初心者おすすめ呪文
〈グレーター・インヴィジビリティ〉は不可視状態になる呪文だが、攻撃や呪文を発動しても不可視状態が解除されない。
〈ディメンジョン・ドア〉は、味方を連れて500フィート以内の瞬間移動ができる。
〈ポリモーフ〉は、味方を強力な野獣に変身させたり、敵を無力な野獣に変身させたりできる。
〈ディメンジョン・ドア〉は、味方を連れて500フィート以内の瞬間移動ができる。
〈ポリモーフ〉は、味方を強力な野獣に変身させたり、敵を無力な野獣に変身させたりできる。
ダメージを与える
〈アイス・ストーム〉
円柱の範囲内に、2d8の[殴打]ダメージと4d6の[冷気]ダメージを与える呪文。
また、呪文を発動した術者の次のターン終了時まで、効果範囲内が移動困難地形になる。
また、呪文を発動した術者の次のターン終了時まで、効果範囲内が移動困難地形になる。
- ダメージの合計値は〈ファイアーボール〉などの呪文の方が勝るが、ダメージ種別が2種類あるため、両方に抵抗や完全耐性を持っていない限りダメージを与えることができる。
- 射程距離が300フィートと長く、遠くの敵を攻撃することができる。〈カウンタースペル〉(射程60フィート)を気にせず発動できるのは長所。
- 効果範囲も半径20フィート、高さ40フィートの円筒形と大きい。面制圧だけでなく立体制圧が可能で、地上の敵と空中の敵の両者を目標とすることができる。効果範囲が「角を回り込まない」事は忘れずに。
- くわえて、術者の次のターン終了時まで、効果範囲内が移動困難地形になる。敵が近づきにくくなるので、相手にもよるがアウトレンジで一方的に攻撃できる可能性がある。
- 総合すると、このことから、屋内などの狭隘な地形よりは屋外などの開けた場所での戦闘に向いていると思われる。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文威力強化":範囲攻撃と相性が良い。
〈ヴィトリオリック・スフィアー〉XGtE
球形の範囲内の各クリーチャーに【敏捷力】セーヴを行わせる。
失敗すると10d4の〔酸〕ダメージを受け、さらに目標の次のターン終了時に5d4〔酸〕ダメージを受ける。(成功すると半分のダメージを受け、次のターンのダメージはない。)
失敗すると10d4の〔酸〕ダメージを受け、さらに目標の次のターン終了時に5d4〔酸〕ダメージを受ける。(成功すると半分のダメージを受け、次のターンのダメージはない。)
- 広範囲に酸ダメージを与える、ちょっと珍しい呪文である。ダメージは10d4と一見物足りないように見えるが、セーヴに失敗した者には追加で5d4ダメージが入るので、【敏捷力】セーヴに不得手なクリーチャーには脅威となる。
- 呪文の説明文を読む限り、角を回り込んだりはしないので遮蔽は有効かと思われる。
- また、対象となるのはクリーチャーのみのようだが、効果範囲内の酸で腐食する物体がダメージを受ける可能性もゼロとは言い難いので、各卓のDMに確認することをお勧めする。
- 魔法使いとしては、多種多様なダメージ・ソースを持っていることが望ましいので、準備枠に余裕があればこの呪文を準備しておいても損はないだろう。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文威力強化":範囲攻撃と相性が良い。
〈ウォール・オヴ・ファイアー〉
【精神集中】
巨大な火の壁を作り出す。
壁に入ったクリーチャーは5d8の〔火〕ダメージを受ける。壁の片側10フィート以内、または壁の内側でターンを終了したクリーチャーも同じダメージを受ける。
巨大な火の壁を作り出す。
壁に入ったクリーチャーは5d8の〔火〕ダメージを受ける。壁の片側10フィート以内、または壁の内側でターンを終了したクリーチャーも同じダメージを受ける。
- 炎の壁を出現させる呪文であるが、空中などには出せない。
- この壁は線状(直線である必要はない)か円状に出すか選択できる。
- この壁は不透明であるため、視線を遮る。超視覚であってもこれを見通すことはできず、熱源を探知する類の疑似視覚は、この呪文によってかく乱される可能性がある(DMの判断による)。
- この呪文によりダメージを受けるタイミングは3回ある。
- (1)呪文が発動した時。
- (2)この炎の壁のダメージを受ける側の10フィート以内でターンを終了した時。
- (3)そのクリーチャーが自分のターン中で初めてその炎の壁の中に入った時。
- (1)の時はセーヴィング・スローが振れるが、(2)と(3)の場合はセーヴィング・スローが振れないことに注意。そして、壁の中を通過したクリーチャーが壁のダメージを受ける側の10フィート以内でターンを終了した場合、(2)と(3)の合わせ技で都合2回分のダメージを受ける。
- この呪文には高レベル版も存在するが、それはダメージの増加であり効果範囲の増加ではないことに注意。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文高速化":この呪文をボーナス・アクションで発動し、アクションで相手をつかめば、効果範囲から逃げ出すのを妨害できる。また、〈ガスト〉や〈ライトニング・ルアー〉を待機すれば、それ後のターンで相手が移動したとき、リアクションでそれらの呪文を発動して、再び効果範囲内に引きずりこむことができる。
〈シックニング・レイディアンス〉XGtE
【精神集中】
球形の効果範囲に入るか、ターンを開始したクリーチャーに、4d10の〔光輝〕ダメージを与える。
さらに目標は一段階の消耗状態をこうむり、不可視状態の利益を受けられなくなる。
球形の効果範囲に入るか、ターンを開始したクリーチャーに、4d10の〔光輝〕ダメージを与える。
さらに目標は一段階の消耗状態をこうむり、不可視状態の利益を受けられなくなる。
- この呪文は発動した時点でダメージを与える呪文ではないことに、まずは注意が必要である。そのクリーチャー自身のターンで効果範囲内に入るのが初めてか、その効果範囲内でターンを開始した時にダメージが発生する。よって、敵クリーチャーの立っている場所にこの呪文を発動したとしても、そのクリーチャーのターンが来るまではダメージは発生しない。
- なお、効果範囲に入ることは、自発的である必要はない。したがって、〈サンダーウェイヴ〉のような呪文でクリーチャーをそのエリアに押しやることは可能。ただし、ダメ―ジを受けるのは、ターンで最初にその範囲に入ったときだけであることに注意。出し入れしても、複数回ダメージを受けることはない。詳しくは、セージ・アドバイスのp19を参照のこと。
- 呪文は角を回り込んで広がるので、完全遮蔽の向こう側にあっても、横や背後に隙間があれば作用を受ける。
- この呪文の最大の特徴として、この呪文のセーヴに失敗したクリーチャーが1段階の消耗状態を被り、薄暗い緑の光を放って不可視状態による利益を得られなくなる効果(即ち、隠密できない)がある。何よりも恐ろしいのは、この呪文によって消耗状態が6になったクリーチャーは死亡するということであり、この死亡は呪文の効果が終了しても解除されない─即ち、死んだままである。なお、セーヴに失敗するごとに消耗状態は累積していくものと思われる。直接「累積する」と明言したセージ・アドヴァイスは発見できなかったが、次のようなセージ・アドヴァイスは発見された。(こちらを参照のこと)
- これによると、この呪文によって消耗状態が6になったら死亡するとあるので、最短で6ラウンドの間この呪文の効果範囲内に止まり続けて全ての耐久セーヴに失敗したクリーチャーは死ぬ。また、「この呪文が終了すると、この呪文による光と消耗状態はことごとく消える」とあるので、この呪文のセーヴに失敗したクリーチャーが呪文の効果範囲内から出たとしても、呪文の効果による光と消耗状態は解除されないものと思われる。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文高速化":この呪文をボーナス・アクションで発動し、アクションで相手をつかめば、効果範囲から逃げ出すのを妨害できる。また、〈ガスト〉や〈ライトニング・ルアー〉を待機すれば、それ後のターンで相手が移動したとき、リアクションでそれらの呪文を発動して、再び効果範囲内に引きずりこむことができる。
- "呪文セーヴ妨害":呪文の成功率が上がる。
- "呪文発動秘匿":〈カウンタースペル〉で打ち消されなくなる。
〈ストーム・スフィアー〉XGtE
【精神集中】
持続時間中、球形の範囲内に竜巻を作り出し、発動時に範囲内にいたクリーチャー、および範囲内で自身のターンを終了したクリーチャーに2d6〔殴打〕ダメージを与える。
また、持続時間中、ボーナス・アクションを使用して、60フィート以内の目標に稲妻(4d6〔電撃〕ダメージ)を飛ばすこともできる。
持続時間中、球形の範囲内に竜巻を作り出し、発動時に範囲内にいたクリーチャー、および範囲内で自身のターンを終了したクリーチャーに2d6〔殴打〕ダメージを与える。
また、持続時間中、ボーナス・アクションを使用して、60フィート以内の目標に稲妻(4d6〔電撃〕ダメージ)を飛ばすこともできる。
- つむじ風と稲妻によりダメージを与える呪文である。この呪文の効果範囲にいるクリーチャーは、呪文が発動した時点と、この呪文の効果範囲内でターンを終了した時に、筋力セーヴ失敗でダメージを受ける。また、この呪文の効果範囲内が移動困難地形になるため、地面だけではなく空中も移動困難になる。
- また、この呪文の効果範囲から60フィート以内にいるクリーチャーに対してボーナス・アクションを用いて遠隔呪文攻撃を行うことができる。この呪文の射程が150フィートであるので、最大で210フィート先の目標を攻撃することも可能となる。
- 呪文の効果範囲内にいるクリーチャーに対しては、遠隔呪文攻撃ロールに有利が付くので、ボーナス・アクションが余っているなら遠慮なく撃ちこもう。
- 呪文の効果範囲から30フィート以内にいるクリーチャーは聴覚に基づく【判断力】〈知覚〉判定に不利を受けるので、鋭敏聴覚の特徴を無効化したり、音声による意思疎通をある程度妨害できる(或いはされる)可能性がある。
- なお、この呪文で発生する「つむじ風」は、○○クラウド系の呪文を吹き散らすとは明記していない点に注意。もちろん、君がDMで、吹き散らすほうが理にかなっていると思うなら、そのように裁定してもよい。
- 相性の良い呪文修正能力:特になし
〈ブライト〉
1体のクリーチャーに8d8[死霊]ダメージを与える呪文。
- 8d8の高ダメージをたたき出す呪文であるが、それ故に射程距離も短く目標も1体までとなっている。そして死霊ダメージを与える呪文に多い、【耐久力】セーヴを要求する仕様となっている。
- 前衛と戦っている頑丈なクリーチャーは大抵【耐久力】が高いため、彼らに対してこの呪文を唱えるのは分が悪い。
- 植物クリーチャーが相手ならば、セーヴの成否に関わらず、ダメージが最大値になる上、セーヴが不利になる。
- また、ウィザードなどの術者系は【耐久力】が低い傾向にあるので狙い目である。(ただし、目標がソーサラー系であった場合は、【耐久力】セーヴに習熟している場合がある。)
- さらに、呪文使いに対して呪文で攻撃する際には、必ず〈カウンタースペル〉されることを警戒すべし。対策方法については〈カウンタースペル〉の項目を参照のこと。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文威力強化": ダメージの期待値が大幅に上がる。
- "呪文セーヴ妨害":呪文の成功率が上がる。
- "呪文二重化":2体を目標にできる。
- "呪文発動秘匿":〈カウンタースペル〉で打ち消されなくなる。
〈ラウロシムズ・サイキック・ランス〉FToD
射程内にいて君から見えるクリーチャー1体を目標とする。
君は1体のクリーチャーの名前を唱えることもできる。そのクリーチャーが射程内にいるなら、見ることができなくても目標にできる。
目標は【知力】セーヴを行う。失敗すると7d6〔精神〕ダメージを受け、さらに君の次のターンの開始時まで無力状態になる。
(成功すると半分のダメージを受け、無力状態にならない。)
君は1体のクリーチャーの名前を唱えることもできる。そのクリーチャーが射程内にいるなら、見ることができなくても目標にできる。
目標は【知力】セーヴを行う。失敗すると7d6〔精神〕ダメージを受け、さらに君の次のターンの開始時まで無力状態になる。
(成功すると半分のダメージを受け、無力状態にならない。)
- ダメージの平均値は24.5と低めだが、 精神ダメージは抵抗されにくいため優秀。 また、相手を無力状態にする強力な追加効果がある。
- 【知力】 セーヴに習熟しているクリーチャーは少ないため、当たりやすい。
- 名前を知っていれば見えない相手でも攻撃できる。 したがって、 相手が"重度の隠蔽"の中にいたり、不可視化していたり、 君が盲目状態になっていても攻撃できる。 ただし、完全遮蔽を無視できるわけではないことに注意。 扉や壁の向こう側に隠れられたら手も足も出ない。
- 「名前を知っている」の基準は曖昧。 あだ名や通称でも良いのか、フルネームを全部言わなくてはいけないのか……DMの判断に従うこと。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文威力強化":ダメージの期待値が大幅に上がる。
- "呪文セーヴ妨害":呪文の成功率が上がる。
- "呪文二重化":2体を目標にできる。
- "呪文発動秘匿":〈カウンタースペル〉で打ち消されなくなる。
自分や味方を支援する(バフ)
〈グレーター・インヴィジビリティ〉
【精神集中】
持続時間中、不可視状態になる。
持続時間中、不可視状態になる。
- 2レベル呪文の〈インヴィジビリティ〉と比べると、「不可視状態で呪文の発動や攻撃を行っても不可視状態が解除されない」点が強力。
- この呪文に〈ノンディテクション〉を組み合わせれば、呪文や魔法によって術者を発見することはほぼ不可能になる。ただし持続時間が1分間と短いため、偵察に使うのは難しい。
- 不可視状態であれば、「見る」ことができる目標に対して発動できる呪文や特徴の目標にならない。また、機会攻撃を受けることもない。詳しくは〈インヴィジビリティ〉の項目を参照のこと。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文高速化":不可視化したのと同じターンに、攻撃が可能。
- "呪文持続時間延長":2分 (20ターン) 持続するようになる。
- "呪文発動秘匿":隠密行動中など、 声を出せない場面で。
〈ストーンスキン〉
【精神集中】
持続時間中、非魔法的な〔殴打〕〔斬撃〕〔刺突〕ダメージに対する抵抗を得る。
持続時間中、非魔法的な〔殴打〕〔斬撃〕〔刺突〕ダメージに対する抵抗を得る。
- この呪文を用いるにあたり、次の点に注意する必要がある:
- ① 100gpの価値のあるダイアモンドの粉末が消費される。:ウォーターディープやバルダーズ・ゲートのような都会ならばいざ知らず、名も無き地方の共同体でこれを入手するのはほとんど不可能と言える。よって、この呪文を使う予定があるならば、事前に複数回分入手しておくことをお勧めする。もっとも、資金に余裕のあるパーティでなければ難しいかもしれないが。
- ② 魔法的な〔殴打〕〔斬撃〕〔刺突〕ダメージには効果がない。:魔法の武器を持っている相手や、「○○の武器攻撃は魔法的である」と書かれているクリーチャーの攻撃に対しては効果がない。レベルが上がれば上がるほど、こういった手合いは増えてくるので使えるかどうかの判断が難しくなる。この呪文に限った話ではないが、結局は事前にクリーチャーの能力を調べておくことが重要である。例えばデーモンのマリリスの攻撃は魔法的だが、ゴリストロはそうではない。手下を捕まえて締め上げたり、占術呪文を使ったりしてマメに情報を集めよう。
- ③ 精神集中を要する。:術者がダメージを受けて精神集中の維持に失敗してしまうと、呪文は終了してしまう。 ウィザード呪文〈ロープ・トリック〉や、〈グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティ〉など、術者を守るための工夫が必要になるだろう。
- 相性の良い呪文修正能力:特になし
〈ファイアー・シールド〉TCoE
「暖かい盾」または「冷たい盾」のどちらかの効果を得る呪文。暖かい盾は〔冷気〕ダメージ、冷たい盾は〔火〕対する抵抗を得る。
5フィート以内で近接攻撃によるヒットを受けるたび、攻撃者は2d6のダメージを受ける。暖かい盾の場合は〔火〕ダメージ、冷たい盾の場合は〔冷気〕ダメージを受ける。
5フィート以内で近接攻撃によるヒットを受けるたび、攻撃者は2d6のダメージを受ける。暖かい盾の場合は〔火〕ダメージ、冷たい盾の場合は〔冷気〕ダメージを受ける。
- 持続時間が10分と長い上に精神集中を必要としないので、これから戦う相手が分かっているなら、戦闘前にかけておくことも可能。たとえば、レッド・ドラゴンと戦う時には“冷たい盾”、ホワイト・ドラゴンと戦う時には“暖かい盾”を選択する、という具合である。
- 5フィート以内で近接攻撃を受け、なおかつその攻撃が命中したならば、攻撃者に2d8の〔火〕或いは〔冷気〕ダメージを与える。しかしながら防御面に不安があるソーサラーが、ダメージを与える目的でこの呪文を使うのはあまりお勧めできない。あくまでダメージを受けた時の保険と割り切るべきだろう。
- 相性の良い呪文修正能力:特になし
敵を妨害する(デバフ)
〈ウォータリー・スフィア―〉XGtE
【精神集中】
半径5フィートの水の球体の中を召喚する。
中型なら4体、大型なら1体のクリーチャーを閉じ込めて、アクションで30フィートまで移動させることができる。
半径5フィートの水の球体の中を召喚する。
中型なら4体、大型なら1体のクリーチャーを閉じ込めて、アクションで30フィートまで移動させることができる。
- この呪文は、呪文発動時に効果範囲内にいた目標に筋力セーヴを行わせ、失敗するとその球体に閉じこめて拘束状態にする。ただし超大型には効かない。ローグやバードなどの、【敏捷力】は高いが【筋力】の低い目標には有効な手段である。特に身かわしの特徴を持つ相手にはお勧めである。なお、【筋力】セーヴの成否に関わらず水中にいることに変わりはないので、この水球の中で戦う際はPHB198ページの水中戦闘のルールも参照の事。
- また、呪文の持続時間中であれば1回のアクションとしてこの水球を30フィートまで動かすことができる。これを利用してこの水球をクリーチャーにぶつけて上述のセーヴを行わせることも可能である。この水球は飛行移動速度を持たないが、高さが10フィートになるまで安全に降下できる。この特徴を利用して高所から複数のクリーチャーが安全に降りることもできる(降下中に攻撃を受けたりしなければ)。しかし、崖っぷちから空中に移動させて足場がなくなった瞬間に精神集中を解除すれば、目標を地面に叩き落とすことも可能である。そして水の中にいるクリーチャーは〔火〕ダメージへの抵抗が得られるので、緊急避難的にこの水球に入るという使い方もできる。
- それではこの水球の外から水球内のクリーチャーを攻撃するならば、水球外のクリーチャーも水中戦闘のルールを適用されるのか? これは意見の分かれるところだが、水中戦闘のルールが適用されるのは水中に完全に没しているクリーチャーのみと考えるならば、水球の外から水球内のクリーチャーを攻撃する際に、特定の武器でなければ不利を被ることはないと判断できる。逆に水球外のクリーチャーも水中戦闘のルールが適用されるならば、特定の武器でなければ不利を受けるということになる。この判断はそれぞれのDM諸氏に委ねたい。
- 相性の良い呪文修正能力:特になし
〈コンフュージョン〉
【精神集中】
範囲内のクリーチャーを混乱する。
混乱すると、ターン開始時に1d10をロールし、その結果に従ってランダムな行動をとる。
範囲内のクリーチャーを混乱する。
混乱すると、ターン開始時に1d10をロールし、その結果に従ってランダムな行動をとる。
- 複数の敵を無力化できるという点でとても強力な効果。敵の厄介な特殊能力を封じたり、【判断力】の低いパワータイプのクリーチャーを同士討ちさせる際に役立つ。
- この呪文は効果範囲内の総てのクリーチャーが対象になるため、効果範囲を設定する時は気を付けよう。この呪文の作用を受けているクリーチャーはリアクションを行えないので、リアクションを用いて行う機会攻撃や待機、一部の呪文が使えなくなる。ただし、リアクションが行えなくなるのであって、リアクションを失う訳ではない。従って、自分のターンが回ってくるまでにこの呪文終了したならば、通常通りリアクションを行うことができる。
- 高レベル版は呪文の効果範囲が広がる。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文敵味方識別":乱戦の場で敵だけを目標にできる。
- "呪文発動秘匿":こっそり忍び寄って発動すれば、敵は何が起きたか分からないまま同士討ちを始めるだろう。
〈チャーム・モンスター〉XGtE
クリーチャー1体を魅了する呪文。
戦闘中なら、目標が行う【判断力】セーヴは有利になる。
戦闘中なら、目標が行う【判断力】セーヴは有利になる。
- 効果は〈チャーム・パースン〉のモンスター版である。魅了に対する状態完全耐性を持たないクリーチャー全般が、この呪文の作用を受ける可能性がある。
- 戦闘中に使うとセーヴに有利を得られてしまうので、戦闘外での交渉や取引に使うことになるだろう。ダンジョン内を偵察させたり手引きさせたり情報を吐かせたり、使い方は非常に多彩。
- ただし、1体しか目標にできないところが欠点である。例えば、手下をたくさん引き連れたボスに対して、君たちが怪しげな呪文を唱えたとたん、ボスがコロッと意見を変えたとしよう。手下からすればボスが魅了されたのが丸わかりである。ボスが1人でいるところに秘密裡に交渉を持ちかけるか、ボスにだけ聞こえるように呪文を耳打ちするとか、ロールプレイ上の工夫が必要になってくるところだ。
- なお、術者が目標を見る必要があるが、目標が術者を見ている必要はないので、隠密や不可視化によってこっそり忍び寄ってこの呪文をかけ、成功すれば姿を現して交渉、失敗したら逃走するというのも戦法としてはありだろう。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文セーヴ妨害":呪文の成功率が上がる。
- "呪文発動秘匿":こっそり発動すれば、敵は何が起きたか分からず魅了される。
〈ドミネイト・ビースト〉
【精神集中】
野獣1体の精神を支配する。(その野獣が君と戦闘中なら、セーヴは有利になる。)
君はアクションを使わずに簡単な命令を下すことができ、アクションを使えば詳細な命令を下すことができる。
野獣1体の精神を支配する。(その野獣が君と戦闘中なら、セーヴは有利になる。)
君はアクションを使わずに簡単な命令を下すことができ、アクションを使えば詳細な命令を下すことができる。
- 支配することは最も強力なデバフである。また、野獣の【判断力】は大抵低いため、呪文は成功しやすい。
- しかし、この呪文を覚える7レベル帯で野獣クリーチャーが登場することは少ない。したがって、偶然敵として出てくるのを期待するのではなく、こちらから積極的に探しに行くか、冒険の前に捕まえておこう。
- 野獣クリーチャーは、物質界ではウィンター・ウルフ、エレファント、ライノセラスあたりが限界かもしれない。フェイワイルドやビーストランズなら、ジャイアント・エイプ、マンモス、ティラノサウルスとも出会えるだろう。目的の野獣を探す際は、〈ロケート・アニマルズ・オア・プランツ〉〈コミューン・ウィズ・ネイチャー〉を使うのもよい。
- この呪文は4レベルで唱えると1分しか持続しないが、6レベルならば1時間、7レベルならば8時間持続するため、必要に応じてずっと従えておくことができる。
- 野獣がダメージを受けると呪文が終了する可能性があるので、一緒に戦うというよりは、敵軍に突撃させてあとは放っておくのがよいだろう。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文セーヴ妨害":呪文の成功率が上がる。
〈バニッシュメント〉
【精神集中】
クリーチャー1体を異次元に追放する。
クリーチャー1体を異次元に追放する。
- 目標が、今いる次元界出身か否かで効果が異なる。この次元界出身なら、目標は擬似次元界に隔離され、無力状態となる。また、目標が異次元クリーチャーの場合は、完全に追放し、(〈プレイン・シフト〉などを使わない限りは)戻ってこれない。
- 呪文終了まで、強敵を戦闘から隔離できる。【魅力】セーヴに習熟しているクリーチャーはほとんどいないため、成功率は高い。
- ただし、追放に成功したあと、精神集中の維持失敗を狙った集中攻撃を受ける可能性がある。かえってそれで窮地に陥る事もあると覚えておこう。
- 敵の魔術師が召喚したデーモンやデヴィルを追放するときにも役立つだろう。
- 自分を目標に唱えて、物質界に帰国することは可能。ただし味方を置いていくことになるし、【魅力】セーヴに成功してしまうと無駄撃ちになる。
- また、この呪文は一部のマジック・アイテムに掛けられた呪いを解くこともできる。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文セーヴ妨害":呪文の成功率が上がる。
- "呪文二重化":2体を目標にできる。
- "呪文射程延長":〈カウンタースペル〉の射程外から発動できる。
その他
〈ディメンジョン・ドア〉
500フィート以内の場所に瞬間移動を行う呪文。
- 自分以外の他者を連れていける呪文である。対象が自身+最大1体のみなので、パーティーを移動させるというよりは潜入後の脱出や転移系の罠からの脱出等の場面で使用することが想定される。
- 術者がノームなどの小型種族であった場合、仲間の中型種族を連れていけないことを覚えておくこと。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文射程延長":移動距離が延びる。
- "呪文高速化":移動したのと同じターンに、攻撃や早足による逃走が可能。
〈ポリモーフ〉
【精神集中】
クリーチャー1体を、持続時間中野獣に変えてしまう。
野獣形態のHPが0になるか、術者の精神集中が解けると、元に戻る。
クリーチャー1体を、持続時間中野獣に変えてしまう。
野獣形態のHPが0になるか、術者の精神集中が解けると、元に戻る。
- 主に「敵を無力化する」用途と、「味方を強化する」用途の2種類があるが、前者の目的で使われることが多い。
- 敵を無力化する:MMで最弱のクリーチャーはクラブ(カニ)やフロッグ(カエル)など。基本的にはこれらのクリーチャーに変化させてしまうのがよいだろう。DMの判断次第では、ナメクジやダンゴムシなど、もっと非力な生き物に変身させることも許されるかもしれない。ただし、HPが0になれば元の姿に戻るので、殺すことはできない。呪文が成功したら、さっさと逃走するか、ほかの敵の相手をしよう。あるいは、〈フライ〉や鳥のファミリアを使って上空に持ち上げて落下させたり、瓶詰めにして海に投げ捨ててしまってもよい。また、〈パワー・ワード・キル〉(HP100以下)や〈ディヴァイン・ワード〉(HP20以下)もオススメだ。これらの呪文はダメージを与えることなく、そのクリーチャーを死亡させる。詳しくは、セージ・アドバイスを参照のこと。
- 味方を強化する:おすすめ野獣は以下の通り。
- ジャイアント・バジャー(脅威度1/4):穴掘り移動が可能。洞窟の中で閉じ込められた時や、下が土で出来た建物に侵入するときなどに。
- ジャイアント・イーグル(脅威度1):飛行することができる。大型クリーチャーなので、中型サイズの味方を掴んで飛ぶことも可能。パーティの誰も〈フライ〉を持っていないときなどに有用。
- ジャイアント・エイプ(脅威度7):近接戦闘の能力、登攀移動速度などを持つ。また、HPが157ポイントもあるので、緊急的に大量のHPを確保したいときにも使える。また、【耐久力】修正値が+4もあるので精神集中が解けにくく、君自身が変身して戦うのにも向く。なお、使うには変身させる相手が7レベル以上である必要がある。
- ティラノサウルス・レックス(脅威度8):ポリモーフで変身できる野獣の中で最強のクリーチャー。また、【耐久力】修正値が+4もあるので精神集中が解けにくく、君自身が変身して戦うのにも向く。なお、使うには変身させる相手が8レベル以上である必要がある。}
- また、明記はされていないものの、君がDMなら「術者が見たことがある野獣クリーチャーしか選ぶことができない」ことにしてもよいだろう。(見たこともない動物に変身させることができるというのは、いかにも不自然である)
- また、精神的なステータス(【知力】【判断力】【魅力】)も含めて変化するため、【知力】の低い野獣に変身した場合、DMが「変身している間は戦略的に行動することができない」と判断する可能性がある。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文セーヴ妨害":呪文の成功率が上がる。
- "呪文二重化":2体を目標にできる。