マカバイ記1

『マカバイ記』は、ヘレニズム時代のユダヤの歴史を描く歴史書の1つ。『マカバイ記』は教派によって扱いに違いがあり、ユダヤ教とプロテスタントでは外典として扱い、カトリック教会では1と2を正典(第二正典)に収め、正教会では1と2に加えて3と4までも正典に収めている。

マカバイ記1ではアレクサンドロス3世の東征に始まり、ハスモン朝の支配が確立されるまでの歴史をマカバイ戦争を中心に描いている。そしてそのなかで異邦人に汚されたエルサレム神殿がふたたび清められたことがハヌカ祭のおこりであると述べている。

アンティオコス4世エピファネスはプトレマイオス朝との戦いに勝利を収めた。この勝利により、アンティオコス4世はエジプト征服の寸前までいったが、中東の軍事バランスが崩れることを危惧したローマ軍の介入と、ユダヤでおきた反乱(マカバイ戦争)のため、断念せざるを得なかった。主要な指導者ユダ・マカバイにちなんでマカバイ戦争とよばれる。

マカバイ戦争

アンティオコスはユダヤに対して圧政を持って臨み、エルサレムを破壊し、多くの敵対者を処刑した。
これに対してユダヤ人たちはユダ・マカバイの一族であるハスモン家をリーダーとして立ち上がり、アンティオコスの派遣した軍を撃破するなど各地で奮闘した。

アンティオコスは怒りにかられて自らユダヤ侵攻軍を率いたが、道半ばにして急死した。紀元前163年のことであった。

旧約聖書正典では直接は触れられていないが、ダニエル書に預言として記述されている。

内容

  • ヘレニズムと小アジア(1:1-1:9)
  • マカバイ戦争の勃発(1:10-2:70)
  • ユダ・マカバイの指導(3:1-9:22)
  • その弟ヨナタンの指導(9:23-12:54)
  • 大祭司シモン(13:1-16:24)
最終更新:2020年09月27日 09:47