スーパーハングオン
【すーぱーはんぐおん】
ジャンル
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レース
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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セガ・エンタープライゼス
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稼働開始日
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1987年4月
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判定
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良作
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概要
セガの体感ゲームの始祖たる作品『ハングオン』の正統続編で、セガが展開していた「体感ゲーム」の第5弾。
システム
前作『ハングオン』からの相違点は以下の通り。
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ゲーム開始時に難易度が異なる4種類のコースを選択可能。
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それぞれのステージの長さは過去作に比べてその半分くらいの長さになっており、その代わりにステージ数が大幅に増加した形になっている。
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アクセルオンでの最高速まで到達した際にスーパーチャージャーボタンで更なる加速が可能なシステムが搭載。使用回数に制限はなく、最高速度に達した時にはいつでも使用可能になる。
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BGMもゲーム開始時に4曲の中から選択可能。
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現在のコースの進捗状況のゲージが追加された。
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ゲーム筐体は、機構とサイズが異なる4種類が存在する。
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ミニライドオンタイプ:モニターがバイク部分から分離され、バイク部分も必要最小限の形状でコンパクトにまとめたバージョン。
前作『ハングオン』のライドオン筐体とは異なりフットステップが廃止され、最初から両足をつけての操作が前提となっている。
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シットダウンタイプ:アップライトの画面に専用のハンドルとシートが固定された普及型の筐体。ハンドルを左右に振るだけで容易にコーナリングできるためか、コースがより難しめに調整されている。
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ライドオンタイプ:前作『ハングオン』のライドオン筐体を流用したバージョン。筐体にそのまま搭載したバージョンのほか、基板交換で既存のハングオン筐体からバージョンアップするキットも存在。
筐体の都合上スーパーチャージャーボタンは存在しないためアクセルだけで最高速まで到達可能な設計になっている。またフットステップ部分のセンサー機構は廃止されており、コースもミニライドオン筐体よりも簡単に調整されている。
出回りが少ないためか、このバージョンに準拠した移植版は存在しない。
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リミテッドエディションハングオン:海外でのみ発売。上記ライドオンタイプにスーパーチャージャーボタンが付与されたバージョン。筐体のカラーが青色になっている。
評価点
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操作性の向上した筐体
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ミニライドオンタイプの筐体は重量も抑えてサイズも縮小した分扱いやすくなり、乗車感は確保しつつもより操作性を向上させた形となった。
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フットステップが廃止され足をつけての操作が前提となったため、その点でも非常に扱いやすくなった。
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前作筐体をそのまま流用したライドオン筐体についてもフットステップのセンサーを廃止したことで足をつけての操作がペナルティなしで可能となり、操作性がいくらか向上している。
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スーパーチャージャーボタンの付与によるスピード感の向上
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スーパーチャージャーによる加速は瞬間的に最高速となりスピード感と迫力も抜群。発動時のバイクから炎が噴き出すギミックも含めてテンションが上がること請け合い。
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使用回数制限もなく通常の最高速まで到達すればいつでも使えるのもうれしい点。
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無論無計画に使ってもクラッシュの可能性を増やすだけなので、効果的な使い方を求められるのは言うまでもない。
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大きく増加したステージバリエーションとさらに進化したグラフィック
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5ステージ構成でボリューム的に若干難があった前作から、本作では難易度別に4コースを選択可能。ゲームのボリュームも大幅に増加しより楽しめるようになった。
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ステージも地域によって異なるバリエーションを見せ、それぞれのコースの地域に合わせた背景や演出の完成度も非常に高い。
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また、『エンデューロレーサー』や『アウトラン』で採用された高低差の概念も追加され、より変化に富んだコース構成となっている。
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ゲーム史に残る名曲群
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『アウトラン』に引き続きBGM選択機能が追加。4曲あるBGMはどれもゲーム史に残る名曲揃い。サウンド担当は林克洋(ファンキーK.H.)と並木晃一(プリティK.N.およびMickey)と当時新人だった大和田茂氏。
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コースも同様に4種類あるため、それぞれのコースに合わせて別々の曲を選択してプレイするのも一興。
問題点
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細かい部分でバグが残っている。
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有名なのは路肩を長時間走り続けるとBGMが消失するバグ、ラップタイムの下2桁のリセットがされていないタイムバグが有名。いずれもゲーム進行に致命的な影響を及ぼすバグではないのが救い。
総評
前作までの粗削りな部分や物足りない部分を補強し、初心者から上級者まで楽しめる構成にした本作はセガのバイクゲームにおける一つのマイルストーンとなった作品。
今でも通用する面白さを持っているので、見かけたら是非一度は遊んでみていただきたい。
移植
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メガドライブ版『スーパーハングオン』(1989年10月7日発売)
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初移植作品。コースはミニライドオンタイプ準拠。
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初期ソフトゆえにアナログ操作はできず一部グラフィックやサウンドでの制約があるものの、MD初期ソフトとしては移植度はかなり高い。
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アーケードモードのほか、バイクを強化しながらライバルと闘っていくオリジナルモードも存在。
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後に2022年10月27日発売の「メガドライブミニ2」の海外版である「ジェネシスミニ2」に収録された。
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X68000版『スーパーハングオン』(1989年12月25日発売)
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コースはシットダウンタイプ準拠。
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キャラクターはMDに比べ少し小さいが、それ以外はアーケードに忠実な完成度。
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サイバースティックによるアナログ操作にも対応。
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ローランドのMIDI音源ユニットであるMT-32に対応しており、これを使用した場合は効果音が内蔵音源から鳴り、BGMはMT-32から鳴る仕様に変わる。
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Wii版『スーパーハングオン』(2010年9月14日配信開始)
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コースはミニライドオンタイプ準拠。
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標準のコントローラはもちろん、Wiiハンドルによるアナログ操作にも対応。
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PS3/Xbox360版『スーパーハングオン』(2012年5月23日配信開始)
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コースはミニライドオンタイプとシットダウンタイプの両方を収録。
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コース選択で新たにビギナーからエキスパートまでの全コースを走破を目指すスペシャルコースが追加された。
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難易度はアーケードの筐体設定であるEASY~VERY HARDまでの4段階のほかにVERY EASY設定が追加。
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3DS版『3D スーパーハングオン』(2013年3月27日配信開始)
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コースはミニライドオンタイプとシットダウンタイプの両方を収録。
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3DSの立体視機能に対応しているほか、ジャイロセンサーにも対応し本体を傾けての操作も可能。さらにミニライドオン筐体を模した視点回転モードも存在。
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PS3/Xbox360版で搭載されたスペシャルコースも継続して搭載されたほか、コンティニュープレイも搭載。
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難易度は新たに敵車との当たり判定が消滅するSUPER EASY設定が追加。
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3DS版『セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE』(2016年12月22日発売)
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上述の配信版の他に『ターボアウトラン』や『エイリアンシンドローム』など9タイトルが収録された。
関連作品
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デリソバシリーズ
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TBSの『東京フレンドパークII』内で登場したアトラクション。
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初代の「デリソバグランプリ」はX68000版『スーパーハングオン』がベースとなっている。
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2代目の「デリソバデラックス」はセガサターン基板上で作成されていた。開発はケイブ。
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また、番組の視聴者プレゼントとして上記のセガサターン版が配布されていた。
こちらではオプションで難易度変更が可能なほか、エディットモードやコインリンクモードも追加、成績データやエディットデータのセーブも可能、さらにマルコン対応と、視聴者プレゼント作品としてはかなり充実したつくりとなっている。
最終更新:2024年11月25日 12:13