12小預言書の7番目に位置する。全3章から構成される。著者はナホムという名の人物とされる。
預言の主題はニネベの陥落とアッシリアへの裁きである。
著者
著者は不明だが、ナホムに下された預言である。
成立時期は、ナホム書3章8~10節に、エジプトのテーベの滅亡が記されているので、紀元前663年より後であり、また同書2章にニネベの陥落が預言されているので、ニネベが陥落した紀元前612年より前である。
内容
『ナホム書』は3章から成っており、前半部分はアッシリアからユダを解放した神への詩である。後半からはチグリス川沿いに位置するニネベの滅びを告げる預言である。ナホムの厳しい預言は『
ヨナ書』と比較されることも多い。
1章12~2章1と3の断片的預言はそれより10年以上もさかのぼるものとされている。この部分を別にして、1章の「いろは歌」と2章は、罰すべきは罰する恵みの神の賛歌と、新バビロニア帝国によるニネベ陥落の預言である。アッシリアを獅子、ニネベをその獅子の穴に例えた預言詩は、簡潔ではあるが文学的にも優れたものである。遊女ニネベへの嘲笑歌と結びで終わる。
最終更新:2017年03月31日 17:26