ポケットモンスター 赤・緑

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ポケットモンスター 赤・緑 - (2018/06/08 (金) 07:46:45) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/10/25(火) 01:00:28
更新日:2024/04/05 Fri 16:14:53
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1996年2月27日に発売された、ゲームボーイ用のRPG。

あの『ポケットモンスター』シリーズの記念すべき第一作目であり、全ての始まりとも言える作品である。

発売直後は、小学四年生等の玩具紹介一覧の見開きの片隅に、何か新しく出た地雷ゲーっぽい扱いを受けて小さく掲載されていた。
そしてCMも現在の華やかな物とは違い、売る気があるんだか無いんだかわからないなんだか胡散臭い内容。
などと今のちびっこに言ったら果たして信じるのだろうか…。

ちなみに当時ちびっ子だったおっさん曰く、
「そこそこ子供の間では話題でしたよ
 仲間を捕まえる新しいRPGがでるって」

CMが致命的にダサいのは否定しないけど


【概要】

ボール状のアイテムで捕獲できる不思議な生物、通称『ポケットモンスター』、略して『ポケモン』。
主人公はその全150種(正確には151)ものポケモンを集めて図鑑を完成させる為に、
そしてポケモン同士を戦わせて各地のジムを制覇する為にカントー地方に冒険に出る…というのが大まかな内容のRPG。
この基本的な流れは以降のシリーズでも変わる事は(メインシリーズであればまず)無い。

最初のパートナーポケモンの3匹(通称『御三家』)の中から1匹を選択するという方式もここから受け継がれている。
因みに赤・緑における御三家ポケモンはタイプのフシギダネタイプのヒトカゲタイプのゼニガメ
このの組み合わせは後の世代でも一貫している。

当時としては珍しい本格的なモンスター収集・育成ゲームであり、そのボリュームややりこみ具合から当時のゲーマーや子供達から大いに好評を博した。
人気が出るにつれて、上記の「地雷ゲーっぽい何か」状態から扱いがどんどん良くなっていく様を追っていくと面白い。
機会があれば国会こども図書館等で見てみることもお勧めする。

また本作品はという2バージョンを同時に発売した事も特徴的で、
それぞれのバージョンによって出現ポケモンが違う事から、図鑑コンプリートの為に他バージョンとの通信による協力が必要な点も話題を呼んだ。
因みにそれぞれのパッケージには御三家の最終進化形態ポケモンがデザインされており、
赤はリザードン、緑はフシギバナが描かれている(残りのカメックスは後述のバージョンまでお預け)。

これらのシステムが評価され空前の大ヒットとなり、
今日のRPGでは世界最高の販売個数を誇るロングヒット作品として現在まで末永くシリーズが続くポケモンブランドの足がけとなった。

化け物みたいな生き物達、まさにモンスターを捕まえて集めて使役すると言う大雑把なゲームが、
今やそのコンセプトを受け継ぎつつも不思議な生き物達と絆を深めて冒険する深いゲームになるなど誰が予想できたであろうか。
余談だがその売り上げに注目してか、ポケモン以後2バージョン同時発売商法に便乗した作品も一時期それはそれは横行していた。
(その中で成功したのはごく一部だけだが)

発売当初は図鑑完成の為のポケモン収集が注目されており対戦に関してはあまり注目されていなかったが、
中期になると、豊富な種類のポケモンやわざから自分なりのパーティを作ったプレイヤー同士で戦うという意外に戦略性の高い通信対戦が注目され始め、
ポケモンバトルをメインに取り扱ったテレビ番組が放送された他、大会等も盛んに行われるようになった。

ただしこの頃のポケモンの対戦バランスは現在と比べるとかなり大味。
具体的には
等々。
当時はまだ特性も道具もなかったため、余計に環境が固定化されやすかった。

だがこの時代はこの手の対戦ゲームがまだ未成熟だったので仕方ないっちゃ仕方ない。
むしろこの時代にしては(バランスは置いておくとして)ポケモンの通信対戦システムは完成度が高い方で、当時は皆違和感無く対戦を楽しんでいた。
開発当時は通信対戦を全く考えておらず、任天堂の要請を受け急遽残り何日かで追加されたという裏話がある。

またトレーナーが使うポケモンの技が「ひのこ」や「とっしん」等弱いものが多く、特にチャンピオンの手持ちはよくネタにされる。
これは当時ジムリーダーのマシン技を除いて、そのポケモンがレベルアップで覚える技のみを使うように調整されていたためらしい。
AIの面でも「たとえ変化技だろうとひたすら相手の弱点タイプの技のみを連発する」等、隙が多い。
一方で「行動順が回ってきたタイミングで行動を決定できる」(交代先の弱点技が飛んでくる)という理不尽な後出しジャンケン仕様も。
おそらく一作目なので難易度やシステムの調整もまだ手探りの状態だったのだろうと思われる。

また非常にバグが多い事でも有名で一部からは「セレクトボタンを押すと何かしらバグる」と言われる程。態とバグらせて遊んだ人も多いのでは。
中でも有名なのはけつばんミュウ、レベル100バグ等だろうか。
ただし、これらはいずれも故意に操作しなければ発生しないという特徴がある。
そのため、普通では忌避されるバグもこのゲームではひとつの良き思い出であるというプレイヤーも多い。


【ポケットモンスター青】
1996年10月15日にコロコロコミック等の誌上で限定販売された赤・緑のマイナーチェンジ版。
前述の通りパッケージは御三家のカメックスがデザインされている。

赤緑からポケモンのドット絵が全て書き直され、一部ダンジョンや野生ポケモン、交換で手に入るポケモン等が変更されている。
特に前作では野生で登場しないベロリンガルージュラが野生で登場するのは新鮮だったといえる。

ちなみに限定販売時に小学館にあまりに多くの応募が来た為スタッフが対応しきれなくなり、非常に多くのクレームを受けたという伝説がある。
(当時は赤・緑が合算で100万本を突破したところであり、青版の売り上げを最大でも20万本位だろうと見込んでから、
 更に余裕を持たせて30万本までは対応できるように準備していたのだが、実際には60万本を越える注文が殺到したという)

後の1999年10月10日から一般販売も開始されている。限定販売版との違いは箱にバーコードが記載されているかどうかくらいであり、内容は同じである。

海外ではこの『青』が日本における『緑』の位置にあたる。
そのため、海外ではライバルの名前も「グリーン」ではなく「ブルー」

ちなみに当時の任天堂社長、山内氏は、
「ユーザーや流通に続編だと誤解されてしまうのでは?」という懸念から青版の発売に反対していたが、任天堂のポケモン担当者がとっさに
「コロコロコミックから誌上通販で青版を売りたいという話が来てるんです!それなら誌面でちゃんとユーザーに説明できます、流通に対する面子も立ちます!」
と出任せをいって許可を貰ったという逸話もある。

この話はゲーフリにも小学館にも全く話を通していない完全なハッタリだったが、両者共に快諾。
その結果、通常の誌上通販よりも高い単価の商品が記録的な売り上げを達成した事で小学館には莫大な利益が転がり込み、
ゲーフリも「ポケモンをスタートから支えてくれたコロコロコミックにやっと恩返しができた」とそれぞれ大いに喜んだそうな。

最初に発売されたのが赤と緑だった理由は、田尻氏のインタビューによると「子供向けなので寒色は避けたかった」とのこと。
書籍によってはマリオルイージにちなんでいるともされる。
海外で緑の代わりに青だった理由は不明だが、一部ではアメリカの星条旗が由来ではないかとも言われている。


【ポケットモンスター ピカチュウ】
金銀の開発の遅れによる場繋ぎとして映画公開を記念して1998年9月12日に販売された赤・緑・青のマイナーチェンジ版。
タイトルの通りパッケージのポケモンはピカチュウ

全体的にアニメのポケモンを元に赤緑を作り替えたような作品になっており、最初のポケモンは御三家でなくピカチュウ固定。
このバージョンではピカチュウが普通に野生で出現することはないため、御三家同様レアポケという位置づけになっている。

このピカチュウは通常のポケモンと違ってボールに入らず、
アニメのように常に主人公の後ろを着いて歩き話しかける事によりなつき具合によって反応が変わる。
なにげになつき度システムの元祖である。

またピカチュウの鳴き声もアニメの大谷育江さんボイスに変更されている。
厳密にいえば増田順一氏が音声を1ビットデータにするコンバータを作成し、それを再生するプログラムを組み、
ゲームボーイ上で大谷ボイスを再現したものである(ゲームボーイでは高性能なサンプリングの機能はなかったため)。
本来なら音声を収録できないゲームボーイで音声を再生するという荒技なので音質は酷く、音割れは酷い。
といっても耳障りにならないレベルなので、当時は誰も気にしなかったことだろう。

なお交換は可能であり、他のバージョンに送ると普通にライチュウに進化させられるが、その場合ピカ版に戻しても主人公の後をついてこなくなる。

ライバルのポケモンはイーブイ固定で、ライバル関係のイベントによって進化形が決まる。
その他にもトキワの森にピジョンが登場したり、御三家のポケモンが全て手に入るイベントがあったり、ロケット団のムサシコジロウのようなキャラがいたり、
ピカチュウが進化を拒んだり等アニメ視聴者ならならニヤリとする部分も多い。
ジムリーダーのポケモンもアニメ準拠に変更されている。

野生産のカモネギも初解禁。
一方でライチュウやアニメの悪役であるスピアーやロケット団をはじめ一部のポケモンは入手できなくなっている。
特にルージュラ・エレブーブーバーはどれも手に入らないので結局揃えるには他の3バージョンが必要。

ポケモンのドット絵も更に変更されており、全体的に以前のバージョンよりもきめ細かく美麗になった。

ちなみに、ポケスタで「なみのり」を覚えさせたピカチュウを手持ちに入れている時のみ出来るミニゲームも隠れイベントで追加されていたりする。
ちなみにVC版では波乗りピカチュウを入手する手段がないため、普通のピカチュウを連れて行くだけでミニゲームをプレイできるようになった。


【登場人物】

…etc.


【その他】

ポケモン発売当時はゲームボーイそのものが世間から忘れかけられているほど影が薄かったが、
ポケモンの大ヒットによりゲームボーイ自体も息を吹き返すこととなり、携帯ゲームそのものの市場も活性化させ、
ゲームボーイカラーやアドバンスといった次世代のゲームボーイが開発されるきっかけとなった。
ある意味、ポケモン(の大ヒット)はゲームボーイのみならず、携帯ゲーム全般の救世主であったのだ。

実は企画・開発自体はゲームボーイの発売から間もない1990年からスタートしており、発売までには足掛け6年という長い月日がかかっている。
ただしその6年間の内の数年はプログラムなどの問題から完全に開発が頓挫、ストップしていた時期であり、
開発のゲームフリークは『パルスマン』や『マリオとワリオ』、『ヨッシーのたまご』といったタイトルの開発をしながら糊口をしのいでいた。
(このうち『ヨッシーのたまご』のGB版開発時に培った通信対戦周りのプログラムのノウハウがポケモンの開発を再開したときに大いに役立ったという)
そしてその数年間も任天堂は切り捨てることなくポケモンの開発費を出し続けていた。結果的に大正解だったとはいえ、中々できる判断ではない。


赤・緑・青のサントラには増田さんによるテクノ調のボーナストラック『ポケモンテクノ』が収録されている。
日本はもちろんのこと、ネットで知った海外ファンからもなかなか好評。
中には聴いてて恐い人もいるとか。

ちなみにオーキド博士はポケモンは150(ミュウを入れれば151種類)いると語っていたのに、
その後も数が増え続けておるじゃねーかというツッコミがよく入るが、初代ポケモンでオーキドが150匹いることを直接言及したことは一度もない。

当時のカントー地方で見つけられるポケモン全てを図鑑に登録すると151種類になり、これをもって図鑑完成だと言っているからにすぎない。
ここら辺は曖昧な記憶に基づき勝手に評価を下げられている部分もあり、気の毒と言わざるを得ない。
151についての明確な言及は(派生作品を除けば)アニメ無印版初代EDの「ひゃくごじゅういち」程度である。

2004年1月29日には本作のリメイク『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』が発売された。詳しくはリンク先を参照。

そして『ポケットモンスター X・Y』発売記念として2013年10月2日にアニメ『ポケットモンスターTHE ORIGIN』が放送された。
子供の頃に「ポケモン赤・緑」をプレイして大人になった人たちに向けられた作品であり、
キャラクターデザインが現在放送中のアニメ「ポケットモンスター」シリーズとは大きく異なるのが特徴。
ポケモンたちも丁度アニメ版放送前のイメージを意識し、よりモンスターっぽい動きを見せる。


更に初登場から20周年を迎える2016年2月27日には初代シリーズ4作がニンテンドー3DSのバーチャルコンソール用ソフトとして移植発売されることとなる。
バーチャルコンソールの場合、通信機能はオミットされるのが普通だが、ポケモンに関してはワイヤレス通信に対応し、
ケーブル通信で使えた機能をワイヤレス通信で使えるのである。
バーチャルコンソールで改めて150匹集めることも、大変だが夢ではないだろう。

なお、まるごとバックアップ及びセーブデータのバックアップには非対応である(勿論通常のセーブは可能)。
これに対応してしまうと通信機能を合わせて使うことで実質的にポケモンのコピーが可能になってしまうので致し方ない点である。
また、ポケットプリンタ、スーパーゲームボーイのカラー表示には非対応である。

なんとバグが修正されていないことが判明した。つまりセレクトバグ等も当時のままである。
勿論実行する場合は自己責任になる。しかしバグも一つの思い出であるという人も当時を懐かしみつつ楽しめる。
前述の通りまるごとバックアップには対応していない。バグを利用するなら事前にしっかり下調べを行っておくことを推奨する。

さらにこのVCで捕まえたポケモンは、2017年1月の『ポケモンバンク』および『ポケムーバー』のアップデートによって最新作へと移動可能となっている。
マサキ氏をはじめとする多くのポケモンあずかりシステム開発者の努力の賜物であろう。
これで互換が切れていたGBとの間が繋がったことになる。かがくのちからってすげー!

最近のポケモンに触れていないという方もこの機会に是非、
初代の相棒たちとサン・ムーン以降の世界を駆け巡ってみてはいかがだろうか。
なお個体値などのステータスはバンクに転送した際に決定する。

これは個体値や努力値といった仕様が『ルビー・サファイア』以降とは異なるので、『ポケムーバー』でデータ形式のコンバートを行うためである。
特性は隠れ特性で固定であり個体値は3V以上のランダム、性格は初代で手に入れた経験値を25で割った余りで決定される。
転送したポケモンにはGBの形のようなマークがつき、将来この方法で転送したポケモンが使用可能なルールも設けるとのこと。

PDWや配布イベント終了以来入手がGTS頼みだった隠れ特性のオムスターカブトプスプテラフリーザーサンダーファイヤーも自力で入手可能に。
伝説のポケモンである三鳥はともかく、化石組はタマゴで子供に特性を遺伝させればレートでも使用可能。
この世代のみわざマシンに収録されている技も多く、それを覚えたポケモンを転送することで普段と違った戦い方が可能(ラインナップは左のリンク先を参照)。
レートでは使えないとはいえ、一部で話題になっていた「こころのめ」+「じわれ」ニョロボンも遂に実現できるようになった。

けつばんやアネ゙デパミ゙等のバグポケも相変わらず作れるが最新作への転送はできないので注意。


追記と修正、ちょっと違うよ

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