『トビト記』(Book of Tobit)は、捕囚の地に生きたトビトの物語。『トビト記』は教派によって扱いに違いがあり、ユダヤ教では外典として扱い、カトリック教会と正教会では旧約聖書続編(または第二正典)に加えている。また、
プロテスタントでは聖書としてではなく、文学として扱っている。
物語は以下のようなものである。ニネベに暮らすユダヤ人トビトは善行を積んでおり、ある日、危険を顧みず殺されたユダヤ人の死体を埋葬した。穢れを嫌って庭で寝ているとすずめの糞が目におちて失明してしまう。さらにささいなことで妻をも疑ったことを恥じ、トビトは死を願う。同じころ、悪魔アスモダイのせいで夫たちが次々に初夜に死んでしまうことで悩む女性サラも死を願っていた。神はこれを聞いて天使ラファエルを差し向ける。その後、紆余曲折を経て、息子トビアの尽力でトビトの目はみえるようになり、トビアはサラについていた悪魔を追い出してサラと結婚した。
名称
ヘブライ文には存在しない。
内容
- トビトの出自(1章1-8節) [前727-722年]
- アッシリア捕囚後(1章9-節) [前722-681年]
- 死人を再び葬るトビト(2章1-8節) [前681年以後]
- トビトの失明(2章9-14節)
- トビトの祈り(3章1-6節)
- サラの不幸(3章7-17節)
- トビトへの諭(4章)
- トビアの旅(5章-13章) [前681年頃-677年頃]
- 同伴者ラファエル(5章)
- 魚の捕獲(6章1-9節)
- サラをめとるトビア(6章10節-7章)
- サラの悪魔を追放する(8章)
- ガバエルの祝福(9章)
- トビトの元へ帰るトビア(10章)
- トビトの目の回復(11章)
- 天に飛び立つラファエル(12章)
- トビトの賛歌(13章)
- トビトの死(14章1-11節) [前631年頃]
- トビアの死(14章12-15節) [前612年以後]
最終更新:2017年03月19日 11:12