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ファイターズメガミックス

【ふぁいたーずめがみっくす】

ジャンル 対戦格闘
対応機種 セガサターン
メディア CD-ROM
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
発売日 1996年12月21日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 23ブロック
判定 良作
バーチャシリーズ


概要

当時、セガで人気を二分していた3D格闘ゲームである『バーチャファイター2』と『ファイティングバイパーズ』のキャラクターを1つのゲームで共演させようという、一種のお祭り企画として誕生したソフト。


システム

基本的には『バーチャファイター2』と『ファイティングバイパーズ』に準じたシステムに加え、『バーチャファイター3』で追加されたエスケープボタンが加わった4ボタン制。
本作固有の要素としては以下の通り。

  • オプションでキャラの基本的な挙動に影響するゲームタイプを「バーチャファイター」と「バイパーズ」から選択する。タイプの差異は以下の通り。
    • バーチャファイター:キャラクターの吹き飛び方が小さいものの、空中で受け身を取れない。
    • バイパーズ:空中で受け身を取れるが、キャラクターの吹き飛び方は大きい。また、一部のキャラクターはガード&アタックが使用可能となる。
  • アーマーの概念はモードではなくキャラクターに依存し、一部のキャラクターのみ搭載。
    • 『VF』キャラクターは全員アーマーがなく、『FV』キャラクターは全員アーマーがある。隠しキャラクターはウラバン/ジャネット/レンタヒーロー/デク/ホーネットのみアーマー搭載。
    • 自身がアーマーを装備していないキャラについても、一部の技がアーマー破壊技に対応している。また、防御力は基本的に「アーマー装備キャラ > 元々アーマー無しのキャラ > アーマー破壊後のキャラ」という関係でバランス調整が取られている。
    • 一部キャラクターが装備している武器についても耐久力が設定されており、アーマーと同じ条件で破壊される。破壊された場合はその武器を用いた技が使用不能となる。
  • 『VF』キャラのステージはリングアウトの概念が無くなり、『鉄拳』シリーズのような無限フィールドを採用している。*1
    • 『FV』キャラのステージは原作同様に四方に壁の概念があり、激突時の追加ダメージなどの影響がある。
  • 1PプレイモードではA~Dの4つのコースを選択し、それぞれに固定のテーブルが設定された全7ステージ構成となっている。
    • 各コースの7人目にボスとして隠しキャラが登場し、クリアすることでその隠しキャラが使用できるようになる。
    • A~Dのコースを全てクリアすると新たにE~Gコースが解放され、それらも全てクリアするとHコース、それもクリアすると最終コースであるIコースが解放される。
  • サバイバルモードは制限時間内にCPU操作の対戦相手を何人倒せるかを競うモード。
    • 制限時間は3分/7分/15分のいずれかを選択可能。
  • VSモードは1Pvs2P対戦と1PvsCPU対戦が可能。ステージは壁あり・壁なし・ランダムから選択する。
  • チームバトルモードは最大8人のキャラでチームを組み対戦する。VSモードと同じル―ルに加え、勝ち抜き時の体力回復の有無を設定できる。
  • トレーニングモードはサターン版『ファイティングバイパーズ』から継承したコマンド技のリスト表示と個々の技の練習、入力成功したコマンド技の記録機能が搭載されている。

参戦キャラクター

  • バーチャファイター2』より参戦
    • 結城晶 / パイ・チェン / ラウ・チェン / ウルフ・ホークフィールド / ジェフリー・マクワイルド / 影丸 / サラ・ブライアント / ジャッキー・ブライアント / 舜帝 / リオン・ラファール / デュラル
      • 基本的に『2』準拠の性能だが、一部『3』の新技も追加。舜帝の持つ酒瓢箪もアーマー破壊技の破壊可能対象となる。
      • また、今作のデュラルは『VF』シリーズ本編と違い最初から使用可能で、技構成が『3』準拠・ステージとBGMは『1』のものになっている。
  • 『ファイティングバイパーズ』より参戦
    • バン / ラクセル / トキオ / サンマン / ピッキー / グレイス / ジェーン / ハニー / マーラー / B.M. / くまちゃん
      • ラクセルのギターとピッキーのスケボーも破壊可能対象となる。
      • マーラーはB.M.のコンパチキャラだった原典からデザインが差別化され新規衣装に変更されている。ステージとBGMは『バーチャファイター2』のデュラルの流用。*2
      • 原典のサターン版で隠しキャラだったB.M.とくまちゃんも最初から使用可能。*3
+ 隠しキャラクター
  • 『バーチャファイターキッズ』より参戦
    • キッズアキラ / キッズサラ
      • 出典と同じく低頭身にデフォルメされた姿。投げ技が使えるのは同頭身の相手のみ。
  • 『ソニック・ザ・ファイターズ』より参戦
    • ビーン・ザ・ダイナマイト / バーク・ザ・ポーラーベアー
      • いずれもそれまでソニックシリーズのアクションゲーム本編に登場していなかった『ソニック・ザ・ファイターズ』初出キャラクター。キッズキャラと同じく低頭身で、投げ技が使えるのは同頭身の相手のみ。
  • バーチャファイターズ(ロケーションテスト版)』より参戦
    • シバ
      • まさかの没キャラクターからの復活。本作では没になったロケテ版『VF』当時と違いガード不能のサーベル(シミター)を所持して戦う。没当時は用心棒だったが、本作では「何度も格闘大会(=『VF』シリーズ本編)を予選落ちしたことを根に持っていた」という設定で、財力にものを言わせて自ら本作の舞台となる格闘大会を開いたアラブの石油王として登場。アーマーはないが、武器の曲刀も破壊可能対象。隠しカラーの1つには『VF1』風を再現した粗いポリゴンのものまである。BGMは『3』のオープニング曲。
  • 『ファイティングバイパーズ』を元にしたアレンジキャラクター
    • ウラバン
      • バンの衣装・性能違いの裏キャラクター。当時発売前だった『ファイティングバイパーズ2』を意識したコンセプトとなっており、後に出た『FV2』のバンへ一部の新技が逆輸入されている。
  • レンタヒーロー』より参戦
    • レンタヒーロー
      • 原作に準じてコンバットアーマーが乾電池駆動になっており、時間経過や特定の技で消耗して*4電池が尽きると変身が解除されてアーマーを失い、大幅に弱体化した生身の「やまだたろう」に戻ってしまう。
  • バーチャコップ』より参戦
    • ジャネット・マーシャル
      • 「警察学校時代に合気道を習っていた」という設定で、本作に登場しない『バーチャファイター3』の梅小路葵の技を一部使う。ただし『FV』勢と同じくアーマー装備の他、ガード不能の飛び道具のバーチャガンも使用可能。ただし、銃も破壊可能対象。
  • デイトナUSA』より参戦
    • ホーネット
      • 直立した車そのもの。車体の前部を地面から浮かせて立ち上がるウィリー走行のような姿勢で戦い、タイヤが分離して宙に浮きながら手足のように動く。レンタヒーローとは逆にアーマーの外装が壊れることで攻撃性能が劇的に強化され、自らアーマーを破壊する固有技もある(もちろん防御力は低下するためハイリスクハイリターン)。
  • オリジナル
    • デク
      • ピーナッツのような体型でテンガロンハットを被った謎の生命体。当初は文字通りトレーニングモード用の「木偶」としてデザインされたが、当時のセガの女性デザイナー・ハマチャン氏にデザインを任せた結果キャラが立ちすぎてしまい、独立した隠しキャラクターとして登場させることが決まったとのこと。
      • なお、通常のトレーニングモードでの相手は球体が集まった無難な「ボールズ」となったが、条件を満たすと確率で「デク」に切り替わる。

上記の他、通常キャラの隠しカラーバリエーションとして、ハニーがランドセルを背負ったコスチュームの「NEWハニー」、マスコットバルーンのくまちゃんがそれぞれ文字通りに姿を変えた「ぱんだちゃん/にく/やしのき」がいる。


評価点

  • 当時の3D格闘ゲームでは群を抜いたキャラクターの多さ
    • 当時は3D格闘ゲームの開発は各社ともにまだまだハードルが高く、キャラ数も2D格闘ゲームに比べ少なくなる傾向があった状況において、総勢32キャラという圧倒的なバリエーションは他社の追随を許さないレベル。
      • クロスオーバー作品でありながらも『バーチャファイター2』と『ファイティングバイパーズ』のほぼ全キャラクターがデフォルト状態で網羅され、さらに隠しの追加キャラクターまでいるのは大きい。
      • 新規プレイヤーにとっては、コストパフォーマンス的な感覚で見ても原作2本をそれぞれ個別購入するよりもコスパは高く、間口の広さにも貢献している。
    • システムについても、当時アーケードで稼働して間もない『バーチャファイター3』の新システムであるエスケープボタンや投げ抜けが追加され、既存の『VF2』キャラにも『VF3』で登場した新技の一部が先行導入されている(特にデュラルは完全に『VF3』ベース)など、既存プレイヤーにも新鮮な気持ちで楽しめる。
    • 遊び方のバリエーションも1Pプレイの他に通常の対戦プレイ、チームバトルやサバイバルモードも備えており非常に豊富。トレーニングモードも充実した内容で、コマンド技やコンボの練習がやりやすい。
  • 多彩な隠し要素
    • 前述の大量のプレイアブルキャラの他にも隠し要素は多数仕込まれており、それらを見つけるだけでも楽しい。
  • 優秀なサウンド
    • BGMの完成度は折り紙付き。特筆すべき点として隠しキャラの「レンタヒーロー」ステージでは原作のOP曲のボーカルアレンジがフルで流れるという豪勢ぶり。ボーカルは光吉猛修氏が担当している。
    • ゲームCDの音声トラックをサントラとして利用することもできるので思う存分サウンドを堪能するのも一興。

問題点

  • キャラバランスの悪さ
    • 全体的に初期状態でアーマー持ちのため防御力の高い『FV』側キャラのほうが有利。アーマーのない『VF』側も相手のアーマー破壊は一応狙え、破壊できれば防御力を低下させられるものの、そのためにはまず攻撃を加えないといけない点でやや不利になっている。
    • また、飛び道具持ちのキャラについては各キャラに対抗できる手段が少ないため、該当キャラはかなりの強キャラとなってしまっている。
    • 『VF3』から投げ抜けが先行輸入されたため、投げ技が主力となっているキャラは不利。
    • また一部の頭身の低いキャラについてはリーチが短いうえに投げ技を通常の頭身の相手に使うことができないため単純に不利。
    • とはいえ、本作は一種のお祭りゲーであることやキャラ数の多さも考えると仕方のない側面もある。
  • グラフィックの若干の劣化
    • 本作では『FV』の壁破壊等の要素の再現を備えているためか、その分解像度が落とされてテクスチャが劣化している。

総評

お祭りゲーム特有のキャラバランスの悪さという難点はあるものの、それを補って余りある圧倒的なボリュームは当時としては出色の出来。
かなり潤沢に生産されていたこともあって中古価格も非常に格安で入手性も悪くないため、お手軽に『バーチャファイター』と『ファイティングバイパーズ』の雰囲気を楽しむ分にはお勧め。


余談

  • 本作は1996年の年末商戦の話題作である『ファイナルファンタジーVII』が延期になったことを受け、本来発売スケジュールを空けていた年末商戦向けの目玉作品として開発された作品である。
    • その際には現場の人間が誰も知らなかったレベルの状態で本作の記者会見発表が行われ、急遽ミーティングと開発が行われていたとのこと。
    • なお実質的な開発期間は60日。その開発期間の短さからセガのチェックも通っていないという噂も立ってたが、デバッグ部隊を別のソフトと同時遂行する形でデバッグを行い正規の手順を踏んでセガのチェックを通して発売されている。
    • その短さもあってか、最後の隠し要素として締め切り間際ギリギリに仕込んだ隠しステージがチェックミスで壁を破壊するとフリーズになることが発覚し、雑誌での情報公開が急遽取り止められたとのこと。
      通常ステージのバージョン違いかつ出現条件が意図的に設定しないとあり得ないものだったこともあり、2024年に開発スタッフがお蔵出しするまで発覚することはなかった
  • 演出用の隠しキャラとして『アフターバーナーII』の自機「F-14トムキャットXX」も登場する。
    • VSモードでB.M.ステージを選び、ラウンド開始時に1P側と2P側のXボタンを共に押し続けると出現。
  • 隠しキャラのデクの固有技の1つ「デク・ザ・ダーティー」は、公式攻略本にて「人間には入力不可能」と記載されている。
    • コマンド自体は「↓←→K」と一見簡単なのだが、入力受付時間の猶予が4フレームのみ*5と極端に短いのが原因。ただしCPUのデクは普通に使ってくる。
  • 本作の隠しキャラの候補としては以下のものも存在していた。

最終更新:2026年05月06日 15:20

*1 ウルフステージは例外的に『FV』キャラステージと同様の壁ありステージ。

*2 ただし『VF2』原作のデュラルステージのような完全に水中ではなく、動きも遅くならない。

*3 なお、サターン版に居たペプシマンは権利関係の都合上残念ながら今回は非参戦。

*4 なお、ラウンド終了時にも電池の回復はしない。

*5 1秒間のフレームを60フレームとした場合、約0.067秒しか入力猶予がない計算になる。

*6 本来は最優先で採用したかったが、スピンアタックの実装が困難なため見送られたとのこと。