アブラハムとイサクの詐欺

ほぼ同じ内容の詐欺に関する逸話が創世記には3つある。

創世記12:10-13 創世記20:1-3 創世記26:6-7
行為主 アブラム(アブラハム) アブラハム イサク
ファラオ アビメレク アビメレク
場所 エジプト ゲラル ゲラル
詐欺の内容 さて、その地にききんがあったのでアブラムはエジプトに寄留しようと、そこに下った。ききんがその地に激しかったからである。エジプトにはいろうとして、そこに近づいたとき、彼は妻サライに言った、
「わたしはあなたが美しい女であるのを知っています。それでエジプトびとがあなたを見る時、これは彼の妻であると言ってわたしを殺し、あなたを生かしておくでしょう。どうかあなたは、わたしの妹だと言ってください。そうすればわたしはあなたのおかげで無事であり、わたしの命はあなたによって助かるでしょう」。
アブラハムはそこからネゲブの地に移って、カデシとシュルの間に住んだ。彼がゲラルにとどまっていた時、アブラハムは妻サラのことを、「これはわたしの妹です」と言ったので、ゲラルの王アビメレクは、人をつかわしてサラを召し入れた。 こうしてイサクはゲラルに住んだ。その所の人々が彼の妻のことを尋ねたとき、「彼女はわたしの妹です」と彼は言った。リベカは美しかったので、その所の人々がリベカのゆえに自分を殺すかもしれないと思って、「わたしの妻です」と言うのを恐れたからである。
創世記12:17-20 創世記20:14,19 創世記26:10-11
発覚後 ところでヤハウェはアブラムの妻サライのゆえに、激しい疫病をファラオとその家に下された。ファラオはアブラムを召し寄せて言った、
「あなたはわたしになんという事をしたのですか。なぜ彼女が妻であるのをわたしに告げなかったのですか。 あなたはなぜ、彼女はわたしの妹ですと言ったのですか。わたしは彼女を妻にしようとしていました。さあ、あなたの妻はここにいます。連れて行ってください」。
ファラオは彼の事について人々に命じ、彼とその妻およびそのすべての持ち物を送り去らせた。
そしてアビメレクはアブラハムを召して言った、
「あなたはわれわれに何をするのですか。あなたに対してわたしがどんな罪を犯したために、あなたはわたしとわたしの国とに、大きな罪を負わせるのですか。あなたはしてはならぬことをわたしにしたのです」
(略)そこでアビメレクは羊、牛および男女の奴隷を取ってアブラハムに与え、その妻サラを彼に返した。
アビメレクは言った、
「あなたはどうしてこんな事をわれわれにされたのですか。民のひとりが軽々しくあなたの妻と寝るような事があれば、その時あなたはわれわれに罪を負わせるでしょう」。
それでアビメレクはすべての民に命じて言った、「この人、またはその妻にさわる者は必ず死ななければならない」
最終更新:2017年02月22日 17:37