【ざ ぐっど らいふ】
ジャンル | 借金返済生活シミュレーター | ||
対応機種 |
Windows(Steam) プレイステーション4 Xbox One Nintendo Switch |
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発売元 | PLAYISM | ||
開発元 |
White Owls グランディング |
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発売日 | 2021年10月15日 | ||
定価 |
【Win】3,980円 【PS4/One/Switch】2,980円 |
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プレイ人数 | 1人 | ||
レーティング | PS4 | CERO:C(15才以上対象) | |
One/Switch | IARC:12+ | ||
判定 | なし | ||
ポイント |
クセだらけの田舎町での借金返済生活 超自然的現象とSNS社会を融合させた秀逸な脚本 一方でUI等の小さな欠点が積み重なりストレスに |
ゲームクリエイター・SWERY(末弘秀孝)氏が率いるWhite Owlsの『The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -』『Deadly Premonition 2』に続く家庭用ゲーム第3作。
『ワールズエンドクラブ』などに携わったグランディング(*1)も共同開発として参加している。
3千万ポンド(約45億円)もの借金を抱えるフリージャーナリストのナオミ・ヘイワードは、モーニングベル通信社より奇妙な依頼を受ける。
それは「世界一幸せな町・レイニーウッズ」へと滞在し、なぜそこが世界一幸せな町と呼ばれるのかを調査するというもの。
ヒッチハイクの末にたどり着いたその「クソ田舎」に悪態をつくナオミだったが、到着早々「夜になると住人が動物に姿を変える」という大きな秘密に触れることとなる。
ナオミは予想外の特ダネに色めき立つが、その興奮も束の間、森の湖で殺人事件が発生する。
+ | ネタバレ |
SNSと撮影という要素はオープンワールド系アドベンチャーとして大正解。
SWERY作品らしいやや尖った面はあるものの秀逸な脚本は健在であり、それに乗っかる超個性的なキャラクターは問題があるとはいえ一応は物語を牽引している。
しかしギネス認定されるほど賛否が割れ過ぎたあの『Red Seeds Profile』の生みの親が手掛けた同系統の作品という事もあってか、それらにまとわりつく「人を選ぶ面」が隠し切れないほど顕在化しており、
またUI面の欠点やプレイ快適性を削ぐ点、不親切な仕様や劣悪なバランスなど、過去作からの問題点も未だ改善できておらず一部は悪化すらしている。
全ての問題は致命的ではないが、総合的に見て何とも微妙な一品となっており、良くも悪くもSWERY作品「らしさ」に溢れている。
Web上では「田舎町での生活」「面白スポットの撮影」「自宅前でプチ農業ができる」といったところからどうぶつの森シリーズのようなスローライフゲーを想起させる紹介が見受けられるが、
実際の所はそれがメインなのではなく「そうした要素を持つだけのSFアドベンチャー」であることは留意してほしい。
勿論既に記したように、「わかりやすい物語でない」一風変わった世界観を味わいたい人や過去のSWERY作品のファンならば、手に取っても良い作品だろう。
*1 過去に『パンツァードラグーン』や『ファントムダスト』を手掛けた二木幸夫氏が代表を務めるデベロッパー。
*2 攻略上特に使用せず、歩行に比べて早いと言う事もない。
*3 上はブラウスやジャケット中心で、下もほぼ全てズボン。一番の薄着でもシャツだし、脚が出るボトムスと言えばホットパンツが一着ある程度。何故か帽子はやたら御洒落なものが揃っており、靴はサンダルやパンプスもあるが…。
*4 ナオミだけではなく、清楚な不思議ちゃんのエリザベスと怪しい魔女のポーレンという全く異なる役も兼任している。
*5 あるエピソードについては残った謎についてナオミがまくし立てるのだが、相手はいけしゃあしゃあと「気が済みましたか?」と言って立ち去ってしまう。
*6 容姿が悪いわけではなく、寧ろレイニーウッズ外では子供に「きれいなおねーさん」と言われることすらある。
*7 いずれも雇い主の監視役に阻止され、ナオミの懐に入るはずだった大金は全て借金返済に正しく充てられる、というオチになっている。
*8 作中でもナオミが「それってポリコレ的にどうなんだ」「ジェンダーバイアスじゃないか?」と指摘するやり取りはあるが、配慮を描いているというより敢えて取り上げてネタにした感じに仕上がっている。
*9 このため、クエスト攻略のためには不摂生で健康度を下げる → 病気に罹る → 治療 → 次の病気のために不摂生を(ry…という血も涙も無い生活を送る羽目になる。
*10 フェードイン前からテーマ曲が流れ出し、顔をしかめるナオミ → バイクの演出 → 耳をふさいで目を閉じるナオミ →「ロブスター!」の流れが毎回入る。去る時も「ロブスター!」と共に排煙を撒き散らす → ナオミが咳き込む →「くされ地獄だぜ!」がデフォルト。
*11 そもそも『Deadly Premonition 2』のキャラと違い、この少女が多重人格者だという説明はメインストーリー上にはほぼ無く、話しかけた際の雰囲気で察するしかない。そこに気付けなければ、どこにもいない別の人格を探して歩き回る事にもなりかねない。
*12 過去作でも笑いを誘う台詞は見られたが、ウィットに富んだ台詞回しと情景とのギャップなどと言ったシュールさから来る笑いが多く、一般的なギャグ作品のようにストレートに笑いを取りに行くようなものではなかった。
*13 ナオミ自身「世界一金に縛られた女」を自称するほどで、上手いこと乗せられている自覚はある。もっとも、彼女は桁違いの借金を抱えている為、そうなってしまうのも仕方ない部分があるのだが…。
*14 ブラウン管モニターで、レイアウトも懐かしのWindows2000や98以前っぽく作ってある。
*15 中盤のルートの一つの最後に本作唯一と言っていいボス戦イベントがある。
*16 治療費は所持金半分なので無一文なら無料で済む。
*17 エナジードリンクの「レッドブル」のパロディ。
*18 本作ではアイテム毎に在庫数以上の買い物ができず、売り切れになったら日を置いて入荷まで待たなければならない。基本の在庫は3個程度だが、ここでは99個置いている。入荷ももちろんアリ。
*19 しかもここはナオミがフィジカル面で活躍する唯一と言っても良いカットシーンである。