モーセの歌

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モーセの歌 - (2017/07/05 (水) 20:41:37) のソース

*2つのモーセの歌
[[出エジプト記]]15章の、葦の海でモーセらが民と歌った歌と、[[申命記]]32章の、死の間際のモーセが歌った歌は並列している。

**出エジプト記のモーセの歌
出エジプト記15:1-18にある。
葦の海の奇跡について歌ったもの。
>主に向かってわたしは歌おう。
>主は大いなる威光を現し
>馬と乗り手を海に投げ込まれた。 
>主はわたしの力、わたしの歌
>主はわたしの救いとなってくださった。
>この方こそわたしの神。
>わたしは彼をたたえる。
>わたしの父の神、わたしは彼をあがめる。 
>主こそいくさびと、その名は主。 
>主はファラオの戦車と軍勢を海に投げ込み
>えり抜きの戦士は葦の海に沈んだ。 
>深淵が彼らを覆い
>彼らは深い底に石のように沈んだ。 
>主よ、あなたの右の手は力によって輝く。
>主よ、あなたの右の手は敵を打ち砕く。 
>あなたは大いなる威光をもって敵を滅ぼし
>怒りを放って、彼らをわらのように焼き尽くす。 
>憤りの風によって、水はせき止められ
>流れはあたかも壁のように立ち上がり
>大水は海の中で固まった。 
>敵は言った。「彼らの後を追い
>捕らえて分捕り品を分けよう。
>剣を抜いて、ほしいままに奪い取ろう。」 
>あなたが息を吹きかけると
>海は彼らを覆い
>彼らは恐るべき水の中に鉛のように沈んだ。 
>主よ、神々の中に
>あなたのような方が誰かあるでしょうか。
>誰か、あなたのように聖において輝き
>ほむべき御業によって畏れられ
>くすしき御業を行う方があるでしょうか。
>あなたが右の手を伸べられると
>大地は彼らを呑み込んだ。 
>あなたは慈しみをもって贖われた民を導き
>御力をもって聖なる住まいに伴われた。 
>諸国の民はこれを聞いて震え
>苦しみがペリシテの住民をとらえた。 
>そのときエドムの首長はおののき
>モアブの力ある者たちはわななきにとらえられ
>カナンの住民はすべて気を失った。 
>恐怖とおののきが彼らを襲い
>御腕の力の前に石のように黙した
>主よ、あなたの民が通り過ぎ
>あなたの買い取られた民が通り過ぎるまで。 
>あなたは彼らを導き
>嗣業の山に植えられる。
>主よ、それはあなたの住まいとして
>自ら造られた所
>主よ、御手によって建てられた聖所です。 
>主は代々限りなく統べ治められる。 

**申命記のモーセの歌
申命記32:1-43にある。
***序幕
>天よ、耳を傾けよ、わたしは語ろう。
>地よ、聞け、わたしの語る言葉を。 
>わたしの教えは雨のように降り注ぎ
>わたしの言葉は露のように滴る。
>若草の上に降る小雨のように
>青草の上に降り注ぐ夕立のように。 
>わたしは主の御名を唱える。
>御力をわたしたちの神に帰せよ。
***神に背くイスラエルの民①
>主は岩、その御業は完全で
>その道はことごとく正しい。
>真実の神で偽りなく
>正しくてまっすぐな方。 
>不正を好む曲がった世代はしかし、神を離れ
>その傷ゆえに、もはや神の子らではない。 
>愚かで知恵のない民よ
>これが主に向かって報いることか。
>彼は造り主なる父
>あなたを造り、堅く立てられた方。 
>遠い昔の日々を思い起こし
>代々の年を顧みよ。
>あなたの父に問えば、告げてくれるだろう。
>長老に尋ねれば、話してくれるだろう。
***イスラエル人を守る主
※「ヤコブ」とは、エジプトを脱出して荒野をさまようイスラエル人を意味している。
>いと高き神が国々に嗣業の土地を分け
>人の子らを割りふられたとき
>神の子らの数に従い
>国々の境を設けられた。 
>主に割り当てられたのはその民
>ヤコブが主に定められた嗣業。 
>主は[[荒れ野]]で彼を見いだし
>獣のほえる不毛の地でこれを見つけ
>これを囲い、いたわり
>御自分のひとみのように守られた。 
>鷲が巣を揺り動かし
>雛の上を飛びかけり
>羽を広げて捕らえ
>翼に乗せて運ぶように 
>ただ主のみ、その民を導き
>外国の神は彼と共にいなかった。 
>主はこれを丘陵の地に導き上り
>野の作物で養い
>岩から野蜜を
>硬い岩から油を得させられた。 
>彼らは、牛の凝乳、羊の乳
>雄羊の脂身
>バシャンの雄牛と雄山羊
>極上の小麦を与えられ
>深紅のぶどう酒、泡立つ酒を飲んだ。 
***神に背くイスラエルの民②
エシュルンとは「直ぐな者」という意味で、イスラエル人を指す。
>エシュルンはしかし、肥えると足でけった。
>お前は肥え太ると、かたくなになり
>造り主なる神を捨て、救いの岩を侮った。 
>彼らは他の神々に心を寄せ
>主にねたみを起こさせ
>いとうべきことを行って、主を怒らせた。 
>彼らは神ならぬ悪霊に犠牲をささげ
>新しく現れ、先祖も知らなかった
>無縁の神々に犠牲をささげた。 
>お前は自分を産み出した岩を思わず
>産みの苦しみをされた神を忘れた。 
>主はこれを見て
>御自分の息子、娘への憤りのゆえに
>彼らを退けて、 
>言われた。
>>わたしは、わたしの顔を隠して
>>彼らの行く末を見届けよう。
>>彼らは逆らう世代
>>真実のない子らだ。
>>彼らは神ならぬものをもって
>>わたしのねたみを引き起こし
>>むなしいものをもって
>>わたしの怒りを燃えたたせた。
>>それゆえ、わたしは民ならぬ者をもって
>>彼らのねたみを引き起こし
>>愚かな国をもって
>>彼らの怒りを燃えたたせる。 
>>わが怒りの火は燃え上がり
>>陰府の底にまで及び
>>地とその実りをなめ尽くし
>>山々の基を焼き払う。 
>>わたしは、彼らに災いを加え
>>わたしの矢を彼らに向かって射尽くすであろう。 
>>彼らは飢えてやせ衰え
>>熱病と激しい病魔のために弱る。
>>わたしは野獣の牙を
>>地を這うものの猛毒と共に彼らに送る。 
>>外では剣が命を奪い
>>家には恐れがあって
>>若い男と女、乳飲み子と白髪の者を共に襲う。
***憐れみを持たれる主
しかしイスラエル人を滅ぼすと、異邦人が自らの神を正しいと信じる根拠にしてしまうため、神は憐れみによりイスラエル人を生き延びさせた。
>>わたしは言ったであろう。
>>「彼らを跡形もなくし
>>人々から彼らの記憶を消してしまおう」と。 
>>もし、敵が高ぶり、苦しめる者が誤解して
>>「我々の手が勝ちを得た
>>これを成し遂げたのは主ではない」と言うのを
>>わたしが恐れなかったならば。 
>>彼らは思慮に欠けた国民
>>彼らには洞察する力がない。 
>>もし、彼らに知恵があれば、悟ったであろうに。
>>自分の行く末も分かったであろうに。 
>>もし、岩なる神が彼らを売らず
>>主が渡されなかったなら
>>どうして一人で千人を追い
>>二人で万人を破りえたであろうか。 
>>しかし、彼らの岩は我々の岩に及ばない。
>>我々の敵もそのことは認めている。 
***異邦人への主の復讐
>>彼らのぶどうの木は、ソドムのぶどうの木で
>>ゴモラの畑で育ったもの。
>>その[[ぶどう]]は毒ぶどう
>>その房は苦い。 
>>そのぶどう酒は、蛇の毒
>>コブラの猛毒。 
>>これは、わたしのもとに蓄えてあり
>>わたしの倉に封じ込めてあるではないか
>主は御自分の民の裁きを行い
>僕らを力づけられる。
>主が見られるからである
>彼らの力がうせ去り
>未成年者も成人した者もいなくなったのを。 
>主は言われる。
>>「どこにいるのか、彼らの神々は。
>>どこにあるのか、彼らが身を寄せる岩は。 
>>彼らはいけにえの脂肪を食らい
>>注がれた酒を飲んだではないか。
>>さあ、その神々に助けてもらえ
>>お前たちの避け所となってもらえ。 
>>しかし見よ、わたしこそ、わたしこそそれである。
>>わたしのほかに神はない。
>>わたしは殺し、また生かす。
>>わたしは傷つけ、またいやす。
>>わが手を逃れうる者は、一人もない。 
>>わたしは手を天に上げて誓う。
>>『わたしの永遠の命にかけて
>>きらめく剣を研ぎ、手に裁きを握るとき
>>わたしは苦しめる者に報復し
>>わたしを憎む者に報いる。 
>>わたしの矢を血に酔わせ
>>わたしの剣に肉を食らわせる
>>。殺された者と捕らえられた者の血を飲ませ
>>髪を伸ばした敵の首領の肉を食らわせる。』」 
>国々よ、主の民に喜びの声をあげよ。
>主はその僕らの血に報復し
>苦しめる者に報復して、その民の土地を贖われる。