【むそうおろち すりー】
ジャンル | タクティカルアクション | ![]() ![]() |
対応機種 |
Nintendo Switch プレイステーション4 Xbox One(海外版のみ) Microsoft Windows(Steam) |
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発売元 | コーエーテクモゲームス | |
開発元 | コーエーテクモゲームス(オメガフォース) | |
発売日 |
【Switch/PS4】2018年9月27日 【Win】2018年10月16日 |
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定価 |
通常版:7,800円 Deluxe Edition:11,300円 |
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レーティング | CERO:C(15才以上対象) | |
判定 | シリーズファンから不評 | |
ポイント |
新たな舞台は神話の世界 圧巻のプレイアブル170人とシリーズで随一の爽快感 批判の多いストーリーとキャラクターごとに待遇格差 新規ユーザーの好評に反し古参ユーザーほど不満高め 既存ファン向けのお祭り作品としてはあまりにお粗末 |
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無双シリーズ |
『真・三國無双』と『戦国無双』に登場する武将が一堂に会する『無双OROCHI』シリーズのナンバリングタイトルで、前作『無双OROCHI2』から7年ぶりの完全新作となる。
三國からは『真・三國無双7 Empires』までに登場した計83人。戦国からは『戦国無双4-II』までに登場した計56人。
さらに『無双OROCHI』シリーズオリジナルキャラクター25人と新キャラクター5人、そしてついにプレイアブル化したアイツを加えて総勢170人となった(*1)。
ストーリーは『無双OROCHI2 Ultimate』の最終章である8章ではなく、無印版『無双OROCHI2』のトゥルーエンド後のシナリオとなっている(*2)。
イメージソングは新キャラクターであるアテナを演じる三森すずこ氏が担当している。
――世界は再び融合した。
再び集まった英雄たちは、
新たな戦いを繰り広げることとなる。
不可思議な事態の謎を解き、
元の世界に戻る鍵となるのは、
絶大な力を秘めた八つの「腕輪」。
それを巡り、英雄たちはそれぞれの
信念をもってぶつかり合う。
やがて背後に見えてきたのは、
オリュンポスの神・ゼウス。
かつて遠呂智と戦った異世界を、
再び創り出した彼の目的は何なのか……
謎を解き明かすため、英雄たちは
神々と戦うことを選ぶのだった。
(公式サイトより)
基本的には旧『無双OROCHI』シリーズと似た部分が多いが、大幅に変化している要素や追加された要素が多数存在する。
Switch版について
前作の完全版である『2 Ultimate』が圧倒的な完成度を持っていたためか、本作は様々な点で旧作をプレイした人ほど粗が目につく。
本作はさまざまな面でキャラクターごとの殲滅力などの格差が激しい
中断セーブの削除
武将の分身
マップ・ステージ
衣装
武器
神格化発動時の硬直
模擬戦
ミッション
BGM
バグ
アップデート、DLC
発売の度に「現時点の三國・戦国シリーズの無双アクションをまとめて楽しめる」という『無双OROCHI』シリーズだが、その魅力は今作においても健在である。
特に優れたグラフィックと、大量の敵兵をスイッチコンボや神術を織り交ぜたド派手なアクションによってなぎ倒す「爽快感」は間違いなく無双シリーズの中でもトップクラスと言っても過言ではないだろう。
しかし一方で、ストーリーや武将同士の掛け合いのクオリティ低下、既存アクションの下方修正、やりこみ要素の薄さ、劣化したシステムやUIなど、爽快感とグラフィック以外のほとんどの要素に問題が見られ、「『真・三國無双』『戦国無双』の既存ファン向けであるお祭り作品」としての総合的な完成度はあまりに低い。
折角の多彩な爽快アクションも、安直なワンパターン戦法の方が強いというゲームバランスのせいで活かし切れていないのは勿体無いところ。
シリーズ随一の爽快なアクションという向上している部分と、その他のさまざまな問題点、そんな要素の中でどこに重点を置くかによって評価のブレが激しい一長一短な作品であると言える。
*1 2018年9月27日に行われた「『無双OROCHI3』完成発表会」において「最も多い操作可能なキャラクターを持つハックアンドスラッシュゲーム」としてギネス世界記録に認定された。
*2 『2 Ultimate』だと4章の真エンディング。
*3 固有神術も初期のバージョンでは解除の対象だったが、バグだったらしくアップデートで解除されないようになった。
*4 この順番で神格化できる武将が公開された。神格化そのものの選考基準については、公式によれば「シリーズの主人公(趙雲、真田幸村)」と、裏主人公(呂布、織田信長)の4人は最初から選定され、残りの4人は直近の人気投票に従って決めたとのこと。
*5 前作のテクニックタイプの固有アクションだったステップは『戦国無双』のキャラクター限定要素になった。
*6 知恵の神という扱いになっているヘルメスが、諸葛亮や毛利元就に代表される『真・三國無双』『戦国無双』の識者を差し置いて明確に識者として劣る石田三成を選んで神格化の力を与える等。
*7 ちなみに『3 Ultimate』では、本多忠勝のテーマ(戦国無双2版)と復帰参戦したリュウ・ハヤブサのテーマ(無双OROCHI2版)の「TRINITY MIX」が新たに追加されている。それ以外新規アレンジは一切追加されておらず、挙げ句今作ならではの楽曲アレンジであるにもかかわらず、前述の楽曲を除いて追加シナリオではBGM変更で手動設定しない限り、TRINITYアレンジ楽曲が流れることは一切無い。ちなみに前述の楽曲のアレンジは他と比べると原曲の魅力や盛り上がりが明確に尊重されている。
*8 「活人剣」の設定を反映してか戦いの早期決着を目的に総大将を狙ってくる事もあるが、当然ながら戦いを積極的に広めているのは当の本人が所属する敵軍である。
*9 発売前インタビューで「神格化で衣装が変わった場合でも鯉沼氏の拘りである胸元のホクロが隠れないよう気を遣った」など、ストーリー上の整合性や直虎が選ばれた必然性に疑問を抱かせる発言の上での前述の極端な優遇もあり、歴代作品で行われていた「P、Dを担当した人間の個人的嗜好や目的で特定キャラを作品内で優遇する風潮(石田三成、早川殿、王元姫、関銀屏など)」も併せて不評を買った。
*10 ちなみにこの点は、続編である『3 Ultimate』では追加シナリオ部分で直虎の出番をほぼ完全に無くすという強引な方法で改善されている。台詞やムービーでの出番はもちろん、シナリオの節目で神々、他の神格化武将がほぼ総動員されている戦場で直虎のみ出撃していないということも珍しくない。
*11 法正が講じた「非道な策を仕掛けたという方便を流布し敵を動揺させる」という策の表層を鵜呑みにしてしまい暴走した馬超と法正の不仲を案ずる描写は確かにあるのだが、案じているというよりも独り言の様に呟いているだけであり、その気遣いそのものは戦局の好転及び武将同士の和解に一切関与していない。直虎を賞賛した武将である練師が和解に、結果的に法正の策を敵全軍への流布する形になった馬超こそが戦況の好転の為に摧心、貢献した存在である。
*12 酒呑童子は出番が全くない訳ではないが、初登場時にろくな台詞すらなく本編でのおおまかな出番が終了してしまい、その後の出番はなんとエンディング。その後、会話イベントすらなく解禁される仕様となっている。
*13 厳密には公式からトゥルーエンド後と明言されたわけではないのだが、「戦国と三國キャラが『無双OROCHI』の世界での記憶を失いつつ元の世界に帰還」するエンディングは、『2』のトゥルーエンドしかないため必然的にそう考えるしかない。
*14 誇張抜きで「〇〇殿の××は凄い、流石だ。」→「いや、〇〇殿の××も流石だ。」と当たり障りの無い言葉で記号化した個性を褒め合う程度の掛け合いしか無く、武将同士の共通点やキャラクター設定をうまく絡めた過去作からの劣化が著しい。
*15 『真・三國無双』『戦国無双』の本筋でも、長宗我部元親の「反骨、抗う」や、朱然の「火計、炎、燃え上がる」など、特定の口癖、行動を事あるごとに主張してその武将の個性付けするキャラクター付けが昨今あまりにも多い。今作はそこから更にそこから記号化と誇張を行なっている為武将像があまりにも薄っぺらくなっている。
*16 「この様な状況で宴など~」といった発言が見られるので好意的に解釈すれば、平和になれば口は出さないという見方も出来るが、原作でこの描写がされていたムービー自体も取り組んでいた戦が一段落したに過ぎず、乱世そのものは治まっていない。今作の于禁の価値観に則るならば、その宴も咎めていなければおかしいことになるため、やはり描写の筋が通っていない
*17 幸村と趙雲・三成と曹丕などシリーズ定番となったものはともかく、それ以外で扱われるのは半兵衛と諸葛亮・氏康と孫堅・徐晃と武蔵など、前作及び前々作で採用していた関係性ばかりであり、会話内容も特に変わり映えしていない。
*18 ちなみにアキレウスには前作で「オリュンポスの神々と戦っているようだ」というセリフがあったりする。
*19 実際『2 Ultimate』の時点で遠呂智&真・遠呂智(と、同一人物が後1名。ネタバレになるので名前は割愛)、哪吒&哪吒(人型)、玉藻前&九尾の狐のようにほぼ同一人物同士かつ、時間軸の関係上同時に存在できないはずのキャラクターでも何の制約もなくチームを組めていた。
*20 2019年6月7日付で配信されたアップデートにより、剣閃エフェクトが従来通り表示されるようになった。おおよそ1年越しの修正である。
*21 「天舞」は過去作においてバランスブレイカーの代名詞として度々話題に挙げられる「無双ゲージが溜まっている状態ならば全ての攻撃に属性が付与される属性」である。
*22 もっとも、『2』も一部戦国キャラの属性付加技で大きな割を食ってたが。
*23 不具合か仕様かは不明だが、オブジェクト設置を行う、または攻撃判定の持続が非常に長いEX攻撃を使用した時、武将側のモーションが終了した時点で持続している攻撃に属性が付与されなくなる。判定が持続している間にEX攻撃に限らず何かしらの属性付与攻撃を使用すれば、その攻撃のモーションを行なっている間は再び属性が付与される不可解な状態になっている。この点は完全版である『3 Ultimate』でも修正されていない。
*24 正確には、無双奥義発動中の無敵状態で無双攻撃以外の行動が行える「オリコン」も廃止されているが、これは戦国無双4シリーズからの変更点で本作からではない。
*25 黄蓋・馬超などのごく一部を除き、敵単体をロックすることにより技の内容が派生する「投げ技系」に該当する強力な無双乱舞の実装が避けられている。前述した太史慈、大喬、黄忠はいずれも前作では「投げ技系乱舞」が採用されていた。前作と同じ技でマンネリ化を避けるためという可能性はあるが、原作で投げ技系無双乱舞を所持していない夏侯惇などの武将、または前作で投げ技系無双乱舞を採用されていなかった賈詡などの武将の無双乱舞は変更されていない。呂布を始めとした一部の武将は『真・三國無双7』で追加された無双乱舞(いずれも投げ技系乱舞)で歴代要素の再現などが行われており、そちらに変更することによってマンネリ化の解消は十二分に達成されるためその講釈にも大いに疑問が残る。
*26 孫権と文鴦だけは何故か実装されており、孫堅も『7』のバグが引き継がれC2後派生のみ使用できる。
*27 『戦国無双3Z』準拠の『2』ではC9での強化が可能だったが、『戦国無双4-II』準拠の本作ではそれが失われた。無双奥義・皆伝での付与は可能だが、カオスオリジンが落とす神力の雫が必要故に、ステージ中に使える回数が有限となってしまう。
*28 原作では浮いた武将はダメージが通っても運べず、属性ダメージを含めて武将への神速攻撃のダメージは極端に抑えられる仕様だった。
*29 発売前の公式生放送で、妲己の無双乱舞を一新したとプロデューサーは公言していたが、実際はカットインの追加及び前作までの無双乱舞と真・無双乱舞を統合したのみで技性能そのものに大きな変化は無かった。
*30 応龍、哪吒などの『真・三國無双6』を基礎とした前作から参戦しているOROCHI武将には実装されている。
*31 その中でも「伏犠」と「女媧」は、初登場である『真・三國無双2』から『魔王再臨』で『真・三國無双4』の基準にモーションを若干修正され参戦した当時の状態からほぼほぼ手付かずの状態であり、他武将と比べて二世代程度攻撃性能が劣っている。
*32 「一定時間攻撃を受けないと、攻撃を一度だけ防ぐバリアが張られる」というスキル
*33 賛否両論点にも書いたようにどの攻撃でも吸収できるようになったとはいえ
*34 例えば、関銀屏はチャージ攻撃時に左スティックをグルグル回す事で攻撃回数が大幅に増加する。
*35 細かい所では、遠呂智シリーズオリジナル武将の陣営内の仕切り方が、初代及び『魔王再臨』参戦の武将は「遠1」に、その2つの完全版と言える『Z』での参戦武将は何故か『2』参戦武将と合わせて「遠2」に区分けされている。もっとも、仕切り方の法則性の無さは国別の三國勢以外で旧作から既に存在しており、『魔王再臨』や『2』にて、三國所属以外の三國勢・遠呂智勢・コラボ勢を合わせた「他」や戦国勢の「戦」で登場作品と無関係な仕切り方になっていた。
*36 正確には「誘爆」「裂風」など一部の金属性はそれ以前での難易度でもドロップする可能性はある。しかし、それらの属性は他の金属性と比べて明らかに性能が低く、使用用途も極めて乏しい。誘爆、裂風(旋風)も、常時発動だった前作から「確率発動」「発動時に敵を吹き飛ばしてしまいコンボが成立しなくなる」と明確な弱体化が為されている為、水増しのための「ハズレ属性」としての意味合いが強くなっている。
*37 なお同じくコラボタイトルの『無双☆スターズ』では分身を抑制するために「該当キャラをそのステージで使用不可にする」という編成の自由度を削ぐ形で対応されていた。
*38 『戦国無双4』の厳島 +『真・三國無双7』の成都、『戦国無双4』の掛川城 +『真・三國無双7』の樊城、『戦国無双4』の小田原城 +『真・三國無双7』の合肥新城など。
*39 『7 猛将伝』の追加キャラは『7 猛将伝』で使用されたカラバリ。
*40 セット販売をするために唯一全キャラ分の衣装が配信された浴衣が選ばれたと思われる。
*41 そんな中で「アイツ」だけはちゃんと衣装が作られている。『2 Ultimate』の追加シナリオで登場していた紫色の妖魔モブはアイツとは細部が異なる別モデルであったためか、カラバリとして採用されていない。
*42 発売前の雑誌インタビューでは「初見で攻略することは非常に難しくなるよう意図的に調整した」と発言されていた為、意図的に組まれた台詞渋滞によるプレイ遅延であると思われるが、台詞渋滞による遅延は攻略や難易度以前のストレスフルな問題でしかない。どれだけ立ち回りを洗練しても台詞渋滞は改善することは不可能。
*43 『真・三國無双2』~『5』のリードプランナー/ディレクターを担当した過去があり、直近の作品では『ドラゴンクエストビルダーズ2』のPを担当している。
*44 「OROCHI3に今更どの様な形で三國無双8、戦国無双真田丸の武将を追加しても中途半端な扱いにしかならない」「劣悪なUIを是正」「キャラの扱いの偏りと、神格化に匹敵する要素が無ければ不自然な武将が多数存在することを認める」「不当な下方修正を受けていた武将を始めとして、アクション全般の再調整を行なっている」「ゼウスが最強クラスに到底相応しくない性能の為、大幅なアッパー修正を加える」「ゼロから作り直さないと変えようがない部分が多々ある」等々。