ポケモンボックス ルビー&サファイア
【ぽけもんぼっくす るびー・さふぁいあ】
ジャンル
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ユーティリティ
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 高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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ニンテンドーゲームキューブ
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発売元
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ポケモン
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販売元
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任天堂
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発売日
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2003年5月30日
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定価
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2,100円 GBAケーブルパック:2,940円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1個(59ブロック使用)
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レーティング
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CERO:全年齢対象
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周辺機器
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GBAケーブル対応
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備考
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メモリーカード59同梱 メモリーカード251非対応
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判定
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なし
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ポイント
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まさにタイトル通りのポケモン保存用ソフト 名前とは裏腹にルビー・サファイア以外のGBA作品にも対応
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ポケットモンスターシリーズ
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概要
『ポケットモンスター ルビー・サファイア(以下RS)』との連動プレイを目的に作られたポケモン管理ソフト。
タイトルとは裏腹に、後に発売された『ファイアレッド・リーフグリーン(以下FRLG)』と『エメラルド』にも一部制限はあるものの対応している。
簡単に言うと、上記ソフトで入手したポケモンを預けられる、ポケモン保存用ソフトである。
シリーズの既存作で言えば、『ポケモンスタジアム』シリーズにおける「ポケモンのせいり」「いちらん」機能を抜き出したようなソフトだが、その容量は桁違い。
特徴
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起動方法
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ゲームキューブで本作を起動し、GBAケーブルでGCとGBAを繋いだ状態で、GBAのソフトを起動するという手順を踏む。
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なお、起動時とセーブ時以外はGBAの電源はオフでも問題ない。
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特別カラーのメモリーカード59が同梱している。
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本作のみで容量がいっぱいになるので、他のゲームのデータはセーブできない。
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ちなみに本ソフトは大容量のメモリーカード251には対応していない。
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大容量を生かせないという意味ではなく、メモリーカード251自体の使用が不可能である。
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また、1つのメモリーカードを複数のGBA版のデータで共有できる。ただし問題もあるが(後述)。
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『RS』を初めとするGBA版で入手したポケモンを最大で1,500匹まで預けることができる。
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保存先は当然メモリーカードなので、足りなければメモリーカード59(定価1,400円)を購入すれば更に利用できる。他世代のポケモン管理ソフトで最大数以上預ける為には本体の追加購入が必要になったりするので、それらと比べて非常にリーズナブル。
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ボックス管理人のアズサは『RSE』でボックスを管理しているマユミの姉。キャラデザは好評。
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『RS』に限り、本作を通してテレビ画面上でプレイすることができる。
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ただし通信機能は利用できない。また『ポケモンスタジアム』シリーズにあったような倍速機能もない。
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本作を使って『RS』をプレイすると、任意のタイミングでプレイ画面を1枚だけキャプチャすることができる。撮った画面はボックスの壁紙として使用することができる。
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同じROMから一定数預けることで、特別な技を覚えたポケモンのタマゴがもらえる。
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初利用、100匹、500匹、1,499匹に応じて「みねうちチルット」「しんそくジグザグマ」「ネコにこばんエネコ」「なみのりピチュー」のタマゴがもらえる。
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『FRLG』発売まではニャースが未解禁だったので、「ネコにこばん」を使う唯一の手段だった。もっとも、あまり金策に困るようなゲームではないのだが。
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ピカチュウ・ライチュウの「なみのり」とマッスグマの「しんそく」は実用性こそ高いが、厳選困難な事と遺伝技との両立不可能と言う点から対戦での活用は難しい。
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無条件で貰えるチルット以外は努力対効果に釣り合うかと言われれば微妙である。
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預けたポケモンのコマを作り、専用ステージにディスプレイすることも可能。
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あくまでも飾って楽しむだけのものなので、特典は何もなし。本作の数少ない遊べる要素である。
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ただし3Dモデルではなく、2Dドット絵をテクスチャーとして貼り付けたコマである。ドット絵は『ルビー・サファイア』基準。
評価点
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複数のソフトを所有していれば、交換することなくポケモンを自由に移動できる。
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またGBA一台だけでも本作だけで他ROM間の移送ができる。ソフトの切り替えの仕方も、GBA側の電源を切ってソフトを入れ替えて再度電源をつけるだけで済むため、手間も時間もかからない。
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本家では1匹の交換に1分近く費やすため、図鑑完成など大量のポケモンをやり取りする際には、非常に便利である。
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通信進化するポケモンにかわらずのいしを持たせなくても受け渡しができるのも地味な利点である。
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ジグザグマの進化形であるマッスグマを対戦で使う場合には「しんそく」がほぼ必須の技であり、マッスグマのために購入した人もいた。
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GBAを通じてセーブデータの読み書きを行うため、従来のセーブしようとしてエラー画面になり全てが無駄になってしまう、という被害が発生しなくなった。
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『RS』でも使われている一部のBGMが、本作用にアレンジされている。
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2003年3月21日にゲームボーイプレーヤーが発売されているが、『RS』のみをテレビで遊びたい場合は本作の方が安く済む。
問題点
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『ポケスタ金銀』にもあった引き出し制限があり、ポケモン図鑑の「つかまえたかず」を100種類登録していないと、ポケモンの引き出しに制限が掛かる。
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「接続中のトレーナーのIDと親IDが異なるポケモン」は、そのデータから直接ポケモンボックスに預けたポケモンでないと引き出す事ができない。
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100種類というのは各バージョンに出現するうちの半数近くに及ぶので、集めるには非常に手間がかかる。
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また、エメラルドでは殿堂入り後・全国図鑑にするまで接続すらできない。『FRLG』は殿堂入り後・ネットワークマシン完成まで進める必要がある。
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引き出しに制限が掛かるのは引き出す側だけなので「100種類登録していないデータで預けたポケモン」を「100種類登録済みの別のデータ」で引き出す事はできる。
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図鑑を集めていないデータでは手軽にポケモンのやり取りができない点から、ポケモン引っ越しツールとしては問題がある。
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特に『FRLG』では出現するポケモンの種類が『RSE』と比べると少ないため、100種類の登録が厳しくなっている。
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直接的な道具のやりとりができない。
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冒頭で述べたように『ポケモンスタジアム』シリーズにおけるボックス整理機能が原型だが、あちらにあった道具の管理機能はない。
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ポケモンに道具を持たせることで一応やり取りができるが、ボックス操作画面では着脱不可。いちいちGBAを起動してポケモンに持たせたり預ける必要があるため面倒。
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それでも通信交換経由で持ち物を移動するよりは効率的な輸送は可能。後の『ポケモンバンク』では道具を持ったポケモンを預けること自体が不可能なので、その点では優れている。
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一覧画面でポケモンの移動や道具を使うといった、従来であった機能が使えない。
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ふしぎなアメを使ったレベル上げによる個体値判別、個体値が高いポケモンを一覧画面から別のボックスに移動させるなど、といった従来でできたことができないため、やや不便に感じる。
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特典のタマゴをもらうための条件がわかりにくい。
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「一定数のポケモンを預ける」ことが条件だが、「現在預けられているポケモンのうち接続中のカートリッジから預けたポケモンの数」しかカウントされない。
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条件はゲーム内で明示されていない上に、接続中のカートリッジから現在何体を預けているかの確認もできない為、複数のカートリッジで本作のデータを共有している場合はわかりにくい。なお他産のポケモンでも自分のカートリッジを最後に経由させればカウントされる。
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本作に預けているポケモンを別のカートリッジから預けた状態にしたい場合は、本作から引き出した後、一度電源を切って再接続し、本作へ預け直す必要がある。(起動中に出し入れしただけでは預け主の情報が更新されない)
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また、特典のタマゴを受け取ったフラグはメモリーカードではなくGBAカートリッジの側に保存される点も説明されない。2回目をもらうために、メモリーカード上にある本作のセーブデータを初期化しても無意味である。
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タマゴ厳選が困難
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産まれるポケモンのステータスを見るには、当然本編でフィールドを走り回ってタマゴをかえす必要がある。ただし、各ROM1回しか受け取れない上、新しくもらうにはデータを消して該当数集め直す必要がある。
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何度もこれらのポケモンを受け取りたければ、あらかじめ必要な数のポケモンをポケモンボックス側に用意しておき、本編側の新しいデータで図鑑を100種類登録してから本作に繋いで、ボックスのポケモンを出し入れすれば容易に受け取る事ができる。図鑑100種類と言うのが壁だが…
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『ボックスルビー&サファイア』は「表ID」、「裏ID」、「ごほうび受け取りフラグ」しか確認していないため、同じIDのごほうび卵未受け取りROMを用意するという裏技もある。
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『スタジアム』シリーズのプレゼントポケモンと違ってタマゴとして入手する仕様上、親が自分になる影響で経験値が稼ぎづらくなった。
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ストーリー進行中ならばお願いを聞いてくれる利点はあるが、どれも戦力が厳しいポケモンばかりなので活用は厳しい。
総評
あくまで「ポケモン管理に特化したソフト」、その一言に尽きる。
正直な話、ポケモンをやり込んでいるプレイヤー以外にとっては価値の薄い作品。内容が薄いために特筆すべき評価点も問題点もない。
そもそもやり込まななければポケモンの保管は本編内のボックスで足りてしまうので本作は必要無いだろう。
「GBAケーブルとメモリーカード59を同時に買ったら、薄い内容の無料ソフトがおまけでついてきた」と考えれば、少なくとも損した気分にはならないと思われる。
一方で、当時のやり込んでいるプレイヤーからは「必須ソフト」との呼び声も上がっていた。
ポケモンの出し入れがしやすく、移動目的でも保管目的でも大変便利。孵化などのために一時的にボックスを開けるのにも気軽に利用できる。
以上の通り、ポケモン本編における対人戦などをどの程度やり込んでいたかによって本作の評価も分かれてしまっている。
余談
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発売後しばらくすると値崩れが起こり、新品のGBAケーブル単体と変わらない値段で売られることがしばしばあった。
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そのため、本作に付属されているメモリーカードとGBAケーブルを安価でバラ売りをしている店もあった。
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タイトルが仇となり、『FRLG』及び『エメラルド』に対応していることがわかりづらいのも難点か。当然パッケージでも、当時未発売であるこれらの作品への対応には触れていない。
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次世代『ダイヤモンド・パール』でも、やり込んでいるプレイヤー達からは本作のような管理ソフトの登場を望む声が発売間もない頃から上がっていた。しかし、本作の売れ行きが悪かったためか、長らく登場する事はなかった。
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そして『ダイヤモンド・パール』発売から一年半が経過し、満を持して『みんなのポケモン牧場』が発売されたのだが、ポケモン管理ソフトとしては本作より劣化してしまっている。(詳細は当該ページへ)
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GBA版『RS』のバグやセーブの抜け穴を利用するためにこのソフトが使用されることが稀にある。
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「海流バグ」といわれるタマゴや育て屋の歩数稼ぎに、実機では十字ボタンを固定する必要があるが、このソフトを使えばGCコントローラのスティックのニュートラル位置を変えるだけで安定して何時間でも放置できる。
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強制セーブかつコンティニュー機能がないバトルタワーでの連戦において、データを取り込んで遊びセーブ時にソフトに戻すという仕様の盲点を突き、バトル開始時のセーブを失敗させることで何度でもやり直せる。
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「ナゾのみ(及び『RS』のカードe+で変化したNo.43のきのみ)」を持ったポケモンは通信交換に出せないが、ボックス経由でなら移動可能。特に効果はないものの「きのみクラッシュ」の材料としては費用対効果が高く、ポイントアップを集める際にはそこそこ有用。
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本作を利用してチルットのタマゴを受け取ることで「捕まえたポケモンをミズゴロウだけで殿堂入りする」という特殊な縛りプレイが可能となっている。
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本作で『RS』をプレイできるのは、ROMからゲームデータを吸い出すのではなく、ソフト本体に『RS』のデータが丸々入っているという少々変わった仕様のため。
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そのためプレイする際のロードがセーブデータの読み込みにかかる数秒で済み、画面が切り替わってすぐに操作可能になる。
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『FRLG』『エメラルド』を本作ではプレイできないのはこのためである。
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本作のCMは通信対戦で勝つ秘訣として子供がこれを使っているという内容のものであった。どうも無理があるような。
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特典のタマゴの価値の変動
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しんそくジグザグマ
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本作で入手できるポケモンの中では特に需要が高かったが、長らく本作でしか入手できなかったので、熱心なプレイヤーは本作でハードルの高い厳選をしていた。
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第6世代では「しんそく」を覚えたマッスグマが限定で配布されたので、多少は厳選ハードルが下がった。
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『USUM』では「しんそく」がタマゴ技になったため、通常ポケモンと同様に厳選が可能になった。
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なみのりピチュー
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秘伝技であるという性質上、後の世代に送れない(『DPt』『HGSS』に送る際に秘伝技を覚えたポケモンは弾かれてしまう)。そのため三世代でのみ活用できる。
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「なみのり」を覚えたピカチュウなら『バトレボ』『USUM』の通常プレイでも入手可能。期間限定配信も何度か行われている。ただし秘伝技扱いのソフトでは後の世代に送れない点は上記と同じ。
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『剣盾』では通常プレイの技レコードで習得できるようになった。
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みねうちチルット、ネコにこばんエネコ
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捕獲要員・金策共により優れたポケモンがいるために、第4世代以降でも実用性はほぼない。
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チルットのみねうちは『ソード・シールド』の技マシンで習得可能になった。エネコについては『ソード・シールド』に登場していない関係で技マシンが対応かもわからない為、未だに本作限定となっており、ある意味レアな立ち位置となっている。
最終更新:2024年05月01日 00:24