本記事では『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』のアーケード版と、その移植作である家庭用版を解説する。
【でんげきぶんこ ふぁいてぃんぐ くらいまっくす】
ジャンル | 2D対戦格闘 | ![]() |
対応機種 | アーケード | |
発売元 | セガ | |
開発元 |
エコールソフトウェア フランスパン |
|
稼働開始日 | 2014年3月18日 | |
判定 | なし | |
ポイント |
電撃文庫創刊20周年記念作品 初心者に優しい対戦格闘ゲーム 20周年なのに集大成でなく旬の作品贔屓 キャラ選出に疑問の声も 電撃文庫と噛み合わないセガ要素 |
|
電撃文庫シリーズ セガ クロスオーバー関連作品シリーズ |
電撃文庫創刊20周年記念作品としてセガと共同で企画された電撃文庫作品の対戦格闘ゲーム。
プレイアブルとなるキャラクターとサポートキャラを選び対戦していくという、わりとオーソドックスなシステムで、昨今では珍しい2Dドットで描かれたゲーム(*1)。
15周年記念作品『電撃学園RPG CROSS of VENUS』は比較的幅広い作品からメインキャラが用いられていたが、本作は稼働当時の話題作や人気作品を中心にプレイアブルキャラが選ばれている。
サポートキャラの作品採用幅は意外と幅広いが、基本的にはプレイアブル作品のサブキャラの採用が多め。
+ | 参戦キャラクター一覧 |
ゲームとしては大きな問題はなく出来ており、とっつきやすさに重きをおいた初級者向けの格闘ゲーム。
しかしクロスオーバー要素の強いオールスターキャラゲーとして見ると、やや力不足感が否めない。
特にキャラクターの少なさは問題である。サポートのみの作品があるのも残念な話である。
20周年という記念の節目に行われたビッグプロジェクトではあったが、キャラゲーとしてはややこぢんまりした内容となっていると言わざるを得ない。
【でんげきぶんこ ふぁいてぃんぐ くらいまっくす】
ジャンル | 2D対戦格闘 | ![]() ![]() |
対応機種 |
プレイステーション3 プレイステーション・ヴィータ |
|
発売元 | セガ | |
開発元 |
エコールソフトウェア フランスパン |
|
発売日 | 2014年11月13日 | |
価格 |
【PS3】6,980円(税抜) 【PSV】6,170円(税抜) |
|
レーティング | CERO:C(15才以上対象) | |
判定 | 改善 | |
ポイント |
オフラインの物足りなさ オンラインは穴だらけだった アップデートでまともな内容に |
同タイトルを家庭用に移植した作品。本作で追加されたキャラクターは、のちのアップデートでアーケード版にも反映された。
概ね評価点と問題点はアーケード版に準ずるが、発売当初は家庭用版特有の問題が山積みで、評価を落としてしまった。
なお、現在はアップデートを重ねたことでそのほとんどが改善されている。
家庭用追加キャラクターとして「はたらく魔王さま!」より”遊佐恵美”「魔法科高校の劣等生」より”司波達也”、「ヘヴィーオブジェクト」より”クウェンサー”、「とある魔術の禁書目録」より”白井黒子”、「ネトゲの嫁は女の子にはないと思った?」より”アコ”。サポートキャラより「とある魔術の禁書目録」より”初春飾利”、「境界線上のホライゾン」より”浅間.智”、「イリヤの夜」より”伊佐野加奈”、「ゼロから始める魔法の書」より”ゼロ”と言ったキャラが追加。
初期の仕様はあまりにもプレイヤー的に辛い要素が出揃ってしまっていたが、アップデートで概ね改善された。
しかし万全とは言えず、オンライン要素を持つ家庭用対戦格闘としてはやや不満の残る出来となってしまった。
オフラインの非充実はアーケードから移植されたゲームにありがちな問題点だが、本作はその中でも特に薄く残念。
*1 なお、本作はセガからリリースした2D格闘ゲームとしては1994年リリースの『ゴールデンアックス・ザ・デュエル』以来の実に20年ぶりの作品となる。
*2 ほとんどのキャラが弱>中>強>立ちインパクト>EX必殺技。EXの後に手動で「クライマックスアーツ」を出す事ができれば十分に対戦ができる。
*3 通常攻撃効果の「ATTACK」、打ち上げや多段技でコンボに繋ぎやすい「SP ATTACK」、当て身・回復効果の「DEFENSE」。
*4 ゲージが重要な本作では、特に対戦序盤でエスブラを暴発すると大きなハンデとなってしまう。
*5 袴田ひなたの二つ名で、彼女の幻という設定。本人は智花の技演出に登場する。
*6 もちろんキャラ特性の把握は重要であり「何も知らなくてもよい」というところまではいっていない
*7 ただしコンボが簡単な代わりに入力受付がシビアめに作られている。ちょっとタイミングを逃しただけで通常攻撃がつながらないことも。
*8 「自分だけが1本取られると負けになるラウンド」なら20%アップ。
*9 実際、アーケード版稼動直後には格ゲー慣れしていない中高生の一団を見ることができた。
*10 自動販売機を蹴り壊し、その際の放電でダメージを与える。
*11 誤字ではない。
*12 相手をボールにしてゴールに投げる。比喩ではなく本当にボールになる。
*13 静雄の「やられても我慢して突進する」所を表現している…のだがHPが尽きると普通にKOされてしまうので他のキャラと比べると頼りない
*14 ちなみにこの二人はカラーチェンジで互いの衣装に変えることが可能。
*15 先のように相手をボールにしたり。
*16 「キャラが少ないのは初心者がキャラ対策を覚えやすくするためではないか」という声もある。
*17 しかし本作には完結済の作品もいくつか含まれているため、やはり惜しむファンもいる。
*18 このうち『イリヤの空、UFOの夏』は次回作「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION」でアシストとして参加している。
*19 『電撃学園RPG』ではメインヒロインとして作品を代表する活躍をしているだけに、比較すると余計そう見えてしまう部分も。
*20 あとがきで主人公と明示されてはいるが、『デュラララ!!』は群像劇作品なので「主人公」とはっきり断言できるキャラは実際のところいない。ただしセルティは本作を象徴するキャラで、シナリオ上の基軸でもあり、主人公という言及抜きでもまず間違いなく中心人物と言える。
*21 静雄はファン人気が高い上に、優男系のキャラクターが多いラノベ界では貴重なパワーキャラなので、キャラクター間バランスの都合も参戦に関係しているのだろう。
*22 セガからはセルベリアが原作においては敵キャラクターである。
*23 原作での特定のキャラへの台詞が対戦相手への煽りのようになってしまっている例は多い
*24 PSO2ステージは小林秀聡氏、ソニックステージは瀬上純氏、ナイツステージは幡谷尚史氏それぞれが担当している事が家庭用特典冊子にて明言されている。
*25 「UNDER NIGHT IN-BIRTH ORIGINAL SOUNDTRACK SIDE-ABYSS」ブックレット記載のコメントより。加えて同作のBGM、SE担当の来兎氏(電撃FCシリーズでもSE周りを担当)に何度もリテイクした事も語られている。
*26 ネタバレになるが、アスナのCA技「マザーズ・ロザリオ」はユウキから直伝された技だが、この時点でユウキは鬼籍に入っているため、正に幻の対決と言える
*27 司波深雪の声優は、SAOの「サチ」と同じ早見沙織氏。キリトはかつて、自身の無力から目の前でサチを死なせてしまったという過去を持つ。