カブトプス

登録日:2014/02/24 Sun 18:48:29
更新日:2025/04/25 Fri 22:12:21
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ポケットモンスターシリーズに初代から登場するポケモン


■もくじ

■データ


全国図鑑No.141/ジョウト図鑑No.223/ホウエン図鑑No.296/新ジョウト図鑑No.228/新アローラ図鑑No.230/新アーカラ図鑑No.131
分類:こうらポケモン
英語名:Kabutops
高さ:1.3m
重さ:40.5kg
タマゴグループ:水中1/水中3
性別比率:♂87.5♀12.5

タイプ:いわ/みず
特性:すいすい(天候が雨の時、素早さが2倍になる)
  /カブトアーマー(相手の攻撃が急所に当たらなくなる)
隠れ特性:くだけるよろい(物理攻撃を受けると防御が1段階下がり、素早さが2段階上がる)

種族値
HP:60
攻撃:115
防御:105
特攻:65(初代のみ70)
特防:70
素早さ:80
合計:495

努力値:攻撃+2

進化
カブト→カブトプス(Lv.40)


■概要


カブトの進化形。
カブトガニがまさかの人型になり二足歩行で歩けるようになった。
両手の鋭い鎌が特徴的。

凶暴なポケモンで、大昔はそのを使って獲物を捕らえ、体液を啜っていたという。怖い。
元々は水中で生活していたが、獲物が陸上に上がるようになったため、カブトプスも陸上生活に対応できるよう進化したとされる。
カブトは絶滅せず現在も一部地域に棲息しているそうだが、カブトプスは陸棲への変化が間に合わず絶滅している。
水中でのスピードはかなり速いが、その理由は図鑑説明によれば「痩せているから」らしい。

初代から登場している化石ポケモンで、オムスターとは対になる存在。
あちらが特殊型であるのに対し、こちらは物理型だが、いかんせん技に恵まれずにいる。

ちなみに進化前のカブトは、甲羅の下の赤い目の他に、背中にも小さな黒い目を持っている。
歴代グラフィックでは下の目をメインに映したデザインが多いが、青版のグラフィックのみが背中にフォーカスしたものになっている。


■ゲームでのカブトプス


第一世代では「こうらのかせき」を復元することで進化前のカブトをゲットできる。
ただし、「こうらのかせき」とオムナイトを復元できる「かいのかせき」は二者択一となっており、
「こうらのかせき」を選んだ場合、オムナイト(オムスター)は通信交換以外の方法でゲットできなくなる点は注意。

ただ、化石を入手できるのはストーリー序盤のおつきみやまだが、復元できるのは終盤のグレンタウンになる上に、
まともなタイプ一致技もないため、復元後に所謂旅パに入れるプレイヤーはかなり少なかったと推測される。
事実、火力という点では特殊種族値115で一致みず技やこおり技を使えるオムスターの方が上回っている。
一応、第一世代では非常に強力な「きりさく」を覚えるというメリットはあるが、別にカブトプスの専用技というわけでもないので、
タイプ一致で撃てるペルシアンや、すばやさがカブトプスより高く、物攻もさほど変わらないストライクでもよい。

第四世代以降は化石の入手機会がかなり多くなったため、それに比例してゲーム中で簡単にゲットできるようになった。
ポケットモンスター ソード・シールド エキスパンション・パスでは野生経由でも見つかるように。

著名な使用トレーナーはタケシ(第二世代以降)とツツジ(強化版)。
いずれもPWTでもレギュラー枠に入れて使用している。

ポケモンスタジアムシリーズでメガトンキックなどの蹴り技を使わせると、両手の鎌を地面に突き立てての蹴りを披露してくれる。

■対戦でのカブトプス


攻撃、防御が共に高い物理アタッカーで、岩タイプにしては素早さも並程度はある。
その分耐久がかなり微妙で、特殊耐久はほぼ期待できないといっても良い。
弱点も4倍の草タイプを始めメジャーなものが多い点がネックとなる。

第一世代ではオムスターやプテラ共々、岩技を一切習得できなかった。
当時ほぼ確定急所の「きりさく」を覚え、「はかいこうせん」等を半減できる長所もあるが、やはり中速低耐久で「10まんボルト」や「じしん」に弱いのでマイナー
一応99カップ本戦には1体エントリーされていたが、採用意図は明らかになっていない。
第二世代でも主力技が種族値と噛み合わない「なみのり」に火力不足な「げんしのちから」or「めざめるパワー(岩)」と微妙。
とは言え岩タイプ、あるいはノーマルタイプと水タイプは攻撃面で相性が良く*1、つるぎのまいもおぼえるため、めざめるパワー岩orおんがえし+なみのり+つるぎのまいを覚えたカブトプスはそこそこ止めづらく、全く使えないわけではなかった。

しかしそれ以降はどの世代でも強力な一致技を獲得している。
第三世代で念願の「いわなだれ」、そして第四世代で「アクアジェット」習得に「たきのぼり」の物理化と怯み効果の追加、
第五世代で「ストーンエッジ」「アクアテール」を習得、第六世代では「がんせきふうじ」強化と、第七世代で「アクアブレイク」習得。
もはやメインウェポンに関しては不自由しなくなっている。

サブウェポンには「ばかぢから」「かわらわり」「けたぐり」と格闘技が多く、ナットレイエンペルトに有効打を与えられる。
ヤドランナッシー対策となる「シザークロス」「つじぎり」「はたきおとす」、キノガッサ対策の「つばめがえし」等がある。

図鑑説明を反映し、「すいとる」「メガドレイン」「ギガドレイン」を覚えられる。
水タイプでこの技を覚えられるのはカブトプス、ドククラゲルンパッパの3匹のみ。
他にも「れいとうビーム」「だいちのちから」等やたらと特殊技を習得しまくるが、特攻の低さからネタにしかならない…
と思いきや、特攻無振りでも「いのちのたま」を持てば「ギガドレイン」でHP振りトリトドン、「ふぶき」で無振りガブリアスぐらいなら倒せたりする。
役割破壊として一定の効果が見込めるかもしれない。
ちなみに初代では「ハイドロポンプ」を覚えられたが、第二世代以降は覚えられなくなっている。
後にソード・シールドでわざレコード経由で覚えられるようになった。

特性「すいすい」により、雨パでは最速130族と同速になれる。
「すいすい」持ちの岩・水の複合の中では最速かつ最高の攻撃を誇っている。
たきのぼり」も十分に活用できるし、先制の「アクアジェット」も強力。

雨パ以外では相手依存だが「すいすい」以上の素早さを得られる「くだけるよろい」が強力。
最速145族(アギルダーメガスピアーメガジュカイン)抜きというトップクラスのスピードとなる。

雨パ以外で使用し、かつ耐久力を下げたくない場合は必然的に「カブトアーマー」一択となる。
しかし素早さ強化に比べて効果が地味すぎるためか滅多に採用されない。

対戦ではやはり「すいすい」の恩恵が大きいのだが、同特性持ちにはキングドラフローゼル等の強力なポケモンがいるのでややマイナーな立ち位置になってしまっている。
ただ岩・水の複合も両方半減できるポケモンは少ない上に「いわなだれ」「たきのぼり」という「すいすい」と相性抜群な怯み技2種を一致で使える強みがあり、さらに同タイプでは最速を誇る。
もっともオムスターやアバゴーラガメノデス等は「からをやぶる」でその壁を楽々と超えてしまうので、積む必要がなく1ターン目からガンガン攻められる点を活かしたい所か。
素早さを特性で補い、火力面を「いのちのたま」「こだわりハチマキ」で補強すれば強力なアタッカーになり得る。
同じ「すいすい」岩アタッカーのアーマルドより攻撃力は低いが素早さでは勝るほか、虫複合より水複合の方が攻撃範囲的にも雨パとの相性面でも有利。

2021年7月に開催されたインターネット大会「ウォーターパラダイス」では対ギャラドス用としての採用例が多く見られ、タイプ一致がんせきふうじで健闘した報告例も挙がっている。

Pokémon Trading Card Game Pocketでのカブトプス


カードパック第一弾「最強の遺伝子」から登場。
サービス開始時よりリリースされているカントー化石組の1角で、カブトプス族は全てリザードンパックから手に入る。
たねポケモンの代わりにグッズ「こうらの化石」からカブト→カブトプスと進化可能。

こうらの化石はHP40の無色たねポケモン。攻撃性能はなく、にげることができないが自分の番にいつでもトラッシュできる。これは他の化石と共通の仕様。

カブトは闘タイプ、HP90、技はエネ1でダメージ40、逃げる1エネ、弱点は草タイプ、レアは♢♢。
HP90となかなか耐久に期待でき、技の威力も闘エネ1で40と1進化のなかでは安定している方。ちなみに相方のオムナイトとはタイプ以外共通の性能である。

そしてカブトプスに進化すると、HPは140まで伸び、技は闘エネ1で50ダメ、相手に与えたダメージ分、自分のHPを回復する「きゅうけつ」が解禁される。

…………


相手に与えたダメージ分、自分のHPを回復する


相手に与えたダメージ分、自分のHPを回復する


相手に与えたダメージ分(・・・・・・・・・・・)、自分のHPを回復する


( Д) ゚ ゚


シンプル過ぎる説明文のせいで、この恐ろしさを脳が一瞬理解できなかった人もいるかもしれない。
そう、素の状態ならば技を繰り出すたびに毎ターンHP50回復である。実質毎ターンエリカといえば伝わるだろうか。
化石ポケモンはたねをモンスターボールで拾えず構築が難しい分、変則的で強力な効果を持つポケモンたちが多いが、カブトプスの場合は回復性能における究極型なのである。しかも1エネで動けるのが非常に強い。

回復量は固定ではなくあくまでダメージを与えた分であるため、無色ポケなど闘タイプ弱点のポケモンであれば弱点ボーナスの+20が乗る。もちろんサカキを使えば+10、レッドを使えばex相手なら+20。
もちろん、パルシェンメルメタルなど威力減少の特性持ち相手には回復量も減ってしまう。鋼タイプのダメージを減らすトレーナーズのセキにも弱い。

扱うコツ

実質は無敵のバンパイアというわけではなく、素では50ダメージというわざ威力そのものの低さにはけっこう穴がある。
確かに相手-50、こちら+50で実質100のリードをとれるのだが、単純計算すると相手が威力80の技を持っている場合は殴り合いだと3発目で落ちる。それまでにこちらが与えられるダメージは150または100。つまりダメージレースには決して強くないということは覚えておきたい。(なお、カブトの間にダメージを受けているとさらに不安定になる)
カブトプスを真に生かすには、相手に「技を使えない状況」を作り出し、相手が動けないうちにこちらが悠々と回復する隙を作るというテクニックが重要になってくる。

アップデートの影響

上述した欠点に加え、リリース当初は闘デッキの地盤が出来上がっていなかったことから、初期のうちは実戦向きだがややマイナー寄りなポケモンだった。

第二弾アプデでは構築が遅いがエネが軽いという特徴がクリムガンと噛み合い、恩恵を大きく受けることができた。
が、草デッキが幅を利かせ始めたのでまだまだメジャーにはのし上がれず。

そんなカブトプスが恐るべき頭角を現し始めたのは第三弾アプデ、時空の激闘。
そう、ルカリオの実装と闘デッキ全盛期の幕開けである。
通常ルカリオがベンチにいるだけで、きゅうけつの威力は+20される。
つまり毎ターン70回復。ルカリオ2体を揃えたら脅威の毎ターン90回復にまで跳ね上がる。闘弱点相手なら最大110回復もしそれがexポケモンならレッドを使えば130回復。血どころか体中の成分ぜんぶ吸い上げるつもりかのような無敵の要塞と化す。
アルセウスex使いはスマホをぶん投げることになる

そこまでインフレするのは最高/最悪のケースだが、そうでなくとも毎ターン70だの90だの回復できるほどにカブトプスの場が出来上がってしまうと、相手はもはや並大抵の攻撃ではカブトプスを落とすことは出来なくなり、リードをとられないようにするにはカブトプスを確実に1撃で落とすくらいしか倒す方法がなくなる。
ところが、カブトプスは元来HP140と耐久がそこそこ安定している上、グッズの「おおきなマント」を持たせればHP160となる。
140,150ダメージであればexポケモン等なら割となんとかなるが、160ダメージはexポケモンでもなかなか叩き出せない。
(先述したアルセウスexも最大火力は130、メジャーなダークライexとのコンビで+20ボーナスを加えても150なのでギリギリ届かない)

おまけに、そこまで苦労して落としてもexポケモンではないのでポイントは1。exポケモンで殴り合って勝ったとしても基本、exポケモン側も痛手を負って損であるケースが多い。
何とかしてルカリオを引きずり出して倒すという手も考えられるが、ルカリオもHP100と割と堅く、そこまでフットワークが重い方ではないのが厄介な所。まず余ったエネルギーを逃走用につけられているケースが多いであろう。

……と、カブトプス×ルカリオの恐ろしさを述べてみたものの、実際には机上の理論であり、やはりカブトプスひいては化石ポケモンの弱点である「構築の遅さ」というものはついてまわる。
実際にやってみると分かるがマント付きカブトプスとルカリオを揃えるだけでもなかなか大変で、リオルや化石のうちに倒されてしまうなんていうケースもままある。
取り扱うなら何が何でもカブトプスを完成させる、対峙するならば何が何でもカブトプスを完成させないことこそが攻略のカギになる。

その他アップデートの影響については特筆すべきは、第五弾。
シャイニングハイの実装からは相手のエネを確率で削る厄介なカード「ロケット団したっぱ」がリリースされて環境が大きく揺れたが、エネ1で動けるカブトプスにとっては痛くも痒くもないのが美味しいところである。


追記・修正は陸で獲物を仕留めてからお願いします。

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最終更新:2025年04月25日 22:12

*1 岩タイプと水タイプをどちらも半減できるポケモンはニョロボンのみ、ノーマルタイプと水タイプに至っては存在しなかった。