イエスの磔刑

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**十字架への道 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/296/Golgotha800wH.jpg) イエスは始め、自ら十字架を背負っていたが、途中で力つきたため、ローマ兵士たちはキレネ人シモンに無理に担がせた。 [[イエスの死を見届けた女たち]]も参照されたい。 マルコ15:21-24 >そこへ、アレクサンドロとルフォスとの父でシモンというキレネ人が、田舎から出て来て通りかかったので、兵士たちはイエスの十字架を無理に担がせた。 >そして、イエスをゴルゴタという所――その意味は「されこうべの場所」――に連れて行った。没薬を混ぜたぶどう酒を飲ませようとしたが、イエスはお受けにならなかった。 >それから、兵士たちはイエスを十字架につけて、 > その服を分け合った、 > だれが何を取るかをくじ引きで決めてから。 マタイ27:32-34 >兵士たちは出て行くと、シモンという名前のキレネ人に出会ったので、イエスの十字架を無理に担がせた。 >そして、ゴルゴタという所、すなわち「されこうべの場所」に着くと、苦いものを混ぜたぶどう酒を飲ませようとしたが、イエスはなめただけで、飲もうとされなかった。 ルカ23:26-32 >人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。 >民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。 >>「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。人々が、『子を産めない女、産んだことのない胎、乳を飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来る。そのとき、 >> 人々は山に向かっては、 >> 『我々の上に崩れ落ちてくれ』と言い、 >> 丘に向かっては、 >> 『我々を覆ってくれ』と言い始める。 >>『生の木』さえこうされるのなら、『枯れた木』はいったいどうなるのだろうか。」 >ほかにも、二人の犯罪人が、イエスと一緒に死刑にされるために、引かれて行った。 ヨハネ19:17 >イエスは、自ら十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。 **イエスの磔刑と死後の奇跡 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/298/IMG20042168070HI.jpg) 罪状書きには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書かれていた。この図では、上にラテン語、下にアラム語で書かれている。 このうち、ラテン語の IESUS NAZARENUS REX IUDAEORUM の頭文字をとって "INRI"となる。 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/431/DXASTS9UQAADZuX.jpg) #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/297/la-pasion-de-cristo_0.jpg, height=332, width=800) イエスは他の二人の強盗と共に十字架につけられた。 マルコ15:25-41 >イエスを十字架につけたのは、午前九時であった。罪状書きには、「ユダヤ人の王」と書いてあった。 >また、イエスと一緒に二人の強盗を、一人は右にもう一人は左に、十字架につけた。そこを通りかかった人々は、頭を振りながらイエスをののしって言った。「おやおや、神殿を打ち倒し、三日で建てる者、十字架から降りて自分を救ってみろ。同じように、祭司長たちも律法学者たちと一緒になって、代わる代わるイエスを侮辱して言った。「他人は救ったのに、自分は救えない。メシア、イスラエルの王、今すぐ十字架から降りるがいい。それを見たら、信じてやろう。」一緒に十字架につけられた者たちも、イエスをののしった。 >昼の十二時になると、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 >三時にイエスは大声で叫ばれた。「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。そばに居合わせた人々のうちには、これを聞いて、「そら、エリヤを呼んでいる」と言う者がいた。ある者が走り寄り、海綿に酸いぶどう酒を含ませて葦の棒に付け、「待て、エリヤが彼を降ろしに来るかどうか、見ていよう」と言いながら、イエスに飲ませようとした。しかし、イエスは大声を出して息を引き取られた。 >すると、神殿の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂けた。 >百人隊長がイエスの方を向いて、そばに立っていた。そして、イエスがこのように息を引き取られたのを見て、「本当に、この人は神の子だった」と言った。 >また、婦人たちも遠くから見守っていた。その中には、マグダラのマリア、小ヤコブとヨセの母マリア、そしてサロメがいた。この婦人たちは、イエスがガリラヤにおられたとき、イエスに従って来て世話をしていた人々である。なおそのほかにも、イエスと共にエルサレムへ上って来た婦人たちが大勢いた。 マタイ27:35-56 >彼らはイエスを十字架につけると、くじを引いてその服を分け合い、そこに座って見張りをしていた。 >イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王イエスである」と書いた罪状書きを掲げた。 >折から、イエスと一緒に二人の強盗が、一人は右にもう一人は左に、十字架につけられていた。そこを通りかかった人々は、頭を振りながらイエスをののしって、言った。「神殿を打ち倒し、三日で建てる者、神の子なら、自分を救ってみろ。そして十字架から降りて来い。」同じように、祭司長たちも律法学者たちや長老たちと一緒に、イエスを侮辱して言った。「他人は救ったのに、自分は救えない。イスラエルの王だ。今すぐ十字架から降りるがいい。そうすれば、信じてやろう。神に頼っているが、神の御心ならば、今すぐ救ってもらえ。『わたしは神の子だ』と言っていたのだから。」一緒に十字架につけられた強盗たちも、同じようにイエスをののしった。 >さて、昼の十二時に、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 >三時ごろ、イエスは大声で叫ばれた。「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。そこに居合わせた人々のうちには、これを聞いて、「この人はエリヤを呼んでいる」と言う者もいた。そのうちの一人が、すぐに走り寄り、海綿を取って酸いぶどう酒を含ませ、葦の棒に付けて、イエスに飲ませようとした。ほかの人々は、「待て、エリヤが彼を救いに来るかどうか、見ていよう」と言った。しかし、イエスは再び大声で叫び、息を引き取られた。 >そのとき、神殿の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂け、地震が起こり、岩が裂け、墓が開いて、眠りについていた多くの聖なる者たちの体が生き返った。そして、イエスの復活の後、墓から出て来て、聖なる都に入り、多くの人々に現れた。 >百人隊長や一緒にイエスの見張りをしていた人たちは、地震やいろいろの出来事を見て、非常に恐れ、「本当に、この人は神の子だった」と言った。 >またそこでは、大勢の婦人たちが遠くから見守っていた。この婦人たちは、ガリラヤからイエスに従って来て世話をしていた人々である。その中には、マグダラのマリア、ヤコブとヨセフの母マリア、ゼベダイの子らの母がいた。 ルカ23:33-49 >「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。〔そのとき、イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」〕人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、言った。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」 >イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。 >十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。 >既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。 >イエスは大声で叫ばれた。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」こう言って息を引き取られた。 >百人隊長はこの出来事を見て、「本当に、この人は正しい人だった」と言って、神を賛美した。見物に集まっていた群衆も皆、これらの出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。 >イエスを知っていたすべての人たちと、ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた。 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/299/c160c2521e0cfaa00c41492917619724--bible-study-guide-free-bible-study.jpg) ヨハネ福音書のみ死後の奇跡の内容が異なり、ロンギヌスと俗に呼ばれる兵士がイエスを突き刺すと、血と水が流れたことが記されている。 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/308/passion4.jpg) ヨハネ福音書では、イエスの母マリア、マグダラのマリア、愛する弟子ヨハネがいたことになっている。 ヨハネ19:18-37 >そこ(「されこうべの場所」、ヘブライ語でゴルゴダ)で、彼らはイエスを十字架につけた。また、イエスと一緒にほかの二人をも、イエスを真ん中にして両側に、十字架につけた。 >ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上に掛けた。それには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いてあった。イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がその罪状書きを読んだ。それは、ヘブライ語、ラテン語、ギリシア語で書かれていた。ユダヤ人の祭司長たちがピラトに、「『ユダヤ人の王』と書かず、『この男は「ユダヤ人の王」と自称した』と書いてください」と言った。しかし、ピラトは、「わたしが書いたものは、書いたままにしておけ」と答えた。 >兵士たちは、イエスを十字架につけてから、その服を取り、四つに分け、各自に一つずつ渡るようにした。下着も取ってみたが、それには縫い目がなく、上から下まで一枚織りであった。そこで、「これは裂かないで、だれのものになるか、くじ引きで決めよう」と話し合った。それは、 > 「彼らはわたしの服を分け合い、 > わたしの衣服のことでくじを引いた」 >という聖書の言葉が実現するためであった。兵士たちはこのとおりにしたのである。 >イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。 >この後、イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り、「渇く」と言われた。こうして、聖書の言葉が実現した。そこには、酸いぶどう酒を満たした器が置いてあった。人々は、このぶどう酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに付け、イエスの口もとに差し出した。イエスは、このぶどう酒を受けると、「成し遂げられた」と言い、頭を垂れて息を引き取られた。 >その日は準備の日で、翌日は特別の安息日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に遺体を十字架の上に残しておかないために、足を折って取り降ろすように、ピラトに願い出た。そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう一人の男との足を折った。イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。それを目撃した者が証ししており、その証しは真実である。その者は、あなたがたにも信じさせるために、自分が真実を語っていることを知っている。これらのことが起こったのは、「その骨は一つも砕かれない」という聖書の言葉が実現するためであった。また、聖書の別の所に、「彼らは、自分たちの突き刺した者を見る」とも書いてある。 イエスが十字架の上で発した言葉は[[十字架上のキリストの最後の7つの言葉]]のようにまとめられている。 *詩篇22篇 「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ」の言葉は、詩篇22編の2節のことだとされている。また、イエスが「渇く」と言ったことと、兵士らがイエスの衣を分け合ったことは、詩篇22編の16節と19節の預言とされている。 詩編22:2 >わたしの神よ、わたしの神よ >なぜわたしをお見捨てになるのか。 >なぜわたしを遠く離れ、救おうとせず >呻きも言葉も聞いてくださらないのか。 詩篇22:16-19 >口は渇いて素焼きのかけらとなり >舌は上顎にはり付く。 >あなたはわたしを塵と死の中に打ち捨てられる。 >犬どもがわたしを取り囲み >さいなむ者が群がってわたしを囲み >獅子のようにわたしの手足を砕く。 >骨が数えられる程になったわたしのからだを >彼らはさらしものにして眺め >わたしの着物を分け >衣を取ろうとしてくじを引く。 *詩篇31篇 ルカ福音書で最後にイエスが述べた「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」という言葉は、詩篇31編6節からの引用とされている。 詩編31:2-6 >主よ、御もとに身を寄せます。 >とこしえに恥に落とすことなく >恵みの御業によってわたしを助けてください。 >あなたの耳をわたしに傾け >急いでわたしを救い出してください。 >砦の岩、城塞となってお救いください。 >あなたはわたしの大岩、わたしの砦。 >御名にふさわしく、わたしを守り導き >隠された網に落ちたわたしを引き出してください。 >あなたはわたしの砦。 >まことの神、主よ、御手にわたしの霊をゆだねます。 >わたしを贖ってください。 *詩篇34篇 イエスの骨が一つも折られなかったのは、詩篇34:21の預言とされている。 詩編34:16-23 >主は、従う人に目を注ぎ >助けを求める叫びに耳を傾けてくださる。 >主は悪を行う者に御顔を向け >その名の記念を地上から絶たれる。 >主は助けを求める人の叫びを聞き >苦難から常に彼らを助け出される。 >主は打ち砕かれた心に近くいまし >悔いる霊を救ってくださる。 >主に従う人には災いが重なるが >主はそのすべてから救い出し >骨の一本も損なわれることのないように >彼を守ってくださる。 >主に逆らう者は災いに遭えば命を失い >主に従う人を憎む者は罪に定められる。 >主はその僕の魂を贖ってくださる。 >主を避けどころとする人は >罪に定められることがない。 *ホセア書の預言 ルカ福音書で引用されているエルサレム陥落の預言である。 ホセア書10:8 >アベンの聖なる高台 >このイスラエルの罪は破壊され >茨とあざみがその祭壇の周りに生い茂る。 >そのとき、彼らは山に向かい >「我々を覆い隠せ」 >丘に向かっては >「我々の上に崩れ落ちよ」と叫ぶ。 **参考 [[中川健一 十字架の言葉>>https://harvesttime.tv/assets/PDF/Seminars/WordsFromCrossVol1.pdf]]
**十字架への道 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/296/Golgotha800wH.jpg) イエスは始め、自ら十字架を背負っていたが、途中で力つきたため、ローマ兵士たちはキレネ人シモンに無理に担がせた。 [[イエスの死を見届けた女たち]]も参照されたい。 マルコ15:21-24 >そこへ、アレクサンドロとルフォスとの父でシモンというキレネ人が、田舎から出て来て通りかかったので、兵士たちはイエスの十字架を無理に担がせた。 >そして、イエスをゴルゴタという所――その意味は「されこうべの場所」――に連れて行った。没薬を混ぜたぶどう酒を飲ませようとしたが、イエスはお受けにならなかった。 >それから、兵士たちはイエスを十字架につけて、 > その服を分け合った、 > だれが何を取るかをくじ引きで決めてから。 マタイ27:32-34 >兵士たちは出て行くと、シモンという名前のキレネ人に出会ったので、イエスの十字架を無理に担がせた。 >そして、ゴルゴタという所、すなわち「されこうべの場所」に着くと、苦いものを混ぜたぶどう酒を飲ませようとしたが、イエスはなめただけで、飲もうとされなかった。 ルカ23:26-32 >人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。 >民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。 >>「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。人々が、『子を産めない女、産んだことのない胎、乳を飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来る。そのとき、 >> 人々は山に向かっては、 >> 『我々の上に崩れ落ちてくれ』と言い、 >> 丘に向かっては、 >> 『我々を覆ってくれ』と言い始める。 >>『生の木』さえこうされるのなら、『枯れた木』はいったいどうなるのだろうか。」 >ほかにも、二人の犯罪人が、イエスと一緒に死刑にされるために、引かれて行った。 ヨハネ19:17 >イエスは、自ら十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。 **イエスの磔刑と死後の奇跡 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/298/IMG20042168070HI.jpg) 罪状書きには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書かれていた。この図では、上にラテン語、下にアラム語で書かれている。 このうち、ラテン語の IESUS NAZARENUS REX IUDAEORUM の頭文字をとって "INRI"となる。 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/431/DXASTS9UQAADZuX.jpg) #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/297/la-pasion-de-cristo_0.jpg, height=332, width=800) イエスは他の二人の強盗と共に十字架につけられた。 マルコ15:25-41 >イエスを十字架につけたのは、午前九時であった。罪状書きには、「ユダヤ人の王」と書いてあった。 >また、イエスと一緒に二人の強盗を、一人は右にもう一人は左に、十字架につけた。そこを通りかかった人々は、頭を振りながらイエスをののしって言った。「おやおや、神殿を打ち倒し、三日で建てる者、十字架から降りて自分を救ってみろ。同じように、祭司長たちも律法学者たちと一緒になって、代わる代わるイエスを侮辱して言った。「他人は救ったのに、自分は救えない。メシア、イスラエルの王、今すぐ十字架から降りるがいい。それを見たら、信じてやろう。」一緒に十字架につけられた者たちも、イエスをののしった。 >昼の十二時になると、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 >三時にイエスは大声で叫ばれた。「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。そばに居合わせた人々のうちには、これを聞いて、「そら、エリヤを呼んでいる」と言う者がいた。ある者が走り寄り、海綿に酸いぶどう酒を含ませて葦の棒に付け、「待て、エリヤが彼を降ろしに来るかどうか、見ていよう」と言いながら、イエスに飲ませようとした。しかし、イエスは大声を出して息を引き取られた。 >すると、神殿の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂けた。 >百人隊長がイエスの方を向いて、そばに立っていた。そして、イエスがこのように息を引き取られたのを見て、「本当に、この人は神の子だった」と言った。 >また、婦人たちも遠くから見守っていた。その中には、[[マグダラのマリア]]、小ヤコブとヨセの母マリア、そしてサロメがいた。この婦人たちは、イエスがガリラヤにおられたとき、イエスに従って来て世話をしていた人々である。なおそのほかにも、イエスと共にエルサレムへ上って来た婦人たちが大勢いた。 マタイ27:35-56 >彼らはイエスを十字架につけると、くじを引いてその服を分け合い、そこに座って見張りをしていた。 >イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王イエスである」と書いた罪状書きを掲げた。 >折から、イエスと一緒に二人の強盗が、一人は右にもう一人は左に、十字架につけられていた。そこを通りかかった人々は、頭を振りながらイエスをののしって、言った。「神殿を打ち倒し、三日で建てる者、神の子なら、自分を救ってみろ。そして十字架から降りて来い。」同じように、祭司長たちも律法学者たちや長老たちと一緒に、イエスを侮辱して言った。「他人は救ったのに、自分は救えない。イスラエルの王だ。今すぐ十字架から降りるがいい。そうすれば、信じてやろう。神に頼っているが、神の御心ならば、今すぐ救ってもらえ。『わたしは神の子だ』と言っていたのだから。」一緒に十字架につけられた強盗たちも、同じようにイエスをののしった。 >さて、昼の十二時に、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 >三時ごろ、イエスは大声で叫ばれた。「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。そこに居合わせた人々のうちには、これを聞いて、「この人はエリヤを呼んでいる」と言う者もいた。そのうちの一人が、すぐに走り寄り、海綿を取って酸いぶどう酒を含ませ、葦の棒に付けて、イエスに飲ませようとした。ほかの人々は、「待て、エリヤが彼を救いに来るかどうか、見ていよう」と言った。しかし、イエスは再び大声で叫び、息を引き取られた。 >そのとき、神殿の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂け、地震が起こり、岩が裂け、墓が開いて、眠りについていた多くの聖なる者たちの体が生き返った。そして、[[イエスの復活]]の後、墓から出て来て、聖なる都に入り、多くの人々に現れた。 >百人隊長や一緒にイエスの見張りをしていた人たちは、地震やいろいろの出来事を見て、非常に恐れ、「本当に、この人は神の子だった」と言った。 >またそこでは、大勢の婦人たちが遠くから見守っていた。この婦人たちは、ガリラヤからイエスに従って来て世話をしていた人々である。その中には、[[マグダラのマリア]]、ヤコブとヨセフの母マリア、ゼベダイの子らの母がいた。 ルカ23:33-49 >「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。〔そのとき、イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」〕人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、言った。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」 >イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。 >十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。 >既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。 >イエスは大声で叫ばれた。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」こう言って息を引き取られた。 >百人隊長はこの出来事を見て、「本当に、この人は正しい人だった」と言って、神を賛美した。見物に集まっていた群衆も皆、これらの出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。 >イエスを知っていたすべての人たちと、ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた。 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/299/c160c2521e0cfaa00c41492917619724--bible-study-guide-free-bible-study.jpg) ヨハネ[[福音書]]のみ死後の奇跡の内容が異なり、ロンギヌスと俗に呼ばれる兵士がイエスを突き刺すと、血と水が流れたことが記されている。 #image(https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/trinity_kristo/attach/656/308/passion4.jpg) ヨハネ[[福音書]]では、[[イエスの母マリア]]、[[マグダラのマリア]]、愛する弟子ヨハネがいたことになっている。 ヨハネ19:18-37 >そこ(「されこうべの場所」、ヘブライ語でゴルゴダ)で、彼らはイエスを十字架につけた。また、イエスと一緒にほかの二人をも、イエスを真ん中にして両側に、十字架につけた。 >ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上に掛けた。それには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いてあった。イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がその罪状書きを読んだ。それは、ヘブライ語、ラテン語、ギリシア語で書かれていた。ユダヤ人の祭司長たちがピラトに、「『ユダヤ人の王』と書かず、『この男は「ユダヤ人の王」と自称した』と書いてください」と言った。しかし、ピラトは、「わたしが書いたものは、書いたままにしておけ」と答えた。 >兵士たちは、イエスを十字架につけてから、その服を取り、四つに分け、各自に一つずつ渡るようにした。下着も取ってみたが、それには縫い目がなく、上から下まで一枚織りであった。そこで、「これは裂かないで、だれのものになるか、くじ引きで決めよう」と話し合った。それは、 > 「彼らはわたしの服を分け合い、 > わたしの衣服のことでくじを引いた」 >という聖書の言葉が実現するためであった。兵士たちはこのとおりにしたのである。 >イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアと[[マグダラのマリア]]とが立っていた。イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。 >この後、イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り、「渇く」と言われた。こうして、聖書の言葉が実現した。そこには、酸いぶどう酒を満たした器が置いてあった。人々は、このぶどう酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに付け、イエスの口もとに差し出した。イエスは、このぶどう酒を受けると、「成し遂げられた」と言い、頭を垂れて息を引き取られた。 >その日は準備の日で、翌日は特別の安息日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に遺体を十字架の上に残しておかないために、足を折って取り降ろすように、ピラトに願い出た。そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう一人の男との足を折った。イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。それを目撃した者が証ししており、その証しは真実である。その者は、あなたがたにも信じさせるために、自分が真実を語っていることを知っている。これらのことが起こったのは、「その骨は一つも砕かれない」という聖書の言葉が実現するためであった。また、聖書の別の所に、「彼らは、自分たちの突き刺した者を見る」とも書いてある。 イエスが十字架の上で発した言葉は[[十字架上のキリストの最後の7つの言葉]]のようにまとめられている。 *詩篇22篇 「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ」の言葉は、詩篇22編の2節のことだとされている。また、イエスが「渇く」と言ったことと、兵士らがイエスの衣を分け合ったことは、詩篇22編の16節と19節の預言とされている。 詩編22:2 >わたしの神よ、わたしの神よ >なぜわたしをお見捨てになるのか。 >なぜわたしを遠く離れ、救おうとせず >呻きも言葉も聞いてくださらないのか。 詩篇22:16-19 >口は渇いて素焼きのかけらとなり >舌は上顎にはり付く。 >あなたはわたしを塵と死の中に打ち捨てられる。 >犬どもがわたしを取り囲み >さいなむ者が群がってわたしを囲み >獅子のようにわたしの手足を砕く。 >骨が数えられる程になったわたしのからだを >彼らはさらしものにして眺め >わたしの着物を分け >衣を取ろうとしてくじを引く。 *詩篇31篇 ルカ[[福音書]]で最後にイエスが述べた「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます」という言葉は、詩篇31編6節からの引用とされている。 詩編31:2-6 >主よ、御もとに身を寄せます。 >とこしえに恥に落とすことなく >恵みの御業によってわたしを助けてください。 >あなたの耳をわたしに傾け >急いでわたしを救い出してください。 >砦の岩、城塞となってお救いください。 >あなたはわたしの大岩、わたしの砦。 >御名にふさわしく、わたしを守り導き >隠された網に落ちたわたしを引き出してください。 >あなたはわたしの砦。 >まことの神、主よ、御手にわたしの霊をゆだねます。 >わたしを贖ってください。 *詩篇34篇 イエスの骨が一つも折られなかったのは、詩篇34:21の預言とされている。 詩編34:16-23 >主は、従う人に目を注ぎ >助けを求める叫びに耳を傾けてくださる。 >主は悪を行う者に御顔を向け >その名の記念を地上から絶たれる。 >主は助けを求める人の叫びを聞き >苦難から常に彼らを助け出される。 >主は打ち砕かれた心に近くいまし >悔いる霊を救ってくださる。 >主に従う人には災いが重なるが >主はそのすべてから救い出し >骨の一本も損なわれることのないように >彼を守ってくださる。 >主に逆らう者は災いに遭えば命を失い >主に従う人を憎む者は罪に定められる。 >主はその僕の魂を贖ってくださる。 >主を避けどころとする人は >罪に定められることがない。 *ホセア書の預言 ルカ[[福音書]]で引用されているエルサレム陥落の預言である。 [[ホセア書]]10:8 >アベンの聖なる高台 >このイスラエルの罪は破壊され >茨とあざみがその祭壇の周りに生い茂る。 >そのとき、彼らは山に向かい >「我々を覆い隠せ」 >丘に向かっては >「我々の上に崩れ落ちよ」と叫ぶ。 **参考 [[中川健一 十字架の言葉>>https://harvesttime.tv/assets/PDF/Seminars/WordsFromCrossVol1.pdf]]

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