SIMPLE2000シリーズ Vol.21 THE 美少女シミュレーションRPG MoonLightTale

【しんぷるにせんしりーず ぼりゅーむ21 ざ びしょうじょしみゅれーしょんあーるぴーじー むーんらいとてーる】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション2
発売元 D3パブリッシャー
開発元 悠紀エンタープライズ
発売日 2003年4月24日
定価 2,000円(税別)
判定 ゲームバランスが不安定
バカゲー
ポイント システムもっと考えろ
バランスもだ
シナリオしっかりせい
吉田空気読め
SIMPLE2000シリーズ


「ゴーワール」と呼ばれる世界がある。



概要

D3パブリッシャーによる廉価版ゲームシリーズ『SIMPLE2000』の1作。
女性キャラからなる部隊を率い、謎のモンスター達と戦うシミュレーションゲーム。


ストーリー

人間とエルフとモンスターが暮らす世界「ゴーワール」。
近年、本能に従って暴れるだけだったモンスター達が、軍隊の様な統制された動きを持って都市を攻撃し始めた。
ある国の軍人である主人公(デフォルト名なし)は、モンスターの変異の原因調査を命じられ、3人の部下と共に旅立つ。
やがて彼らの前にロックマンX』のシグマみたいな謎のハゲマッチョ男が現れ、驚愕の真実を語る…。


特徴

  • 主人公は男性だが部隊指揮官という設定で、戦闘には参加しない。実際に戦闘を行う「ユニット」は全て女性で、同時に恋愛イベントにおける攻略対象でもある。
    • 女性キャラは総勢15人で、キャラ毎に違った最終面と攻略エンディングが用意されている*1
  • 女性キャラはフルボイス。かないみか、平松晶子、岩居由希子などベテランや実力派の声優が多く出演している。なお、かない氏のみ2役。
  • シナリオは全12章からなる。第3章以降は複数のルートが用意されており、通ったルートによって加入する仲間が変わる。
  • 一度クリアすると、任意のシナリオを選択して周回プレイを行えるようになる。クリア時の仲間・能力・所有アイテムは、全てそのまま引き継がれる。
    • シナリオ自体に変化は無いので、「敵として登場して倒すと仲間になるキャラ」が登場する面では既に仲間にいるそのキャラとの同キャラ対戦が起こってしまうのはご愛嬌。
    • 同じく一度クリアすると、本編とは別の隠しマップをプレイできる。このマップでは各キャラ用の「着替え用コスチューム」を入手でき、装備させると外見だけでなく使える技も変化する。
  • 戦闘は『サクラ大戦3』の様に、キャラ毎の「行動ポイント」を消費して移動・攻撃を行うシステム。どの面でも最大5人までしか出撃できない。
    • 敵側も出現数は5体までで、増援・撤退・説得は存在しない。勝利条件は「敵の全滅」のみ。
    • HPが0になったキャラは、その面では復活できない。
  • お金や武器防具は存在しない。面クリア後にランダムで回復や攻撃用の使い捨てアイテムを入手できる。1人5つまで装備可能。
    • 同じく面クリア後に経験値を入手できる。レベルという概念は存在せず、任意のキャラの好きなパラメータに経験値を割り振る事でパワーアップを行う。
      • その面で倒されたキャラや、出撃していないキャラに与えることも可能。

問題点

システム面

ポイントシステムが洗練不足

  • 行動ポイントは移動も攻撃も兼用なのだが、ある程度強くならないうちは敵も味方も前進させただけですぐポイントを使い切ってしまう。
    • ポイントは1ターンごとに全回復…ではなく、最大値の1/3弱程度しか回復しない為、いざ敵と接触しても延々弱い攻撃を出し合う事になってしまう。
    • 故に本作での戦法は「待ち」が基本。初期配置から動かずに敵の方が近付いてくるのを待っていれば、大抵の敵はそれだけでポイントを使い果たすので袋叩きにできる
    • 更に敵は全員、1番手近にいる相手にしか攻撃してこない。これらの事から、仲間の中で1番耐久力のある1人だけを他4人より若干前に出して囮にし、あとは敵が近付いてくる間に飛び道具を撃ちまくれば無傷でクリアする事も可能。

では簡単なゲームなのかというと、実はまったくそうではない。

成長システムが意味不明

  • 各キャラには体力・耐性・筋力・知力・俊敏の5つの能力値が存在するのだが…。
    • 「耐性」は、説明書に「敵から受けるダメージを減らす」とあるが、実際にはいくら上げても物理・魔法共ダメージに変化が見られない
      • 仮に「ステータス異常のかかりにくさ」に影響していたとしても、マヒなどのステータス異常技は味方側しか使えない。攻撃力や防御力を下げる攻撃も、効果はすぐに消える上に実感できるほど低下しない為、ほぼ意味は無い。
      • ついでに「防御」のコマンドにも意味が無い。選んでもダメージはまるで減らない。
    • 一方「俊敏」は、戦闘時における行動順及び行動ポイントの移動時の燃費に関わる(高いと遠くまで移動できる)為、最重要値と言ってよい。
    • 筋力と知力は、どちらも技の攻撃力に影響する。どちらかだけに依存する技と、両方に依存する技が存在する…
      • のだが、「明らかに魔法(物理)による攻撃なのに筋力(知力)依存」という例がチラホラ。どちらに影響するかは画面には表示されないので、キャラによっては上げても無意味になる事も。
  • では俊敏を優先し、次に筋力か知力を上げればそれで良い…と思えば、そうは問屋がおろさない。本作はその面に出撃している味方の最大能力値を基準に敵の強さが底上げされるというシステムになっている。
    • 従って何か1つでも突出した能力値を持ったキャラ・或いは1人だけ強いキャラを作れば、他のメンツは戦力外となり瞬殺。残った1人だけで相手をするハメに。
      • そういったキャラを作ってしまったとしても、そのキャラさえ出撃させなければ良いと気付ければ先には進めるかもしれない。しかし本作の味方達は持っている技の性能に差が有りすぎる上、強力な飛び道具が無いと勝てそうもない中ボスも現れる為、いずれ行き詰る危険性も高い。
      • 前述の通り一度エンディングを見ないと過去の面には戻れないので、初プレイで「便利なキャラだから」と集中強化したばっかりに詰むという恐れがある
    • その上余計な事に1人のキャラの5つの能力値の総量は上限がある。「2つの能力値をMAXにしたら、あとは少し余る」程度しかなく、全能力をMAXにはできない。「俊敏と筋力(or知力)をMAXにしたら、残りは体力」が無難な所だろう。
    • これらの事から、出撃するレギュラー5人を早いうちに決めておき、誰か(或いは能力値のどれか)が強くなり過ぎない様に騙し騙し割り振っていくしかないだろう。
      • 因みに各能力値は数値ではなくゲージで表わされる為、キャラ同士の能力差を比較しにくいのも難点である。
    • こちらが強くなれば敵も強くなる。当然敵のHPも上がる。従って「与えるダメージが固定の技」は完全に無意味。というか開発していて気付かなかったのだろうか?
    • エンディング回収の為に何周もプレイしていると、敵の俊敏が底上げされすぎた結果画面の隅からこちらの正面まで歩いてきて余裕で2、3発攻撃を叩き込んでくるといった事態もザラに起こる。「1ターンだけ攻撃を無効化する」という技を持っている仲間が1人だけいるが、そのキャラを囮にでもしないと1ターンで2人ぐらい殺される
      • 因みに囮役は1人いれば十分なので、それ以外の接近戦向けキャラは用無しと化す。

格差のありすぎるキャラ性能

  • 前述したがキャラ毎に覚えている技の性能差が大きい。
    • 味方の能力を上げたり敵の能力を下げたりする補助系の技は、実感できる程変化しない上にすぐ効果が切れるので、ほぼ無意味。回復技にしても回復量と消費する行動ポイントを比べると燃費が悪過ぎるのでほぼ使い道は無い。
      • 従って回復・補助技がメインのシスターと巫女はほぼ用無し
    • 傭兵と暗殺者は、技の威力が筋力と知力の両方に依存する為、前述の能力値総量に引っ掛かり、最終的に中途半端な強さになってしまう。2人共設定上はスゴ腕らしいのだが…。
      • 一方説明書でもゲーム中でも「弱い」と明言されているネコ耳は、実は範囲攻撃持ちで敏捷と筋力を上げればボスキラーにもなれる可能性を持っている
  • なお「通常攻撃」は全キャラが共通で持っているのだが、これは1面のザコにすらろくにダメージを与えられないので使い道は無い。
    • というか行動ポイントMAX時のみ出せる最強技と、その次に強い技の2つ以外は基本的に役に立たない。
    • 各キャラが攻撃する際、通常攻撃・最強技・その次の技・それ以外の技と、4パターンのボイスが用意されており、その上通常攻撃には3種類のセリフが存在するのだが…実質通常攻撃のボイスが無駄になってしまっている。
  • 後半に仲間になるキャラであっても、初期能力値は最初からいる面々と同程度しかない為、新たに加わってもなかなか活躍させられない。
    • とはいえ初期能力値が下手に高いと能力値総量に引っ掛かりやすくなる為、これはこれで良かったのかもしれない…というかそもそも総量の上限なんてものさえ作らなければ…

バグの存在

  • ある手順を踏むと、アイテムが大量に増殖するバグが起こる。『ファイナルファンタジーIV』の「た5バグ」の様なもの。
    • 低確率で入手できる「ダークマター」を増殖させて、これに頼ることで楽にクリアできる。もっとも他のアイテムは基本役立たずばかりなのだが…。
  • 既に仲間になっているキャラが洗脳されて襲いかかってくるというイベントがある。ルート選択によって、ネコ耳とシスターのどちらかが洗脳されるのだが、何故かどちらのルートでもネコ耳が敵として現れる。登場してすらいなくても
  • 一度見たイベントCGはギャラリーモードで観賞できるのだが、バグにより登録されないCGが2つある。
  • 巫女及び最後の仲間との会話の中で、一部ボイスが流れないセリフがある。ヒロインのセリフでボイスが出ないのはこの2箇所だけなので、バグなのだろう。
  • シスターを加えずに7面のあるシナリオに行くと、彼女のセリフをネコ耳が代わりに喋るのだが、相手のセリフは変わらないので会話が噛み合わなくなる。
  • メイドロボを加えずに10面に進むと、彼女のボケに対する主人公の突っ込み台詞だけが表示されてしまい、突然意味不明な事を叫んだように見えてしまう。
    • 因みにメイドロボは2周目以降でないと加えられない隠しキャラ。つまり少なくとも1周目は必ずこの不具合に出くわしてしまう

その他の問題点

  • セーブは面クリア後にしかできないのだが、「敵全滅→アイテム入手→経験値割り振り→次のルート選択→ヒロインと会話→セーブ」…という順になっている為、経験値割り振りに失敗したり難しい面に行ってしまったりしても取り返しがつかない。
    • 1つのメモリーカードに5個所までセーブできる。それを利用して1面クリアするごとに別の場所にセーブするぐらいしか対策は無いだろう。つくづく初プレイ者に鞭打つ仕様である…
    • 第3面は3種類の中から1つを選択するのだが、そのうち1つは異常なまでに難易度が高く、1周目に選んだら確実に詰む。
    • メインヒロインの攻略を狙った場合に行くことになる最終面が極端に難易度が高い。どのラスボスも移動をせず高確率で先攻を取るという特性があるのだが、この面のボスは加えて味方の初期配置から遥か遠くに陣取っており、当たり判定も小さく、その上射程が無限の範囲攻撃持ちである。こちらは5人とも同じ方角に配置されている為、近づいていく途中でまとめて焼き尽くされてしまう。
      • 2周目以降で仲間や戦力が整っていれば乗り切れるのだが、この面は情報無しでプレイすると1番行ってしまいやすい面なのである。他の最終面はこちらがボスを取り囲んでいる構図から始まるのに、なぜここだけ?
  • 各技とアイテムの効果説明は、出撃メンバーの選択画面でしか表示されない。効果がわかり辛い名前の技も多いので、戦闘中に誤使用が起こりやすい。
    • 更にアイテムは効果は同じなのに別アイテム扱いという例がゴロゴロしている。しかも装備する際には一覧表から選択するのではなく、方向キーで1つ1つ表示を切り替えなくてはならない為、やたら時間がかかる。その上その面をクリアすると装備は全て外される。
  • 攻撃のターゲットを選択すると、敵ユニットの全身ではなく足元の影が光る仕様なのだが、範囲攻撃で遠くの敵を狙うとなぜかカメラが敵ではなく使う側のキャラを中心に映すので、複数のターゲットを狙おうとするとどの敵が攻撃範囲に含まれるのかが分かりにくくなる。
  • 敵の能力は、HPと行動ポイント残量しか見る事は出来ない。つまり使う技や射程範囲は調べられない。
  • 障害物やユニット同士の当たり判定がやたらとシビア。仲間ユニットの上を飛び越して移動する事は出来ないので、仲間に遮られて大周りさせられることも珍しくない。
    • 更に「飛行ユニット」というものは存在しないので、通れない地形は何をしても通れない。明らかに背中の羽根で飛んでいるキャラもいるのだが…
  • 「隠しマップをクリアすればコスチュームが入手できる」という触れ込みだが、なぜか本編のシナリオをクリアしても低確率で入手できる事がある。
    • 一方隠しマップは全31面だが、最初の10面は1/3程度の割合でコスチュームを入手できるものの、それ以降はまったく入手できない面が10面ほど続く。最終面では確実に1着入手できるのだが、そこまで行く時間効率を考えると1~10面を延々繰り返した方が遥かに良い。
      • パッケージでは「コスプレゲーム」と銘打たれており、着替えができる事を重要な要素であるかのように唄っているが、実際には入手しにくい上に着替えても最強技が変化するだけ。しかも使い勝手の悪い技が多く、実用性は限りなく低い。

シナリオ面

ギャルゲー要素の問題点

  • 各面のクリア後、仲間の誰か1人を選んで話しかけ、2つの選択肢のどちらかを選ぶことになる。片方は好感度アップ、もう片方は変化無しのハズレ選択肢となっている。
    • ……のだが、どちらが正解かはシナリオを読んでいてもまったく予想できないノーヒントである上、好感度の現在値もアップしたかどうかも画面では確認できない。しかも「どちらを選んでも同じような反応しか返ってこない為、どちらが正解だったのかすらわからない」という例が多々ある。
      • 「ケーキ食べる?」と「コーヒー飲む?」という選択肢で、前者を選んだら「太るからダメです」と言われて好感度アップ・後者だと「体に毒ですよ」と言われて好感度変化せず、など。
  • 初期からいるメンバーほど、正解を沢山選ばないと攻略できない仕様になっている為、攻略が非常に難しい。一方終盤に仲間になる2人は、どちらも選択肢に一度正解するだけでOKなので異様に簡単である。
    • 更に厄介な事に、2周目以降は途中の面から始めても全員の好感度が0に初期化された状態になってしまう。故に初期からいる仲間を攻略したければ、最初の方の面にわざわざ戻らなくてはいけなくなる。
  • ヒロイン14人の攻略エンドを全て見ると、最後の仲間が加わり、真の最終面に進む事が出来る…のだが、こうなってしまうとそのデータではヒロイン個別の攻略エンドは二度と見られなくなってしまう。真のエンディングか、各ヒロインルートのバッドエンドにしか行けなくなる。
    • ついでに言うとその最後に加わる仲間、ぶっちゃけ弱い。しかもこのキャラだけ攻略エンドは存在しない。
    • 更に真のラスボスは前述の隠しマップでは当たり前のように出現する。つまり1周しただけで会う事も可能。「最低14回クリアしないと登場しないラスボス」の立場丸潰れである。
  • 根本的な問題として電波やビッチが何人もいるので、そもそも攻略する気が起こるかどうか…。

世界観・ストーリー面の問題点

  • 世界観は一応ファンタジーで、それに侍や忍者やメイドロボなども存在する、いわゆるライトノベル風の世界なのだが…。
    • 戦闘前後の会話画面で流れるBGMは1曲のみ。平和なほのぼのとした曲なのだが、どんなシーンでもお構いなく流れ続けている。止まる事もない。
      • モンスターに滅ぼされた村で子供の死体を発見したり、洗脳された村人をやむなく殺したり、主人公達を先に進ませる為に仲間が犠牲になったり…といったシリアスな展開もあるのだが、平和な曲が延々流れ続けているので悲壮感も緊迫感もいまいち伝わって来ない
      • とはいってもついさっき自分達を殺そうとした暗殺者と何事も無かったかのように食事をしたり、有耶無耶のまま仲間に加えたりしているようなシナリオなので、これはもうそういう世界観なのだと割り切るしかない。
    • 会話シーンは基本グダグダ。プレイヤーを置いてきぼりにして内輪の会話を延々繰り広げたり、重要な話をしているシーンで複数のヒロインがよってたかって茶々を入れたり、話題があちこちに飛んだり…。
  • ボク女の性格に統一感が無い。軍の上官たる主人公には普段から慇懃に接しているはずなのに唐突に友達口調になったり、女扱いされるのを嫌っているのにいきなりてよだわ喋りになったり、正規軍人でモンスターとの戦闘には慣れているという設定なのにザコモンスターを見て大袈裟に悲鳴を上げたりする。ここまで来ると人格破綻者という裏設定でもあるのかと思えるほど。
    • 他の14人は皆性格描写が一貫しているのに、なぜ彼女だけ?
  • ヒロインの中に双子の姉妹がいるが、なぜか姉は17歳で妹は16歳。誕生日の月日は同じだが…。
  • 主人公の「武器を手に取ろうとすると体が拒絶反応を起こす特異体質」という伏線は投げっぱなしで終わる
    • 「戦闘には参加せず指揮だけ行う」という説明付けではあるが、プロローグ以外では中盤で2回ほど触れられるのみで、それっきり。
    • 彼にはもう1つ特異な体質があり、そちらの真相は最終面できちんと明かされているのだが…。
  • タイトルの「ムーンライトテール」の意味も不明。月をイメージさせる様な要素はまったく出てこない。かない氏演じるキャラが『セー○ームーン』のネタを一度口にする程度。月ネタだったら声優的に『ガ○ダムX』ネタの方が良かったんじゃあ…。
  • 文法や送り仮名の間違い・誤字脱字などが度々出てくるが、声優はその通りに読んでいる。誰も気付かなかったのか、指摘する人がいなかったのか…。
  • 各シナリオには題名が付いているが、内容と全く合っていない題名が幾つもある。
    • 「誇りの報酬」という面は単に金払えと言われるだけだし、「路地裏の少女」に至っては路地裏も少女も出てこない。ルート選択では次のシナリオ名を選ぶ方式なのに、その題名とまるで関係無い話に進まされるとはどうしたことか?
      • タイトルには元ネタがあるものが多い*2いずれにしても内容にはまるで合っていないのだが
    • ついでに言うと、その分岐先に付いても、「どちらに進んでもマップ構成がちょっと違うだけ」という例が度々ある。
      • 特に第6章は7種類も面が用意されているのだが、背景が違うだけで話の展開もテキストもほぼ同一。敵の構成も同じ。分岐させる意味が解らない。
  • そもそもテキストが全体的に稚拙だったり矛盾している部分が多い。
    • 「仲間の仇打ちができると思うとわくわくします」by博愛主義者のシスター
    • あるヒロインと主人公の会話「私は生来目が見えない。知っているはずだろう?」「ああ、知っているよ」…生来なんて初耳なんだが
    • 前述の仲間が犠牲になるシーンにて。「君は僕達を仲間と呼んでくれた。魔族には存在しない言葉、『仲間』…」というセリフがあるのだが……
      • 感動的なシーンのつもりなのかもしれないが、このキャラはこれまで「我々の同朋を殺すな!」と散々発言している。「『同朋』という言葉はあるけれど『仲間』という言葉は無い」という意味だろうか?
      • …と思ったらその直前のシーンで、このキャラの上司2人が「魔族は皆仲間だ」「仲間はいいもんだ」と思いっきり発言している。シナリオライター働け。
    • そしてラスボスの迷ゼリフ。「君は夕飯のサラダからこぼれた野菜クズをいちいち気にするのかい?
      • おそらくは『ジョジョの奇妙な冒険』の「貴様は今まで食ったパンの数を覚えているのか?」*3みたいなセリフを真似たつもりなのだろうが……
+ ギリギリだったりヤバかったりするネタもチラホラと…
  • くの一が仲間になる際のセリフが……。
    • 「皆さん女性ばかりですけど、何をなさってるんですか?売ってないんですか?
    • 「一応くの一なんですけど、そっち方面の修行してないんで…
  • メイドロボは男性慰安用に作られたらしい。
    • 「そういう機能、付いてますよ。いい仕事しますよ~
  • 傭兵のセリフ「守るだけでよその国を攻めない様な妙ちくりんな軍隊、あんたの国ぐらいにしかないわよ」…ライターの思想が混ざっている訳では無い事を祈りたい。
  • 巫女は「真理を求める会」という迷惑宗教に所属しており、しかも教祖の名前が「グルグル様」(空中浮揚もできるという)。本当に大丈夫なのかこのネタ!?
    • …と思いきや「真を求める会」と表記しているイベントもある(声優もそう発言している)。もう何が何だかわからない
+ エンディングについて(ネタバレ注意)
  • エンディングは、真エンド・バッドエンドを含めると16種類あるのだが、バグ・誤字脱字・その他によってマヌケなものばかりとなっている。
    • ボク女→テキストでなぜか「私」と発言している。しかし声優は「ボク」と読んでいる。
      • なお「私」と言う台詞は他にも1個所あるのだが、そちらではボイスも「私」である。あれ…?
    • 巫女→ラスボスの名前を呼び間違える。文脈からしてボイスの指定ミスではなく、台本の時点でそもそも間違えているらしい。
    • 暗殺者→指定ミスによりタイトルコールのボイスが再生される。更に台詞に「大地さえあればどこでも行けるんだから」という誤字が。良い事言ってるっぽいシーンで…。
    • シスター→傭兵と名前を取り違えられる。2回も。更にまたしても指定ミスにより同じボイスが2回続けて再生されてしまう
    • 侍&エルフ→グッドエンド時に表示されるCGと、ギャラリーに登録されるCGが逆になってしまっている。
    • 真エンド→ウチ女のはずのネコ耳が「私」と(ボイスを含めて)発言している。
    • ラスボスとヒロインの会話「お前ならわかるだろう?」「アンタに何がわかるって言うんだい!?」台詞が噛み合っとらん
    • なぜかラスボス撃破後の会話テキストは使い回し。故に口調が合わないキャラも出てくるし、獣人やエルフやメイドロボを攻略しても「人間よ」と呼ばれたりする。

声優の演技などについて

  • 声優はベテランが多い為、演技はバッチリ…と思いきや、やたら声が裏返るキャラや、口調に抑揚の無いキャラが何人も存在する。録音が悪いのか、そういう演技指導でも入っていたのか…。
    • なお、無名(多分)の声優が担当しているメガネ・くの一・侍は揃いも揃って棒読み
      • 特にメガネはメインヒロインの1人で、最初から登場している為台詞も多いというのにヘタ。
      • くの一は呂律が回っていないし、最終面では茫然としているシーンなのにドスの効いた声で喋る*4。特に酷いのがアイテム使用時の「道具はオテロモンランラヨ!!」オンドゥル語ディスカ!?
      • 侍は演技に迫力がまるで無く、その上エンディングで妙な訛りが出る。
      • よりによって3人とも性能は高い。しかしメガネと侍は攻撃時のセリフがいちいち長い為、テンポが悪くなる。ボイス自体はOFFにできるが攻撃モーションは変化しないのでテンポは変わらず。
  • キャラクターデザインの時点での問題なのだが、パッケージ写真を見ればすぐに解る通り15人いるヒロインは基本顔がハンコ。しかも瞳が黒一色の死んだ眼をしている。
    • また立ち絵ではそうでもないのだが、イベントCGはどれも平面的で立体感がまるで無い。
    • どうでも良い事だが戦士も武闘家も獣人も揃ってただのバスケシューズを履いているのは何かの拘りだろうか?

評価点

  • 大勢人が死んだり殺し合ったりしているハードな世界の筈なのに、なぜか主人公達はのほほんとギャグやバカを言い合っている。そういうノリのライトノベル等が好きな人なら、シナリオは楽しめるかもしれない。
  • メモリーカードを持ち寄る事で育てたキャラの対戦を行うこともできる。この戦闘システムで対戦したがる相手がいるかどうかは置いておいて…。
  • 隠しコスチュームを装備させる事で、キャラのグラフィックを変化させられる。戦闘中だけでなく立ち絵も変化する。デザインがキワドイものも多い。胸ポチもあるよ
    • バニー・袴・特撮っぽいスーツなど、全員に10種類ずつ用意されている。とはいえコンプするのには廃人プレイが必要だが……
      • と思ったらゲーム本編には「何度もプレイしていてはあなたはダメになってしまう」というメタ台詞が入っている。全くその通りだ
      • もっともキワドイ格好をさせたとしても、肝心のハンコ顔と死んだ目は変化しないのだが
  • かない氏演じるネコ耳10歳児に『お兄ちゃん大好きだにゃ』と言ってもらいたい」など、あくまでキャラや声優目的でシナリオやゲームバランスは気にしないというならばそれなりに価値は見出せる……かもしれない。
    • ただし、声優の演技自体前述通り玉石混淆であり、キャラクター自体も人にはよるがひどいテキストのせいで魅力を感じづらいのも事実。加えて空気を読まないパロネタや寒く滑ったセリフは避けて通れない訳で……

総評

よくこれで発売できたな。この一言だろう、それはもう色々な意味で。

しかしヒロインごとに最終面を用意する事や、クリア後の新要素など、SIMPLEシリーズである事を考えれば間違いなくボリュームは有る。
ゲームバランスと成長システムという、戦闘ゲームとして肝心な所が欠陥だらけだが、逆を言えばそこさえ何とかなれば、まだ評価は変わっていたかもしれない。



その後の展開

…は別に無い

  • 続編は勿論、後のSIMPLEシリーズに本作のキャラが出演する事もなく、小ネタの登場も確認されていない。
    • ヒロイン15人の内、メガネ・メイドロボ・バカの3人は絵師のサイトで使われていたマスコットキャラを下敷きにしたらしい*5ので、権利問題が絡んでいるのか、それとも単にD3的に触れたくないだけなのか。

+ タグ編集
  • タグ:
  • SRPG
  • D3パブリッシャー
  • SIMPLEシリーズ

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最終更新:2022年12月22日 19:22

*1 最終面に辿り着いた時点で最も好感度が高いキャラによって、最終面とラスボスが丸ごと入れかわる。

*2 なぜか浜田省吾氏の歌のタイトルが4つもある。1つはもじっているが。

*3 吸血鬼(元人間)が「人間を何人食った」と問われて返した時のセリフ。

*4 因みにこの時の声は公式のQ&Aでもネタにされていた。「別の声優の声を間違って再生してないか?」と。

*5 メイドロボは外見がそのまま。メガネとバカは名前と髪の色が同じキャラが確認できる。