おすすめ呪文
自分や味方を支援する(バフ)
〈フリーダム・オヴ・ムーヴメント〉
3つの有益な効果を与える呪文。
- ①移動速度を低下させる効果を受けない。
- ②麻痺や拘束状態にならない。
- ③非魔法の拘束から脱出できる。
- ①の効果について:移動困難地形を無視できるのはメリットだが、それだけのために4レベルスロットを消費するのはもったいない。こちらが積極的に移動困難地形を生み出す魔法等を利用することで引き撃ちや離脱を有利に進める等の場面が考えられるが、対象が1体のみというのがネックであり、使い方を考える必要がある。
- ②の効果について:麻痺や拘束は致命的な状態であり、かつ〈ウェブ〉や〈ホールド・パースン〉等低レベル域のマジックユーザーが使う呪文でも発生する状態異常である。
- ③の効果について:非魔法の拘束とは、枷、縄、手錠、つかんでいるクリーチャーなどである。つかんでくるクリーチャーは「つかんでから次のターンで毒を注入する」とか「つかんでから次のターン脳みそを食べる」とか、大技の前につかんでくることが多いので、後出しでこの呪文を使っても間に合うのである。いっぽう、枷や縄から抜けられる効果については、この呪文の構成要素が音声、動作、物質の3要素全てを要するため、君が猿ぐつわを嵌められていたり、両腕を縛られていたり、焦点具や構成要素ポーチを奪われていると使えない。自分が助かるというより、味方を助けるために使うことになるだろう。
- 以上をまとめると、無駄になるのを覚悟で保険として運用するか、敵の作戦や能力、地形などが予めわかっているときに使うイメージである。
敵を妨害する(デバフ)
〈エレメンタル・ベイン〉XGtE
【精神集中】
クリーチャー1体は〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕のうち1種類に弱くなる。
目標はその種別に対する抵抗がなくなり、ターン中はじめてその種別のダメージを受けるとき、追加で2d6ダメージを受ける。
クリーチャー1体は〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕のうち1種類に弱くなる。
目標はその種別に対する抵抗がなくなり、ターン中はじめてその種別のダメージを受けるとき、追加で2d6ダメージを受ける。
- 〔火〕に抵抗を持つデーモン、デヴィル、ユーゴロスには有効な手段である……と言いたいところだが、これらは往々にして魔法抵抗の特徴を有しており、【耐久力】も高め、さらに完全耐性を持っている場合はこの呪文では対応できないため、有効とは言い難い。
- 有効であると思われるのは【耐久力】が低く、かつ〔火〕や〔冷気〕に抵抗を持つ、アンデッドや非実体系のクリーチャーなどである。
- なお、「ターン中はじめて」という文言が「目標の各ターン」という意味なのか、それとも「すべてのクリーチャーの各ターン」という意味なのかはDMの判断による。
- 「目標の各ターン」と解釈する場合:ダメージを与えられるタイミングがかなり限られる。例えば、敵クリーチャーが〔火〕についてこの呪文の作用を受けた後、その後の味方のターンで〔火〕ダメージを与える攻撃を行っても追加ダメージは発生しない(抵抗は無視されるが)。敵クリーチャーがターンを開始した直後に、待機していた攻撃をトリガーした場合などにのみ追加ダメージが適用されることになる。
- 「すべてのクリーチャーの各ターン」と解釈する場合:こちらの解釈では、パーティ全員のダメージ種別を統一することで、各クリーチャーのターンにおいて追加のダメージを与えることができることになる。例えば4人パーティなら1ラウンドに最大で8d6ダメージを与えることができる。ウィザードやソーサラーなどの秘術系は与えられるダメージ種別の自由度が高いので、秘術系のクラスが多いパーティならば選択肢に入る。種別は〔火〕で揃えるのがもっとも簡単か。
クリーチャーを召喚する/生み出す
〈サモン・コンストラクト〉TCoE
【精神集中】
1体の「人造の霊」を召喚する。
霊は、君のターンの直後に行動する。
1体の「人造の霊」を召喚する。
霊は、君のターンの直後に行動する。
- 召喚される人造クリーチャーはACやHPが高いので、 壁役に適する。
- 粘土:ダメージを受けた時、5フィート以内の者に攻撃する能力を持つ。遠隔攻撃や範囲攻撃を受けたときでも反応するのがうれしい。対象はランダムなので、味方は隣接しないように気を付けよう。
- 金属:攻撃を受けた時〔火〕ダメージで反撃できる。多数の敵が近接攻撃してくるとき、通路に立たせておこう。
- 石:相手のリアクションを封じ移動速度を減らす効果を持つ。このストーンを壁にしてPCは敵から距離を取り、遠隔攻撃で一方的に攻撃することができる。
その他
〈アーケイン・アイ〉
【精神集中】
不可視の魔法の目を作り出し、30フィートの移動速度で偵察する呪文。
不可視の魔法の目を作り出し、30フィートの移動速度で偵察する呪文。
- 通常の視界と(術者自身が暗視を持っていなくとも)30フィートの暗視を有する。音を聞くことはできないので、秘密の会議を盗聴したり、扉を開ける合言葉を盗み聞きすることはできない。
- 1ラウンドに30フィートまで移動できる。そのため、持続時間の最大まで移動させ続けると、約1/3マイル先まで移動させることができる(1ラウンド30フィート、1分300フィート、60分18000フィート即ち約5.4キロメートルであり、約1/3マイル)。
- 壁を通り抜けることはできないが、乗り越えることはできる。特に記述がないので、水中でも同様に機能するものと思われる(ただし、DMの判断による)。
- 目は不可視であるが、〈シー・インヴィジビリティ〉や超視覚を有するクリーチャーによって探知されうる可能性がある。疑似視覚に関しては、見えるとする意見と見えないとする意見の両方があるようなので、この呪文を使用する際はDMに尋ねよう。
- 目によって得られた視覚情報から、隠されたクリーチャーや物体などを見つけ出すには、〈知覚〉もしくは〈捜査〉判定が必要になる。この際、暗闇で暗視による視覚情報を得ている場合は、判定に不利が適用される。詳しくはPHB183ページ「視覚と明るさ」を参照の事。
〈オティルークス・リジリアント・スフィアー〉
【精神集中】
大型以下のクリーチャーを、無敵のバリアの中に閉じ込める。
クリーチャー、攻撃、呪文の効果はバリアを通過できない。
中のクリーチャーは、アクションを使ってバリアを転がして進むことができる。
大型以下のクリーチャーを、無敵のバリアの中に閉じ込める。
クリーチャー、攻撃、呪文の効果はバリアを通過できない。
中のクリーチャーは、アクションを使ってバリアを転がして進むことができる。
- 味方を守るのにも敵を閉じ込めるのにも使える。
- 味方を守る場合は、強力な精神集中呪文を唱えている味方を守るのに使うとよい。
- 敵を閉じ込める場合は、敵を戦場から隔離するのに使える。また、ウィザードに手伝ってもらって、〈シックニング・レイディアンス〉、〈クラウドキル〉、〈インセンディエリ・クラウド〉などを発動してから、この呪文で中に閉じ込めて殺すのもよいだろう。
〈ストーン・シェイプ〉
石を変形させる呪文。
- 大きさに制限はあるが、概ね思った通りのものができる。たとえば、ダンジョンの構造を無視して新しい通路を開通することができる。開通する以外にも、扉や戸枠を変形させて開かなくすることもできる。呪文の準備枠に余裕があるなら準備しておきたい呪文である。ただし、ダンジョンによっては「〈ストーン・シェイプ〉や〈パスウォール〉無効」のものもある。(頭をひねって考えたダンジョンのギミックを無視されてはたまらないというシナリオライターの抵抗である)
- 主な用途としては、ダンジョンの壁に穴をあけて閉じ込められた部屋から抜け出したり、扉を開かないようにして敵を分断したりなどである。あるいは扉を閉めて立て籠もっている敵集団に、壁に穴を開けて奇襲することもできるだろう。DMが許可するなら、落石やがけ崩れを引き起こして攻撃に用いることができるかもしれない。
- ダンジョン探索においては非常に有用な呪文であるが、工夫次第ではシティでも応用可能である。
〈ストーンスキン〉
【精神集中】
持続時間中、非魔法的な〔殴打〕〔斬撃〕〔刺突〕ダメージに対する抵抗を得る呪文。
持続時間中、非魔法的な〔殴打〕〔斬撃〕〔刺突〕ダメージに対する抵抗を得る呪文。
- この呪文を用いるにあたり、次の点に注意する必要がある。
- ① 100gpの価値のあるダイアモンドの粉末が消費される。:ウォーターディープやバルダーズ・ゲートのような都会ならばいざ知らず、名も無き地方の共同体でこれを入手するのはほとんど不可能と言える。よって、この呪文を使う予定があるならば、事前に複数回分入手しておくことをお勧めする。もっとも、資金に余裕のあるパーティでなければ難しいかもしれないが。
- ② 魔法的な〔殴打〕〔斬撃〕〔刺突〕ダメージには効果がない。:魔法の武器を持っている相手や、「○○の武器攻撃は魔法的である」と書かれているクリーチャーの攻撃に対しては効果がない。レベルが上がれば上がるほど、こういった手合いは増えてくるので使えるかどうかの判断が難しくなる。この呪文に限った話ではないが、結局は事前にクリーチャーの能力を調べておくことが重要である。例えばデーモンのマリリスの攻撃は魔法的だが、ゴリストロはそうではない。手下を捕まえて締め上げたり、占術呪文を使ったりしてマメに情報を集めよう。
- ③ 精神集中を要する。:術者がダメージを受けて精神集中の維持に失敗してしまうと、呪文は終了してしまう。 〈ロープ・トリック〉など術者を守るための工夫が必要になるだろう。
〈ファブリケイト〉
原材料を、 同じ材質の製品に加工する呪文。
十分な量の材料があれば、大型以下の物体8つを作ることができる。
ただし、 金属、石、 その他の鉱物で出来たものを加工する場合は、 5フィートの立方体より大きいものは作れない。
魔法のアイテムを加工することはできず、 武器 鎧、 宝石など、 高度な職人技を必要とする製品を作ることもできない。
十分な量の材料があれば、大型以下の物体8つを作ることができる。
ただし、 金属、石、 その他の鉱物で出来たものを加工する場合は、 5フィートの立方体より大きいものは作れない。
魔法のアイテムを加工することはできず、 武器 鎧、 宝石など、 高度な職人技を必要とする製品を作ることもできない。
- TRPGらしい楽しい呪文で、PLのアイディア次第で色々な工夫ができる。だが、どうとでも取れる効果なので、この呪文で具体的にどんなことができるかはDMの解釈次第。 君がこの呪文で面白いことをやりたいなら、 習得時点であらかじめDMに相談し、了承を得ておくこと。
- 川や海を渡る必要があるとき、急ごしらえの船を作ることができる。 ただし「高度な職人技を必要とする製品を作ることはできない」 ので、 いかだやボートくらいが限界かもしれない。
- 君たちのパーティが野宿にうんざりしているなら、 快適な山小屋を作れる。 これはロールプレイが捗るだけでなく、 大雨、 吹雪の雪山、 砂漠地帯など、 過酷な環境でもパーティが大休憩を取ることを可能にする。
- 牢屋の鉄格子やダンジョンの壁に対して使えるなら、 通路を作るために使える。 (ただし、壁や鉄格子はすでに製品であり、原材料ではない、と判断される可能性もある。)
- 武器は 「高度な職人技を必要とする」 ため作れないだろうが、 原始的なこん棒やハンマーならば作れるかもしれない。 これが可能なら、アダマンティン製の扉や銀食器から、アダマンティン製のこん棒や銀のダーツを作れることになる。 (DMは、代用武器のルールを用いるとよいだろう)
- 貴重な金属の鉱石を見つけたとき、 それを精錬する手間が省ける。アダマンティンやミスラルの鉱石を見つけたとき、 この呪文で精錬してインゴットにしてから持ち帰れば、 鉱石として売るよりも高い値が付くだろうし、 かさばらないので荷物が軽くなる。
〈モルデンカイネンズ・フェイスフル・ハウンド〉
不可視で無敵の番犬を召喚する呪文。番犬は不可視状態のクリーチャーも、エーテル界も見ることができ、幻術を見破る。
小型以上のクリーチャーが、君が定めた合言葉を最初に話さずに30フィート以内に近づくと、番犬は大声で吠え始め、君の各ターンの開始時に、敵対するクリーチャー1体に攻撃する。
小型以上のクリーチャーが、君が定めた合言葉を最初に話さずに30フィート以内に近づくと、番犬は大声で吠え始め、君の各ターンの開始時に、敵対するクリーチャー1体に攻撃する。
- 野営の際には準備しておきたい呪文の一つ。持続時間も8時間と長く、精神集中も必要ない。そしてこの番犬は幻を無視する特性を持つので、幻を見破る手段としても有効である場合もある。また、この番犬は不可視状態のクリーチャーやエーテル界を見ることもできるので、吠え始めたが見えない場合は〈シー・インヴィジビリティ〉を発動できるようにしておくといいだろう。
- なお、超小型のクリーチャーには反応しないので、敵が超小型クリーチャーに変身している場合は要注意である。
〈モルデンカイネンズ・プライヴェート・サンクトゥム〉
一辺100 フィートまでの立方体の範囲に、魔法的なセキュリティを施す。呪文を唱えるとき、次の効果のいずれかまたはすべてを選択する。
・どんな音も範囲内の境界線を通過しない。
・範囲内の境界線に暗く霧がかかり、暗視能力があっても見通せない。
・範囲内に占術呪文のセンサーを作ることはできず、通過することもできない。
・範囲内のクリーチャーは占術呪文の目標にならない。
・範囲内に出入りするような瞬間移動はできない。
・範囲内では次元移動ができない。
・どんな音も範囲内の境界線を通過しない。
・範囲内の境界線に暗く霧がかかり、暗視能力があっても見通せない。
・範囲内に占術呪文のセンサーを作ることはできず、通過することもできない。
・範囲内のクリーチャーは占術呪文の目標にならない。
・範囲内に出入りするような瞬間移動はできない。
・範囲内では次元移動ができない。
- 拠点において、 テレポートによる侵入を防いだり、 作戦会議を占術で盗み聞きされるのを防ぐ。
- この結界の影響を受けると思われる呪文や特徴は多岐に渡る。 君がDMなら、 この結界の中で、何ができて、 何ができないのかは予め決めておこう。 ルールブックに掲載のすべての呪文や特徴について事細かに定めておく必要はないが、セッション前に、最低でもPCが覚えている呪文やマジック・アイテムについては、結界内で使えるかどうか、明言しておいた方がよい。
- 実際のプレイにおいては、PCの持つ能力を無暗に制限することはあまり良いことではないため、ゲームバランスやPCの性能を考慮して判断すること。
〈レオムンズ・シークレット・チェスト〉
大きな宝箱に物品を入れて、エーテル界に隠す呪文。
小さな宝箱に触れることで、好きな時に取り寄せることができる。
小さな宝箱に触れることで、好きな時に取り寄せることができる。
- 貴重品を隠しておくことができる。 悪党が欲しがっている邪悪なアーティファクトなどを隠しておこう。 機密文書、宝の地図、盗品など、見られるとまずいものを隠すのにも使える。
- 宝箱の容積は12立方フィート (=約340リットル)で家庭用の冷蔵庫くらいある。 したがって、単純に重くてかさばるものを入れるのもありだ。 たとえば、保存食や水、何千枚もの銀貨や銅貨、 誰も装備していない鎧、予備のジャヴェリンなど。
- いっぽう、戦闘で役立つ強力なマジック・アイテムなどは、いつ必要になるかわからないので、この呪文で隠したりせず、 肌身離さず身に着けておいた方がよい。
- 大きな宝箱を取り寄せることができるのは術者だけである。 したがって、 たとえ小さな宝箱を奪われたり盗まれたりしても、 君がいないとただの50gpのミニチュアである。 したがって、「俺を殺すと、宝箱の中身は手に入らないぞ」 とか、 「宝箱のミニチュアは返してくれ、代わりに貴重なマジック・アイテムをあげるから」など、敵方と交渉を行えるかもしれない。
- また、60日が過ぎると呪文が終了するおそれがある。 普通なら、60日ごとに取り寄せて呪文を終了し、再度呪文を唱えなおせばよいのだが、 君が投獄されたり、正気を失ったり、石化したり、死亡したり、 小さな宝箱を盗まれたりすると、大きな宝箱を取り寄せることができなくなるため、 永遠に遺失する可能性がある。
- また、小さい宝箱が破壊された場合も呪文は終了する。 D&Dのルール上、着用している状態で破壊されることはめったにないが、盗まれたり奪われた時、その価値がわからない者が壊してしまうリスクはある。
- 宝箱はエーテル界に隠されるため、〈イセリアルネス〉 や〈プレイン・シフト〉、エーテル移動の特徴を持っているクリーチャーには見つかる可能性がある。逆に言えば、不慮の事故で呪文が終了してしまっても、これらの手段で探しに行ける可能性がある。(DM次第)
- エーテル界に干渉する呪文である以上、エーテル界と接していない、アストラル界や外方次元界では機能しない可能性がある。エーテル界についてはDMGp48を参照のこと。