初心者おすすめ呪文
〈スピリチュアル・ウェポン〉はボーナス・アクションで使えるコストパフォーマンスの良い攻撃手段。
〈サイレンス〉は呪文を封じたり、隠密行動に役立つ。
〈オーギュリィ〉はDMから直接メタ的なヒントをもらえる便利呪文。
〈サイレンス〉は呪文を封じたり、隠密行動に役立つ。
〈オーギュリィ〉はDMから直接メタ的なヒントをもらえる便利呪文。
ダメージを与える
〈スピリチュアル・ウェポン〉
空中を浮く霊的な武器を作り出し、毎ターン、ボーナス・アクションとして攻撃を命じることができる呪文。ダメージは1d8+【呪文発動能力】。
- ダメージは控えめ。判定は近接呪文攻撃ロール。精神集中は不要。
- 霊的な武器の移動は妨害できないので、高低差や敵の陣形にかかわらず後衛を攻撃できるメリットがある。
- 発動時間がボーナス・アクションなので、発動と同じターンに初級呪文を使用することも出来る。(ボーナス・アクションで呪文を発動したのと同じターン中には、"発動時間が1アクションの初級呪文"以外の呪文を発動することはできない(PHBp202)。)
- 発動後はアクションに制限はないので、前衛の支援火力として、速やかに頭数を減らしたい場合などに活躍するだろう。使い勝手の良い呪文なので、敵のクレリックが使ってくる機会も多い。
HPや状態を回復する
〈エイド〉
持続時間中、味方3人の最大HPと現在HPを5増加させる。
- 持続時間が8時間と長めなので、スロットに余裕があれば、毎朝かけて置きたい呪文。
- また、複数を1アクションで回復できる唯一の2レベル呪文でもある。この呪文によって、気絶状態のクリーチャーも回復できる。(詳しくはこちら)
〈カーム・エモーションズ〉
【精神集中】
自身から半径20フィートの人型生物の心を落ち着ける。
自身から半径20フィートの人型生物の心を落ち着ける。
- ① 魅了恐怖をもたらす効果を抑止する。
- ② 敵対的なクリーチャーを中立的に変える。
- ①の効果について:戦闘中に使用することが多い効果。魅了・恐怖状態にする効果を持つクリーチャーは多く、かつ心術の中には〈ドミネイト・パースン〉など、致命的な効果をもたらすものも多い。この呪文は範囲も広くまとめて効果を抑制できる。
- ②の効果について:こちらの効果は戦闘が起こりそうな時に戦闘を未然に防ぐために使用する。交渉のテーブルにつくことができたなら、あとは【魅力】の高いキャラクターに交渉を任せたい。
〈プレイヤー・オヴ・ヒーリング〉
発動に10分間かかる代わりに、6体のクリーチャーのHPを(2d8+【呪文発動能力】修正値)に等しい値、回復する呪文。
- 通常の小休憩が取れればそれに越したことはないが、敵地で行動するパーティにそのような余裕が常にあるとは限らない。タイムアタックや長期キャンペーンでの最終章を実行中に何とか10分は稼げるというような状況であれば活躍するだろう。
- なお、呪文の巻物を使って唱えたとしても、通常の発動時間(10分)が必要である。(DMGのエラッタを参照のこと)
〈レッサー・レストレーション〉
触れたクリーチャー1体に影響を及ぼしている病気1種類、あるいは聴覚喪失状態、毒状態、麻痺状態、盲目状態のうち1種類を終了させる。
- 麻痺を治せる効果が強力。戦闘中に麻痺するとほぼ戦闘不能であるため確実に対策しておきたい。
- 病気に関しては、一部のモンスターの特殊攻撃で罹患することがある。種類によってはキャラクターロストに直結するような病気もある。また、稀なことだが、未開地の風土病や伝染病が登場するアドベンチャーもあるため、見知らぬ土地を歩く際には準備しておいた方がよい。
- さらに、短期の狂気と長期の狂気(DMGp260)を治療することもできる。
- くわえて、多分二日酔いにも効く。
自分や味方を支援する(バフ)
〈ウォーディング・ボンド〉
味方のACとセーヴィングスローにボーナスを与え、さらにダメージを半分に分け合う呪文。
- この呪文は精神集中不要であるため、味方を〈シールド・オヴ・フェイス〉などでさらに強化して、鉄壁の前衛を作ろう。
- ただし、パーティ全員が範囲攻撃を受けた場合、君は実質的に1.5倍のダメージを受けることになるため、死亡リスクが高くなる。
- ダメージを半減する効果は「抵抗」扱いであるため、熊のバーバリアンにかけても〔精神〕ダメージに抵抗が得られる以外には意味がない点に注意。(抵抗は累積しないため)
〈エンハンス・アビリティ〉
【精神集中】
1体のクリーチャーの能力値判定を有利にする呪文。
1体のクリーチャーの能力値判定を有利にする呪文。
- 戦闘だけでなくあらゆる局面で使いでがある。あらゆるシナリオで、冒険者は突発的に特定の能力値判定を求められることがあり、多くの場面で便利な呪文である。場面場面で柔軟に有利を与えられる汎用性が強みだが、2レベルスロットは決して安いコストという訳ではない。ここ一番という場面で使うのが良いだろう。おすすめは以下のとおり:
- 猫の敏捷力:イニシアチブ判定を有利にすることができる。また、ローグにこの呪文をかけた場合は、隠密判定に有利が得られるので、急所攻撃を命中させやすくなる。
- 熊の耐久力:〈フォールス・ライフ〉相当の一時的HPを得られるので全く腐ることはないだろう。
- 鷹の魅力:交渉事においては魅力判定を有利にできるので〈威圧〉〈説得〉〈ペテン〉が成功しやすくなる。他の能力に関しても、使える局面があれば積極的に使っていきたい。ただし、スロット数と準備数に関してはご注意を。
〈プロテクション・フロム・ポイズン〉
君が触れた、クリーチャー1体が目標となる。
目標が毒状態ならその毒を無効化する。複数の毒に侵されているなら、目標が侵されていると知っている1種類の毒を無力化する。君が毒の種類を知らないなら、ランダムに1種類の毒を無力化する。
持続時間中、目標は毒状態に対するセーヴに有利を得、〔毒〕ダメージに対する抵抗を得る。
目標が毒状態ならその毒を無効化する。複数の毒に侵されているなら、目標が侵されていると知っている1種類の毒を無力化する。君が毒の種類を知らないなら、ランダムに1種類の毒を無力化する。
持続時間中、目標は毒状態に対するセーヴに有利を得、〔毒〕ダメージに対する抵抗を得る。
- グリーン・ドラゴンやユアンティなど、毒を用いることがわかっているクリーチャーと戦う時には用意しておきたい(特に前者)。
- この呪文の最大の長所は持続時間1時間でなおかつ精神集中が不要なことである。つまり、前線に立つPC複数にこの呪文をかけることが可能であり、他の精神集中呪文を使うこともできる。
- また、毒状態であるクリーチャーに対して発動した場合、その毒を取り除くこともできる。ただし、毒が複数であった場合は1種類のみであること、毒の種類が不明である場合はランダムに1種類のみの中和になることに注意。
敵を妨害する(デバフ)
〈サイレンス〉
【精神集中】
範囲内で発生した音や範囲内を通り抜ける音をシャットアウトする。
範囲内で発生した音や範囲内を通り抜ける音をシャットアウトする。
- この呪文の範囲内では音声要素を含む呪文を使えないため多くの呪文を封じることができる。(とはいえこの呪文の範囲がそこまで大きくはないため過信は禁物)
- 音を封じるため、鳴子のような罠を無力化したり、敵が増援を呼ぶことを阻止したり、潜入時に音を立てることをある程度気にせず戦闘したりと小回りが効く呪文である。
- また儀式呪文であることも有用であり、余裕があれば事前に発動しておくことで敵を迎え撃つこともできる。
〈ブラインドネス/デフネス〉
クリーチャー1体を“盲目状態”または“聴覚喪失状態”にする呪文。
- 【耐久力】セーヴは比較的成功されやすいのが懸念点だが、"盲目"状態は状態異常の中でもかなり強力な部類であり、近接戦闘をするクリーチャーを機能不全に陥らせることができる。多くの呪文は見えている場所や対象を起点or目標にする関係上呪文の発動妨害にも使える。
- 聴覚喪失状態にする効果はあまり選択することは無いだろうが、一応コウモリなどの疑似視覚を聴覚によって有する敵にも有効。
- この呪文の特筆すべき点は、なんといっても精神集中が不要な点である。そのため他の精神集中が必要な呪文とも併用しつつ敵にデバフをかけることができる。
〈ホールド・パースン〉
【精神集中】
人型生物を麻痺状態にする。
人型生物を麻痺状態にする。
- 対人金縛りという日本語訳のとおり、この呪文は人型生物を麻痺状態にする。
- 麻痺状態は致命的な状態異常であり、「当たれば勝ち」と言っても過言ではない。(麻痺の効果はPHBp292を参照してほしい)
- クレリックは〈ホールド・モンスター〉が使えないので、唯一の"麻痺"状態を与える呪文である。
- 判定は【判断力】セーヴだが、人型生物というのは(知性のない生物に比べて)【判断力】が高い傾向にある。したがって基本的に効きにくく、効いたとしても直ぐに立ち直ってくる可能性が高い。呪文が効いたら速やかにクリティカル・ヒットを当てて倒してしまおう。
- スロット・レベルが1上がるごとに目標の数が1人増える。ただし目標に取る人型生物がそれぞれ30フィート以内にいなければならないことに気を付けなければならない。ダンジョンなど狭い場所では問題ないが、野外など広大なフィールドでは、敵軍も範囲攻撃の目標にならないために分散して位置取ることが多いため、うまく目標のクリーチャーを選ぶのが難しくなる。
- 1体を無力化するという点では〈ブラインドネス/デフネス〉と似ているが、あちらは精神集中が不要で、目標に制限がない。どちらも強力な呪文ではあるので、シナリオや現在の状況に合わせて採用するか検討しよう。
その他
〈オーギュリィ〉
特定の行動がもたらす結果の吉凶を占う。"儀式発動"が可能。
- 重大な決断を行う場合はとりあえず発動しよう。
- DMにとってもPLに情報を与える為のいい機会になるので、ガンガン活用すべき。
〈コンティニュアル・フレイム〉
消えない炎の見た目をした光を作り出す呪文。
- 効果時間が永続なのはとても良いメリットで、現実世界なら照明業界に革命が起きるに違いない。最大最悪の問題は作成に50gpが必要なことで、これだけあれば松明が5000本買える。単に照明が欲しいだけなら初級呪文の〈ライト〉や松明で事足りるだろう。
- オークやトロルなどに対して「永遠に消えない火です!」と貢物として捧げればご機嫌を取れるかもしれない。
- また、DMが豪華な屋敷などを演出する際にはとても役立つ。
〈ジェントル・リポウズ〉
死体をアンデット化などから防ぐ呪文。
復活呪文のタイムリミットを伸ばすこともできる。
復活呪文のタイムリミットを伸ばすこともできる。
- そもそも、蘇生呪文である〈レイズ・デッド〉の期限である10日以内に街に帰れない場所での冒険はかなり稀である。
- しかし、1分以内にこの呪文を唱えれば、より低レベルの〈リヴィヴィファイ〉で蘇らせることができるので、蘇生費用を浮かせることができる可能性がある。
- なお、“儀式発動”が可能であるため、大勢の人間の死体を保存する、あるいはNPC術者などに保存してもらう場合は保存人数の限界の問題はないことを覚えておくとよい。
〈ゾーン・オヴ・トゥルース〉
嘘をつくことができない魔法の場を作り出す。
- 主に尋問用。捕らえた捕虜から情報を聞き出すときに使うことが多い。
- ただし黙っていることは可能だし、嘘とは言えないギリギリの言い訳で切り抜けることはできる。
- 他人に唱えてもらい、「私は正直に話しています」と周囲に対して証明するために使うこともある。
- ローグのサブクラス「マスターマインド」の17レベル特徴「欺きの魂」ならば、「魔法によって君に真実を話すよう強制することはできない」とあるので、〈ゾーン・オヴ・トゥルース〉下でも嘘をつける。
- いっぽう、〈グリブネス〉呪文で抵抗できるかは微妙。この呪文は「対象が真実を話しているかを見破る魔法は、君が何を言おうと関係なく、君が真実を話しているという結果を示す」とある。しかし、〈ゾーン・オヴ・トゥルース〉は「真実を話しているかどうか見破る魔法」ではなく、「嘘をつくことができなくなる魔法」なので、嘘を言う言わない以前に、そもそも嘘をつけなくなるはずだ。しかし、PCがせっかく8レベル呪文を消費したのに、2レベル呪文すら欺けないというのはちょっと可哀そうだ。TRPGでは、ルールを厳密に判定することよりも、PLのアイディアや工夫に報いることの方が大事な時もある。DMは柔軟に判断しよう。
- リング・オヴ・マインドシールディングは、装備者に「嘘をついているかどうかを知る効果に対する完全耐性」を与えるが、〈ゾーン・オヴ・トゥルース〉は「嘘をついているか知る魔法」ではなく、「嘘をつくことができなくなる魔法」だ。こちらも同じ話で、せっかく貴重な魔法のアイテムを手に入れたのに、活躍の機会がないのでは手に入れた意味がない。こちらも柔軟に判断しよう。
〈ファインド・トラップス〉
視界内の罠を感知する呪文。
罠があるか無いか、大まかにどんな罠なのかは分かるが、どこにあるかまでは分からない。
罠があるか無いか、大まかにどんな罠なのかは分かるが、どこにあるかまでは分からない。
- 効果時間が瞬間であるため、燃費は悪い。ここぞという場面で使う必要がある。
〈ロケート・オブジェクト〉
【精神集中】
1,000フィート以内にあって、術者の見知ったものの位置を探る呪文。
1,000フィート以内にあって、術者の見知ったものの位置を探る呪文。
- シナリオ上の重要アイテムを探す使い方が想定されるが、射程が1000フィート(≒300m)しかないので、もし盗まれたものを探す場合、すぐに追いかけねば呪文の射程外に逃げられてしまう。その場合、対象の有るエリアを絞り込んだ上で発動するなど、ある程度の工夫は必要かもしれない。
- いっぽう、こちらが重要なアイテムを持っている場合、敵に使われると厄介な呪文なので、持ち運ぶ際は鉛の箱などで隠し持つと良い。
- また別の使い方として、金貨や銀貨を探知してダンジョン内の財宝を見つけることもできるかもしれない。ただし、ダンジョンにある財宝は、現代に流通していない古銭や、特定の地域でだけ使われる貨幣かもしれない。貨幣ではなく貴金属のインゴットや、宝石かもしれない。そういう場合は探知できないだろう。