したハーピー、セリリ、ラグナスが正式なプレイアブルキャラとして昇格するなど、全体的に優遇気味。
    • 一方で『フィーバー』は特にキャラが削減され、主役級のいわゆる「ARS」の3人のみ。過去作でおなじみだったクルーク、レムレス、フェーリなどが削減されたことがファンの不評を買った。
    • 『7』『クロニクル』はもともとのキャラ数が少ないためエコロを除いてほぼ全員揃っているのであまり問題にはされない。
    • 『ぷよクエ』からのキャラは全部で6(+1)キャラ。ルルーやラフィーナとお嬢様口調がかぶっているスルターナなど『ぷよクエ』プレイヤーから見ても疑問の残るチョイスもある。
      • しかもパプリスを除いて全員人型キャラであり、近年の常連だった人外キャラのさかな王子、おにおん、どんぐりガエルもリストラされたため、人外キャラがカーバンクル、すけとうだら、りすくませんぱい、パプリスの4名しかいなくなってしまった。『ぷよクエ』オリジナルキャラにも人外モンスターは多数存在するため惜しいところ。
      • スルターナの選出に関しては当時の『ぷよクエ』環境下において主に性能面で人気であり、2017年に行われた★6プレゼントキャンペーンで「みんなが選んでいるキャラクターランキング」の第1位に選ばれていたことも影響している可能性がある*4
        尤も、スルターナが属し同じ性能を持つ「魔人シリーズ*5」の他のキャラを選んでキャラ被りを防ぐこともできたはずだが…*6
    • ちなみに性別比は人型女性14名、人型男性8名、その他4名。『ぷよぷよ~ん』ほどではないが人型の女の子にやや偏っている。
    • 一応、キャラクターの総数自体は『クロニクル』までの24キャラから2名増えている。しかしながらボイスチェンジは実装されていないため、バリエーションとしては過去作より少なくなっている。純粋なバージョン違いと呼べるのも2020年のアップデートで追加された戦乙女アルルのみ(アルルと同性能)。

過去作のツモパターンの流用

  • 復活キャラクターや新規参戦キャラクターに関しては、フィーバールールにおいて従来の組ぷよのツモパターンが流用されているものが多い。
    • 例えば、ハーピーはユウ&レイ、セリリはさかな王子、シエルはクルーク、ホウライはリデル、スルターナはフェーリ、ハルトマンはレムレス、アレックスはアコール先生に対応している。
      • 一応、これらは登場できなかったフィーバーキャラクターを性能面で愛用していたプレイヤーへの代替措置とも言えるのだが、各タイプ・連鎖倍率が微妙に変更されていたりする。
      • なお、『クロニクル』のアリィはおしゃれこうべ(スケルトンT)、ラフィソルはぞう大魔王のツモパターンの流用だが、やはりタイプが異なっている。
    • だが、何故か本作にも参戦している既存キャラクターと被っている者も存在し、ラグナスはシェゾ、ヘドはすけとうだらと同一パターン。ラグナスとシェゾは同じツモでもそれぞれタイプが異なるのでまだいいが、ヘドに至ってはすけとうだらとタイプまで一致しており、実質的に見た目の差しかない。
      • 一応、すけとうだらはフィーバー連鎖、ヘドは通常連鎖のみごく僅かに倍率が上回っているという微妙な差分があるものの、ほとんど誤差の範囲であり、ほぼ同性能のキャラクターで貴重な2枠を潰してしまっている形となっている。
    • 一方、アップデートで新規参戦となったパプリスは、『ぷよクエ』では雑魚キャラクター扱いだったのだが何故かひとりだけ完全新規のツモパターンを貰っている

連鎖ボイスがカウントアップ形式に統一

  • 連鎖ボイスは過去作と異なり、「通」「フィーバー」両ルール共通で、フィニッシュまでは『ぷよクエ』のように連鎖数の数字をそのまま読み上げ、連鎖が終わった時にキャラごとに5種類あるフィニッシュボイスを発する形式に統一された。
    • 2連鎖まではカウントのみ、3連鎖でフィニッシュ1、4連鎖でフィニッシュ2、5連鎖でフィニッシュ3、6~8連鎖でフィニッシュ4(7・8連鎖は増幅ボイスあり)、9連鎖以上でフィニッシュ5(10連鎖以上は増幅ボイスあり)という形式。
      • アルルを例に取ると、フィニッシュ1~5に「ファイヤー」「アイスストーム」「ブレインダムド」「ジュゲム」「ばよえ~ん」が割り当てられている。
        2連鎖は「いち!」→「に!」
        3連鎖は「いち!」→「に!」→「ファイヤー!」
        4連鎖は「いち!」→「に!」→「さん!」→「アイスストーム!」
        12連鎖は「いち!」→「に!」→(中略)→「じゅういち!」→「ば・ば・ば・ばよえ~ん!」
        …のような形式。
      • ただし、相手からの予告ぷよを相殺し切った場合は本来のボイスの代わりにお返しボイスが発生する。
    • 公式試合等に本作が使用されることから、客観的に見てどのキャラクターでも連鎖数がわかりやすくなったという肯定意見もある反面、従来の『ぷよぷよ』ならではの個性や派手さには欠ける。
      • 上記のアルルについても、従来の「ぷよ通」ルールとボイスが異なり、3連鎖が「ファイヤー」、4連鎖が「アイスストーム」と少々違和感があったりする。
      • さらに人語を話さないカーバンクルとパプリスはカウントボイスが鳴き声であり、この2匹だけはボイスから連鎖数が判断できない。
    • また、連鎖ボイスに同時消しなどは一切考慮されていないため、2連鎖で多くのおじゃまぷよを送り込む「2ダブ」等では「いち!」→「に!」のカウントアップのみで大量のおじゃまぷよが送り込まれるなんて事態も発生する。
      • 過去に『ぷよぷよフィーバー』ではおじゃまぷよの発生数に応じてフィニッシュボイスが変化する等の措置が取られていたこともあったが、本作では単純に連鎖数のみを見ている。
    • アミティのフィニッシュボイス5がおなじみ「ばよえ~ん」ではなく新魔法「ルミネシオン」になっているなど、本作オリジナルの変更点もある。

収録ルール

  • 定番を選んでいるとはいえ、ルールが2つしかない。
    • 特に通とは違った競技性を持つ初代ルールは収録しても良かったのではという声もある。

問題点

対戦特化のタイトルのため、演出やストーリーといったキャラゲー要素がカット、もしくは簡素化されてしまっている。
しかしながら従来のシリーズでコストをかけていたこの2点を削減することによって圧倒的な低価格で提供できたのも事実である。

演出の劣化

  • 従来の本編シリーズの経験者が真っ先に指摘する問題点。全体的にスマホ版『ぷよクエ』寄りの簡素な演出にされてしまっている。
  • 上記に挙げた連鎖ボイスの画一化に加え、連鎖アニメをはじめとするキャラクターイラストも『20th』『ぷよクエ』を流用*7したものをカットインでスライドさせるだけという、全く動かないものになってしまっている。
    • カットインの劣化が指摘されていた『ぷよテト』よりもさらに劣る形になる。さらに、勝利、ばたんきゅ〜時の立ち絵も用意されていない。
  • 新規のイラストが用意されたのは衣装の描き直しを除くとカーバンクルとサタンのみ*8
  • UIも『ぷよぷよテトリス』のものを流用しているため、同作を経験済みなら目新しさがない。

ストーリー性が皆無

  • 「ひとりでぷよぷよ」はCPUとの1戦を行う「ワンプレイ」か、次々現れる相手を倒していく「かちぬき」のみ。ストーリー付きのモードは当然存在せず、従来のような漫才デモや勝利メッセージなども無い。
  • キャラクター数こそ多いが、本作単体で見ると見た目やボイスのみぐらいしか性格をうかがい知れる要素がなく、それも上記のように簡素化されてしまっている。
    • 歴代キャラクターがアイコンとして登場したり、1人用のキャラクターセレクト画面やマニュアル(オンラインでも閲覧可能)にて参戦キャラクター達のざっとした紹介文が一応見られるが、キャラクター的な要素はその程度である。
    • 一応、紹介文内で『ぷよクエ』の舞台である「プワープアイランド」についても言及されており、本作の舞台も『ぷよクエ』と同様であると推測されるが、当然ゲーム本編には何ら関わらない。

一人用のとことんモードがない

  • 対戦モードに特化したためか、じっくりと遊べる「とことん」モードが削除されてしまった。『7』などにあった「れんしゅうノート」も搭載されていない。
    • 前述通りとことん対戦の「かちぬき」モードはあるものの、これはコンピュータ相手に戦い続けるものであり、単純に一人で遊べる「とことん」モードが存在しない。
  • アップデートで一人用の「チャレンジ」が新たに追加されたが、こちらはどのモードも制限があり、やはりじっくり練習することはできない。
    • 「公式チャレンジ」は120秒制限、「スコアチャレンジ」も60/90/120/180/240秒制限から選択式。設定された制限時間に到達すると終了。
    • 「タイムチャレンジ」は目標スコアに到達するまでのタイムの少なさを競うモードで、5000/9000/2万/4万/10万/30万/1000万点から選択式だが、やはり設定スコアに到達すると当然そこで終了となる。
    • パッケージ版から追加された「レッスン」モードも、自分でフィールド内に自由に組める訳では無い。
  • 一応抜け道として、「ひとりで」のぷよぷよ通の「ワンプレイ」のルール設定で「連鎖縛りを20など大きな値にし」、「CPU側が自滅しないようにハンデを激甘にする」ことで擬似的にとことんぷよぷよが可能になるが、この設定は記憶されないので毎回設定する手間がある。
  • 「ぷよぷよ」の入門用に位置付けられているのに、初心者が自由に練習できるモードがないのは辛いところである。

フィーバールールのキャラ格差

  • 具体的には通常大連鎖時のレートが高いルルーとサタン(後者は本作で強化)、フィーバー大連鎖が最高レートで通常小・大連鎖も強く多ツモのパプリスが強いとされている。
    • 上級者同士の対戦ではどうしても大連鎖の撃ち合いとなるため、大連鎖時のレートが高い前述のキャラに加え、ラフィーナ・ラフィソル・シェゾ等が強い原因になっている。
    • シェゾとラグナスはツモパターンが同一なのだが、タイプと連鎖倍率の違いにより実質的にラグナスが劣化版となってしまっている。
  • 一方、まぐろ等の小連鎖のレートが高い「こつこつジャブタイプ」系のキャラクター、「フィーバーで逆転タイプ」なのにレート最弱クラスのスルターナ、2個ぷよ10連続の後に3個・4個ぷよラッシュが来るという独特の積みづらさで実質ホウライの下位互換のドラコ等は弱いとされている。
  • セリリは「フィーバーで逆転タイプ」を名乗っているにもかかわらず、実際には通常連鎖の方が強く、フィーバーは平均値よりもかなり下と表記が嘘つき状態。
    • 同じツモである『ぷよぷよ!! Puyopuyo 20th anniversary』のさかな王子のようなタイプ詐欺の再来になってしまっている上、通常連鎖も大連鎖が弱い「こつこつジャブ攻撃タイプ」に近いレートのためかなり弱く、本作の中でも最弱クラスと言われている。

総評

低価格ながらぷよぷよ定番の2ルールを収録しており、対戦ツールとしては問題なく遊ぶことができる。
アイコン設定や色覚特異性への対応など、のちの作品に引き継がれた新たな取り組みも評価されるべきだろう。
しかしながらキャラ選や旧作から劣化した演出などには特にぷよぷよに「キャラゲー」としての側面を求めるシリーズファンからの不評が集まってしまった。一人用のとことんモードがないのもマイナス点。
とはいえ徹底したコストカットによりぷよぷよで遊ぶだけなら気軽に手にとることができる、ぷよぷよで遊ぶ敷居を下げるという当初の目的は十分に果たせている一作だと言える。購入する前には、ぷよぷよシリーズに何を求めるかを参考に決めるといいだろう。


余談

  • 『ぷよクエ』ではボイスもなかった単なる雑魚キャラであるパプリスだが、本作ではプレイアブルに昇格し、連鎖ボイスもつけられた。ただし「パプパプ」「シャー」と鳴くだけ。ぷよクエでは人語を喋っているが本作では採用されなかった。
  • Steam版配信当初は英語名である『Puyo Puyo Champions』がタイトルとなっていたが、後に日本語タイトルが追加された。
  • 次作にあたる『ぷよぷよテトリス2』ではキャラクター数の増加が行われたが、本作に登場した『ぷよクエ』メンバーはいずれも続投されなかった。
  • 本作発売以降、セガ開催によるぷよぷよ公式大会は基本的に本作を使用して行われることになった。
    • 関連して、本作のeスポーツ特設サイトや、コミュニティサイト「ぷよぷよキャンプ」等も開設され、本作を使用した初心者向けのガイド等がサイト上に公開、オンラインのコミュニティ大会も毎月開かれるなど、タイトル通り競技用に特化した運用が行われている。
    • 『ぷよぷよテトリス2』発売後も本作が継続して「大会用のガチ対戦用途」という位置づけであり、カジュアルなあちらとの棲み分けがなされている。
最終更新:2024年05月15日 04:14

*1 Steamストアの表記より。

*2 ぷよクエの「あかいパプリス」。

*3 特定のコマンドを入力することで使用可能になるアルルの衣装替えキャラ。ボイスや性能は通常のアルルと同様。

*4 いわゆる「人気投票」ではなく、あくまで「当時のユーザーが交換対象に選んだ★6キャラクター」のランキングである点に注意。

*5 『ぷよクエ』の大半のキャラクターは同じスキルを持ち、属性が違うキャラ5名からなる「シリーズ」に属している。

*6 実際、前述のランキングでは2位が同じ魔人シリーズのヌール、3位が同じくアインであり、単に属性や能力の利便性だけで選ばれた可能性も高い(補足するとスルターナの属性は紫緑、ヌールは黄赤、アインは青黄で、紫と黄は属性半減されることがなく、また同シリーズだと赤と紫はわずかだが攻撃力にプラス補正があるため、攻撃力が高く半減されないスルターナが選ばれやすかった。)。ちなみに4位は旅の勇者りんごだった。

*7 正確には『ぷよクエ』で衣装が変わったキャラクターはポーズはそのままに『20th』の衣装に描き直されている

*8 ただし、過去作のイラストを衣装のみ描き直して使用するパターンは『7』までは良くあった