題名はこの書の主人公であるダニエルに由来する。彼は捕囚の民の一人としてバビロニアに連行されてくるが、その賢明さによってネブカドネツァル2世に重用されたとされる人物である。
2章4節~7章28節は、アラム語で書かれており、それ以外の箇所はヘブライ語で書かれている。
高等批評によれば、アラム語部分の成立は前3世紀よりもさかのぼることはなく、全体としての成立は、11章の記述を考えると紀元前164年頃と推定される。
1.ダニエルと新バビロニア(1章-6章)
- ダニエルと三人の若者(1章) [BC606年頃]
- ネブカドネツァル王の夢(2章) [BC604年]
- 燃え盛る炉に投げ込まれる三人(新共同訳3:1-3:30、口語訳・新改訳3章) [前562年以前]
- 大きな木の夢(新共同訳3:31-4:34、口語訳・新改訳4章) [前562年以前]
- 壁に字をかく指(5章) [BC539年]
- 獅子の洞窟に投げ込まれるダニエル(6章) [BC539年以降]
2.ダニエルの幻視(7章-12章)
ネブカドネツァル王とダニエルの幻視
これらはいずれも古代の四大帝国について預言したものである。
帝国 |
2章 |
7章 |
8章 |
第一帝国 |
金の頭 |
獅子 |
- |
第二帝国 |
銀の胸と両腕 |
熊 |
雄羊 |
第三帝国 |
青銅の腹と腿 |
豹 |
雄やぎ |
分裂した第三帝国 |
- |
- |
4つの角 |
第四帝国 |
鉄のすね |
恐ろしい獣 |
- |
終わりの時代 |
鉄と粘土の足 |
- |
- |
最終更新:2020年09月27日 08:52