初心者おすすめ呪文
〈ウォール・オヴ・ファイア〉は多くの敵に大ダメージを与えられる。
〈ポリモーフ〉はセーヴに失敗すれば敵を確実に無力化することができる。
〈カンジャー・ウッドランド・ビーイング〉や〈カンジャー・マイナー・エレメンタル〉は簡単に手数を増やすことができる。選択肢が多くややこしいので、初心者のうちは召喚するクリーチャーの種類はDMに任せてもよいだろう。
〈ポリモーフ〉はセーヴに失敗すれば敵を確実に無力化することができる。
〈カンジャー・ウッドランド・ビーイング〉や〈カンジャー・マイナー・エレメンタル〉は簡単に手数を増やすことができる。選択肢が多くややこしいので、初心者のうちは召喚するクリーチャーの種類はDMに任せてもよいだろう。
ダメージを与える
〈アイス・ストーム〉
円柱の範囲内に、2d8の[殴打]ダメージと4d6の[冷気]ダメージを与える呪文。
また、呪文を発動した術者の次のターン終了時まで、効果範囲内が移動困難地形になる。
また、呪文を発動した術者の次のターン終了時まで、効果範囲内が移動困難地形になる。
- ダメージはあまり高くないが、ドルイドは範囲攻撃が少ないため、選択肢の一つとして採用することがある。また、ダメージ種別が2種類あるため、両方に抵抗や完全耐性を持っていない限りダメージを与えることができる。
- 射程距離が300フィートと長く、遠くの敵を攻撃することができる。〈カウンタースペル〉(射程60フィート)を気にせず発動できるのは長所。
- 効果範囲も半径20フィート、高さ40フィートの円筒形と大きい。面制圧だけでなく立体制圧が可能で、地上の敵と空中の敵の両者を目標とすることができる。効果範囲が「角を回り込まない」事は忘れずに。
- くわえて、術者の次のターン終了時まで、効果範囲内が移動困難地形になる。敵が近づきにくくなるので、相手にもよるがアウトレンジで一方的に攻撃できる可能性がある。
- 総合すると、このことから、屋内などの狭隘な地形よりは屋外などの開けた場所での戦闘に向いていると思われる。
〈ウォール・オヴ・ファイアー〉
【精神集中】
巨大な火の壁を作り出す呪文。
壁に入ったクリーチャーは5d8の〔火〕ダメージを受ける。壁の片側10フィート以内、または壁の内側でターンを終了したクリーチャーも同じダメージを受ける。
巨大な火の壁を作り出す呪文。
壁に入ったクリーチャーは5d8の〔火〕ダメージを受ける。壁の片側10フィート以内、または壁の内側でターンを終了したクリーチャーも同じダメージを受ける。
- きわめて優秀なエリア・コントロール。敵軍を簡単に分断することができるため、敵の攻め手を鈍らせたり、敵から逃走するのに使える。
- 与えられる平均的なダメージは22ポイントと大きいので、単なるダメージ・ソースと割り切ってしまってもよい。
- 壁の形状は「長さ60フィート、高さ20フィート、厚さ1フィートの直線状」か、「直径20フィート、高さ20フィート、厚さ1フィートの円形」かのどちらかを選ぶことができる。
- 「直線状」の場合は、広い部屋を横切るように召喚するのが一般的だが、たとえば幅10フィート以内の長い通路に対して並行に召喚して、通路を炎で埋めてしまうこともできる。
- 「円形」の場合は、敵が一か所に固まっている場合に使える。敵を円形に取り囲んでしまえば、自身のターンで壁を突き抜けない限りは、ターン終了時に同じダメージを受けるため、敵にとっては、一か八か通過する以外に選択肢がない。確実にダメージを与えられるはずだ。
〈ブライト〉
1体のクリーチャーに8d8[死霊]ダメージを与える呪文。
- この呪文によって与えられるダメージは平均36ポイントと高いが、目標が1体のみかつ射程も短く、あまりコストパフォーマンスは良くない。
- 目標が植物クリーチャーならば、セーヴが不利になるうえに最大ダメージとなるが、植物クリーチャーはあまり数が多くないので遭遇する確率は低い。
- 【耐久力】セーヴである点に注目し、ウィザードやソーサラーなどの耐久力の低いキャラクターに対する攻撃手段として使うというのも考えられる。ただし、呪文使いに対して呪文で攻撃する際には、必ず〈カウンタースペル〉されることを警戒すべし。
自分や味方を支援する(バフ)
〈ガーディアン・オヴ・ネイチャー〉XGtE
【精神集中】
1分間「原始の獣」か「樹木の精」のどちらかに変身する呪文。
1分間「原始の獣」か「樹木の精」のどちらかに変身する呪文。
- ①原始の獣
- 移動速度+10フィート。
- 120フィートの暗視を得る。
- 【筋力】に基づく攻撃ロールに有利を得る。
- 近接武器攻撃は、ヒット時に追加の1d6〔力場〕ダメージを与える。
- ②樹木の精
- 10ポイントの一時的HPを獲得する。
- 【耐久力】セーヴに有利を得る。
- 【敏捷力】【判断力】に基づく攻撃ロールに有利を得る。
- 術者の15フィート以内の地面は敵にとって移動困難地形になる。
- 「原始の獣」は、「自然の化身」と少しだけ相性が良い。たとえば、7レベルの月の円環のドルイドがポーラー・ベアに変身することで、平均13ダメージを与える噛みつき攻撃と、平均15ダメージを与える爪攻撃を、両方とも有利で行うことができる。しかし、この呪文と「自然の化身」を使うとボーナス・アクションとアクションを両方使ってしまうので、1ラウンド目から攻撃を行えない。その上、ダメージを受けて精神集中が切れると、野獣形態では再度呪文を唱えることができない。このように、エンジンが掛かるのが遅いくせにガス欠は早いという、使いこなすのが難しい性質を持つ。なお、18レベルになれば野獣形態のまま呪文が唱えられるのでこれらの問題が若干解決するが、それほど高レベルの戦闘においては野獣クリーチャーではパワー不足になる、という別の問題が生ずる。
- 「樹木の精」は【判断力】に基づく攻撃ロールに有利を得る。たしかにドルイドの呪文発動能力は【判断力】だが、攻撃ロールを行う呪文が少ないため、利益が少ない。【敏捷力】の攻撃ロールに有利を得られる点に注目し、特技「クロスボウの達人」「射撃の名手」「エルフの正確さ」などを覚えて、弓キャラとして活用するのが良いだろう。しかし、ドルイドは追加攻撃を得られるサブクラスが存在しないため、せっかく有利を得ても、攻撃回数が少なくなりがちなのが欠点。味方に〈ヘイスト〉を掛けてもらうなどのサポートが欲しいところだ。
〈ストーンスキン〉
【精神集中】
持続時間中、非魔法的な〔殴打〕〔斬撃〕〔刺突〕ダメージに対する抵抗を得る。
持続時間中、非魔法的な〔殴打〕〔斬撃〕〔刺突〕ダメージに対する抵抗を得る。
- この呪文を用いるにあたり、次の点に注意する必要がある。
- ① 物質要素は100gpの価値のあるダイアモンドの粉末であり、これは呪文によって消費される。:ウォーターディープやバルダーズ・ゲートのような都会ならばいざ知らず、名も無き地方の共同体でこれを入手するのはほとんど不可能と言える。よって、この呪文を使う予定があるならば、事前に複数回分入手しておくことをお勧めする。もっとも、資金に余裕のあるパーティでなければ難しいかもしれないが。
- ② 魔法的な[殴打]、[斬撃]、[刺突]ダメージには効果がない。:魔法の武器を持っている相手や、「○○の武器攻撃は魔法的である」と書かれているクリーチャーの攻撃に対しては効果がない。レベルが上がれば上がるほど、こういった手合いは増えてくるので使えるかどうかの判断が難しくなる。この呪文に限った話ではないが、結局は事前にクリーチャーの能力を調べておくことが重要である。例えばデーモンのマリリスの攻撃は魔法的だが、ゴリストロはそうではない。手下を捕まえて締め上げたり、占術呪文を使ったりしてマメに情報を集めよう。
- ③ 精神集中を要する。:術者がダメージを受けて精神集中の維持に失敗してしまうと、呪文は終了してしまう。 ウィザード呪文〈ロープ・トリック〉や、〈グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティ〉など、術者を守るための工夫が必要になるだろう。
〈ファイアー・シールド〉TCoE
「暖かい盾」または「冷たい盾」のどちらかの効果を得る呪文。暖かい盾は〔冷気〕ダメージ、冷たい盾は〔火〕対する抵抗を得る。
5フィート以内で近接攻撃によるヒットを受けるたび、攻撃者は2d6のダメージを受ける。暖かい盾の場合は〔火〕ダメージ、冷たい盾の場合は〔冷気〕ダメージを受ける。
5フィート以内で近接攻撃によるヒットを受けるたび、攻撃者は2d6のダメージを受ける。暖かい盾の場合は〔火〕ダメージ、冷たい盾の場合は〔冷気〕ダメージを受ける。
- 持続時間が10分と長い上に精神集中を必要としないので、これから戦う相手が分かっているなら、戦闘前にかけておくことも可能。たとえば、レッド・ドラゴンと戦う時には“冷たい盾”、ホワイト・ドラゴンと戦う時には“暖かい盾”を選択する、という具合である。
- 5フィート以内で近接攻撃を受け、なおかつその攻撃が命中したならば、攻撃者に2d8の〔火〕或いは〔冷気〕ダメージを与える。しかしながら防御面に不安があるウィザードが、ダメージを与える目的でこの呪文を使うのはあまりお勧めできない。あくまでダメージを受けた時の保険と割り切るべきだろう。
〈フリーダム・オヴ・ムーヴメント〉
3つの有益な効果を与える呪文。
- ①移動速度を低下させる効果を受けない。
- ②麻痺や拘束状態にならない。
- ③非魔法の拘束から脱出できる。
- ①の効果について:移動困難地形を無視できるのはメリットだが、それだけのために4レベルスロットを消費するのはもったいない。こちらが積極的に移動困難地形を生み出す魔法等を利用することで引き撃ちや離脱を有利に進める等の場面が考えられるが、対象が1体のみというのがネックであり、使い方を考える必要がある。
- ②の効果について:麻痺や拘束は致命的な状態であり、かつ〈ウェブ〉や〈ホールド・パースン〉等低レベル域のマジックユーザーが使う呪文でも発生する状態異常である。ただし麻痺状態の場合には自分は無力状態なので、他人に使うタイミングが多いだろう。
- ③の効果について:非魔法の拘束とは、枷、縄、手錠、つかんでいるクリーチャーなどである。つかんでくるクリーチャーは「つかんでから次のターンで毒を注入する」とか「つかんでから次のターン脳みそを食べる」とか、大技の前につかんでくることが多いので、後出しでこの呪文を使っても間に合うのである。いっぽう、枷や縄から抜けられる効果については、この呪文の構成要素が音声、動作、物質の3要素全てを要するため、君が猿ぐつわを嵌められていたり、両腕を縛られていたり、焦点具や構成要素ポーチを奪われていると使えない。自分が助かるというより、味方を助けるために使うことになるだろう。
- 以上をまとめると、無駄になるのを覚悟で保険として運用するか、敵の作戦や能力、地形などが予めわかっているときに使うイメージである。
敵を妨害する(デバフ)
〈エレメンタル・ベイン〉XGtE
【精神集中】
クリーチャー1体は〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕のうち1種類に弱くなる。
目標はその種別に対する抵抗がなくなり、ターン中はじめてその種別のダメージを受けるとき、追加で2d6ダメージを受ける。
クリーチャー1体は〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕のうち1種類に弱くなる。
目標はその種別に対する抵抗がなくなり、ターン中はじめてその種別のダメージを受けるとき、追加で2d6ダメージを受ける。
- 〔火〕に抵抗を持つデーモン、デヴィル、ユーゴロスには有効な手段である……と言いたいところだが、これらは往々にして魔法抵抗の特徴を有しており、【耐久力】も高め、さらに完全耐性を持っている場合はこの呪文では対応できないため、有効とは言い難い。
- 有効であると思われるのは【耐久力】が低く、かつ〔火〕や〔冷気〕に抵抗を持つ、アンデッドや非実体系のクリーチャーなどである。
- なお、「ターン中はじめて」という文言が「目標の各ターン」という意味なのか、それとも「すべてのクリーチャーの各ターン」という意味なのかはDMの判断による。
- 「目標の各ターン」と解釈する場合:ダメージを与えられるタイミングがかなり限られる。例えば、敵クリーチャーが〔火〕についてこの呪文の作用を受けた後、その後の味方のターンで〔火〕ダメージを与える攻撃を行っても追加ダメージは発生しない(抵抗は無視されるが)。敵クリーチャーがターンを開始した直後に、待機していた攻撃をトリガーした場合などにのみ追加ダメージが適用されることになる。
- 「すべてのクリーチャーの各ターン」と解釈する場合:こちらの解釈では、パーティ全員のダメージ種別を統一することで、各クリーチャーのターンにおいて追加のダメージを与えることができることになる。例えば4人パーティなら1ラウンドに最大で8d6ダメージを与えることができる。ウィザードやソーサラーなどの秘術系は与えられるダメージ種別の自由度が高いので、秘術系のクラスが多いパーティならば選択肢に入る。種別は〔火〕で揃えるのがもっとも簡単か。
〈グラスピング・ヴァイン〉
【精神集中】
蔓を召喚して30フィート以内のクリーチャー1体を引き寄せる。
この引き寄せは、発動時および持続時間中のボーナス・アクションにおいて行える。
蔓を召喚して30フィート以内のクリーチャー1体を引き寄せる。
この引き寄せは、発動時および持続時間中のボーナス・アクションにおいて行える。
- 4レベル呪文の割に、効果は「クリーチャーを20フィート引き寄せる」だけなので、かなり頼りない。
- 高台の上、川の対岸、崖の向こう側などから、敵が遠隔攻撃してくる場合、この蔓を使って崖下や水中に引きずり落とすことができる。
- また、公式デザイナーのTwitterでの回答(ジェレミー・クロフォード/マイク・ミアルス)は、(厳密なルール運用ではないことを認めつつ)クリーチャーが意図的にセーヴィング・スローに失敗することを許容している。その場合、敵クリーチャーにつかまれて死にかけている味方を引き寄せてから、アクションで回復するのに使うこともできるし、20フィートまでの高低差を昇降できるエレベーターとして使うこともできるだろう。
- いずれにしても、かなり限定的な状況でのみ役に立つ呪文なので、準備する際は慎重に。
〈コンフュージョン〉
【精神集中】
範囲内のクリーチャーを混乱する。
混乱すると、ターン開始時に1d10をロールし、その結果に従ってランダムな行動をとる。
範囲内のクリーチャーを混乱する。
混乱すると、ターン開始時に1d10をロールし、その結果に従ってランダムな行動をとる。
- 複数の敵を無力化できるという点でとても強力な効果。
- 敵の厄介な特殊能力を封じたり、【判断力】の低いパワータイプのクリーチャーを同士討ちさせる際に役立つ。
- なお、ドルイド呪文には、他にも複数を無力化できる呪文がいくつかあるので、戦況によって撃ちわけよう。
- 〈エンタングル〉(1レベル):範囲内のクリーチャーを拘束状態にする。拘束は混乱より制圧力が弱いが、解除するのにアクションが必要な点が強み。また、1レベル呪文なので気軽に唱えることができる。
- 〈スパイク・グロウス〉(2レベル):範囲内にトゲを生やす。状態異常を与えるわけではないが移動を制限する。近接攻撃手段しか持たない相手ならば〈コンフュージョン〉を使うまでもなくこちらで用が足りる。
- 〈ホールド・パースン〉(2レベル):目標を麻痺状態にする。状況次第だが、麻痺は混乱よりも強力。高レベルスロットで発動した場合、目標がお互いに30フィート以内にいれば、複数を目標にすることもできる。ただし人型生物にしか効果がない。
〈チャーム・モンスター〉XGtE
クリーチャー1体を魅了する呪文。
戦闘中なら、そのセーヴは有利になる。
戦闘中なら、そのセーヴは有利になる。
- 戦闘中に使うとセーヴに有利を得られてしまうので、戦闘外での交渉や取引に使うことになるだろう。ダンジョン内を偵察させたり手引きさせたり情報を吐かせたり、使い方は非常に多彩。
- ただし、1体しか目標にできないところが欠点である。例えば、手下をたくさん引き連れたボスに対して、君たちが怪しげな呪文を唱えたとたん、ボスがコロッと意見を変えたとしよう。手下からすればボスが魅了されたのが丸わかりである。
- ボスが1人でいるところに秘密裡に交渉を持ちかけるか、ボスにだけ聞こえるように呪文を耳打ちするとか、ロールプレイ上の工夫が必要になってくるところだ。
- なお、術者が目標を見る必要があるが、目標が術者を見ている必要はないので、隠密や不可視化によってこっそり忍び寄ってこの呪文をかけ、成功すれば姿を現して交渉、失敗したら逃走するというのも戦法としてはありだろう。
〈ドミネイト・ビースト〉
【精神集中】
野獣1体の精神を支配できる。(その野獣が君と戦闘中なら、セーヴは有利になる。)
君はアクションを使わずに簡単な命令を下すことができ、アクションを使えば詳細な命令を下すことができる。
野獣1体の精神を支配できる。(その野獣が君と戦闘中なら、セーヴは有利になる。)
君はアクションを使わずに簡単な命令を下すことができ、アクションを使えば詳細な命令を下すことができる。
- 支配することは最も強力なデバフである。また、野獣の【判断力】は大抵低いため、呪文は成功しやすい。
- しかし、この呪文を覚える7レベル帯で野獣クリーチャーが登場することは少ない。
- したがって、偶然敵として出てくるのを期待するのではなく、こちらから積極的に探しに行くか、冒険の前に捕まえておこう。
- この呪文は4レベルで唱えると1分しか持続しないが、6レベルならば1時間、7レベルならば8時間持続するため、必要に応じてずっと従えておくことができる。
- 野獣クリーチャーは、物質界ではウィンター・ウルフ、エレファント、ライノセラスあたりが限界かもしれない。フェイワイルドやビーストランズなら、ジャイアント・エイプ、マンモス、ティラノサウルスとも出会えるだろう。
- 目的の野獣を探す際は、〈ロケート・アニマルズ・オア・プランツ〉〈コミューン・ウィズ・ネイチャー〉を使うのもよい。
- 野獣がダメージを受けると呪文が終了する可能性があるので、一緒に戦うというよりは、敵軍に突撃させてあとは放っておくのがよいだろう。
クリーチャーを召喚する/生み出す
〈カンジャー・ウッドランド・ビーイングズ〉
【精神集中】
フェイを召喚する。以下の選択肢の中から脅威度と数を選択する。
フェイを召喚する。以下の選択肢の中から脅威度と数を選択する。
- 脅威度2以下×1体
- 脅威度1以下×2体
- 脅威度1/2以下×4体
- 脅威度1/4以下×8体
- クリーチャーを召喚する呪文の1つ。召喚されるフェイはそれほど強くないが、壁や捨て駒として使うには十分。基本的には、弱いクリーチャーをたくさん確保したいときに使う。
- なお、フェイの種類をPLが選択できるかは明記されていない。君がDMなら、PCが呪文を唱えた場所によって召喚されるフェイを決定しても面白いだろう。たとえば森で唱えたならスプライトが現れる、水辺で唱えたならシー・ハグが現れるなど。DMが「フェイの種類をPLが選択してもよい」と言った場合や、君がDMで、どのフェイを召喚するか悩んだ場合は、以下を参照のこと(特におすすめのものには★を付記した)}:
- ★シー・ハグ×1(MMp232):周囲30フィートのクリーチャーを恐怖状態にする能力、アクションを使って恐怖状態のクリーチャー1体のHPを0にする能力を持つ。運が良ければ敵を一撃必殺で殺すことができる。ただし、恐怖状態の効果も即死効果もセーヴ難易度は11であり、成功するのはそれほど難しくない。この技を決めるには手数を稼ぐことが重要であり、クレリック呪文〈サンクチュアリ〉、ファイターやパラディンの「護衛」、バトル・マスターの「ゴーディング・アタック」など、このハグを守るための手段を考えた方がよいだろう。
- ドライアド×2(MMp178):生得呪文として〈エンタングル〉〈グッドベリー〉〈パス・ウィズアウト・トレイス〉などが使える。これらはドルイド自身が使える呪文ではあるが、ドライアド2体に唱えてもらうことで手数が増えるのは利点。また、〈グッドベリー〉についてはドライアド1体につき3回唱えることができるので、合計60個のベリーを作り出すことができる。
- ダークリング×4(VGtMp159):死ぬと爆発して周囲のクリーチャーを盲目状態にする。たとえターンが回って来る前に死んだとしても最低限の仕事をしてくれる可能性があるという優秀なクリーチャー。
- ★ピクシー×8(MMp239):生得呪文として〈エンタングル〉〈コンフュージョン〉〈スリープ〉〈ディスペル・マジック〉〈ディテクト・ソウツ〉〈フライ〉〈ポリモーフ〉などの数々の有用な呪文が使える。とくに〈ポリモーフ〉が強力で、1ラウンドに8連続でこの呪文を食らってすべて避けられるクリーチャーはほとんどいないだろう。伝説的クリーチャーの「伝説的抵抗力」を消費させるのにも役立つ。あるいは、味方をジャイアント・エイプなどの強力な野獣クリーチャーに変化させるものよいだろう。また、〈スリープ〉〈ディテクト・ソウツ〉〈フライ〉は本来ドルイドが覚えない呪文であるが、ピクシーを介することで疑似的に唱えることが可能になる。惜しむらくは、彼らのHPが平均1ポイントしかないことであり、死ぬと精神集中呪文の効果は終了してしまう。戦闘中に使うならば、呪文をかけた後〈ロープ・トリック〉や〈グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティ〉の中に隠れてもらうなど、彼らを守ってやる手段を考えた方がよいだろう。
- ボーグル×8(VGtMp186):自分のいる場所に、相手を伏せ状態にする「つるつる油」か、拘束状態にする「ねばねば油」を召喚することができる。敵や戦局などにもよるが、一般的には「ねばねば油」の方が強力。なお、30フィート以内を瞬間移動する「次元の裂け目」の能力を持つが、扉や戸口などがないと使えないので、戦闘中に使いこなすのは難しい。内側から鍵のかかった部屋に侵入したり、高すぎて登れない場所に先行してもらう際などに使うとよい。
〈カンジャー・マイナー・エレメンタルズ〉
【精神集中】
エレメンタルを召喚する。以下の選択肢の中から脅威度と数を選択する。
エレメンタルを召喚する。以下の選択肢の中から脅威度と数を選択する。
- 脅威度2以下×1体
- 脅威度1以下×2体
- 脅威度1/2以下×4体
- 脅威度1/4以下×8体
- クリーチャーを召喚する呪文の1つ。召喚されるエレメンタルはそれほど強くないが、壁や捨て駒として使うには十分。基本的には、弱いクリーチャーをたくさん確保したいときに使う。
- なお、エレメンタルの種類をPLが選択できるかは明記されていない。君がDMなら、PCが呪文を唱えた場所によって召喚するエレメンタルを決定しても面白いだろう。たとえば火山で唱えたならマグマ・メフィットが現れる、沼地で唱えたならマッド・メフィットが現れるなど。DMが「エレメンタルの種類をPLが選択してもよい」と言った場合や、君がDMで、どのエレメンタルを召喚するか悩んだ場合は、以下を参照のこと:
- アイス・メフィット×4:生得呪文として〈フォッグ・クラウド〉を発動できる。強敵から逃げたい場合や、敵の大軍をかく乱するとき役立つだろう。また、死ぬと爆発してダメージを与えるので、捨て駒としても優秀。
- ダスト・メフィット×4:生得呪文として〈スリープ〉を発動できる。HPの低い相手への攻め手の一つとして使えるだろう。また、死ぬと爆発して周囲のクリーチャーを盲目状態にする。たとえターンが回って来る前に死んだとしても最低限の仕事をしてくれる可能性があるという、非常に優秀なクリーチャー。
- マグマ・メフィット×4:生得呪文として〈ヒート・メタル〉を発動できる。金属鎧を着ている相手への攻撃手段として使えるだろう。アイス・メフィットと同じく、死ぬと爆発してダメージを与える。
- マッド・メフィット×8:相手を拘束状態にするブレスを吐くことができる。また、死んだ場合も爆発して相手を拘束状態にする。セーヴ難易度は11と低いが、8体のブレスと爆発をすべて避けるのは非常に難しいだろう。絶対拘束状態にするという鋼の意思を感じる。ドルイドの場合、〈エンタングル〉よりも確実性の高い拘束手段として重宝するはずだ。
〈サモン・エレメンタル〉TCoE
【精神集中】
1体の「エレメンタルの霊」を召喚する。
霊は、君のターンの直後に行動する。
1体の「エレメンタルの霊」を召喚する。
霊は、君のターンの直後に行動する。
- 召喚したエレメンタルは「不定形」の能力を持ち狭い隙間を通り抜けられる。
- 単に手数が欲しいならば〈カンジャー・アニマルズ〉か〈カンジャー・ウッドランド・ビーイングズ〉を勧める。
- ファイアーなら〔火〕と〔毒〕、ウォーターなら〔酸〕というように、特定のダメージ種別や状態に耐性を持つので、敵がどんな攻撃をしてくるか事前に分かっているなら、 メタとして役立つ。
〈ジャイアント・インセクト〉
【精神集中】
虫を巨大化する呪文。以下の中から選択する:
虫を巨大化する呪文。以下の中から選択する:
- ジャイアント・センチピード10体
- ジャイアント・ワスプ5体
- ジャイアント・スパイダー3体
- ジャイアント・スコーピオン1体
- 状況にもよるが、最もおすすめなのはジャイアント・スパイダー。「蜘蛛糸」の能力で敵を"拘束"状態にすることができる。拘束状態にしたいだけなら、〈カンジャー・マイナー・エレメンタル〉や〈カンジャー・ウッドランド・ビーイングズ〉でも似たようなことができるが、それらの呪文が、DMによっては召喚するクリーチャーの種類を選べないのに対し、〈ジャイアント・インセクト〉の場合は、どの虫を巨大化するか選べる点が強み。
- センチピード、ワスプ、スパイダーについては飛行や登攀移動ができるので、高低差のある地形の戦いに有利。
- 元となる虫は忘れずに用意しておこう。
その他
〈ウォータリー・スフィア―〉XGtE
【精神集中】
半径5フィートの水の球体を召喚する。
中型なら4体、大型なら1体のクリーチャーを閉じ込めて、アクションで30フィートまで移動させることができる。
半径5フィートの水の球体を召喚する。
中型なら4体、大型なら1体のクリーチャーを閉じ込めて、アクションで30フィートまで移動させることができる。
- 30フィートもの距離を、任意の方向に移動させることができる呪文は他に類を見ないが、呪文の発動と、相手の移動で2アクションを費やすため、時間がかかりすぎる。
- 敵を拘束したいなら〈エンタングル〉がある。移動はできないが効果範囲が広く、しかも1レベル呪文である。敵を移動させたいなら〈サンダーウェイヴ〉〈ガスト・オヴ・ウィンド〉〈グラスピング・ヴァイン〉などがある。これらは移動距離が短く方向も制限があるが、即効性がある。
- 従って、この呪文が使われることはまれだが、活用したいなら、例えばこんな時に使ってみよう:
- 〈エンタングル〉が当たらない、飛行・浮遊クリーチャーを捕らえる。
- 4人パーティで、全員を浮遊させる。(罠を避けたり、川を渡ったりする)
- 火の攻撃を行う相手と戦う時、自身のターンで飛び込んで、〔火〕ダメージを軽減する。
- また、もし君がDMで、この呪文が弱すぎると感じるなら、水の球に捕われている間、目標は音声要素を含む呪文を唱えることができないことにしてもよいだろう。「水中にいると呪文が唱えられない」とは明記されていないが、リアリティのある設定ではあるだろう。
〈コントロール・ウォーター〉
【精神集中】
水を操る。
「渦巻」「増水」「水を割る」「流れを変える」の4つのオプションがあり、アクションで切り替えることができる。
水を操る。
「渦巻」「増水」「水を割る」「流れを変える」の4つのオプションがあり、アクションで切り替えることができる。
- どの効果も周囲に水がないと使えないので、水上、あるいは水中に行く場合に準備することになる。
- ①渦巻:50フィート四方かつ水深25フィートの範囲に渦巻を作り出す効果。ダメージは2d8と低めだが、敵をピン留めすることができる。渦から離れるためにはアクションを使って〈運動〉判定を行う必要があるため、少なくとも1ターンは攻撃の手を止めることができるし、もし相手が判定に失敗し続けるなら、遠隔攻撃で一方的に攻撃することも可能である。
- ②増水:周囲の水を20フィート上昇させるか、20フィートの津波を作り出す効果。浅瀬で戦っているとき、〈ウォーター・ウォーク〉を味方にかけておけば、敵軍だけを水没させることができる。また、船上で戦っているなら、津波を起こして、船を25%の確率で転覆させることができる。
- ③水を割る:ただ川や海を渡りたいだけなら、クレリック呪文の〈ウォーター・ウォーク〉で用が足りるが、パーティにクレリックがいないならこの呪文を使うこともあるだろう。また、水中にいることで何らかの地の利を得ている敵からその利点を奪ったり、水中に逃げた敵を追いかけるのに使うこともできる。もちろん、迫害されたユダヤ人をエジプトから連れ出すのにも使える。
- ④流れを変える:ロールプレイ向きの効果。川を逆流させて船を上流に流したり、船の進みを早めたり、逆に敵の乗っている船を意図しない方向に流すのに使える。冒険者がよく行う少人数同士の戦闘で役立つことはあまりないだろうが、大規模な海戦などで使えるだろう。文字通り、戦場の流れを変えることができる。
〈ストーン・シェイプ〉
石を変形させる呪文。
- ダンジョンの構造を無視して新しい通路を開通することができる。
- ただし、ダンジョンによっては「〈ストーン・シェイプ〉や〈パスウォール〉無効」のものもある。(頭をひねって考えたダンジョンのギミックを無視されてはたまらないというシナリオライターの抵抗である)
- 戦闘で使うことはめったにないが、DMが許可するなら、落石やがけ崩れを引き起こして攻撃に用いることができるかもしれない。
〈ディヴィネーション〉TCoE
7日以内の出来事について信仰する神に伺いを立てる呪文。
- 〈オーギュリィ〉が24時間以内かつ吉凶でしか答えがわからないのに対して、この呪文は7日間のことを占える上に、ある程度具体的なアドバイスを受けることができる。
- TRPGにおいては、PLが(悪気なく)DMの想定外の行動をすることがよくあるので、DMにとっても大変ありがたい呪文である。君がDMなら、例えばこんな助言を与えてあげよう。
- PCたちが次にどこに行くべきかわからないとき、目的地を示す。
- 謎解きが解けなくて困っているとき、ヒントを与える。
- 黒幕の正体について誤った推理をしているとき、訂正する。
〈ハリューサナトリ・テレイン〉
150フィート立方の範囲に、沼地、森、山など、地形の幻影を作り出す呪文。
- もっぱら大規模な戦闘で役立つ。こちらにやってくる敵の部隊を道に迷わせたり、味方の部隊を密林の中に隠すことができる。
- また、洞窟に籠城している時、本物の入り口を隠して偽物の入り口を作ったり、通路を幻の岩壁で覆い隠すことができる。
- 少人数同士の戦闘ならもっと小規模な幻術で事足りると思うので、いつでも使える呪文というわけではない。状況を見て準備しよう。
〈ポリモーフ〉
【精神集中】
クリーチャー1体を、持続時間中野獣に変えてしまう。
野獣形態のHPが0になるか、術者の精神集中が解けると、元に戻る。
クリーチャー1体を、持続時間中野獣に変えてしまう。
野獣形態のHPが0になるか、術者の精神集中が解けると、元に戻る。
- 主に「敵を無力化する」用途と、「味方を強化する」用途の2種類があるが、前者の目的で使われることが多い。
- 敵を無力化する:モンスター・マニュアルで最弱のクリーチャーはクラブ(カニ)やフロッグ(カエル)など。基本的にはこれらのクリーチャーに変化させてしまうのがよいだろう。DMの判断次第では、ナメクジやダンゴムシなど、もっと非力な生き物に変身させることも許されるかもしれない。ただし、HPが0になれば元の姿に戻るので、殺すことはできない。呪文が成功したら、さっさと逃走するか、ほかの敵の相手をしよう。〈フライ〉や鳥のファミリアを使って上空に持ち上げて落下させたり、瓶詰めにして海に投げ捨ててしまってもよい。
- 味方を強化する:おすすめ野獣は以下のとおり。
- ジャイアント・バジャー(脅威度1/4):穴掘り移動が可能。洞窟の中で閉じ込められた時や、下が土で出来た建物に侵入するときなどに。
- ジャイアント・イーグル(脅威度1):飛行することができる。大型クリーチャーなので、中型サイズの味方を掴んで飛ぶことも可能。パーティの誰も〈フライ〉を持っていないときなどに有用。
- ジャイアント・エイプ(脅威度7):近接戦闘の能力、登攀移動速度などを持つ。また、HPが157ポイントもあるので、緊急的に大量のHPを確保したいときにも使える。また、【耐久力】修正値が+4もあるので精神集中が解けにくく、君自身が変身して戦うのにも向く。なお、使うには変身させる相手が7レベル以上である必要がある。
- ティラノサウルス・レックス(脅威度8):ポリモーフで変身できる野獣の中で最強のクリーチャー。また、【耐久力】修正値が+4もあるので精神集中が解けにくく、君自身が変身して戦うのにも向く。なお、使うには変身させる相手が8レベル以上である必要がある。
- また、明記はされていないものの、君がDMなら「術者が見たことがある野獣クリーチャーしか選ぶことができない」ことにしてもよいだろう。(見たこともない動物に変身させることができるというのは、いかにも不自然である)また、精神的なステータス(【知力】【判断力】【魅力】)も含めて変化するため、【知力】の低い野獣に変身した場合、DMが「変身している間は戦略的に行動することができない」と判断する可能性がある。
〈ロケート・クリーチャー〉
【精神集中】
術者が知っているクリーチャーが、どこにいるのか探す。
術者が知っているクリーチャーが、どこにいるのか探す。
- もっぱら逃げる敵を追いかけるために使うが、範囲が1,000フィートしかないので、敵の方が足が速い場合は逃げられてしまう。
- また、流水があると呪文が阻まれてしまうので、船に乗って逃げられると終わりである。
- 人数分の馬を買っておく(または召喚する)、すぐに乗れる船を手配しておく(または〈ウォーター・ウォーク〉を唱える)、「カーペット・オヴ・フライング」に乗るなど、確実な追跡手段を用意しておこう。