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てて
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sfc_rs2
【概要】
英語ではKitchen knife。
用途により大きさ・形状様々なものがあるが、プロの現場から家庭料理まで、欠かすことはできない日用品でもある。
その起源は古く、旧石器時代にはすでに黒曜石製の物が使われていた。
【語源と説話】
春秋戦国時代には既に伝説となっていた料理人の名前である。
「荘子」では牛の屠殺人として登場。
長い年月、牛を観察し解体してきたため、その構造を完全に理解し、筋や骨が入り組んだ箇所でも無理な切り方をせずになめらかに刃を通しあざやかに解体する。
しかしそれは庖丁が特別な人間だからできるのではなく、「うまく解体する法則」「牛の真理」を理解しているから成し得るのである。
荘子はこの話を描きつつ、「真理=タオ」のことを解説しようとする。
あくまで荘子の理論のための説話であるから、そっくりこのままのエピソードがあったというわけではない。
そこから転じて、料理人の使う調理用刃物が「包丁」と呼ばれるようになったと言われている。
【材質】
というか現代ではセラミックを除き非金属製の包丁はほとんど見られない。
素材となる金属は硬いほどに切れ味の鋭さと持続性(耐摩耗性)に優れるが、衝撃に弱く欠けたり折れたりしやすい。
また、耐摩耗性に優れるということは研ぎにくいということにもつながる。
もちろん刀身全体を同一金属で作る場合もあり、日本では特に「全鋼」と呼ばれ区別され、一振り数十万円の鋼製の和包丁から低品質な金属でプレス加工された100円包丁のような粗悪品まで幅広い。
海外では生産効率と品質安定を重視したステンレス全鋼製品が主流。
鋼
洋の東西を問わず古くから刃物に利用されている。
炭素が多いと何がいいのかと言うと、焼き入れ(熱してから急激に冷ます工程)ができるようになり純粋な鉄と比較にならない硬度を持たせることができ、刃物としての性能が劇的に向上する。
そして鋼鉄の宿命で錆びやすく、食材を切ったまま放置しようものなら数時間で錆が浮く。
使用後の手入れが欠かせないが、砥石で研ぎやすく簡単に切れ味を復活させられ、切れ味も長く保てる。
刃付きも刃持ちも良く切れ味鋭い、と素晴らしい素材なのだが、錆びやすい欠点が祟って一般家庭ではほとんど見かけなくなった。
毎日の手入れが当たり前のプロの間ではまだまだ現役で、特に和食料理人は伝統的に鋼製の包丁にこだわる方が多い。
ステンレス鋼
そこでモリブデンやコバルトなどを添加し刃物に必要な硬度と靭性のバランスを持たせた素材が刃物用ステンレス鋼として区別されている。
ただし濡れたまま鉄やアルミと一緒に置いておくと割と簡単に錆びてしまう。
グリップまで一体成型されたオールステンレス製品は丸洗いできるため衛生的だが手が滑りやすい。
近年では中価格帯の製品は鋼並みの切れ味を持ち、高級品では高級鋼と同等以上の切れ味を持つものすらある。
全般的に砥石への食いつきが悪く(滑るような感覚)、研ぎ直しにはかなり手間がかかるものが多い。
- モリブデン鋼:安価な製品に多い。切れ味が低めで研ぎにくい。
- VG10:中級くらいの鋼と同程度の切れ味を持つが、研ぎにくい。性能と値段のバランスが良く一般家庭向き。
- 銀三:ステンレスの中ではやや錆に弱いが、高級鋼並みの切れ味と研ぎやすさを両立している。
- STRIX:アホみたいな切れ味がアホみたいに長持ちするのにアホみたいに研ぎやすいというアホみたいな性能の最高級品。
ダマスカス鋼
わずかに組成の異なる金属を溶融させずに、折り返し鍛造することで得られる独特の美しい波型模様が特徴。
ロストテクノロジーのダマスカス鋼とは厳密には違い、その見た目だけを再現したもの。
ほとんどの製品は刃物用ステンレス鋼で造られた刃金をダマスカス鋼で挟んでいるだけなので、美しい模様は切れ味には一切影響しない。
ぶっちゃけて言うと中身はただのステンレス鋼で、切れ味や耐摩耗性は純粋に芯材の性能に左右される。
単純に超かっこいいだけ。
製造の仕上げで薬品に漬け模様を目立たせる処理をしているため、傷がついたり曇ってきたりしても自分で復活させることは困難。
研ぐこと自体は可能だが、唯一無二の魅力である模様に傷がついてしまうのが泣かせどころ。
セラミック
非金属素材では唯一の一般流通品と言っても過言ではない。
金属ではないため錆という概念から解放され、家庭用のほか釣りやキャンプ等のアウトドアでも活躍する。
錆びないこと以外にも、高い硬度が示す通り金属とは一線を画す耐摩耗性を有しており、切れ味が長持ちしやすい。
その反面、あまりの硬さ故に靭性が極めて低く、刃こぼれしやすい。
また、一旦切れ味が落ちるとダイヤモンド砥石でなければ研ぎ直しはほぼ不可能。
最近ではダイヤモンド砥石も流通するようになったとは言え、その欠けやすさと硬さから、素人が気軽に研ぎ直せるものではない。
その他
子供用包丁ではプラスチックのギザ刃で造られたものもあるが、バナナやソーセージくらいしか切れないようになっている。この場合は切れ味どうのこうのではなく安全性と知育のためなので当然である。
あくまで趣味の領域だが段ボールやらゼリーやらで包丁を作り信じられない切れ味を実現していた方も……
【種類】
中には腕の長さ以上の代物もあり、寒天を切るときに使うくし形の天切り包丁など包丁と呼べるのか分からないものも沢山ある。
和包丁
世界的に見ても非常に珍しい、片刃で厚みのある刀身が特徴(*6)。
片刃の特性ゆえに、食材を潰さない鋭い切り口と切れ味を誇るが、慣れていないと背側に刃筋が流れてまっすぐ切りにくいという欠点もある。
また、片刃の都合上右利き用と左利き用が存在する。
包丁の表側だけを研ぎ裏側は返り(バリ)を取るために角度をつけず撫でるようにしか砥石に当ててはいけない。
そのためローラー式の研ぎ器を使用すると、包丁自体が一撃で駄目になる。
柄が木製で完全分離可能、市販の替えの柄に簡単に交換できるというのも現代ではなかなか珍しい点。
近年では高級ステンレスであれば鋼と同等以上の切れ味を実現できており、逆に鋼の方がお手頃で入手しやすい場合もある。
裏スキや刃付けは商品写真などでは判別しづらいが、口金まで刀身と一体成型になっている製品は和包丁の伝統を汲んでいないので見分けに役立つ。
せっかく日本人に生まれて自国伝統の和包丁を選ぶのなら、ぜひ見た目だけではない伝統の技術と製法を体感したい。
高級品は目ン玉飛び出るくらい蹴り飛ばしたくなるほどの値段だが、ちゃんとした素材・製法でも一般流通品は少し奮発する程度で十分良い物が手に入る。
刺身包丁
長い刃渡りと包丁の自重を利用し、刃元から切っ先まで滑らせて引き切る使い方をする。
- 柳刃包丁
かつては関西で主流だったが、今では日本全国これが主流。
- 蛸引包丁
弾力のあるタコも容易に切れるほどに切れ味鋭いことからこう呼ばれたが、刺身全般で使用する。
- 先丸蛸引包丁
見た目はまるで日本刀で、男心をくすぐりまくる。
見た目がかっこいいだけでなく特徴的な切っ先を使いこなすことで様々な細工もできる。
実は昭和後期~平成初期になって開発された超新顔。
- フグ引包丁
出刃包丁
主に魚の三枚下ろしに使われる。
尖った切っ先で繊細に身を骨からはずし、重みで背骨を叩き切り兜割りをする、力と技を兼ね備えた包丁。
菜切包丁
名前の通り野菜を切ることに使用される。
かつての日本では魚を切るときに出刃、野菜を切るときには菜切、と使い分けるスタイルだった。
和包丁では例外的に両刃付けであることが多い。
これは大根やカボチャのような大きく硬い野菜では、片刃特有の「刃筋が流れる」という癖が強く出てしまうため。
洋包丁
和包丁と真逆の、刀身が薄く両刃付けであることがほとんど。
三徳包丁
形状としては牛刀の刃渡りを短くしたような感じだが、菜切り包丁の血も引いているため、切っ先が緩くカーブしている程度で全体は水平に近い。
だが現代ではその差はどんどん曖昧になっている。
昭和の高度経済成長期に普及し、舶来物にやたら文化という名前を付けたがった当時の世相ゆえに文化包丁とも呼ばれる(*7)。
食材によって包丁を使い分けることが当たり前だった時代に、肉・魚・野菜など一般的な食材なら幅広くなんでも対応できることから一気に広まった。
ただし厚みと重さがないため、カボチャや骨などの硬いものには向いていない。
刃零れ程度ならまだいいが、最悪包丁が折れる危険もあるためそういったものには使用しないほうがいい。
現代の一般家庭ではこの三徳包丁一本とせいぜいペティナイフくらいしかないのが普通。
牛刀
刃全体が緩くカーブしており、それが肉を切るのに向いているのと、同時に牛肉食が伝来したことで日本でこの名が与えられた。
いかにもプロ御用達のようないかつい名前だが、西洋ではプロから一般家庭まで幅広く普及している万能包丁。
筋引き
名前の通り肉塊から余分な筋や脂肪を切り取ったり、肉を薄く切り分ける作業に特化した包丁。
柳刃包丁同様、刃元から切っ先まで刃全体を使って引き切りをするというほぼ同一の使用感のため、プロの現場でも刺身包丁の代用品として使用されることもある。
ペティナイフ
フランス語のpetitが語源の通り、小さく取り回しの良い刃物。
名前の通りりんごの皮をむいたり切ったりするのにちょうどいい。
だがスーパーで売っている肉や魚程度なら普通に扱える万能選手でもある。
一人暮らしの自炊にはぴったり。
ただ身幅も刃渡りも短いため、キャベツの千切りのようなことは超苦手。
フィレナイフ
非常に薄く柔らかく作られており、刃がぐにゃんぐにゃん曲がる。
この曲がる刃を魚の骨に沿わせて動かすことで、スピーディーに解体することができる。
用途は同じ魚をさばくことなのに、骨というガイドを利用し圧倒的スピードで解体する西欧と、骨を断ち切りつつ手間をかけて最大限の歩留まりを目指す日本との違いが面白い。
パン切り包丁
日本では勢いで買っても正直持て余す。
その他
中華包丁
中華料理界の万能包丁で、中華鍋と切株のような丸いまな板が相棒のあれ。
一口に中華包丁と言っても用途別に刃の薄さが異なっていたり、魚料理向けに刃が三角型だったり、吊り下げ用の穴が開いていたりと、バリエーションが豊富。
これ一本で千切り、肉・魚の処理、飾り切り、果てはにんにく潰しもできてしまう。
極めて万能だが難点は重量。
重さで骨ごと叩っ切るような使い方もできるため、使い道を誤れば冗談抜きで指が落ちる。
また まな板の負担も大きい上に場所を取るので、一般的な長方形のまな板だと使いづらい。そのため中華料理では分厚い円形のまな板を使う。
なお西洋にも、クレーバーナイフというよく似た形状の包丁がある。
麺切包丁
慣れた人なら、刃の高さと手の動きを利用して均等に麺を切ることも可能。
鮪包丁
見た目はほとんど反りのない小太刀。
鯨包丁
あまりに大きすぎて大剣や薙刀に見える。
ブッチャーナイフ
金門包丁
地図を調べれば分かる通り、金門島は台湾領といっても中国本土とは数kmしか離れておらず、国共内戦の最前線となった島には数十万発もの砲弾が撃ち込まれたのだが、島の住民たちは不発弾や砲弾の破片を使って包丁を作ってしまい、今では島の名産品となっているそうな。
ハチミツ包丁
オイスターナイフ
子供用包丁
切っ先を丸めたり、鍔がついていたり、のこぎり刃になっていたりと子供が怪我をしにくい工夫がされている。
【研ぎ】
包丁の切れ味は研ぎに左右されると言っても過言ではなく、高級包丁でも正しい研ぎを行わなければ安価な包丁にも劣る切れ味になる。
逆に100円包丁でも、研ぎを丹念に行えば高級包丁並みの切れ味を持たせることもできる…… が、あっという間になまくらに戻ってしまう。
砥石
天然石やセラミック製のブロックに刃をこすりつけ、鈍くなった刃先を鋭く削り直すことで切れ味を復活させる。
和包丁の研ぎ直しはこれ一択。
欠けが大きいとその部分まで刃全体を削らなくてはならないため、場合によっては刃物用グラインダーなども使用される。
工業用グラインダーで代用しようとしても焼き鈍しで包丁がダメになっちゃうよ!
- 粗砥石(#80~#600):大きな刃零れや形を直すとき。VG10はここから始めないと辛い。
- 中砥石(#800~#1500):定期メンテナンス、刃を整える。
- 仕上砥石(#2000~#6000):中砥石で整えた刃をさらに鋭くする。一般家庭ではここまでで十分。
- 超仕上砥石(#10000以上):プロの板前など究極の切れ味を追及する場合。
- 面直し砥石:削れて凹んだ砥石では正しく包丁を研げないので、砥石自体を平らに均すための砥石用砥石。
研ぎ棒
伝統的な研ぎ棒は平滑な本当にただの金属棒だが、表面がやすり状になった研ぎ棒もある。
どちらにしても刃を鋭くしているわけではなく、応急メンテナンス用品。
平滑な研ぎ棒は横に倒れた刃先を金属棒でこすることでまっすぐ立て直すことが目的。
やすり状の研ぎ棒は刃を立て直すのと同時に微細な凹凸をつけて刃が食材に食いつきやすくする。
一日中調理をしているプロなどは、時間とともに切れ味が鈍るためこれで一時的に切れ味を回復させている。
さらなる応急処置では包丁同士をこすり合わせる場合もある。
ローラー式研ぎ器
性質上、使えば使うほど刃先は鈍角になり根本的な切れ味は落ちていく。
なのでこれだけに頼らず、数か月に一度は研ぎ直すのが長持ちの秘訣。
両刃の包丁専用で、絶対に片刃包丁に使ってはいけない。
【武器としての包丁】
そもそも武器として作られていないので、剣や刀といった刃物武器には必須の鍔が装備されていないため。
突いたり振り回して何かにぶつかると、柄を握った手が容易に刃元まで滑り込み自分の手がざっくりと切れてしまう。
その反面、同じ文化圏の刀剣と包丁を比べた場合、切れ味自体は包丁の方が鋭い。
これは武器のように打撃による変形・刃零れを心配する必要がなく、素材・製法・研ぎ全てで耐久性より切れ味の方を優先・追及できるため。
- 貧乏なので専用武器が買えず仕方なく
- 料理人としてのキャラ付け
- 日用生活品を武器として使いこなす強キャラ
- 日用生活品を戦闘や殺人に使い回してしまうサイコパスキャラ