この記事では『太閤立志伝V』・リメイク作『太閤立志伝V DX』を取り扱っています。
判定はいずれも
良作
です。
【たいこうりっしでんふぁいぶ】
ジャンル | シミュレーションゲーム | ![]() ![]() |
対応機種 |
Windows 98~XP プレイステーション2 プレイステーション・ポータブル |
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発売・開発元 | コーエー | |
発売日 |
【Win】2004年3月12日 【PS2】2004年8月26日 【PSP】2009年9月17日 |
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定価 | 9,800円/【PSP】5,040円 | |
レーティング | CERO:12歳以上対象 | |
廉価版 |
KOEI the Best 【Win】2005年8月26日/3,800円 【PS2】2006年1月19日/2,940円 コーエー定番シリーズ 【PS2】2010年1月21日/1,575円 |
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判定 | 良作 | |
リコエイションゲームシリーズ |
『信長の野望』シリーズのスピンオフ作品とも言える、豊臣秀吉の人生を追体験(*1)する『太閤立志伝』シリーズの5作目。
初代『太閤立志伝』は荒削りだったもののその独特な雰囲気で今も最高傑作と言うプレイヤーも多い。
また、『II』は初代で登場しなかった地方や武将の追加、他家でのプレイ等追加要素を取り込んだ正統進化だった。
このように、『信長の野望』をプレイしたプレイヤーも馴染めないプレイヤーも楽しめる傑作であった。
しかし『III』では大幅な自由度の低下により著しく評判を落としてしまった。
『IV』で自由性の高さを生かす内容に再び軌道修正されたため評価を幾分持ち直したが、
カードゲームによる戦闘など評判の悪い要素もあった。
シリーズで初めて全ての武将を最終的に選択できるようになる点については好評だったが、
大半の武将にはイベントが存在しないため結局単調になってしまうという問題があった。
しかし、この『V』では『IV』における問題点がある程度解消され、様々な追加要素によりやりこみ要素の強い良作となっている。
+ | ネタバレ |
『IV』の要素を見直して大幅に肉付けを行い、まさに「万の道で天下に己を知らしめる」事が目的のゲームとなっている。やりようによっては一度も戦争や戦闘を行わずにゲームをクリアする事すら出来る。
とにかく出来る事が多いため、いろいろな人物でイベントを楽しんだり、何度も繰り返しプレイしながら様々な生き方を楽しむ事が出来る。また、Win版ではイベントコンバーターの存在により更に思いのままの戦国を楽しむことも可能である。
Win版・PS2版・PSP版と、バージョンアップ+移植を繰り返したが為に強みの異なる複数の『V』が並び立つ状況を作り出してしまった事には賛否あるが、重複を承知で購入して数百時間単位で長く没頭する熱烈な層を生み出したのも事実である。
『信長の野望』シリーズや『三國志』シリーズにも個人プレイが可能な作品は数多くあるが、本作を超える自由度・細やかな作り込みを持つ作品は無く、屈指の人気を誇っている。
2004年発売の本作品の後はシリーズ続編が出ていないが、新作を願う声も少なくない。
本作品で人気の武将
【たいこうりっしでんふぁいぶでらっくす】
ジャンル | シミュレーションゲーム | ![]() |
![]() |
対応機種 |
Nintendo Switch Windows(Steam) |
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発売・開発元 | コーエーテクモゲームス | ||
発売日 | 2022年5月19日 | ||
定価 | 4,950円 | ||
レーティング | CERO:B(12才以上対象) | ||
判定 | 良作 | ||
リコエイションゲームシリーズ |
『太閤立志伝』シリーズの開発チームが解散していたため、続編や移植が絶望視された中で発売された移植作。
『太閤立志伝V』に限った事ではないが、旧PC版は新時代のWindows下でプロテクトの誤作動を発生させゲームのインストールと起動にすらプレイヤーに知識(或いはグレーゾーンな手段)を迫る状況が長年続いており、最低でもその解消が希求されていたが、コーエーテクモはそうした旧作の手当てには腰が重かった。
信長シリーズの個人プレイスタイルもオンラインゲームに吸収されていく悲観的な潮流の中、舞い降りた移植情報はファンにとって正しく寝耳に水の朗報で、発売決定時にはTwitterでトレンド入りしており、その期待も高かった。
痒いところに手が届かない所もあるがプレイの幅広さや奥深さは据え置き。
イベントコンバーター機能劣化の問題はあるものの、追加要素の大幅な増加もあって遊びごたえが増したのは嬉しい限りである。
リメイク前の本作はプレミア化しているため、入手困難であり現行機で『太閤立志伝』をプレイ出来るというのは喜ばしいことである。
興味を持った人は是非手に取ってほしい。
*1 IIからは秀吉以外も操作可能であり、本作も同様。
*2 宿娘の配置はランダムである
*3 いずれも独自の名前を付ける事が出来る。流派の看板を賭けて道場破りをする事だって可能。
*4 余談となるが羽柴秀吉で柴田勝家を弟子に取ると訪問した際に「おお、猿ではございませぬか」と微妙な台詞を言ってくれるようになる。
*5 例えば、史実では毛利元就が村上水軍を調略して勝利した「厳島の戦い」を敗者側の陶晴賢でプレイすると、事前に村上水軍と語らってそれを防げたりする。
*6 離れた場所から一瞬にして敵全員を背後から斬り捨てるという、敵の背後に瞬間移動していってるか敵全員の背後に分身を出現させてるかのような究極の秘技。
*7 例え同勢力でも、一度は顔が出なければ人物一覧コマンドに登録されない仕様も一因。
*8 フォローするなら、それだけ半蔵の固有イベントは充実している。史実で縁の深い松平信康の自刃阻止IFなどは、本能寺の際の家康伊賀越えにまで影響する構造になっている。
*9 資金が底を尽きかけるタイミングで配下がこれを勧めてくる。作中では「ゆすり」と呼ばれるが、何故かプレイヤー間では「カツアゲ」と呼ばれている。成功には支持大名の支配力がターゲットとなる敵城の大名よりも上回っている事が最低条件。
*10 かなり時間がかかるが、一応他の武器も、鍛冶の技能を習得して自分で作るという手はある。
*11 あまりのえげつない性能にゲーム中で登場する剣豪・鐘捲自斎とその流派である鐘捲流にかけて「金撒流」と呼ばれることも。
*12 1種類の武器と3種類の防具からランダムで1つ
*13 プレイ中のセーブデータとは別枠で天覧試合を優勝した実績及び関連画像がエンディング一覧やギャラリーに登録される。
*14 優勝経験者を参加させない方針の為。
*15 Win版は発売日当日に修正パッチを出している。
*16 国主だと10人。
*17 特に武田などの山地の武将
*18 実際、織田信長が石山本願寺に大軍で攻めあぐねて留守の続く状況が多発する。独立直後の松平元康が信長の美濃攻めへ援軍派兵した隙に今川氏真に本拠を陥とされて滅亡するケースもあり、1560年シナリオ等でプレイヤーが介入できずに歴史イベントが途絶える要因にもなっている。
*19 特に武力は19と村雨を持っても34にしかならない。
*20 武力+15と刀剣の中では第2位の性能を誇る。その他の高級な刀剣は持ち主が強かったり天覧試合で優勝するなど厳しい条件が課されているため、手に入れるのに苦労する。
*21 本人の寿命が尽きている場合はそのままとどめを刺されることもある。
*22 ティアルはただの宿娘扱いでキョータローは汎用ライバル扱のモブ扱い。
*23 イベント自体をフラグ代わりにする等。
*24 先述のUIと違ってイベントコンバーターのフラグ問題は10月9日時点でアップデートの改善もないために特に批判されている。この問題さえ解決すればまさに文句のつけようもなかったので非常に残念である……。