遮ることのない一本の線
- 何かを呪文の目標にするには、「目標までの遮ることのできない 一本の線」を引くことができなければならない。(PHBp204)したがって、術者と目標の間に、扉や壁などの「完全遮蔽」 がある場合、 呪文を発動することはできない。
- 視線を遮るが、遮蔽ではない物体もある。暗闇、濃霧、砂塵、雨や吹雪などは、"重度の隠蔽"ではあるが、しっかりした実体がないので、遮蔽ではない。
- 逆に、ガラス窓や、〈ウォール・オヴ・フォース〉などは、視線は通るが、しっかりとした実体を持つので、遮蔽である。
- 一部の占術は、この完全遮蔽のルールの例外である。完全遮蔽の向こう側であっても目標に取れる呪文は以下の通りである:〈メッセージ〉、〈ディテクト・マジック〉、〈ディテクト・イーヴル・アンド・グッド〉、〈ディテクト・ポイズン・アンド・ディジーズ〉、〈クレアヴォイアンス〉、〈スクライング〉、〈センディング〉、〈ドリーム〉、〈レアリーズ ・ テレパシック・ボンド〉、〈テレパシー〉。
見えている目標
- 一部の呪文は 「君から見えている目標」という記述がある。その場合、目標が不可視化していたり、“重度の隠蔽“(暗闇、霧、砂塵など)の中にいたり、君が盲目状態のときは、呪文が発動できない。
- 「君から見ることができる」という記述がない場合は、見えていなくても発動できるが、 目標の位置がわかっている必要はあるだろう。「位置が分かっている」というのが、「5フィート単位で正確に分かっている」必要があるのか、「大まかに分かっているだけでよい」のかは、卓による。
「角を回り込む」か否か
- 効果範囲が設定されている呪文の場合、範囲が角を回り込む場合と、回り込まない場合がある。自分の覚えている呪文がどちらなのかはあらかじめ確認しておこう。
- 角を回り込まない場合、障害物の後ろや、曲がり角の向こう側に隠れることで呪文を避けることができる。
呪文構成要素
呪文には「音声要素」 「動作要素」 「物質要素 」 の3つがある。
音声要素
- 「音声要素」のある呪文を発動するには、 発声が必要である。
- したがって、水中、首を絞められている時、〈サイレンス〉内などでは発声できない。
- 構成要素が音声のみで、 動作も物質も必要ない呪文の場合、〈カウンタースペル〉(呪文の発動を視認する必要がある)できない可能性がある(DM次第)。 卓毎に判断すること。
動作要素
- 「動作要素」 のある呪文を発動するには、少なくとも片手を空ける必要がある。
- 動作要素と物質要素が両方必要呪文は、 物質要素を持っているのと同じ手で動作要素を行える (PHBp203)
- 逆に言えば、 動作要素のみ必要で、 物質要素が不要な呪文の場合、 ちゃんと手を空けなければいけない。 たとえば、右手にメイス、左手に聖印付のシールドを持っているクレリックが〈キュア・ウーンズ〉(音声、動作)を発動したい場合、一度メイスをしまうか落とすかして、 手を空ける必要がある。
- 「武器を落とす」 行動のルール上の扱いによって、動作要素の重要性は変わる。いつでも好きな時に武器を手落とせるなら、動作要素のルールはあまり制約にならない。 一方、武器を落とす行動が「周囲の物体を扱う」 行動に含まれるならば、呪文発動のため、片手を常に空けておく必要があるだろう。
物質要素
- 「物質要素」 のある呪文を発動するには、指定された物質を手に持っている必要がある。
- 価格の書いていない物質の場合、「呪文構成要素ポーチ」 か「呪文の焦点具」で代用できる。ゲーム上大きな違いはないため、PCのイメージに合わせて決めてしまってよいだろう。
- 価格の書いてある物質の場合は代用できない。したがって、あらかじめ購入しておく必要があるうえに、発動する際は、片手を空けておく必要がある。
範囲に入るとダメージを受ける呪文の扱い
- 〈ムーンビーム〉など「そのクリーチャー自身のターンで効果範囲内に入るのが初めてか、その効果範囲内でターンを開始した時」にダメージが発生する呪文は、ダメージの発生タイミングが難しい。
- たとえば、敵クリーチャーの立っている場所にこの呪文を発動したとしても、そのクリーチャーのターンが来るまではダメージは発生しない。なお、効果範囲に入ることは、自発的である必要はない。したがって、〈サンダーウェイヴ〉のような呪文でクリーチャーをそのエリアに押しやることは可能。ただし、ダメ―ジを受けるのは、ターンで最初にその範囲に入ったときだけであることに注意。出し入れしても、複数回ダメージを受けることはない。詳しくは、セージ・アドバイスのp19を参照のこと。