著者は預言者エゼキエルに帰せられている。彼は預言者エレミヤよりやや年下であり、エレミヤがほぼエルサレムで預言活動を行ったのに対し、バビロンの地において捕囚民の精神的指導者として預言活動を行ったと考えられる。他の預言書と比較して、はるかに整然と構成されているように見えるが、この構成が預言者自身によるのか、それとも後代の編集者によるのかが問題とされている。
著者
著者はエゼキエルであり、第1次
バビロン捕囚後の5年目、つまり紀元前594年頃から27年目の前571年に及ぶ神の言葉である。エゼキエル書の中の「第何年」という記述は主に第1次バビロン捕囚後からの年数であるが、初めに出てくる「第三十年」というのは、おそらくエゼキエル本人の年齢のことではないかと思われる。すなわちエゼキエルは紀元前624年生まれであると推測される。
エゼキエル書1:1-3
第三十年の四月五日のことである。わたしはケバル川の河畔に住んでいた捕囚の人々の間にいたが、そのとき天が開かれ、わたしは神の顕現に接した。それは、ヨヤキン王が捕囚となって第五年の、その月の五日のことであった。カルデアの地ケバル川の河畔で、主の言葉が祭司ブジの子エゼキエルに臨み、また、主の御手が彼の上に臨んだ。
構成
1.ユダとエルサレムに対する裁きの言葉(1-24章) [BC594年-BC590年]
- エゼキエルの召命(1章-3章15節) [BC594年]
- エルサレム陥落を告げる幻(8章-11章) [BC593年]
- エゼキエルの妻の死(24:15-27) [BC590年頃]
2.近隣諸民族への裁きの言葉(25-32章) [BC588年-BC571年]
3.終末論的な預言(33-48章)
- 新しい神殿の幻(40章-48章) [BC574年]
最終更新:2017年05月27日 08:11