ゲニザ断片

カイロのゲニザ断片は、エジプトのカイロにある古いユダヤ教の会堂(882年建造)の倉であったところから 19世紀の終わりに発見された使用済みの写本やその断片をいう。 ゲニザとは使用できなくなったり、使用されない写本や写本断片を保存しておくための倉のことである。 そこから聖書や聖書外文書の写本やその断片が発見された。 聖書ではヘブライ語のシラ書の写本が始めて入手された。それまではただギリシア語でのみ伝えられてきていた。 ここで発見されたヘブライ語のシラ書本文は、そのギリシア語訳本文の全文ではないが、およそその3分の1である。 聖書外文書としてはクムランの洞窟からも発見された『ダマスコ文書』がある。 カイロのゲニザ断片中の聖書本文は西暦6-8世紀のもので、マソラ本文の子音文字とは異読がなく、 マソラ本文が忠実に筆写されたことを示唆していた。 母音記号は子音文字の上に付けられるもので、バビロンとパレスティナの両方のものが発見された。

最終更新:2017年03月31日 15:14