初心者おすすめ呪文
ダメージを与える
〈シックニング・レイディアンス〉XGtE
【精神集中】
球形の効果範囲に入るか、ターンを開始したクリーチャーに、4d10の[光輝]ダメージを与える。
さらに目標は一段階の消耗状態をこうむり、不可視状態の利益を受けられなくなる。
球形の効果範囲に入るか、ターンを開始したクリーチャーに、4d10の[光輝]ダメージを与える。
さらに目標は一段階の消耗状態をこうむり、不可視状態の利益を受けられなくなる。
- "消耗"状態は累積するなら、範囲内に長くいるほど深刻な不利益を被ることになる。呪文は10分間(100ラウンド)持続するため、〈ウォール・オヴ・フォース〉や〈フォースケイジ〉に閉じ込めれば、あっという間に消耗状態が6段階累積して死に至る。(ただし、"消耗状態は累積する"と明言されていないので、そのように解釈しないDMもいることに注意)
- 呪文が終了すると消耗状態は終了するが、範囲内から出ただけでは終了しない。また、消耗状態が6段階累積して死んだ場合、呪文が終了したからと言って生き返ったりはしない。(こちらを参照)
- なお、ダメージが発生するのは、そのクリーチャー自身のターンで効果範囲内に入るのが初めてか、その効果範囲内でターンを開始した時である。よって、敵クリーチャーの立っている場所にこの呪文を発動したとしても、そのクリーチャーのターンが来るまではダメージは発生しない。なお、効果範囲に入ることは、自発的である必要はない。したがって、〈サンダーウェイヴ〉のような呪文でクリーチャーをそのエリアに押しやることは可能。ただし、ダメ―ジを受けるのは、ターンで最初にその範囲に入ったときだけであることに注意。出し入れしても、複数回ダメージを受けることはない。詳しくは、セージ・アドバイスのp19を参照のこと。
〈ブライト〉
1体のクリーチャーに8d8[死霊]ダメージを与える呪文。
- この呪文によって与えられるダメージは平均36ポイント。同じレベルのファイターやバーバリアンはリソース消費なしに同程度のダメージを出せることを考えると、あまりコストパフォーマンスは良くない。
- 目標が植物クリーチャーならば、セーヴが不利になるうえに最大ダメージとなるが、植物クリーチャーはあまり数が多くないので遭遇する確率は低い。
- 【耐久力】セーヴである点に注目し、ウィザードやソーサラーなどの耐久力の低いキャラクターに対する攻撃手段として使うというのも考えられる。ただし、呪文使いに対して呪文で攻撃する際には、必ず〈カウンタースペル〉されることを警戒すべし。
〈ラウロシムズ・サイキック・ランス〉FToD
射程内にいて君から見えるクリーチャー1体を目標とする。
君は1体のクリーチャーの名前を唱えることもできる。そのクリーチャーが射程内にいるなら、見ることができなくても目標にできる。
目標は【知力】セーヴを行う。失敗すると7d6〔精神〕ダメージを受け、さらに君の次のターンの開始時まで無力状態になる。
(成功すると半分のダメージを受け、無力状態にならない。)
君は1体のクリーチャーの名前を唱えることもできる。そのクリーチャーが射程内にいるなら、見ることができなくても目標にできる。
目標は【知力】セーヴを行う。失敗すると7d6〔精神〕ダメージを受け、さらに君の次のターンの開始時まで無力状態になる。
(成功すると半分のダメージを受け、無力状態にならない。)
- ダメージの平均値は24.5と低めだが、 精神ダメージは抵抗されにくいため優秀。 また、相手を無力状態にする強力な追加効果がある。
- 【知力】 セーヴに習熟しているクリーチャーは少ないため、当たりやすい。
- 名前を知っていれば見えない相手でも攻撃できる。 したがって、 相手が"重度の隠蔽"の中にいたり、不可視化していたり、 君が盲目状態になっていても攻撃できる。 ただし、完全遮蔽を無視できるわけではないことに注意。 扉や壁の向こう側に隠れられたら手も足も出ない。
- 「名前を知っている」の基準は曖昧。 あだ名や通称でも良いのか、フルネームを全部言わなくてはいけないのか……DMの判断に従うこと。
自分や味方を支援する(バフ)
〈シャドウ・オヴ・モイル〉XGtE
【精神集中】
ゆらめく影が、君に4つの利益を与える。
①君は他のクリーチャーから見ると"重度の隠蔽"によって隠される。
②周囲10フィートが少し暗くなる。(明るいなら薄暗く、薄暗いなら暗闇になる)
③[光輝]ダメージに抵抗を得る。
④10フィート内のクリーチャーが君を攻撃すると、2d8[死霊]ダメージを与える。
ゆらめく影が、君に4つの利益を与える。
①君は他のクリーチャーから見ると"重度の隠蔽"によって隠される。
②周囲10フィートが少し暗くなる。(明るいなら薄暗く、薄暗いなら暗闇になる)
③[光輝]ダメージに抵抗を得る。
④10フィート内のクリーチャーが君を攻撃すると、2d8[死霊]ダメージを与える。
- 攻防一体の便利な効果。特に"隠蔽"の効果は、君の攻撃を有利、君に対する攻撃を不利にする。なお、「暗視」や「悪魔の目」でも見通すことができない模様。(こちらを参照)
- 通常のウォーロックが採用しても一定の利益を得られるが、特にへクスブレードのような、近接系のサブクラスで有用。
敵を妨害する(デバフ)
〈エレメンタル・ベイン〉XGtE
【精神集中】
クリーチャー1体は〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕のうち1種類に弱くなる。
目標はその種別に対する抵抗がなくなり、ターン中はじめてその種別のダメージを受けるとき、追加で2d6ダメージを受ける。
クリーチャー1体は〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕のうち1種類に弱くなる。
目標はその種別に対する抵抗がなくなり、ターン中はじめてその種別のダメージを受けるとき、追加で2d6ダメージを受ける。
- 〔火〕に抵抗を持つデーモン、デヴィル、ユーゴロスには有効な手段である……と言いたいところだが、これらは往々にして魔法抵抗の特徴を有しており、【耐久力】も高め、さらに完全耐性を持っている場合はこの呪文では対応できないため、有効とは言い難い。
- 有効であると思われるのは【耐久力】が低く、かつ〔火〕や〔冷気〕に抵抗を持つ、アンデッドや非実体系のクリーチャーなどである。
- なお、「ターン中はじめて」という文言が「目標の各ターン」という意味なのか、それとも「すべてのクリーチャーの各ターン」という意味なのかはDMの判断による。
- 「目標の各ターン」と解釈する場合:ダメージを与えられるタイミングがかなり限られる。例えば、敵クリーチャーが〔火〕についてこの呪文の作用を受けた後、その後の味方のターンで〔火〕ダメージを与える攻撃を行っても追加ダメージは発生しない(抵抗は無視されるが)。敵クリーチャーがターンを開始した直後に、待機していた攻撃をトリガーした場合などにのみ追加ダメージが適用されることになる。
- 「すべてのクリーチャーの各ターン」と解釈する場合:こちらの解釈では、パーティ全員のダメージ種別を統一することで、各クリーチャーのターンにおいて追加のダメージを与えることができることになる。例えば4人パーティなら1ラウンドに最大で8d6ダメージを与えることができる。ウィザードやソーサラーなどの秘術系は与えられるダメージ種別の自由度が高いので、秘術系のクラスが多いパーティならば選択肢に入る。種別は〔火〕で揃えるのがもっとも簡単か。
〈チャーム・モンスター〉XGtE
クリーチャー1体を魅了する呪文。
戦闘中なら、そのセーヴは有利になる。
戦闘中なら、そのセーヴは有利になる。
- 効果は〈チャーム・パースン〉のモンスター版である。魅了に対する状態完全耐性を持たないクリーチャー全般が、この呪文の作用を受ける可能性がある。
- 戦闘中に使うとセーヴに有利を得られてしまうので、戦闘外での交渉や取引に使うことになるだろう。ダンジョン内を偵察させたり手引きさせたり情報を吐かせたり、使い方は非常に多彩。
- ただし、1体しか目標にできないところが欠点である。例えば、手下をたくさん引き連れたボスに対して、君が怪しげな呪文を唱えたとたん、ボスがコロッと意見を変えたとしよう。手下からすればボスが魅了されたのが丸わかりである。ボスが1人でいるところに秘密裡に交渉を持ちかけるか、ボスにだけ聞こえるように呪文を耳打ちするとか、ロールプレイ上の工夫が必要になってくるところだ。
- なお、術者が目標を見る必要があるが、目標が術者を見ている必要はないので、隠密や不可視化によってこっそり忍び寄ってこの呪文をかけ、成功すれば姿を現して交渉、失敗したら逃走するというのも戦法としてはありだろう。
〈バニッシュメント〉
【精神集中】
クリーチャー1体を異次元に追放する。
クリーチャー1体を異次元に追放する。
- 呪文終了まで、強敵を戦闘から隔離できる。【魅力】セーヴに習熟しているクリーチャーはほとんどいないため、成功率は高い。
- ただし、追放に成功したあと、精神集中の維持失敗を狙った集中攻撃を受ける可能性がある。かえってそれで窮地に陥る事もあると覚えておこう。
- また、目標が異次元クリーチャーの場合は、完全に追放し、(〈プレイン・シフト〉などを使わない限りは)戻ってこれない。敵の魔術師が召喚したデーモンやデヴィルを追放するときに役立つだろう。逆に、君のパーティが異次元を旅行中に敵からこの呪文を掛けられたならば、物質界に強制帰国することになる。
- また、この呪文は一部のマジック・アイテムに掛けられた呪いを解くこともできる。
クリーチャーを召喚する/生み出す
〈サモン・アベレイション〉TCoE
【精神集中】
1体の「異形の霊」を召喚する。
霊は、君のターンの直後に行動する。
1体の「異形の霊」を召喚する。
霊は、君のターンの直後に行動する。
- ダメージのほとんどが〔精神〕であるため通りやすい。ただし人造生物や物体には効かないので注意。
- 深淵語を話すことができるため、意思疎通が可能。 斥候や偵察部隊として使う時役立つ。
- 似た効果の呪文に〈サモン・アンデッド〉がある。 大きく性能に違いはないので、PCのイメージに合う方を採用すればよい。
- ビホルダースキン:遠隔攻撃ができるので死ににくく、一番おすすめ。 ホバリング能力を持つため、ハーフリングやノームなら乗って飛ぶことが可能かもしれない。
- スラード:回復能力があるため継戦能力が高い。 1時間内に何度も戦闘する場合におすすめ。
- スター・スポーン:周囲のクリーチャーに〔精神〕ダメージを与える能力を持つが、この能力を使うために敵陣に突っ込むとすぐに死んでしまうため使いにくい。
〈サモン・グレーターデーモン〉XGtE
【精神集中】
脅威度5までのデーモンを召喚する。
脅威度5までのデーモンを召喚する。
- さまざまな制約があるため、順に解説する。
- ①デーモンは【魅力】セーヴに成功すると暴れ出す。:暴れ出した際は、〈サモン・レッサーデーモン〉と違って、精神集中を切ってもすぐには帰国してくれない。乱戦状態で使うと味方に矛先が向くリスクがあるので、自軍からある程度離れた場所にいる敵に隣接するように召喚して、あとは勝手に暴れてもらおう。あるいは、敵のいる部屋に召喚してドアを閉めるか、敵地に召喚してさっさと逃げてしまおう。
- ②物質要素として、「24時間以内に殺された人型生物の血」が必要。:ルール上は価格の表記されていない物質要素はすべて「呪文構成要素ポーチ」に入っていることになっているが、「24時間以内に」殺された人の血が常にポーチに入っているというのはさすがに無理があるだろう。倒したゴブリンやオークなどの血を使うのがよい。血が調達できない場合は、呪文焦点具をつかって代用することもできる。この場合、血の魔法円を描くことができない点に注意。
- ③デーモンの種類は選択できる。:発動する呪文レベル(4~9)によって、脅威度が5~10までのデーモンを召喚することができる。おすすめは以下の通り。(特におすすめのものには★を付与した)
- ババウ(脅威度4)VGtM:攻撃力はそれほど高くないが、弱体化の凝視(【筋力】依存の武器攻撃のダメージを半減させる)の能力を持つ。また、脅威度5以下のデーモンの中で唯一〈ディスペル・マジック〉を使うことができる。【魅力】修正値は+0。
- ディブク(脅威度4)MToF:「非実体移動」が可能で、壁やクリーチャーをすり抜けることができる。〈フィアー〉や「死体冒涜」など、複数のクリーチャーを恐怖状態にする能力を持つ。ただし、「死体冒涜」は君自身や味方も巻き込むので使いにくい。また、【魅力】修正値は+2のため長く従えるのは難しい。暴れ出した時対処が難しいデーモンでもある。
- シャドウ・デーモン(脅威度4)MM:「非実体移動」が可能で、壁やクリーチャーをすり抜けることができる。また暗闇で隠れ身を行うことができるため、ダンジョン内での戦闘に向く。一方で明るい場所だと攻撃ロールに不利を受けるので注意。また、【魅力】修正値は+2のため長く従えるのは難しい。
- ★バルルグラ(脅威度5)MM:4レベルで発動した時召喚できる、もっとも脅威度の高いデーモン。3回攻撃かつ、捨て身の攻撃による命中有利など、単純にスペックが高い。〈エンタングル〉などの絡め手も可能。また、【魅力】修正値は-1なので長い間従えやすい。
- タナラック(脅威度5)VGtM:バルルグラに比べると攻撃力ではやや劣るが、「呪文抵抗」の能力を持っている。さらに「猛攻」によって移動速度が速い。ただし、呪文抵抗により、セーヴに有利を得る特徴があるので、長く従えるのが難しい。
- チャズミ―(脅威度6)MM:5レベルで発動すると喚び出すことができる。「唸る羽音」という能力を持ち、30フィート以内の、デーモン以外のクリーチャーを気絶させることができる。ダメージを受けると気絶状態は解除されるので、敵軍から逃走したり、敵を無力化させて通り抜ける際に使うのがよいだろう。【魅力】修正値は+0。
- ★ヴロック(脅威度6)MToF:5レベルで発動すると喚びだすことができる。「朦朧化の絶叫」という能力を持ち、周囲20フィートのクリーチャーを朦朧状態にすることができる。1日1回しか使えない能力なので、召喚したターンに使わせておけばその後暴れ出したときこの能力を使われる心配はない。ただし、呪文抵抗により、セーヴに有利を得る特徴があるので、長く従えるのが難しい。
その他
〈ディメンジョン・ドア〉
500フィート以内の場所に瞬間移動を行う呪文。
- 自分以外の他者を連れていける呪文である。対象が自身+最大1体のみなので、パーティーを移動させるというよりは潜入後の脱出や転移系の罠からの脱出等の場面で使用することが想定される。
- 他者を運ぶ際に注意せねばならないこととして、術者がノームなどの小型種族であった場合、仲間の中型種族を連れていけないことを覚えておくこと。
〈ハリューサナトリ・テレイン〉
150フィート立方の範囲に、沼地、森、山など、地形の幻影を作り出す呪文。
- もっぱら大規模な戦闘で役立つ。こちらにやってくる敵の部隊を道に迷わせたり、味方の部隊を密林の中に隠すことができる。
- また、洞窟に籠城している時、本物の入り口を隠して偽物の入り口を作ったり、通路を幻の岩壁で覆い隠すことができる。
- 少人数同士の戦闘ならもっと小規模な幻術で事足りると思うので、いつでも使える呪文というわけではない。状況を見て準備しよう。