ドラえもん(作品)

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ドラえもん(作品) - (2023/05/30 (火) 21:19:57) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2012/06/18 Mon 23:42:28
更新日:2024/05/02 Thu 20:46:31
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ドラえもん』とは、藤子・F・不二雄原作の漫画、及びそれを元にしたアニメをはじめとする作品群のことである。

日本で最も著名な漫画のひとつで、アジア圏を中心に海外でも高い人気を誇る。


【概要】

未来からやってきたロボット・ドラえもんがポケットから取り出す未来のひみつ道具でのび太を助けようとするが……というのが大体の話の流れ。
しかし決してマンネリにはならず、「ペンペン草も生えないほどにやり尽くしたい」という作者の意気込みにより多彩なアイデアが盛り込まれ、読者に毎回新鮮な驚きを与えるような内容となっている。
そのため、しばしば「ドラえもんとのネタ被りは事故だと思え」と言及されることもある*1

ドラえもんが未来の道具を取り出して、子供の願いを叶えてくれる物語が人気を呼んだ。

黒猫が何にでもなれる魔法の黄色いカバンで活躍するアメリカのアニメ、「フィリックス・ザ・キャット」との共通点がしばしば指摘され、発想の元ネタとされることも多い。ただし、作者は特に明言はしていない。

しばしばSF扱いされるが、具体的な動作原理が不明な道具や、明確に矛盾した展開も多く、作風としてはどちらかと言うとファンタジーに近い。
もっとも、F先生の定義(すこし・ふしぎ)に従えば立派なSFだが。


【漫画】

1969年12月(1970年1月号)で6誌同時に連載開始。主に小学館の学習雑誌に掲載された。
単行本はてんとう虫コミックス版全45巻+未収録話が中心の「ドラえもんプラス」(既刊6巻)のほか、スピンオフや大長編等も。
また愛蔵版の「藤子・F・不二雄大全集」レーベルでは、藤子の手がけた全エピソードが全20巻で収録されている。
なお、コミックスはあくまで選集であるため、連載順に収録されていないうえ未収録の話もある。
そのため道具やキャラクターの初登場回がコミックスの順番と噛み合わないことが多々あり、ドラえもんの豆知識等での間違いの多くはこれに起因する場合もある*2
テレ朝版アニメ化前の時点で1000万部近くを売り上げ、現在の全世界での発行部数は1億を超える。

幼年向けに描かれた2ページしかない短編から50ページ越えの長編まで、1話当たりの長さも幅広い。
連載期間の長さと掲載誌の多さ故に、大全集刊行で改めて明確になったその総話数は、大長編を別枠としても長短合わせて脅威の1324話
そのうち4割近くがかつては未収録、1割は21世紀初頭まで国会図書館にでも行かないと読めない話だったのだから、本当にいい時代になったものである。

基本は生活ギャグ漫画だが、SF、感動話やホラー、戦中の過酷さを描いた作品、マニアックなプラモ話等話のバリエーションは数知れず、作者の「少し不思議な」世界観を堪能できる。

連載後期は毎年公開される事になったアニメ映画の原作とでもいうべき大長編ドラえもんの執筆がメインとなり、大体夏から翌年春にかけてコロコロコミックに集中連載されていた。

複数の雑誌で同時に連載が始まったため、当然といえば当然だが第1話にあたる話が複数存在する。
また連載初期は学年終わりでの連載終了時用に「ドラえもんが未来に帰ることになり、のび太と離別する」という内容で最終回に当たる話が幾度か描かれたが、その際も他学年向けでの連載は相変わらず続けられていた。
そして連載が長期化するにつれそういった「お話の終わり」は描かれなくなり、ずっと続いていることが当たり前の漫画となっていった。

そもそも作者に最終回を描く気がなかったのでどのみち結果は変わらないが、ついぞ全体の最終回が描かれることなく作者が亡くなったため、未完の作品となってしまった。作者による最終作は「ガラパ星から来た男」と「のび太のねじ巻き都市冒険記」。
前者は中編作品で、コロコロの付録「44.5巻」としても発表され、事実上の最終巻である45巻にも収録。一説にはこれも大長編の枠で公表するつもりだったのではないか?とされるくらいに話の規模が大きい。
後者は執筆中に作者が亡くなった為、遺された下書きやストーリー原案を元に、アシスタントのむぎわらしんたろう*3達が引き継いで完成。
むぎわら(ドラベース、近年の大長編など)、三谷幸広(ドラえもんズSP、学習まんがシリーズなど)、田中道明(ドラえもんズ劇場アニメ作品コミカライズ)など一部のアシスタントは後に「公式のドラえもんの仕事」を引き受けられる作家としても活躍した。

ネットでは漫画版は、主人公であるドラえもんの暴言がすさまじいことで有名。当時よく見られたドタバタ気味の作風・ノリという面が大きいだろう*4


【アニメ】

テレビ朝日版があまりにも有名だが、本項では時系列で説明する。

●1973年(日テレ版)

日本テレビ動画*5制作で1973年4月から9月までの半年間、日曜日の19時から日本テレビ系で放映された。

13話までは富田耕生が声優を行っていたという衝撃の真実。
当時のスタッフは、ドラえもんというキャラクターに「世話好きなおじさん」というイメージを抱いていたことから、動物役なども多く演じていた富田に初めから配役するよう決めていたという。

カラー放送であるが、どういう訳か野沢雅子*6
肝付兼太は本作を白黒放送であったと勘違いしている。ただしこの頃は白黒テレビも4割ほど現役であったため、白黒で視聴した人も少なくはないはずである。
原作初期のまだ作風、設定が安定していない時期に書かれた作品なのでしずかの家にボタ子やガチャ子が居候していたり、ジャイアンのママが故人だったりと設定が異なる部分が多い。
当時藤子作品といえば『オバケのQ太郎』(オバQ)が代表だったためか、比較的オバQに近い内容、絵柄になっている。
また、学校行事ネタ等、原作やテレ朝ではなかなかお目にかかれないようなネタも多く、ドラえもんが自分勝手な行動でのび太に迷惑をかけたり、しずかが意地悪だったりスネ夫がジャイアンを「お前」と呼んでいたりと現在のドラえもんになじんできた人からすれば衝撃の連発である。

また、テレ朝版でスネ夫の声だった肝付兼太はジャイアンを、のび太の声だった小原乃梨子はのび太のママを担当している。
ちなみに、小原乃梨子はシンエイ動画からオファーを受けた際、引き続きのび太のママ役かと思っていたらしい。
日本テレビ動画が『ドラえもん』を企画しなかったら、それまで多くの藤子アニメを製作した東京ムービーが『新オバケのQ太郎』の後番組として製作する可能性があったという。

当時大人気だった『マジンガーZ』(フジテレビ)や『アップダウンクイズ』(NETテレビ)の裏番組だったこともあり、
不人気で打ち切りと思われることが多いが、実際にはそこそこの視聴率を記録しており収益も黒字で日テレ側も延長を考えていた。
現に当時は単行本すら発行されていなかったドラえもんを、グリコのCMに出演するくらいには流行らせた実績は大きいと思われる。
しかし、日本テレビ動画の社長が夜逃げして会社の解散が決定したことで延長の話は立ち消えとなり、当初の予定通り2クールで終了となった。
終了後もしばらくは再放送が行われていたが、1979年7月に富山テレビでの再放送が9回で打ち切られたのを最後に行われなくなり、その後フィルムは行方不明となってしまった。
製作に関わったスタッフが個人的に一部のフィルムを所持している他、現像を担当した会社が半数程度のフィルムを保管しているが、権利の所在が不明なため再放送やソフト化は行われておらず、視聴は大変困難な状況にある。

こうした状況から当初は小学館のドラえもん関連書籍に本作は掲載されず、テレ朝でも大山版を初代にする等黒歴史扱いされていたが、近年は関連資料の発掘や研究が進んだこともあり、書籍への掲載も行われるようになった*7ほか、ドラゴンボールファンの外国人の方が知っている程となっている(ドラえもんの担当声優が悟空の担当声優の野沢雅子であるため。トリビアの泉でも紹介されていた)。


●1979~2005年(大山ドラ)

シンエイ動画制作、テレビ朝日系で1979年4月から2005年3月まで放送された。
ドラえもんを演じたのは大山のぶ代で、現行のシリーズと区別するため「大山版」と呼ばれることも。
1978年にパイロット版「勉強部屋のつりぼり」が制作され、その翌年から帯番組として放送を開始した。
金曜夜7時に移動してからは新作一本+再放送一本が大体の放映形態。作者が亡くなった後もオリジナル作品等を中心に続いた。
初期は総作画監督が不在、帯番組というスケジュールだった為絵柄が不安定だったが、80年代後半辺りから原作とはちょっと異なるお馴染みの絵柄が定着した。
デジタル作画に移行した2002年後半に絵柄のマイナーチェンジが行われ、水田版に近いものとなった。
「のび太=黄色のシャツに青ズボン」に代表されるレギュラーの服装カラーリングはこの時期に定着したもので、今も不定期に使用される。

OP曲は歌手は交代しながらも一貫して「ドラえもんのうた」が使用され、ED曲は4~5年(末期は半年)間隔で変更。ED曲がどれかで世代が分かるかもしれない。

当時のテレビ朝日にとっては数少ない人気番組で、系列局が少ない時代から全国で放送されていたほか、プロ野球シーズンの放送休止もほとんどなかった。
また、春秋の改編期およびお盆には『○だ一番! ドラえもん祭り』(○は季節名)が、大晦日には今なお続く『大晦日だよ!ドラえもん』と最大で年4回も特番が放送されることもあった。当時のテレ朝、どんだけネタが無いのかと。
テレビ朝日の象徴的なキャラクターでもあり、ゴーちゃん。が制定されるまでは局のマスコットとしても使われていたほか、震災等国内で大規模な災害が起こった時は「ドラえもん募金」という募金活動を行っている(こちらはわさドラ以降も継続)。

テレビ朝日の特番「春一番!日本一のアニメ祭り」でもドラ、のび、ドラミがメインパーソナリティ扱いで、
しんちゃんセーラームーン(うさぎ)、わぴこ&ぎょぴちゃんや荒岩さん、タルるートなど当時放送されていたテレ朝系のアニメキャラクターとも競演を果たした。
ちなみにクレヨンしんちゃんとはある件が原因でしばらく絶縁状態が続くことに

様々な企画も行われ、気球の「ドラバルくん」やソーラーカーの「ソラえもん号」も製作されたり、2112年に開けるタイムカプセルも作られた。
極めつけにはメインキャラ(レギュラー5人+ドラミ)とその声優陣、更に原作者が対面するという企画まで放送されたことも。

2001年に大山氏が悪性の直腸癌を患い、長期入院を余儀なくされたが本作だけは当人の意向からアフレコ機器を病室に持ち込んで収録を実施した。
とはいえこの入院は大山氏にとってかなり負担だったらしく、退院後に降板を申し立てることに。
最終的には大半のキャストが高齢化していたこともあり、長期放送のテレビアニメでは異例となる「レギュラー・準レギュラー出演者の総入れ替え」が決定した。
レギュラー放送は2005年3月18日の第1787話(最終話)「ドラえもんに休日を!!」が最後の放送となり、翌週25日に「のび太のワンニャン時空伝」を放映し26年の歴史に放送終了となった。

現在視聴可能なのはテレ朝チャンネルでの再放送または「ドラえもん名作コレクション」等でのDVDがあり、後者のパッケージではリニューアル前の絵柄での新作画をお目にかかれたりする。
末期の数年間はカオス&シュールな回や主題歌が多いのだが、2003年放送の「おまかせディスク」は特にぶっ飛んでおり、作画の動きや演出が物凄い。
その中身は是非とも自身の目で……と言いたいところだが、この頃の回は未だに映像ソフト化&サブスク配信されていない、残念。

2008年に制作されたリメイク版「ヤッターマン」では、中の人ネタとしてドロンジョとトンズラーが本作のネタを披露したこともある。


●2005年~(わさドラ)

2005年4月から始まったリニューアル版。
前述の通りメインキャストを一新した新しい『ドラえもん』である*8
ドラえもんを演じるのは水田わさび。そのため、ファンからは「わさドラ」と呼ばれて…というか公式がわさドラって呼んじゃってる。
のび太役の大原めぐみとジャイアン役の木村昴は本作が本格的な声優デビュー。後者は就任当時14歳という若さでも話題となった。
また、活動弁士の山崎バニラ(ジャイ子)、テレビ朝日アナウンサーの萩野志保子(出木杉)等、準レギュラーキャラにも異例のキャスティングが行われている。

OPも最初の半年以外は一部例外を除き「ドラえもんのうた」を使用していない。EDはあったり無かったりする。

良くも悪くも原作からやや離れ独自の作風を築いていた大山版から一転、雰囲気、絵柄ともに原作に近くなった。のび太の部屋の入り口や机の位置、階段の配置が代表的か。
原作でギャグですまされていたところが科学などを用いた解釈がなされることも。
また原作から時代がかけ離れたことでそのままアニメ化しても現代の視聴者にはわかりづらい、理解が難しい用語やネタは時代に合わせて改変されるものがある*9

ドラえもんがメインのアニオリ回が増えたり、原作でのび太が単独行動していたところにドラえもんが同行するなど、ドラえもんが主人公であることが強調されている。
重力ペンキドラえもんの歌あやとり世界のように、わさドラで初めてアニメ化された話もある。

のび太の保護者的な立場からのび太の親友的な立場になったドラえもんや、黒髪になったしずか、
「ボクちゃん」という一人称が定着したスネ夫など、メイン、サブに関わらずキャラクターや設定、デザインの見直しも行われている。のび太達が通う小学校は「月見台小学校」という名前になった。
アニメオリジナルキャラクターとして、ドラえもんとロボット学校の同期である「パワえもん」(CV:真殿光昭)が登場した一方、ザ☆ドラえもんズはいなくなってしまった。

初期の頃は原作に忠実なエピソードばかりだったが、最近は原作に大きくアレンジを加えた回やオリジナルエピソードも増えている。
また、テレ朝ドラマや人気番組の出演者、映画版の主題歌を担当する歌手がゲストキャラで登場するなど、大山版ではほとんど見られなかったタイアップ回も制作されるようになった。
30分連続で1エピソードを放送することもあるほか、毎年9月最初の放送分はドラえもん誕生日スペシャルとしている。
一時期はBパートで前編を描き、次の放送でのAパートで後編を描くという変則的な前後編を行ったこともあった。これ以外にも『ドラドラ3』と表記し3本立てになった期間もある。

本バージョンの映像を基に、2014年からアメリカでローカライズ版『Doraemon -Gadget Cat from the Future-』が制作された。
日本では『ディズニー・チャンネル』(BS・CS)で日本語と同じキャストによる吹き替え版が放送されている。
吹き替え版だと「何だ、いつもと変わらないじゃないか」と思いがちだが、地味にOP・EDや文字表記が英語だったりする。
2015年にはわさドラ10周年の式典が行われ、先代声優の小原乃梨子と野村道子から「10年続けば本物」と半年しか続かなかった前述の日テレ版を否定しながらエールを送られ、水田と大原が涙した。

テレビ朝日の金曜ゴールデン大改編に伴い、2019年10月から土曜17時に放送枠が移動。
これにより2010年代後半から頻発していた特番による放送休止が無くなり、ほぼ毎週放送されるようになったが、関西地区ではニチアサ同様夏の甲子園中継による休止・枠移動が頻発する羽目になった。
2020年4月からはBS朝日で再放送(地上波から6日遅れ)を開始。放送時間は金曜19時と、半年ぶりに金曜日のドラえもんが復活した。

移動後はOPが映画『のび太の宝島』主題歌に使用された星野源の『ドラえもん』に変更された。同時にEDが正式に復活、Bパートが不定期の再放送枠になった。
これに伴い先述のクレヨンしんちゃんとの共演も復活した。
現在はED後に『ドラドラミニシアター』と言う短い原作を1、2分のアニメにするコーナーが存在し実質3本立て。

原作にかなり近くなっているが、「ガチャ子」は出てきません。

【映画】

大山版以降は年に一回大長編を原作とした映画が制作・公開するようになった。

「のび太の恐竜」に代表される原作エピソードを延長または再構築したものと、「のび太の宇宙開拓史」などの完全新作の二種類がある。
また、「ザ☆ドラえもんズ」に代表される同時上映作や福祉作品「ケンちゃんの大冒険」が存在し、『僕 桃太郎のなんなのさ』(81年7月公開)は大長編にはカウントされていない。

リニューアル前の最終作は「のび太のワンニャン時空伝」。
奇しくも映画25周年という節目の年であり、それまでのドラえもん映画を総括した同時上映作も公開された。
それから1年のブランクを経て「のび太の恐竜2006」で再スタート、以降は2年に1度のペースで映画のリメイクも行っている。
わさドラ版では人気作家が制作に関与する作品もあるほか、ゲストキャラの声優に人気俳優やタレントが起用される例が増え、「ドラえもん芸人」として知られるサバンナ高橋が通算3本も出演を果たしている。

主題歌は当初武田鉄矢(海援隊)が関与している作品が多かったが、2000年代以降はその時点で人気のポップス系歌手が起用されており、わさドラ版では公開一ヶ月ほど前からレギュラー放送のEDでも使用されている。

リメイク作品では原作からの時に細かく、時に大胆なアレンジが加えられている。
子供向けに同時発売のコミカライズは脚本に忠実なためか、映画版と大きく異なることが多いので、映画版が微妙だと感じた人も一読の価値あり。


●映画一覧








●【幻の実写版】

初代アニメ版が企画された1972年には、ピー・プロダクションのうしおそうじによるフジテレビをキー局とした、もう一つの『ドラえもん』の企画があったとされる。
この企画書は200字詰め原稿用紙(表紙含む)6枚と添付資料「ドラえもんの大ひみつ」(学年誌掲載分)のコピー1枚の合計7枚から成る。

これはフジテレビ系10月新番組の放送枠獲得を狙ったもので、『幼稚園』1972年8月号には「テレビにでるのをまっててね」という告知文も掲載されていた。
当初はアニメと実写の双方で企画され、後に実写へと企画が転向された。作者の藤子不二雄両人もピープロに訪れ「実写でやろう」と同意。この際にドラえもんの声優として挙がっていたのが、奇しくも大山のぶ代だった。大山の起用は、先にピープロ制作のアニメ『ハリスの旋風』での演技を見込まれてのことだった。既にドラえもんの着ぐるみまで試作されていたものの、この企画がどの程度具体化し、どの時点で頓挫したかについては不明。
ちなみに企画書ではドラえもんのキャラクター設定は原作から改変されて「宇宙からやって来た宇宙ロボット」になる予定だった。

【その他】

テレビゲームや着ぐるみショー、絵本に教育漫画、ゲームブック、紙芝居、小説に舞台と媒体には事欠かさない。
一番有名な「学習シリーズ」は当該項目を参照。

2008年にはシリーズ初の舞台作品として「のび太とアニマル惑星」の公演も行われた。
舞台ではこのほか、あの吉本新喜劇にドラえもんとのび太がゲスト出演したこともある。

鉄道とのタイアップ企画も頻繁に実施されており、最初に実施したのがJR北海道の「ドラえもん海底列車」。
青函トンネル開業10周年を記念して開始した企画で、トンネル内の吉岡海底駅に「ドラえもん海底ワールド」というイベント会場を設置。2006年に同駅が北海道新幹線の資材置場に転用されるまで運行された。

それ以外では作者および制作会社にゆかりの深い小田急電鉄・西武鉄道での実施例が多い。
小田急では2011年の「藤子・F・不二雄ミュージアム」開業に合わせてラッピング列車を運行したほか、ミュージアム最寄り駅である小田原線登戸駅はドラえもんの装飾にリニューアル、上り接近メロディがわさドラ版主題歌「夢をかなえてドラえもん」に変更された*10
また、2015年のアニメスペシャル「のび太特急と謎のトレインハンター」の製作にも協力しており、本編内では歴代の小田急各車両が登場する。
西武では毎年の映画公開時には記念装飾編成が登場するほか、2020年からは50周年を記念した「DORAEMON-GO!」も運行を開始した。
また、作者の故郷である高岡市の路面電車・万葉線にもドラえもん電車が運行中。

登場人物の住所等から、本作の舞台は東京都練馬区だとされている(旧・田無市(西東京市の前身)が舞台だという説も)。

【主要キャラ】

声は日テレ版/1979年版/2005年版の順

ドラえもん
CV.富田耕生→野沢雅子/大山のぶ代/水田わさび
主人公。未来からやって来たネコ型ロボット。
2112年9月3日に製造され、当初は未来人セワシのお世話をしていたが、一族の運命を変えるべくセワシの先祖であるのび太の元にやって来る。
膨大な数のひみつ道具を持ち、のび太をサポートする。
耳は欠損、ネコなのにねずみが嫌い、機体各部は故障中となかなかにポンコツだが、のび太とは大の仲良しの親友となる。

野比のび太
CV.太田淑子/小原乃梨子/大原めぐみ
副主人公*11。セワシの先祖。小学5年生(掲載誌によって変わる)で東京都練馬区在住。
近眼で勉強もスポーツもダメだが、心優しい素直な少年。ただし昼寝と射撃とあやとりの才能だけはピカイチ。
悪気は無いのだが余計な発言をしたり、すぐに調子に乗る、Hなことをしてしまうこともあり酷い目にあうこともある。
が、お人好しでなかなか憎めない。ドラえもんとは時々喧嘩もするが、お互いに信頼し合う親友となる。
勉強が苦手だが頭が悪いわけではなく、特に道具の応用においてはドラえもん以上。

しずかちゃん(源静香)
CV.恵比寿まさ子/野村道子/かかずゆみ
本作のヒロイン。のび太のガールフレンド。
少しお転婆だが成績優秀、品行方正な才女。
しかし、初期のころは「クラスで一番わすれんぼのあんたが? ホホホ」と発言するなど性格は悪いほうだった。
三度の飯よりお風呂が好きという筋金入りの入浴マニア。
一日に3回入浴しないと気が済まないため、昼間から入っている場合もある。
のび太がどこでもドアなどの道具で移動した場合、しずかが入浴中というのは一種の定番のギャグとなっている。
気付いた後は「のび太さんのエッチ!!」の罵声と共に洗面器のお湯を浴びせたり、風呂桶を投げつけたり、ボコボコにしたりして追い出す。
又、ピアノは上手であるがバイオリンはジャイアンリサイタルレベルでお世辞にも上手とは言えない。
しかし、本人はピアノよりバイオリンが好きだそうだ。
原作では「しずちゃん」、アニメでは「しずかちゃん」と呼ばれている。
将来、のび太と結婚してノビスケという子供を授かる。

ジャイアン(剛田武)
CV.肝付兼太/たてかべ和也/木村昴
のび太のクラスメイトでガキ大将。実家は乾物屋。

「お前のものは俺のもの」や「さからうものは死けい!」に代表されるように極度に自己中心的な性格。
腕っぷしもあるから手に負えず、勝てるのは母ちゃんのみ。
大長編で一番化けるキャラとしても有名。
歌が大好きだが、その歌声はもはや公害レベルなので皆からは恐れられている。

骨川スネ夫
CV.八代駿/肝付兼太/関智一
富豪の御曹司で嫌味な性格。
基本的にジャイアンの腰巾着だが「3人用」に代表されるようにその手口はジャイアン以上に悪質かつ陰険。しかし時にはジャイアンの横暴に対してのび太達と手を組むことも。
趣味はコレクションや模型・ラジコン製作、アイドルのファンクラブ等多方面。
5人の中では唯一主演格の映画作品が作られておらず、それを自虐するシーンがあったりする。
大山版のアニメに登場した「自慢話のテーマ曲」が大量のリミックス版が制作されたことでもおなじみ。

のび太のママ(野比玉子)
CV.小原乃梨子/千々松幸子/三石琴乃
のび太のパパ(野比のび助)
CV.村越伊知郎/加藤正之→中庸助/松本保典
のび太の両親。厳しいが(特にママ)、のび太を誰よりも大事にしている。
パパは喫煙者だが、わさドラでは時勢もあってか喫煙シーンが減少。
連載開始当初は自営業だったが、すぐにサラリーマンへ設定変更された。
これに伴い未来ののび太の職歴も「就職できず仕方なく起業」と変更されている。

先生
CV.加藤治→雨森雅司/沢りつお→加藤治→井上和彦→田中亮一/高木渉 
のび太のクラスの担任。
のび太をよく廊下に立たせたり厳しくしかったりする一方で、時には優しく諭したり、のび太が頑張ったときにはしっかり誉める良き教師。
フルネームはいまだ不明だが、大山ドラ版の設定では「えいいちろう」という名前が判明している。

出木杉英才
CV.未登場/白川澄子/萩野志保子
勉強もスポーツも万能、何をやらせても優秀な上博識な秀才。人格面でも優れているという、まさに「できすぎ」くん。
難点を上げるとしたら少々配慮が足りないこと、出来が良すぎるので映画ではチョイ役なところ。
第1作『ドラえもんのび太の恐竜』では第1稿シナリオでは冒険に加わる予定だったが彼がいると解決してしまうという理由でカットされた。
以降ボケてでは映画版イジりが定番と化す
しずかちゃんとつるんでいることが多く、その度にのび太から嫉妬されている。
なお、「出杉」ではなく、「出杉」。アニメのエンドロールや公式サイトでも間違われる程である。
実は名前の読み方が(憶測はできるが)正確には不明。「えいさい」派と「ひでとし」派の問題は根深い。

ドラミ
CV.未登場/よこざわけい子/千秋
ドラえもんと同じオイルを使って製造されたドラえもんの「妹」。
どこか抜けている兄とは対照的にしっかり者の妹。弱点は強いて言えばくそまじめ。
普段はセワシの世話で22世紀におり、ドラえもんのピンチヒッターとしてやってくることが多い。
アニメはこちらもテレビ朝日版からの登場。
90年代には本編映画と同時上映作品で氏を主役とした短編映画が多数制作されていた。
絵描き歌がFLASHのせいでちゃんと歌えない人は手を挙げよう

セワシ
CV.山本圭子/太田淑子/松本さち
22世紀の未来人で、のび太の子孫(孫の孫、すなわち玄孫)。のび太のことは「おじいちゃん」と呼ぶ。のび太の元に自分の世話ロボットであるドラえもんを送り込んだ張本人。普段はドラえもんの代わりにドラミちゃんに世話されている。のび太の借金のせいで貧乏だが、成績等は別段悪い様子はないしたたかな少年。




追記・修正は鼻でスパゲティーを食べつつ、目でピーナッツを噛みながらお願いします。

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