マルコ
福音書にはもともと記載がなかったと考えられている(後述)。マタイ福音書やヨハネ福音書にも昇天については記載がない。
ルカ福音書と、その続編にあたる
使徒言行録では、イエスはエルサレムに顕在した後、ユダヤのベタニアで昇天したと書かれている。(ルカ24:50-53)
イエスは、そこ(エルサレム)から彼ら(弟子たち)をベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された。そして、祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。
彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに帰り、絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた。
使徒言行録では、エルサレムでの顕在からベタニアでの昇天までが40日であったことが書かれている(使徒1:3-11)
イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された。そして、彼らと食事を共にしていたとき、こう命じられた。「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである。」
さて、使徒たちは集まって、「主よ、イスラエルのために国を建て直してくださるのは、この時ですか」と尋ねた。イエスは言われた。「父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたの知るところではない。あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」 こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。
イエスが離れ去って行かれるとき、彼らは天を見つめていた。すると、白い服を着た二人の人がそばに立って、言った。「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか。あなたがたから離れて天に上げられたイエスは、天に行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになる。」
「白い服を着た二人の人」は、イエスの墓の前にいた二人と同じと考えるのが妥当である。
なお、マルコ福音書にも昇天に関する記述はあるものの、後世における加筆とみなす説が有力であり、むしろルカ福音書の記述を基にして書かれたと考えられる。(マルコ16:19-20)
〔主イエスは、弟子たちに話した後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。一方、弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した。主は彼らと共に働き、彼らの語る言葉が真実であることを、それに伴うしるしによってはっきりとお示しになった。〕
最終更新:2017年10月09日 12:39