太閤立志伝V

【たいこうりっしでんふぁいぶ】

ジャンル シミュレーション

対応機種 Windows 98~XP
プレイステーション2
プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 コーエー
発売日 【Win】2004年3月12日
【PS2】2004年8月26日
【PSP】2009年9月17日
定価 9,800円/【PSP】5,040円
レーティング CERO:12歳以上対象
廉価版 KOEI the Best
【Win】2005年8月26日/3,800円
【PS2】2006年1月19日/2,940円
コーエー定番シリーズ
【PS2】2010年1月21日/1,575円
判定 良作
リコエイションゲームシリーズ


概要

信長の野望』シリーズのスピンオフ作品とも言える、豊臣秀吉の人生を追体験する『太閤立志伝』シリーズの5作目。

初代『太閤立志伝』は荒削りだったもののその独特な雰囲気で今も最高傑作と言うプレイヤーも多い。
また、『II』は初代で登場しなかった地方や武将の追加、他家でのプレイ等追加要素を取り込んだ正統進化だった。
このように、『信長の野望』をプレイしたプレイヤーも馴染めないプレイヤーも楽しめる傑作であった。
しかし『III』では大幅な自由度の低下により著しく評判を落としてしまった。
前作『IV』で自由性の高さを生かす内容に再び軌道修正されたため評価を幾分持ち直した。
しかし、『IV』においてもカードゲームによる戦闘など評判の悪い要素もあった。
他に、シリーズでは初めてすべての武将を最終的に選択できるようになる点については好評だった。
が、イベントが大半の武将には存在しないため結局単調になってしまうという問題があった。
しかし、この『V』では『IV』における問題点がある程度解消され、様々な追加要素によりやりこみ要素の強い良作となっている。


特徴

  • 武士だけではなく、商人・忍者・海賊という立場からの主人公を選ぶことができ、それ様々なエンディングも異なり、用意されている。
    • 主人公を選択するにはゲームに親しくなるか、条件を満たすと貰える主人公札を獲得すると主人公として選択できるようになる。
  • 技能
    • 登場人物たちは技能と呼ばれる能力が身についており、技能の高さは5段階で表示されている。技能は親しい人物に教えて貰ったり、施設で訓練することで強化できる。技能を強化すると札を入手でき、イベントや仕事で有効に作用する。
  • 名声と悪名
    • 良い行動を取ると名声が上がり、辻斬りなどの行為をする悪名が上がる。
    • 人物によっては最初から名声や悪名がかなり高い者もいる。
  • 戦闘
    • 個人戦
      • 刀剣・槍・苦無・鎖鎌・弓・火縄銃を装備して戦闘をするモード。技能に応じて、札の能力を使用できる。
    • 合戦
      • 攻城戦と野戦がある。野戦はオードソックスなSRPGであり、スキップ不可である。
  • 人物
    • 武士・商人・海賊・忍者の他に医者や登場人物には個々人に好みや主義が設定されており、贈り物や茶会によって親密度をあげることができる。ただし、武具や剣を好む武断系の 人物は茶会が好きでないことも多く上がりにくい。好みは最初は分からないが、親しい人間に人物の噂を聞けば教えてくれる。
    • 体力制を取っており、最大値は全員100である。一日の作業で1減る。50を切ると病気となり、能力が低くなったり、修行ができない。
  • 名所
    • 全国に存在する富士山や松島、神社などの名所。道から外れた所にある場合が多く、街道を行き来しているだけではコンプリートは難しい。また名所で瞑想することで奥義を開眼したり、コンシューマ版では義経や将門と対決できる。
  • 貴重品
    • 商人から購入する物品。刀や槍といった武器から、掛け軸・書物といった芸術品が置いてある。
    • 貴重品の説明から戦国時代のちょっとした小話が聞ける。
    • 海外を除く全ての町に米屋・馬屋・酒場・宿屋・民家・座がある。(ただし京の町は馬屋・宿屋がない)道場・商家・寺などは一定で配置されている。
    • 米屋・馬屋
      • 馬と米の売買を行うところ。ただし、忍者と海賊はなぜか米の売却ができず購入のみ。
    • 酒場
      • 酒を飲んだり買ったり、博打をすることが可能。他にも用心棒を雇ったり、仕事をしたりすることもできる。
    • 宿屋
      • 体力回復できる。また、一定の宿場に結婚が可能な宿娘がいる。
    • 医師宅
      • 薬を買ったり、治療してもらう。医術技能を上げられる。
    • 寺・南蛮寺
      • 寺は礼法、南蛮寺は開墾を修業できる。寺に寄付すると悪名が減り、南蛮寺に寄付すると運が良くなる事がある。寺では書物の鑑定も行える。
    • 商家・南蛮商館
      • 貴重品の売買をする場所。主の好感度を上げないと価値が高い物は売ってくれない(商品一覧に出てこない)。他に商家では鉄砲の購入や算術の修業が、南蛮商館では大筒の購入(ただし南蛮寺で宣教師と仲良くなり紹介状を貰っておく必要あり)や南蛮物の鑑定ができる。浪人ならば商家に弟子入りして商人になることもできる
      • 味噌や醤油といった食料品や茶などの高級品などを購入できる。仕事をしたりすることもできる。上手く行けば浪人でも資金を稼ぐことが可能。
    • 民家
      • この町に住む住人の家。主に商人や浪人であり親密度を上げると勧誘できることも。
    • 道場
      • 武芸技能を鍛える。また武具や馬の鑑定を行えたり、有名な武芸者の道場ならば弟子入りもできる。
    • 茶人宅
      • 茶器の購入や茶道の修業ができる。また茶器の鑑定も行える。
    • 鍛冶屋
      • 鉄砲や大筒を購入できる。ただし製造に日数がかかるためすぐには受け取れず日数経過後再訪する必要がある。鉄砲の修業もできる。仕事もでき、座や酒場と比べて報酬は少ないが、武器製作に必要な経験を得られる。
    • 職人宅
      • 職人に芸術品の制作を依頼できる。芸術品などの鑑定も行える。
  • その他
    • 行商人
      • 接触すると品物(美術品から武器、馬まである)を買わないかと持ちかけてくる。ガラクタの場合もあれば本物の名品の場合もあり、それぞれの専門家に鑑定してもらうか、自力で鑑定するまで正体はわからない。

評価点

  • 高い自由度の戦国シミュレーション
  • 主命をこなしたり、技能を高めたり、辻斬りに精を出したり、座の仕事で路銀稼ぎと何をしてもよい、という自由度の高いゲーム。個人視点で戦国時代を見ることができる。
    • 主命に対しても、「交易で稼いだ軍資金を、最高評価を得られる最低額だけ献上して残りは着服」「情報収集や破壊工作は自分でやらずに忍者衆に依頼する」「ポケットマネーに物を言わせてさっさと兵糧を調達する」など様々なアプローチがあり、これまた自由度を高める要因になっている。
    • 領地に縛られない拠点移動も魅力。例えば武将プレイでは、ゲーム開始後かなり早いうちから、北は伊達から南は島津まで集めた家臣団を結成するといったこともできる。
    • また辻斬りや裏切りなど悪人プレイといったこともでき、それにより得られる闇の称号も存在する。
  • 前作に続き条件を満たす事ですべての武将が選択できるようになる(操作可能人数800人以上)。さらに武士以外の生き方が選択できるようになりさらに自由な生き方が出来るようになった。
    • 前作では風魔小太郎など、一部の武将の札は正規の手段で入手する事は出来なかったが、本作では難易度は高い武将はいるもののすべての武将の札を入手可能となった。
    • 一応前作でも忍者、商人プレイが可能であったが脇道扱いでありやはり自由度が低かった。しかし今作ではどの勢力に関してもそれぞれ個性や特徴が異なるのでより様々な方向で楽しめるようになった。
      • エンディング内容も増え、比較的簡単に条件を満たせるミニエンディングも存在するためにあまりやり込みに馴染めないプレイヤーにも取っ付き易くなった。
      • 武将エンドも「すぐに滅びる」「200年の太平」など複数のパターンがある。
    • もっとも、操作可能武将に関しては武将の札を入手しなければ選択できず(後述)、生き方次第ではかなりイベント類が少なく単調なプレイになる問題はある。
  • 本業に加えて副業を行うことが出来るなど、一度にやれることが増えた。
    • 相良家に仕えながら剣豪として独自の流派を興している丸目長恵といった再現もなされている。
    • MMOよろしく武器や茶器を作ったり独自の流派を興したり*1医者となって病に苦しむ人々に間違った薬を高額で売りつけ…もとい金銀を取らずに適切な治療すると言ったことも行える。
    • 副業で様々な交友が行えることも魅力。これから登用する予定の武将や自家の武将に対して、医者として治療を施したり、剣豪として手合わせをして片っ端から弟子にすることも可能*2
    • 副業に関してもエンディングがあるために副業のみのプレイでもしっかりと楽しむことが可能。
  • 従来作より武将数もシナリオも増加し、やりこみ要素が強い。
    • 武将数が多い割に、会話のパターンは豊富「親子」「兄弟」「主従」「弟子と師匠」などで口調が変わるという細かい作り込みである。
  • 40人の新武将(自分で作成した武将)を追加可能。新武将の作成に関しても選べるパーツが大幅に増えた。
    • 人物の札の入手によってパーツが増えるためにパーツを集める楽しみもある。
  • イベントが大幅に追加され、そこそこマイナーな武将でも普通にプレイしているぶんにはイベントに絡むことが多い。
    • 特に、史実における勝者サイドでプレイされやすい著名な合戦イベントには、ほぼ必ず敗者サイドプレイでも挑める。中には敗者サイドプレイ限定の戦前・戦後イベントもある。
    • 「大阪冬の陣・夏の陣」と行った秀吉主人公ならではのシナリオから、家康に勝利するIFなどもある。しかも、史実では1614年に起こった戦争だが、1598年開始でもすぐにシナリオが始まるので、待つことは少ない。
    • それでも足りないという層向けにイベントコンバータが配信。なんと自分で作中イベントが製作できてしまうという優れもの。その存在ゆえに、太閤立志伝はこれが完成形という意見も。
    • PS2/PSP版にはイベントコンバータが存在しない。その代わりWin版に比べ、主人公として選択可能な人物が60人、シナリオが2本、それらに対応したイベントなどの追加・変更点がある。個人戦での技の追加や性能変更もあり、高性能すぎた「無刀取り」は必要気力を増すことなどで若干改善された。
      • ただし、Win版の時点で多くのプレイヤーのトラウマになったであろう、「剣聖」上泉信綱と奥義「転」(まろばし)*3は、何故かさらに強化されている。
  • 新武将も含め、ゲーム中に登場するほぼ全ての女性(酒場の女将や町人女は除く)と結婚が出来る。
    • 同メーカーの『大航海時代IV PORTO ESTADO』からのゲストキャラであるリル・アーゴットとすらも結婚出来てしまう。
      • ただし、リルの場合はかなり複雑な手順を踏まないといけないが。
    • 秀吉プレイでもねねと婚約後、結婚するまでのわずかな期間の間にその辺の宿娘と結婚した場合、怒り狂ったねねにボコボコにされ、前田利家に絶交されるという隠しイベントが用意されており、妙な所で作り込みが細かい。
  • 降伏勧告が受け入れられやすい。
    • 後述の城攻めの作業感はあるが、小さな勢力であれば「従属」を提案すればすぐに受け入れるので、一々攻める必要はなくなる。
  • 技能が全16種類と大幅に増えた。
    • 能力の低い武将も技能次第で天下も狙える戦国大名に変化させることもできる。
    • 配下の部下に技能を覚えさせて、育てる育成要素も癖になる面白さがある。
  • 交易
    • 当時の物資や資源、食品などが再現されており、戦国時代の生活環境を知ることができる。
    • 条件を満たせば琉球・呂宋・明・朝鮮に交易ができるようになる。
  • 戦場
    • 戦場はオードソックスなターン制のSRPG。合戦札を上手く利用すれば弱兵でも武田、島津と言った強者でも勝利することができる。詰将棋的な楽しみがある。

賛否両論点

  • 多くの武将のグラフィックは『信長の野望 嵐世記』~『天下創世』に登場する武将の顔グラフィックを流用ないし加工したものとなっている。
    • しかし元となった作品にバストアップの絵が存在していないため、一部の武将は顔と体のバランスがおかしかったり衣装に違和感を感じられるものも存在する。
    • もっとも『III』~『IV』の時は戦国物のゲームでありながら少女漫画風の柔らかいタッチであった為に評判が芳しくなく、スピンオフ元の渋いタッチに戻った事を歓迎する声もある。
      • また、シリーズを通しての仕様であるが、一部の武将は身分に応じてグラフィックが変わる為、出世して威厳を纏ったNPCの秀吉を追放したら爽やかな足軽少年に戻るといったネタ的な要素も存在する。
  • 城同士の兵站
    • 基本的に城同士なら兵站、輸送という概念が無く、兵糧や馬、兵士、銃などは例え東北から九州に送る時でも一瞬で送る事が可能。
    • ぬるいという意見もあれば、面倒な輸送を考えなくて良いと賛否が分かれる。

問題点

ゲーム面

  • 最初はオススメキャラの5人しか選べずお気に入りの人物をプレイ出来るようになるのには時間がかかる。
    • 主人公札を入手するには親密度を上げるのが基本。その親愛度上げも好みを調べて、贈り物をするという手間。しかも一ヶ月一回しか送れない仕様である。
    • なお、作成キャラでプレイしたい場合は、ゲームをセーブすれば主人公キャラが所持している札が「札一覧」に登録されると言う仕様の為、「おすすめ」での5人の主人公で「ゲーム開始後すぐセーブして終了」を全員分繰り返せば、新武将作成に必要な札数があっさりと貯まる。
    • タイトル面で主人公として扱われている木下藤吉郎(武士)でのプレイはクリアまでの時間が最も長く、このゲームの殆どの要素に関わるためにクリアする頃には燃え尽きてしまい、他の武将のプレイの際は目標などを自分で決めていかないと単調になってしまいがちになることも。
      • 過去作から課題とされていた秀吉の生涯の再現が今まで以上に難しく、最初のプレイで完全に関連イベントを起こしていくのはほぼ不可能。さらに城主や大名になるとイベント以外はほぼ城攻めの連続となり作業感がますことに(城攻め等に関しては後述)。
    • 一方で手慣れたプレイヤーが順調にイベントを消化していった場合、福島正則や加藤清正、石田三成といったイベントで加入する武将の年齢が1ケタになってしまうことも。猛将らしい髭面のグラフィックが与えられた福島正則の年齢に3歳などと表示されているのは極めてシュール。

イベント

  • 基本的なテキストや一部の歴史イベントの内容は完全に前作の流用
    • それまではシリーズを通して台詞の流用は一切なかった分、セリフ回しなどの流用が気になるところ。
    • イベントのフラグが少々難しく、ヒントもない。相手の戦略次第ではフラグ消滅になることもある。
  • 1598年シナリオで開始すると、数か月で関ヶ原の戦いが発生し、その更に数か月後には大阪の陣が発生という、史実と比較すると異様な速度で歴史イベントが発生する。
    • 史実で大阪の陣が発生した1614年まで16年間も待っていられないのでゲーム的には仕方のないことなのだが、この展開のせいで史実では大阪の陣までに死亡しているはずの豊臣家所属の武将が当然のように出陣してくる。
  • 新武将の登録可能人数が『信長の野望』シリーズや『三國志』シリーズに比べて少ない。
  • 仕事の勲功値が少ない
    • 概ねの仕事は100~200前後であり、出世するには10数回仕事をすることになる。武士は戦場での働きがあるのでまだ良いが、商人や海賊などは商人争いなども余り勲功が貰えず、出世するまで根気が必要である。
      • 特に序盤では馬購入などの能吏的な仕事しかなく、武断系の武将は活躍しにくい。
    • 大名プレイでも下の身分だと碌な仕事がなく、出世させにくい。加えて後述の兵士制限もある。
  • 忍者・海賊
    • 兵糧の売買ができず、資金不足に陥りやすい。
  • 勧誘が手間。
    • 勧誘する際友好度をマックスまで上げても、成功しないことが多い。特に職業が違うと断られる可能性が高い。
  • 悪名
    • 悪人プレイをしているとデメリットが多い。唯一のメリットの盗賊が逃げるのも武術の達人系の称号を獲得すれば変わらない。
  • 基本的にどの職業でも、エンディング到達までの難易度が低い。特にメインとなる武士プレイは、天下統一のみを目標とした場合、城主に就任した時点で、後は延々出陣を繰り返すだけの作業ゲーとなってしまう。
    • しかも、大名の居住する城に攻めても最後の一城まで追いつめないと「降伏」の交渉ができないのが拍車をかけている。
    • もっとも、本作の売りは自由度の高さにあるので、そんな単調な道を歩むかどうかはプレイヤーの工夫とプレイスタイル次第なのだが。
      • 元々難易度の低めなシリーズで、それが信長の野望シリーズに馴染めないプレイヤーにとって取っ付きやすい作品として受け入れられる面もあるので欠点とも言い切れないが…。
  • 個人戦の武器に格差があり圧倒的に刀が有利である。
    • もともと攻撃力が高く最強クラスの銘刀が後述の様に簡単に入手可能、秘技の数も多く欠点の遠距離もカバーできるのでスキがない。また、苦無もコンシューマ版であれば清洲の町で強力な物が購入でき、移動後に攻撃が毎回行えるので武力が低い武将なら護身用として活用できる、秘技の大半が忍者でなければ覚えられないのが欠点だが…。
    • 槍と鎖鎌に関してはややイマイチな感が否めない。どちらも弟子や忍者にならなければ秘技のほとんどが入手できず遠距離の攻撃は行えない上に秘技自体も少ない。おまけに大半の強力武器が所持者が決まっており個人で入手するのも困難*4
    • 弓と鉄砲は完全な地雷。一応、合戦でも使用するために完全な無駄ではないものの、どちらも攻撃後に防御しかできない硬直状態になってしまうために個人戦、特に複数人で襲ってくる山賊や海賊との戦いではかなり不利になる。また他の武器と違い道場等が存在しないために強力な秘技の習得も困難。
    • コンシューマー版の追加札の1つである「大盤振る舞い」が極めて強力。個人戦でお金を投げて相手をおびき寄せる「銭投げ」の強化版なのだが、物欲の低い武将にもかなりの確率で効いてしまう。山賊相手なら敵を遠ざけることで弓や鉄砲でも安全に戦うことができ、上手く使えば最強クラスの剣豪ですら完封できてしまうので、「天覧試合で金をばら撒き、釣られた剣豪を滅多切りにして勝利」という酷い光景が繰り広げられることも。
  • 理不尽な忍者の襲撃
    • 主人公が武士で名声が一定以上で、敵対する大名家が忍者衆を従えていると、町に入った時に行き倒れの旅人に助けを求められる事がある。助けると「お礼をしたいのでこちらにいらしてください」と言われる事があり、すると旅人は忍者の変装で、襲われて個人戦に突入する。負ければゲームオーバー、勝っても逆切れした忍者に恨まれてしまう。
      • お礼を断るという選択肢も出ず、「お礼をしたい」と言われたが最後、強制的に忍者にホイホイついて行かされてしまう。助けを求められた時に見捨てる選択肢を選べば安全だが、本物の旅人も同様に助けを求めてくるため後味が悪い。しかもこちらの智謀や忍術レベルがどんなに高くても本物の旅人と変装した忍者を見分ける事はできない。
    • 上記と同様の条件に加えて主人公が城主以上だと、自拠点の城主の間(=自宅)に入ると天井裏から物音がする事があり、「何者だ!出て来い!」「よくぞ見破った。かくなる上はお命頂戴!」というやりとりの後、忍者に襲われてしまう。やはり負ければゲームオーバーであり、自宅ですら安心できない。しかもやはり選択肢は出ず、気づかないふりをしつつこっそり兵を呼ぶといった事はできない。
      • 自家も忍者衆を従えていれば味方の忍者が現れて敵の忍者を追い払ってくれるが、どうにかして忍者衆を味方につけるまでは評定を開くのも命がけである。武力が低く名声が高く開始時から毛利家(外聞衆を従える)と敵対している大内義長あたりだと、自宅に入る前にセーブ必須。
  • どのハードにしろ初期段階では異様にバグが多かった*5。Win版はパッチによって、PS2に関してはベスト版で対処が行われてはいる。
    • Win版については、パッチをあてたものを廉価版として発売している。PS2/PS2廉価版~PSP/PSP廉価版は、過程でバグの修正度が行きつ戻りつしており、最後に販売されたPSPベスト版が最も改善されたバージョンとは言えない模様である。
  • 商人プレイの一部チュートリアルが不快
    • 吾作という青年が病気の祖父母に伊勢海老や鮨、備前焼やビードロをあげたいと訪ねてくる。これらをこなすと勲功が貰えるのだが……
      + ネタバレ 実は病気の祖父母にあげるというのは嘘八百であり、すべて 愛人に貢ぐため であった。勲功が大きく増えるとはいえ何十万貫も投資し苦労して外交文書を手に入れるハメになった主人公の負担は数知れない。もう少しマシなシナリオにはできなかったのだろうか。

内政

  • 育成や一部の仕事をミニゲーム(16種類)によって行わなければいけない。前作でこの形式になってから不満が多かったにもかかわらずである。省略も出来るが、その場合結果が低めになってしまう。
    • ただし、多くのミニゲームは難易度が高くなく短時間で済むためこの形式のほうがお手軽というプレイヤーもおり、ミニゲームごとの人気・不人気はかなり分かれている。
      • 前作では限られた手数でお茶くみ人形を正確にゴールに導かなければならない「茶道」や双六ゆえにクリアできるかは運ゲーだった「軍略」といった難易度が高いミニゲームが少なくなかった。
    • その為、「重力が働く四川省風パズルゲーム(軍学)」や「ブロック崩しである破壊」等の手軽に遊べる内容に変更されたのは大きい。
      • 単純に選択肢のリロードを繰り返してランダムの好結果を得ようとする確率選定作業や詰めプレイよりは、ステータスがゲーム難度に反映されて変化するミニゲームによるほうが、ゲームプレイと結果の脈絡としては優れているとも言える。
      • PS2/PSP版では3種類のミニゲームで仕様変更(別のゲームと差替)されて総体的に難易度が落ちた一方、PSP版では画面比率の違いによって異常に難易度が高くなったミニゲームもごく少数ながらある。

UIの悪さ

  • 部下の作業の振り分けは自動で行えるが、必ず失敗する病人にも振ってしまう。
  • 「修行」は失敗することが多く、「長期修行」でないと成功しないのに関わらず、振ってしまう。
  • 拠点移動
    • 拠点移動の際に移動先に資金がないと、信頼度の低い武将達が出奔してしまう。
  • 城主
    • 城主に任命すると、配下は5人までしか送れない*6。援軍要求の際に仕事をしてると、援軍の司令官が名も無きモブになることも結構ある。
    • また、委任した城内の物資は変化させられない。そのため援軍の際に兵糧不足で援軍を断られることがよくある。「物資が足らないので分けてください」的なことも言ってこない。
    • 城主の配下の武将は勲功が上がっても出世させれない。

戦争

  • 攻込名分の面倒くささ
    • 武士プレイ時に他家に戦を仕掛ける際は攻込名分が必要となり、攻込名分を無視して戦を仕掛けると悪名が上がってしまう。
      その為に外交で「宣戦布告」を行うことが出来るのだが、これは相手に攻込名分を与えるコマンドである為、宣戦後に相手から攻撃を受けるまでは自家の攻込名分が存在しないという面倒なものとなっている。
    • しかも、謀叛での独立でさえ「名分がない」と言われる理不尽なことも起こる。
    • 結果、宣戦布告を行った後に攻め込むと大義無しとして悪名が上がってしまう為、宣戦布告をした後に相手に殴られるまで待たなげればならない
    • その他、朝廷に掛け合って「治罰綸旨」を行って攻込名分を得る事も出来るが、相手大名よりも高い朝廷貢献度が必要となる。
    • 結局のところは攻込名分を無視して戦をしかけ、上昇した悪名を寺に寄付を行って下げるのが最も手軽な手段となり、プレイの足枷にしかなっていない。
  • 水軍技能
    • 海賊以外は水上だとWin版では移動力にかかわらず1ターンに1マスずつしか移動できず、コンシューマー版では水軍技能が高ければある程度は動けるが水軍技能が低いと移動すらできない。そのため多くの戦場のフィールドで水軍技能がないと非常に遠回りしなければならず、ゲームの長期化に繋がることがある。それに対して、多くの武将が水軍技能を持っておらず水軍技能をいちいち教えなくてはならない。
    • そもそも川でも水軍技能が必要になる、というよく分からない仕様である。
  • 兵士
    • 城は一律5万人までしか保持できない。小田原城や大阪城でも小城でも同じ5万人という違和感を覚える設定にされている。
    • 戦闘参加できるのは攻撃側が自軍(2万)、援軍が3部隊まで(それぞれ2万ずつ)で最大8万人、守備側が主軍と援軍1部隊までで最大4万人で総計でも12万人。20万人以上が参加した小田原攻めや大坂冬の陣・夏の陣などは再現されてない。
  • 攻城戦
    • 1つの勢力から1つの軍団しか援軍を要請できず、複数の援軍を求めるには、同盟を結んでいる他の勢力から頼まなくてはならない。さらに軍団を作れるのは1つの城から最大5つのみ。同時に5つの城しか攻撃できない。前述のゲームプレイの長期化の原因でもある。
    • しかも出撃中は拠点移動できないという足かせもある。
    • 一つの城から2つの軍団を出すことは可能だが、援軍という形でないと、撤退してしまう。
    • また攻める側の援軍は少数でも送ってくるので、すぐに撤退する事がしばしば起こる。
    • 城攻めは野戦と違い、フィールドが固定されており飽きやすい。しかも壁に対して兵がダメージを与えるだけの作業でおまけに壁が固い。また増築しても塀が増えるだけで各城の差別化もあまり出来ていない。
    • さらに弓の名手がいると非常に厄介で、どんどんと特技で戦力が削られる上に、門に取り付かず後方に下がっていても飛んで来るので対抗処置がない。
    • また守りもほぼ手立てが無く、壁が壊されると陥落となる。援軍を待つだけぐらいしかできない。
    • 一応早送りできるが、もうちょっと野戦のような戦略性があっても良かったのではという声がある。
    • 攻城戦では士気が奪いやすい。
      • 野戦では敵に隣接しなければ「恫喝」などの士気低下系を使えないが、攻城戦なら自部隊と同じ門の近くにいる敵全てを対象にできるため一部隊を集中攻撃し易く、さらにWin版では野戦だと特技を1戦につき1種1回ずつしか使えないのに対し攻城戦だと同じ特技を何度もコスト1で使えるため、恫喝し続けるだけで敵軍はたやすく崩壊してスムーズに降伏勧告に持ち運べる。さらに上級の弁舌技能である威圧ともなれば効果は圧倒的。
    • 城攻め最中に他の勢力に自勢力の城を攻められても一旦退却してから援軍に向かうぐらいしかできない。味方に要請して敵攻城軍を倒してもらうことができるのは自分が籠城している時だけである。
    • 攻城戦の多くがモブになりがち。前述の通り、城主になるにはかなりの武士勲功が必要であり、それは敵サイドも同じである。多くの城主がモブだらけでモチベーションも下がる。
    • 敵から城を攻められた際は迎撃軍も出せず、 強制的 に攻城戦となる。少ない人数ならとっとと追い払いたいものである。
  • 野戦
    • フィールドが少なく、飽きやすい。
    • 直接攻撃をすると敵部隊に反撃されるのだが、反撃のダメージがかなり大きく、与えたダメージ以上のダメージを受けることもしばしばある。このせいで直接攻撃しかできない騎馬隊は非常に使いづらい。
    • 山のフィールドは歩兵だと非常に動きが遅く、戦場場面の時間が余計に掛かってストレスが溜まる。
    • 前述のとおり、川や海のフィールドは水軍技能がないと非常に動きが遅い。
  • 海賊と忍者
    • どちらも一大勢力であり、1万~3万の兵士が居て大名クラスかそれ上に軍事力があるためリアリティに欠ける。
    • 海賊と忍者からは大名を攻められるが、武士からだとイベント以外で攻められないのが厄介。
    • しかも忍者に至っては日本中どこでも援軍に来られるというとんでもない仕様であり、領土もクソもない。
  • AIが無能
    • 主君のAIは評定でしか攻めたり、守らない。そのためその間に攻められると、何もしない。
    • 敵も無能。まず、総司令はコンシューマー版だと後方で待機するだけで、奥に引っ込む。また、援軍では数で勝る場合があるのに関わらず城に引っ込むことがある。

その他

  • 忍者の報告が多い
    • 「簡易」の設定にしても多くテンポを悪くしている。例えば東北で主人公をプレイしていて、「九州の小大名が滅亡した」などのどうでもいいニュースをしらせて来る。
  • 不可解な能力値
    • 今作に限らないが、能力値に不満を持つユーザーも多い。特に大阪冬の陣・夏の陣に参戦した武将は軒並み低く、「後藤又兵衛統率51」「毛利勝永統率47」など凡将レベルの評価であり、疑問を覚える。

総評

『IV』の要素を見直して大幅に肉付けを行いまさに「万の道で天下に己を知らしめる」事が目的のゲームとなっている。やりようによっては一度も戦争や戦闘を行わずにゲームをクリアする事すら出来る。
とにかく出来る事が多い為、いろいろな人物でイベントを楽しんだり、何度も繰り返しプレイしながら様々な生き方を楽しむ事が出来る。また、Win版ではイベントコンバーターの存在により更に思いのままの戦国を楽しむことも可能である。
『信長の野望』シリーズや『三國志』シリーズにも個人プレイが可能な作品は数多くあるが、本作を超える自由度を持つ作品はなく、屈指の人気を誇っている。
2004年発売の本作品の後はシリーズ続編が出ていないが、新作を願う声も少なくない。


余談

本作品で人気の武将

  • 足利義氏
    • 小田原の町を拠点とする浪人。本人の能力値が低い*7のに対して、高性能な刀剣「村雨*8」を所持しているため、放浪中に襲撃してその武器を強奪したプレイヤーは多い。
      • 村雨を没収された後は恨まれるので所々で襲われるのだが、元の能力がアレである為、脅威にもならずにひたすら撃退され続けるという憂き目にあう*9
      • 分不相応の武器を持って毎回のように奪われるサマはアイスソードを持つ某剣士の如くネタにされ続けている。
      • 史実では最後の古河公方(室町幕府の名門)だったが、彼の時代には既に実権は無く、北条家の傀儡として軟禁状態に置かれていた人物である。しかしこの作品では北条家と絡んでおらず、足利家の人物としての演出が僅かに盛り込まれるに留まる。基本どの職業にもつかない設定になっている。また、かなり困難な道だが彼を大名にして全国統一すると専用エンディングが見られる。
      • なお、史実の義氏は傀儡のまま没して足利家は一度断絶するが、後に秀吉の援助を受けて再興。江戸時代には5000石の領地ながら10万石相当の格式を持つ大名として扱われ、それどころか徳川将軍家との主従関係すら曖昧という極めて特殊な立場のまま明治維新を迎えた。
      • 村雨は江戸時代に書かれた「南総里見八犬伝」に、関東足利家に伝わっていたという設定で登場する創作の名刀。作中で最終的に足利成氏(義氏の高祖父=祖父の祖父)に返還される。
  • 安井道頓
    • 石山(大坂)の町を拠点とする浪人。建築と弁舌がレベル4な上、滅多に就職せず親密になりやすいうえ、寿命も長くすべてのシナリオに登場するため、これらの修行では非常にお世話になる人物。
      • 史実では商人であり道頓堀を私財をはたいて作った人物。大阪の陣においては80歳を超える高齢ながら豊臣方に加わり戦死している。
  • コンシューマー版の追加要素が豊富
    • この時期のコーエー作品に言える事だが、Win版の不満点を解消した上でコンシューマー限定のシナリオや武将が多数追加されており不興を買った。
      • 追加シナリオは信長が大名になる前の「1549年 流亡の章」や全ての武将が登場し、史実武将の嫁が宿娘として登場する(結婚もできる)架空シナリオの「夢幻の章」といった魅力的なものばかりである。
      • 顔芸武将として一部で有名な二階堂盛義もあの顔で追加された。さらには説明書内で「敵に大筒が!ひょえー!」と驚くという公式ネタに昇格している。
      • ちなみに、大筒は主命による調達(予算3000貫)だと一度に2~3門程度しか入手できず、編成に必要な数が揃うことはまず無いため、イベント戦闘を除けば「敵に大筒が!」という事態になることはほぼあり得ない。二階堂も安心である。
      • ただし、移植時にシナリオや武将追加等はこれまでのコーエーゲームでも度々やっていた事で今作だけが槍玉に上げられる事でもない。また、移植時にバグ除去のみで「追加要素なし」では結局批判されていただろう。Win版にはイベントコンバーターがあるので完全上位とは言えない面もある。

その後の展開

  • ファンの間では移植やリメイク・新作は絶望的かと思われていたが、2022年2月10日のNintendo Directで追加要素を加えた『太閤立志伝V DX』がSwitch/Win向けに発表、同年5月19日発売された。
    • ちなみに、発表されたのはよりにもよって上述の足利義氏の誕生日(新暦)だったりする。
最終更新:2022年06月17日 17:53

*1 いずれも独自の名前を付ける事が出来る。流派の看板を掛けて道場破りをする事だって可能。

*2 余談となるが羽柴秀吉で柴田勝家を弟子に取ると訪問した際に「おお、猿ではございませぬか」と微妙な台詞を言っていくれるようになる。

*3 離れた場所から一瞬にして敵全員を背後から斬り捨てるという、敵の背後に瞬間移動していってるか敵全員の背後に分身を出現させてるかのような究極の秘技。

*4 かなり時間がかかるが一応、鍜冶の技能を習得して自分で作るという手もある。

*5 Win版は発売日当日に修正パッチを出している。

*6 国主だと10人。

*7 特に武力は19と村雨を持っても34にしかならない。

*8 武力+15と刀剣の中では第2位の性能を誇る。その他の高級な刀剣は持ち主が強かったり展覧試合で優勝するなど厳しい条件が課されている為、手に入れるのに苦労する。

*9 本人の寿命が尽きている場合はそのままとどめを刺されることもある。