主の戦いの書
正体不明の
歴史書である。おそらく、
モーセ五書の編纂時に使われたものと考えられている。
21:14-15だけでなく、おそらくは21:17-18と21:27-30に関しても「主の戦いの書」か類似の文書からの引用と考えられる。
スファのワヘブとアルノン川の支流。
それらの支流はアルの定住地に流れ下り、モアブの国境に及ぶ。
民数記21:17-18
井戸よ、湧き上がれ
井戸に向かって歌え。
笏と杖とをもって
司たちが井戸を掘り
民の高貴な人がそれを深く掘った。
民数記21:27-30
来れ、ヘシュボンは築かれ
シホンの都は固く建てられる。
ヘシュボンから火が出
シホンの都から炎が噴き出て
モアブのアルを焼き
アルノンのバモトの君たちを滅ぼした。
モアブよ、お前は災いだ。
ケモシュの民よ、お前は滅びた。
息子たちは難民となり
娘たちはアモリ人の王シホンの捕虜となった。
我々は彼らを撃ち滅ぼした
ヘシュボンからディボンまで。我々は荒廃させた
ノファから、メデバまで。
なお、
死海文書に「
戦いの巻物」という名前の似た書物があるが、全く関係がない。
民数記の「主の戦いの書」を直訳すれば「主の諸々の戦いの書(Book of THE WARS of the Lord)」、一方で、死海文書の「戦いの巻物」の方は冒頭の一文「かの戦いの規則(Rule of WAR, WAR Rule)」からとった名前であり、「闇の子に対する光の子の戦い(WAR of the Sons of Light Against the Sons of Darkness)」とも呼ばれる。このように、複数と単数(WARS or WAR)、定冠詞の有無からして異なる。
最終更新:2017年02月26日 18:28