ヨハネ行伝

使徒ヨハネの言行録だが、3世紀後半の作であり、信憑性は不明である。その後写本でたくさん読まれてきたという。イエスの受難ののち、ヨハネによる諸国での宣教と最後の高挙までが描かかれる。この外伝の重要なのはグノーシス主義を濃厚に反映していること。両性具有者、一者、踊る主、神殿破壊、肉体・財産の放棄、肉欲の克服など。アンドロニコスとドゥルーシアネーの夫婦間で起きた事件(幽閉と殺害、横恋慕するものの凌辱など)が教団の同朋関係と相克するさまや克服までが書かれている。

3割程度が紛失しており、全文は読めないが、主題は性的禁欲主義を説くことである。

最終更新:2017年09月10日 10:37