本項目で黄金の太陽 開かれし封印(『封印』と略す)と黄金の太陽 失われし時代(『時代』と略す)の両方を解説する。



黄金の太陽 開かれし封印

【おうごんのたいよう ひらかれしふういん】

ジャンル RPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 64MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 キャメロット
発売日 2001年8月1日
定価 4,800円(税別)
配信 【WiiU】バーチャルコンソール:2014年4月3日/702円
判定 良作
黄金の太陽シリーズ
開かれし封印 / 失われし時代 / 漆黒なる夜明け

概要(封印)

  • GBAでは数少ない長編のRPG。
    • GBAとは思えない良質なグラフィックとBGMは高い評価を受けた。
  • エナジー*1は戦闘での攻撃や回復だけでなく、マップでの謎解きなどにも利用出来る。
  • エレメンタルの精霊であるジンは攻撃等に利用出来る他、キャラクターのクラスの決定にも用いられ(それによって利用出来るエナジーも変わる)、とれる戦略などの幅が広い。
  • 一方で、シナリオについては評価出来る内容ではない。

世界観・ストーリー(封印)

舞台となる世界「ウェイアード」には、かつて錬金術という学問が存在した。錬金術は強大な力を持つために封印され、復活の鍵となるエレメンタルスターはアルファ山に収められ、ふもとのハイディア村に住むエナジスト達によって守られていた。
しかし、錬金術を復活させようとする者達によってエレメンタルスターが奪われてしまう。
錬金術の復活を阻止すべく、ロビン達は冒険の旅に出る。

システム(封印)

エナジー

  • 地火風水の4つの属性があり、エナジストはいずれかの属性を持っており、仲間となるキャラクターもそれぞれの属性で一人ずつとなっている。
  • エナジーは戦闘時に使用するだけではなく、大きな柱を動かしたり、人や動物の心を読んでヒントを得るといった謎解き要素にも深く関わる重要な要素となっている。

ジン

  • エレメンタルの精霊。ジンによって固有の能力を持つ。
  • 所持するジンの属性と数によってキャラのクラスが変わり、ステータスや使用できるエナジーが変化する。
  • 複数のジンを使用することで「召喚」という強力な攻撃が行える。
    • 召喚に使われたジンはリカバリ状態になり、一定時間使えない&所持数にカウントされなくなる。
    • クラスが変化→ステータスダウンといったデメリットも存在するため、プレイヤーは召喚を使うタイミングを考える必要が出てくる。
  • 敵の弱点の属性のジンで攻撃して倒すと、アイテムを落とす確率が上がる。レア装備の入手にはジンは欠かせない。
    • 本作で集めたジンは『時代』に引き継ぐことが可能であるが、全てのジンを引き継がなかった場合は次作で入手出来ない召喚が存在する

シナリオ展開

  • 主人公であるロビンとその仲間達4人の目線で描かれていく。
  • シナリオ自体は未完結で、次回作『時代』に続く。

評価点(封印)

エナジーを使った謎解き

  • エナジーを使ったマップ上の謎解きは豊富。困ったら取り敢えずエナジーを使った謎解きを試みる必要がある。
    • それぞれのエナジーが使えそうな場所はプレイを重ねていけば大体分かるようになる。理不尽な謎解きはない。
  • キャラクターは4人で固定であるため、エナジーを使うために、キャラクターを入れ替えなければならない、といったこともない。

ジンを使った戦闘システム

  • ジンをセットすることでキャラクターは強くなるが、セットするジンによってクラスが変わり、使えるエナジーも変わるため、奥深い。
    • 1つのジンは共有は出来ないためバランスを考えてセットする必要がある。中途半端にセットすると弱くなってしまうことも。
    • セットしているジンを使うことで召喚という強力な攻撃が行えるが、システムにあるとおり利用後はパラメータが下がり、不利になる。
      • リカバリーされたジンはターン経過で徐々に回復するが、リカバリーする必要のあるジンが多いとターン数も掛かる。
      • 召喚は同じ属性のジンを複数体使う、というものばかりなので各人に属性のジンを分けておくことで1キャラクターが弱くなることを避けたり、1人に集中させて、他の3人の戦力低下を防いだりといった考えも生まれる。

美麗なグラフィックとBGM

  • 桜庭統氏によるBGMはいずれも評価が高い。
    • 「本当にこれGBA?」と疑いたくなるような凄まじいクオリティのBGMは聞く価値大有り。特に戦闘曲はすべて文句なしで、通常戦闘の曲を聴いて震え上がったプレイヤーは数知れず。
  • GBAとは思えないほどに派手な演出。召喚や特定の武器で発動する必殺技は必見。
    • 召喚されるキャラクターはカッコイイもの、可愛いもの、よくわからないものとバリエーション豊富でデザインも好評。
+ 召喚集
+ 必殺技集
  • 問題点(封印)

    ストーリーの粗が多い

    • 露骨な後付け設定の多用。
      • 土壇場で突然今まで全く言及されていなかった四大属性の相関関係が登場したり、ある遺跡群全体を指す呼称が唐突に登場したりと、実にお粗末。
    • 全体的にテキストが不出来。
      • 稚拙な例え話を多用したり、ほんの数台詞で表せる単純な事実をあえて何行にも及ぶテキストでダラダラと語ったりと、表現が全体的にまわりくどい。というかそれ以前に日本語が変(通称:高橋語)。
        • シナリオは、開発元であるキャメロットの社長・高橋宏之氏自らが担当している。手掛けるゲームシナリオの質の低さでよく槍玉に挙げられるライターとしては、レベルファイブ社長・日野晃博氏(通称:日野脚本)が有名だが、こちらもそれに負けず劣らず(但し、あちらは基本的な文章能力そのものは至ってまともである)。
      • 仲間になるキャラクターは一部を除きほとんどが10代後半のキャラクターなのだが、全体的に言動が幼稚なのでキャラクターに魅力を感じないプレイヤーは多数いる。

    システムでの不便さ

    • 戦闘時にオートターゲットが無く、攻撃対象としていた敵が、攻撃するまでに撃破された場合、行動順が回ってきても自動的に防御される。
      • 雑魚が多数出てきた場合、戦闘を手短に終わらせようとすると、味方の攻撃力や素早さ、そして相手の体力を考慮して、ターゲットを分散させる必要がある。
      • 昔のRPGであれば、このようなシステムのものも多かったが、最近のRPGでは、対象となる敵が倒れていた場合、別の敵を狙うことがもはやデフォルトとなってきており、現代においては不親切と言わざるを得ない。
    • 後半になると、エナジーが直接攻撃や召喚と比べると明らかに弱くなる。
      • ジンを消費する召喚はさておき、折角のエナジーが直接攻撃より弱いのはいかがなものなのだろうか。
      • また、ジンを付けてクラスチェンジが出来ると述べたが、中途半端な性能のクラスが多く、結局使えるクラスを模索すると自由度は高くない。
      • 召喚するとジンがリカバリーになるが、これによってクラスが変わり、使えるエナジーが変わる。クラスによってはがらっとエナジーが変わるので不便。
    • 謎解きではあちこち散々走り回される。ヒントはあっても、ヒントとして体をなしていないものが多い。
      • 特に見た目には通れなさそうなのに普通に通れる部分があって歩いて通れる仕掛けと、1キャラ分の幅ならどんなところでもジャンプして越えられるシステムを利用した仕掛けが凶悪。
        • たまに完全にノーヒントで進まなければならない場所があり、解説なしで完全に謎を解くのは非常に難しい。
    • 謎解きに使用できるエナジーのうち良く使うものとそうでないものの差が著しい。
      • 謎解きに使うエナジーの数が多すぎて、あまり多いとはいえないアイテム欄を圧迫する(アイテムを装備して初めて使えるものが多い)のも不親切。

    総評(封印)

    グラフィックや音楽面もGBAというハードの割に高品質、エナジーという要素を使った戦闘システムなどを使った本格的なRPGである。
    戦闘での演出もかなり凝っており、特に召喚での演出は見事といわざるを得ない。
    しかしながら、折角のジンによるクラスチェンジシステムは、「同属性のジンをひたすらつける」というのが最適解となるバランスになってしまっており、これについての自由度はほとんどない。
    謎解きは豊富だが、使えるエナジーの数自体も多い上、ヒントも少ないため、プレイヤーによっては悩まされることも多く、解説や攻略本なしでは難しい場面もある。
    また、ストーリーは方向性としては悪くないのだが、いかんせんキャラクターの性格付けや、文章については難があり、ストーリー性を重視するプレイヤーにとっては興を削がれる場面が多い。
    後付け設定のようなものも少なからず出てくるため、ストーリーを目的として購入するのはやめた方が良いだろう。
    結論として、GBAで本格的なRPGを楽しみたい、というプレイヤーにとっては演出面も悪くなく、音楽も秀逸であり楽しめるが、ストーリーは期待出来ない作品といったところだろう。


    黄金の太陽 失われし時代

    【おうごんのたいよう うしなわれしとき】

    ジャンル RPG
    対応機種 ゲームボーイアドバンス
    メディア 128MbitROMカートリッジ
    発売元 任天堂
    開発元 キャメロット
    発売日 2002年6月28日
    定価 4,800円(税別)
    配信 【WiiU】バーチャルコンソール:2014年7月23日/702円
    判定 良作

    概要(時代)

    • 封印の続きのストーリーを描いた純粋な続編。
    • 本作では、前作の主人公であるロビンから一転し、道中でも登場していたガルシア一行の視点となり、前作エンディング後の物語となっている。
      • 前作のセーブデータを引き継げる。引き継ぎによってロビン達が加入する際のパラメータに影響があるほか、発生するイベントも存在する。
    • 封印から続いた物語は本作で一応解決を迎える。
      • ゲームシステムとしては大幅な変更はないが追加要素は色々なものが存在する。
    • ストーリーは前作同様に問題点が多い。

    変更点・追加要素

    • 舞台となるのは、前作より外の世界であり、船が登場することで非常に広範囲を移動可能に。
      • なお、前作の街などは訪れることは出来ない。
    • ジンやエナジーが追加
      • ジンは大幅に増加し、クラスの種類、エナジーも増えた。これによって、戦略性の幅は広がった。
      • 特定のアイテムを装備することでつけるクラスも登場した。
    • 召喚も増加
      • 本作では、異なる属性のジンを組み合わせることによる召喚も登場。最終盤に登場する召喚では10匹ものジンを使用するものも。
      • ダメージを与えるだけでなく、様々な効果を持つ召喚も登場(相手の防御を下げる、一定ターン後に追加ダメージなど)。
    • 加工品の登場
      • 特定のアイテムをとある場所で装備品に加工してもらえる。ものによっては強力な武器も出来、攻略に重宝する。
    • 隠しダンジョン、隠しボスといった寄り道要素も追加。
      • 中でも全てのジンを集めると挑戦可能となる隠しダンジョンの隠しボスはラスボスすら凌ぐ凶悪ぶりであり、プレイヤーの間で話題となった。

    評価点(時代)

    ジンやエナジーの増加によるボリュームの増大

    • ジンやエナジーが増えることで、ボリュームが増えた。
      • 前作同様に演出面はかなり秀逸であり、これは本作の追加エナジー等でも同様である。
      • 最終的には前作のキャラクターも加入し、パーティが8人となるため、前作のキャラが好きだったプレイヤーも安心である。

    やり込みの追加

    • 隠しダンジョンや隠しボスといったやり込みが追加し、出来ることが増えた。
    • 本編では登場しない特殊な行動をするボスなども存在し、高い戦略とレベルが要求される。

    問題点(時代)

    システムの不便さ

    • 行ったことのある街へ移動出来る「テレポート」の入手はなんとラストダンジョン。本作は世界が広大なだけにテレポートが最後の最後まで入手出来ないのは不便。
      • 途中で手に入る空飛ぶ船も、移動手段としては微妙*2
      • 一方、「新たなジンやエナジー」を以前の街で使うことで手に入るアイテムやジンが多いため、手間が掛かる。移動手段さえあれば、このような点はやり込み要素として良い点になるのだが。
      • 加工品が作れる街も限られており、後半になると加工のために戻るのも面倒。
    • その他、前作でのシステムの不便な点はほとんど改善されていない。

    相変わらずのストーリーの粗

    • 本作をクリアしても未消化な点が残る。
      • 『封印』から暗躍し続けていたある人物が最終的に生死不明。
      • 主要キャラに出生不明な人物がおり、本人はその謎を解くために一行に加わるのだが、結局明かされないまま。
        • 未確定だが、答えを示唆するような箇所はある。
    • とある人物が最終決戦において、物語の根幹に関わる極めて重大な事実を何の脈絡もなく看破している。
    • 主要キャラクターの性格が変わる。
      • 特に『封印』の主人公ロビン。しゃべらないキャラだったのに本作ではよく喋る*3一方本作の主人公ガルシアは、前作ではしゃべっていたのに主人公になった途端無口になるので結構不自然(ちなみにEDでは再びしゃべり始める)。
        • 主人公がしゃべらないというのはRPGではよくあることなのだが、その作りの作品で主人公交代を行った結果このような不自然な現象が発生してしまった*4

    引き継ぎの面倒臭さ

    • 『封印』からのデータの引き継ぎ方法は、ケーブル通信とパスワードの二つであるが……
      • パスワードが非常に長い。引き継ぎ出来る要素によってパスワードの長さが3段階あるのだが、全て引き継ぐ場合にはなんと、260文字のパスワードを入力することになる*5
        • 当然、1文字でも間違うとエラーとなる。
      • ケーブル通信を使う場合はGBA本体が2個必要になるが、そもそも携帯ゲーム機が2個あるというケースは稀だと思われるため、多くのプレイヤーはパスワード入力に泣かされることとなった。

    総評(時代)

    『封印』を更にボリュームアップした完結編ということで、前作を楽しめたプレイヤーであれば本作も楽しめる内容となっている。
    しかしながら、逆に前作での問題点は本作でもほとんど改善はされておらず、特にキャラクターの性格が『封印』と本作で違うのがストーリー面では致命的となっている。
    また、純粋な続編である、といった点から前作未プレイではストーリーを楽しむことは難しいため、プレイするならば前作からのプレイが望ましいだろう。
    ストーリーには期待しない、という場合でも隠し要素の一つは前作のジンを全て集めてデータ引き継ぎをすることが求められるため、やはり前作をプレイしないと本作を楽しめない。

    その後の展開

    • 2010年10月に待望の新作『黄金の太陽 漆黒なる夜明け』が発売されたが、評判は悪い。
      • 国内はおろか、前作は2作品とも50万本以上売れ国内以上にシリーズファンが多い海外ですら売上が10万本を割ったため今後の続編は絶望的だと思われる。

    余談

    • ある人物の「そうよな」という発言が誤植ネタとして知れ渡り、ファンの間では高橋語を代表する台詞として扱われている。
      • 念のために言っておくが「~よな」は辞典にも載っているれっきとした日本語の言いまわしであり、決して誤植ではない。現在でも一部で誤植としてネタにされているが、誤った情報を真に受けて恥をかかないように注意していただきたい。
        • とはいえ古風な言い回しであり、当該人物の普段の口調からすれば「そうだな」とでも言わせた方が自然であるため、誤植なのか高橋の独特な言語センスの賜物なのか、判断が分かれるところである。
    • いくつかの地名は実在のものをもじっている。
    • 2作ともジンについての解説をしてくれるキャラがいるのだが、特定のコマンドを入力すると京都弁で喋る。任天堂本社が京都府にあることから派生したネタと思われる。
    • 本作発表時期にある宗教団体が「太陽の法」というアニメ映画を上映し、その続編が「黄金の法」だったので、もちろん全く関係ないのだが関連作品と勘違いされることが多々あった。